健康のお守りを比較・評価

SOMPOひまわり生命 健康のお守り
オススメ度:
2
保険会社:
SOMPOひまわり生命
名称:
健康のお守り
加入年齢:
0~80歳
保障期間:
終身
保障内容:
入院・手術等で給付金
特徴:
健康をサポートする医療保険

健康のお守りはSOMPOひまわり生命が2020年6月から募集・販売している保険です。健康のお守りという保険の名称は、前身の損保ジャパン日本興亜ひまわり生命の頃から使用しています。実質は保障内容をバージョンアップして販売している保険ともいえます。

また、同じグループの損保ジャパンには入院パスポートという医療保険もありますが、そちらとは保障内容が異なります。それでは以下で保障内容・保険料・評判等を解説し、他社の医療保険と比較していきます。

保障内容

この保険は入院給付金と手術給付金が主契約となり、入院すると日数に応じて入院給付金、手術・放射線治療をすると1回ごとに手術給付金が受け取れます。手術給付金不担保特則を付けると、手術給付金を無しにできます。また、SOMPOひまわり生命のおすすめプランでは、主契約に健康回復支援給付金と先進医療給付金が付いています。

健康回復支援給付金は高血圧症・脂質異常症・高血統症の治療のために投薬治療をすると受け取れます。通院ではなく入院した場合には投薬治療を受けたものとして、健康回復支援給付金が受け取れます。先進医療給付金は先進医療をした時に2000万円まで保障されます。

その他に入院・通院・がん・三大疾病と七大疾病・介護・女性向けの特約がオプションとして用意されています。入院については、入院すると主契約の入院給付金とは別に入院一時金が受け取れる入院一時給付金特約があります。通院については、入院して退院後の通院すると日数に応じて通院給付金が受け取れる医療用通院特約があります。

健康のお守りの保障内容(出典:SOMPOひまわり生命 健康をサポートする医療保険「健康のお守り」商品パンフレット2024年10月改定版)

がんについての特約は、がん診断特約・がん外来治療特約・がん入院特約・抗がん剤治療特約の4つがあります。がん診断特約はがん(上皮内新生物を含む)と診断されると一時金が受け取れ、再発しても1年経過後であれば再び一時金が受け取れます。がん外来治療特約は外来で治療すると日数に応じて給付金が受け取れ、がん入院特約はがんで入院すれば入院給付金が上乗せされます。抗がん剤治療特約は抗がん剤治療を受けた月ごとに給付金が受け取れます。

三大疾病と七大疾病については、給付金が受け取れる入院日数を延ばす特約、一時金が受け取れる特約、保険料の支払いを免除する特約、年金が受け取れる特約があります。入院日数を延ばす特約は、通常は入院給付金が受け取れる日数が60日であるところを、三大疾病なら日数無制限、七大疾病なら120日まで延長できます。同じように三大疾病か七大疾病になると一時金が受け取れる特約、三大疾病か七大疾病になると保険料が免除される特約があります

特徴的なのは七大疾病・就労不能状態・要介護状態になると、それ以後は年金が毎月受け取れる総合生活障害保障特約です。例えば、がん(悪性新生物)と診断確定されると、毎月5万円の給付金が60歳まで受け取れます。給付金の額や何歳まで受け取るかは自分で設定できます。その他に介護状態になると一時金か所定の年齢まで年金が受け取れる介護一時金特約・介護年金特約、女性特有の疾病で入院すると給付金が上乗せされる女性疾病特約もあります。

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保険料を他社と比較

この保険の保険料は性別・年齢・各給付金額・特約の有無で変動します。年齢は若いほど保険料が安くなり、各給付金額を上げるほど保険料は高くなり、付加する特約が多くなるほど保険料が高くなります。その逆に、主契約だけにして手術給付金不担保特則で手術給付金を無くせば、保険料は最低限の額まで縮小できます。

次に保険料は他社より安いのか高いのか、下図で他社の医療保険と一覧表で比較しました。基本的に入院給付金は1万円(診断一時金なら10万円)で、保険料は一部の保険を除いて終身払いで比較しました。

