チューリッヒ生命 終身医療保険プレミアムDX/ 終身医療保険の保険料・保障内容・特約を評価 レビュー

チューリッヒ生命 終身医療保険プレミアムDX
オススメ度:
3
保険会社:
チューリッヒ生命
名称:
終身医療保険プレミアムDX
保障内容:
入院(日帰りから)・手術・通院・ストレス
先進医療:
2,000万円まで
オリコン:
ランク外
特徴:
短期化する入院に合わせ保障が選べて保険料を抑えられる

チューリッヒ 終身医療保険プレミアムDXはストレス疾病に備えるには上々!

終身医療保険プレミアムDXはチューリッヒ生命が販売する医療保険で、同社の終身医療保険プレミアムをバージョンアップした保険だ。基本保障(主契約)をシンプルにして、以前からあった特約に加えて新しい特約も付加できるようになっている。以下、概要を記載して他社の医療保険と比較する。

まず基本保障は、入院給付金・手術給付金・放射線治療給付金の3つで構成される。入院日額は5000円、手術給付金と放射線給付金は5万円から設定できる。特筆すべきは入院給付金の限度日数で、他社が60日・120日が多い中で、この保険は最長365日型が選択できる。これは主に精神疾患向けの特約のため、ストレス性疾病特約を付加する必要がある。それではこの特約は如何なるものなのか。

チューリッヒ生命 終身医療保険プレミアデラックスの仕組みと主な保障内容・保険料

正式名称「ストレス性疾病延長入院特約」は、チューリッヒが定めるストレス性疾病で入院すると給付日数が延長される。ストレス性疾病には統合失調症・気分障害(うつ病・躁うつ病)・摂食障害・胃潰瘍・更年期障害等々が含まれる。ストレス性疾病は他の疾病より入院期間が長期化する傾向にあるため非常に有益なのだが、厄介なのは7大疾病延長特約とセットな点だ。7大疾病で平均60日を超えるのは脳血管疾患(脳卒中等)ぐらいで、その他では意味を成さない可能性がある。

この他に就業不能年金特約にも注目すべきだろう。こちらは5疾病とストレス性疾病で60日以上の入院ないしは就業不能状態(自宅静養)が継続すると、毎月一定額の給付金が受け取れる。ストレス性疾病に対しては、入院日数が長いため価値がある。その一方で、こちらも5疾病に対しての意味は微妙だ。例えば、がん患者で内視鏡手術であれば約1週間で職場復帰が可能で、職場の理解を得て短時間勤務で良ければ平均80日で復帰可能とされている。そうなると受け取れても1ヶ月分ぐらいだろう。フルタイムでの復帰となると平均200日で復帰となるが、その間を医師による自宅静養とみなされるかが微妙だ。そもそも「ガンだから手術後は有給消化と数ヶ月だけ時短勤務させてほしい」という社員の要望を蹴る職場なのだとしたら、保険選びより転職先選びをした方が賢明だ。そのため、あくまでストレス性疾病向けと考えた方がいい。

次に、下図では終身医療保険を加入できる年齢・入院日額と限度日数・通院日額と限度日数・入院と外来時の手術給付金・通算給付日数・先進医療給付金で比較した。顧客満足度ではオリコンの満足度ランキングで比較した(価格.comや各保険サイトのランキングは契約数だけが基準のため参考外)さらに苦情率(苦情数÷契約数 ※生命保険協会公表)を算出し、契約した場合に自分が苦情を言う可能性も考慮した。保険料は男性で入院日額5,000円(終身払い)で先進医療特約・通院特約を付加した30~60歳の月額保険料で比較した。

