au医療ほけんを比較・評価

au医療保険
オススメ度:
1
保険会社:
KDDI(ライフネット生命)
名称:
au医療保険
加入年齢:
18~80歳
保障期間:
終身
保障内容:
入院・手術等で給付金
特徴:
Pontaポイントがたまる保険

au医療ほけんはKDDIが代理店となって募集・販売している保険です。引受保険会社はライフネット生命のため、実質はライフネット生命の保険です。ただ、KDDIが代理店のため保険料を支払うとPontaポイントが貯まるといった特典があります。

それでは以下で保障内容・保険料・評判等を解説し、他社の医療保険と比較していきます。

保障内容

この保険はエコノミーコース・おすすめコースの2つがあり、エコノミーコースは入院給付金・手術給付金のみが付いています。入院給付金は入院日数に応じて受け取れ、1日あたりの金額は5000~15000円の範囲で自分で設定できます。手術給付金は手術を1回すると受け取れ、入院を伴う手術だと入院給付金の10倍の額(5~15万円)が受け取れます。入院を伴わない外来での手術でも入院給付金の5倍(2.5~7.5万円)の額が受け取れます。

au医療保険の保障内容(出典:auの生命ほけん公式HP「au医療保険の特長・保障内容」)

おすすめコースだと、がん治療給付金・三大疾病入院無制限化・先進医療給付金・先進医療見舞給付金が付きます。がん治療給付金はがんと診断されると入院給付金の100倍の額(50~150万円)が受け取れます。初めてがんと診断された場合だけではなく再発した場合にも受け取れます。三大疾病入院無制限化は通常は入院給付金が受け取れるのは最長60日のところ、三大疾病での入院は給付金が受け取れる日数が無制限になります。

先進医療特約は先進医療をすると技術料が2000万円まで給付金として受け取れます。それとは別に先進医療を受けると10万円の先進医療見舞給付金が受け取れます。見舞給付金は先進医療をうけるために遠方の病院に行った場合の交通費等に充てられます。

▲ページの一番上に戻る

保険料を他社と比較

この保険の保険料は性別・年齢・入院給付金額・コース選択で変動します。基本的に年齢が高くなるほど保険料は高くなり、入院給付金を5000円より高くするほど保険料も高くなります。コースはエコノミーコースよりおすすめコースの方が高くなります。年齢によりますが、コースにより月額2000~4000円の差があります。

次に保険料は他社より安いのか高いのか、下図で他社の医療保険と一覧表で比較しました。基本的に入院給付金は1万円(診断一時金なら10万円)で、保険料は一部の保険を除いて終身払いで比較しました。

終身医療保険の20歳と30歳と40歳の保険料の比較一覧表(アクサ生命・JA共済・メットライフ・ソニー損保・大同生命・チューリッヒ・ネオファースト・第一生命・楽天生命・フコクしんらい生命・SBI生命・メディケア・損保ジャパン・イオンアリアンツ・アフラック・アクサのネット完結・オリックス生命・なないろ生命・FWD生命・マニュライフ生命・はなさく生命・明治安田生命・au・ライフネット生命・日本生命・富国生命・東京海上日動あんしん生命・太陽生命・全労済(こくみん共済Cop)・SOMPOひまわり生命・コープ共済・三井住友海上あいおい生命・大樹生命・住友生命・ニッセイウェルス生命)※各社の公式HPを元に当社が独自に作成

この保険の保険料は他社と比較して平均か少し高い部類に入ります。平均に近いとはいえ、メットライフ・チューリッヒ・ネオファーストあたりと比べると倍近い額です。エコノミープランで保険料に差があるため、おすすめプランだと余計に差が出てくるでしょう。保険料以外にメリットは無いのか、続いてメリットについて記述していきます。

メリット

この保険のメリットは、まずはコースを選択するだけで加入するのに余計な手間が省ける点が挙げられます。他社の保険では10以上の特約があることが多く、加入する前に1つ1つを吟味する必要があります。この保険は入院給付金額を決めてコース選択するだけのため時間を節約できます。

さらにau IDの登録で毎月支払う保険料に1%分のPontaポイントが付きます。au IDはauの通信契約が無い人(ドコモ・ソフトバンクユーザーなど)でも取得できます。月額の保険料に対して最高で250ポイントが貯まるため、保険料が月額25000円にならない限りポイントを受け取り損ねることはありません。

au医療保険のポンタポイント(出典:auの生命ほけん公式HP「au医療保険の特長・保障内容」)

また、申込はスマホで24時間可能なのも見逃せません。クレジットカードで保険料を支払う設定にすれば、必要書類の画像をアップロードするだけで手続きが完了します。面倒な営業職員との対面や書類の郵送等は不要です。他社のように毎月○○日は申込停止といったこともありません。

デメリット・弱点・落とし穴

この保険のデメリットには、まずは保険料が高い点が挙げられます。前述の保険料の比較でも明らかですが、この保険でエコノミープランで入院・手術の保障だけにしても、保険料は最安値圏の保険の倍近い額です。これはベースとなる保険料が高いことを意味します。