終身医療保険の20歳と30歳と40歳の保険料の比較一覧表(アクサ生命・JA共済・メットライフ・ソニー損保・大同生命・チューリッヒ・ネオファースト・第一生命・楽天生命・フコクしんらい生命・SBI生命・メディケア・損保ジャパン・イオンアリアンツ・アフラック・アクサのネット完結・オリックス生命・なないろ生命・FWD生命・マニュライフ生命・はなさく生命・明治安田生命・au・ライフネット生命・日本生命・富国生命・東京海上日動あんしん生命・太陽生命・全労済(こくみん共済Cop)・SOMPOひまわり生命・コープ共済・三井住友海上あいおい生命・大樹生命・住友生命・ニッセイウェルス生命)※各社の公式HPを元に当社が独自に作成

この保険の保険料は他社と比較して、平均か少し高い部類に入ります。平均に近いとはいえ最安値の保険と比べれば2倍近い金額のため安いとはいえません。保険料面で優位性が無いため、この保険としては他の点でメリットが欲しいところです。続いてメリットについて記述していきます。

メリット

この保険のメリットは、多様な特約を付けられる点が挙げられます。その中でも健康回復支援給付特約・七大疾病保険料免除特約・総合生活障害保障特約・介護特約は他社では付加できないことがあります。まず健康回復支援給付特約は1回限りですが、高血圧症・脂質異常症・高血糖症で治療すると5万円が受け取れます。これらの症状が深刻になり糖尿病や心筋梗塞にまで至らないための保障です。

保険料免除特約は七大疾病(がん(上皮内新生物含む)・心疾患・脳血管疾患・慢性腎不全・肝硬変・糖尿病・高血圧性疾患)に加えて、就業不能状態・障害等級1~2級になっても以後の保険料が免除されます。他社では三大疾病のみ、六大疾病のみにする保険が多い中で保障範囲が広めなのが特長です。

さらに総合生活障害保障特約も付けると、七大疾病・就業不能状態等になると年金が毎月受け取れます。この年金は有期のため60歳まで(歳満了)か30年間(年満了)にする必要がありますが、少なくとも病気になった後に公的年金が受け取れるまでの生活費をカバーできます。

総合生活障害保障特約の保障内容(出典:SOMPOひまわり生命 健康をサポートする医療保険「健康のお守り」商品パンフレット2024年10月改定版)

特に七大疾病の中でもがんは上皮内新生物は対象外ですが、悪性新生物と診断確定された段階で年金が受け取れます。手術を受けるか否か、どの程度の手術なのか、がんのステージは無関係なのがポイントです。さらに60歳手前の59歳でがんになっても、保証期間の2年間は年金が受け取れます。他社では東京海上あんしん生命に似た特約がありますが、年金が受け取れるのは2年か5年間だけです。この保険の60歳まで受け取れる年金とは安心感が違います。

要介護状態を保障する介護一時金特約・介護年金特約も見逃せません。介護一時金特約は要介護1で一時金が受け取れ、介護年金特約は要介護3で死亡するまで年金が受け取れます。医療保険で介護保障が付けられることは多くはないためメリットといえるでしょう。

デメリット・弱点・落とし穴

この保険のデメリットには、まずは対面プラン・通信販売プランの2つがある点です。それ自体は問題ありませんが、通信販売プランは選べる保障が限定されています。豊富な特約を活かすには対面での契約が必要となり、手間もさることながら、他の保険の勧誘を受けて余計な出費が増える可能性もあります。

また、いくつかの保障は僅かに他社と比べて劣るのも見逃せません。特に先進医療特約は患者申出療養や自由診療が保障の対象外です。これらの治療は全額自己負担となる治療費があり、適応外薬で月10~100万円の治療費となるケースが多く、未承認薬なら月100万円以上の治療費となるケースが多いです。この保険の保障では治療費が不足する可能性が高いです。

治療方法別の医療費負担と新薬と費用(出典:ネオdeがんちりょう商品パンフレット2022年9月版及び厚労省「わが国の医療保険について」及び国立がん研究センター「未承認・適応外の医薬品について」)