名称 住友生命
Vitality
三井住友
あいおい
Aプレミア
オリックス
新CURE
チューリッヒ
DX
明治安田
50歳から
FWD富士
ベストG
メットライフ
フレキシィS
アクサ
ダイレクト
ネオ
ファースト
ネオde医療
年齢 ~80歳 ~80歳 ~75歳 ~75歳 ~90歳 ~80歳 ~80歳 ~69歳 ~85歳
入院日額
限度
\3,000~
180日~
\5,000~
30日~
\5,000~
60日
\5,000~
30日~
10万
6回
10~30万
50回
\5,000~
60日
\5,000~
60日
\5,000~
60日~
通院日額
限度
- \5,000
30日
\5,000
無制限※
\5,000
30日
- - \3,000
30日
- \5,000
無制限※
手術給付
入院
2.5~100万 2.5~10万 10万 5~10万 5万 10~30万 2.5~10万 5~20万 5~40万
手術給付
外来
2.5万~5万 2.5万 2.5万~10万 5万 - 2.5万 2.5万 2.5万 2.5万
通算日数 1,000日 1,095日 1,000日 1,095日 - - 1,095日 1,095日 1,095日
先進医療 2,050万 2,000万 2,000万 2,000万 2,000万 2,000万 2,000万 2,000万 2,000万
オリコン 11位 ランク外 3位 ランク外 2位 ランク外 1位 ランク外 ランク外
苦情率 0.51% 0.14% 0.31% 0.58% 0.33% 0.58% 0.64% 0.22% 0.63%
保険料
30歳
\7,344
(\3,000?)
\2,658 \2,517 \1,682
(\2,167)
- \1,513 \2,298 \1,340
(\1,740)
\1,561
保険料
40歳
\9,916
(\4,000?)
\3,468 \3,667 \2,217
(\2,912)
- \1,922 \3,110 \1,850
(\2,600)
\2,150
保険料
50歳
\14,189
(\5,500?)
\4,763 \5,607 \3,152
(\4,207)
\7,373 \2,572 \4,601 \2,735
(\4,035)
\3,072
保険料
60歳
-
(\7,500?)
\6,708 \8,502 \4,692
(\6,317)
\9,045 \3,564 \6,869 \4,275
(\6,325)
\4,364
終身医療保険の比較表(住友生命ドクターGO Vitality・三井住友あいおい生命 エースプレミア・オリックス 新CURE・地ーりっひ生命プレミアムデラックス・明治安田生命 50歳からの終身医療保険・FWD富士生命 医療保険ベストゴールド・メットライフ生命フレキシィS・アクサダイレクト生命 医療保険・ネオファースト生命 ネオdeいりょう)

上図で左から4番目のチューリッヒ「終身医療保険プレミアムDX」だが、加入年齢は基本的に75歳までと他社と近いが、就業不能年金特約は65歳までになっている。入院給付金・通院給付金・手術給付金は他社と比較して目立った点はないが、地味に外来での手術でも5万円の給付金となるのが大きい。他社では入院日額5000円であれば2.5万円に減額されるため、目立たないが良いポイントだ。

オリコンの顧客満足度ランキングでは、かつては上位にいたがランク外に沈んでいる。苦情率も数年前より僅かに上昇していることを考えると、顧客対応には一抹の不安が残る。保険料は主契約と通院特約だけであれば、同条件の他社と比較して安い部類に入る。しかし、ストレス性疾病延長入院特約で500~1,500円ほど上昇し、就業不能特約を付加すると金額と期間によるが倍以上の保険料になる。例えば、30歳で月額20万円を2年にすると、保険料は約4,300円になる。それでも保障を入院・手術などの保障を分厚くした他社の保険より安いことを考えれば、決して高くはないのかもしれない。

結論としては、ストレス疾病が不安なら上々の保険だろう。延長入院特約と就業不能特約を付けておけば、かなりの保障で心強い。後者は就業不能保険でもカバーできなくはないが、それよりは保険料が安いのも悪くない。ただ、アクサダイレクトであればストレス疾病への保障がチューリッヒよりは薄くはなるが、保険料がチューリッヒよりも抑えられる。ストレス疾病にどの程度の心配があるかで判断したいところだ。また、ストレス疾病への懸念が小さいなら、この保険である必要は必ずしもない。他社の高くても保障が厚い保険、もしくは認知症までカバーできる三井住友あいおいのAプレミアも検討するといいだろう。