さらに保障面が物足りないのもデメリットです。まず、先進医療特約には患者申出療養・自由診療が保障外となっています。多くの他社の保険は先進医療と患者申出療養は2000万円まで保障し、いくつかの保険は自由診療も保障しています。患者申出療養・自由診療となる治療は自己負担が1ヶ月あたり100万円を超えるケースもあります。

治療方法別の医療費負担と新薬と費用(出典:ネオdeがんちりょう商品パンフレット2022年9月版及び厚労省「わが国の医療保険について」及び国立がん研究センター「未承認・適応外の医薬品について」)

三大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)に関する保障も物足りません。あるのはがん診断確定時の治療給付金と入院給付金の日数無制限化だけです。それも他社の多くが上皮内新生物を含む中で、がん治療給付金は上皮内新生物が対象外です。入院日数が無制限化も他社には三大疾病だけではなく七大疾病・八大疾病まで広げている保険があります。がんについては、抗がん剤治療を受けた月ごとに給付金が受け取れたりする特約はありません。

さらに保険料払込免除特約が存在せず、三大疾病になっても保険料が免除されません。この保険でがんになって一時金を受け取っても、その後の再発に備えるには保険料を支払い続ける必要があります。また、がん以外の三大疾病で一時金が受け取れたり、治療した月毎に給付金が受け取れる特約もありません。

▲ページの一番上に戻る

評判・苦情

auの金融セグメントの数字は伸びていますが、その中にはクレジットカード・ローン・証券等が含まれ保険単体の数字は見えません。そのためau医療ほけんの引受保険会社であるライフネットの契約数から評判を見てみます。同社の2023年の決算資料によると、個人向け保険の新契約数は7.2万件で前年度の9.8万件から約27%減と不調でした。終身医療保険単体の新契約数も2.9万件から1.9万件に減少しているため、申込数・契約数等からすると評判は悪いです。

しかし、契約数でいうと保険市場の医療保険の申込数ランキング2024では、ライフネットの医療保険(じぶんへの保険3)は25の保険の中で1位です。au医療保険とじぶんへの保険3は保障内容は同じです。さらに価格.comの医療保険の資料請求ランキングでも、27の保険の中で5位と悪くない順位です。この保険は一括見積もりをする保険料を抑えたい人からは一定の人気がありそうです。

ただし、生命保険協会の苦情数のデータでは、ライフネット生命全体に寄せられた苦情数は2429件(2023年度上半期実績)でした。総顧客数の38万件で割った苦情率は0.6%で、契約者1000人のうち6件の苦情が発生している計算です。他社の苦情率は0.1~0.3%台が多いため、苦情面で考えると評判は悪いです。

それに対して、調査会社のJ.D.パワーの「2024年 生命保険契約満足度調査(ダイレクト部門)」では、ライフネット生命は8社中1位とトップでした。これで4年連続でダイレクト部門で総合1位です。この調査は手続き・顧客対応・商品提供・保険料が評価項目ですが、手続き・保険料で最高評価を得ており満足度は高いです。

JDパワー 2024年生命保険契約満足度調査 ダイレクト部門(出典:JDパワー公式HP)

「オリコン顧客満足度 医療保険ランキング2024」でもライフネット生命は24社中2位でした。この調査の評価項目は加入手続き・商品内容・保険料・アフターフォロー・受取額と支払スピードですが、加入手続きは1位で保険料でも2位でした。その一方で商品内容・アフターフォローは4位と順位を下げ、受取額と支払スピードは10位で非常に不安のある結果でした。

個別の口コミではポジティブな意見がある一方で、「電話がつながりにくい」「給付金が出ないはず手術で何故か給付金が出た」「給付金が受け取れるのが遅い」「保険料が思ったより高い」等の意見がありました。オリコンで2位ではあるものの少なからず不満はあるようです。

以上のデータから考えると、ライフネット生命の評判は良さそうで、医療保険の評判も悪くはなさそうです。au医療保険の引受保険会社がライフネットのため、実際に保険金を支払うのはライフネットです。その意味では心配はいらなそうです。保険自体の評判については、契約数は伸び悩んでいるものの資料請求は多めです。広告宣伝によるイメージ先行や契約に至らないケースが多いことも考えられますが、それだけでは評判が悪いとはいえません。

総合評価・おすすめか?

結論としては、au医療保険はイマイチな保険です。保障は明らかに不足感があり、保障を重視する人には向いていません。保険料を重視する人も、他社の保険で見積もりを取れば他に安い保険はあります。保険の保障を考えるのが面倒な人(もしくは手間が惜しい・時間が無い人)は検討しても良いかもしれません。

それ以外で総合的に保障が充実した保険が欲しいなら、アフラック・チューリッヒあたりの医療保険を検討すべきでしょう。この保険以外で保険料を重視するなら、ネオファースト生命あたりの医療保険も候補になります。