保険料免除もネオファースト生命なら七大疾病ではなく八大疾病まで保障されます。また、三大疾病に限定して保険料を免除する特約(特定疾病診断保険料免除特約)がありますが、この特約にするとがんは悪性新生物に限定され、脳血管疾患は脳卒中、心疾患は急性心筋梗塞に限定される点に注意が必要です。

メリットで既述した総合生活障害保障特約は、七大疾病になると年金が受け取れるという強力な保障ですが、その分だけ保険料が高いのもデメリットです。30歳男性(特約保険期間5年・年金額は月5万円)にすると、保険料は月3000円は上昇します。年金が月5万円では不安なら一段と保険料は高くなります。

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評判・苦情

SOMPOひまわり生命の2023年の決算資料によると、個人向け保険の新契約数は45.5万件で前年度の49.6万件から約8%の減少と低調でした。この保険が含まれる入院保障の保険の保有契約高も前年度から微減しているため、申込数・契約数等からすると評判は少し悪いです。

契約数でいうと保険市場の医療保険の申込数ランキング2024でも、健康のお守りは25の保険の中で12位と中途半端な順位です。価格.comの医療保険の資料請求ランキングでは、27の保険の中で25位と最下位近辺です。この保険は保険料を抑えたい人からの人気はありません。

また、生命保険協会の苦情数のデータでは、SOMPOひまわり生命全体に寄せられた苦情数は4539件(2023年度上半期実績)でした。総顧客数の351万件で割った苦情率は0.1%で、契約者1000人のうち1件の苦情が発生している計算です。他社の苦情率は0.1~0.3%台が多いため、苦情面で考えると評判は普通です。

さらに調査会社のJ.D.パワーの「2024年 生命保険契約満足度調査(保険代理店部門)」では、SOMPOひまわり生命は17社中3位とトップ3に入っていました。この調査は手続き・顧客対応・商品提供・保険料が評価項目ですが、その中で顧客対応ファクターでは最高評価を得ています。この保険の既述したメリットを活かすには対面での契約となるため、代理店での顧客満足度が高いのは安心材料です。

JDパワー 2024年生命保険契約満足度調査 保険代理店チャネル(出典:JDパワー公式HP)

その一方で、「オリコン顧客満足度 医療保険ランキング2024」ではSOMPOひまわり生命は24社中15位と下位でした。この調査の評価項目は加入手続き・商品内容・保険料・アフターフォロー・受取額と支払スピードですが、保険料で9位に入った以外は軒並み10位以下の評価でした。

個別の口コミではポジティブな意見がある一方で、「ネットでの保険金請求が分かりにくい」「書類が多い」「3回の入院のはずが2回にされた」「オペレーターに電話が繋がりにくい」等の意見がありました。どちらかというと手続き・問い合わせに対する不満が多めに見受けられます。

さらに、同じオリコンの30人の専門家(ファイナンシャルプランナー)が調査対象の「FPが選んだオリコン終身型医療保険 ランキング2024」では、健康のお守りは11つある保険の中で9位でした。12位以下の保険も相当にありますが、あまり評価は高いといえません。

終身型医療保険 総合ランキング(出典:オリコン公式HP「FPが選んだオリコン終身型医療保険 ランキング2024」)

以上のデータから考えるとSOMPOひまわり生命の評判は普通そうですが、健康のお守りの評判は少し悪そうです。SOMPOひまわり生命の評判については苦情面・JDパワーの調査からすると良さそうですが、オリコンでの満足度が10位以内にも入っていません。少なからず不満がある人も多い点を差し引いて評判は普通と考えるのが妥当でしょう。保険自体の評判については契約数・資料請求の数が多くはなく、専門家からの評価も高くはないため評判が良いとはいえません。

総合評価・おすすめか?

結論としては、健康のお守りは微妙な保険です。メリットもあるにはありますが、他社と比べると物足りない印象です。メリットである総合生活障害保障特約も特約分の保険料が高めで、そこまでして果たして付ける特約なのか考え物です。

他社の保険であれば、総合的に保障が充実した保険が欲しい人なら、アフラック・チューリッヒあたりの医療保険を検討すべきでしょう。保険料を重視するなら、メットライフ生命・ネオファースト生命あたりの医療保険も候補になります。