三井住友海上あいおい生命 &LIFE新医療保険Aプレミア/ 終身医療保険の保険料・保障内容・特約を評価 レビュー
- オススメ度:
- 保険会社:
- 三井住友海上あいおい生命
- 名称:
- &LIFE 新医療保険A(エース)プレミア
- 保障内容:
- 入院(日帰りから)・手術・通院
- 先進医療:
- 2,000万円まで
- オリコン:
- ランク外
- 特徴:
- 入院・手術だけでなく生活習慣病・ガン・女性疾病・介護等も手厚くサポート
三井住友あいおい生命 新医療保険Aプレミアは介護と認知症保障がカギ!
三井住友海上あいおい生命の&LIFE新医療保険Aプレミアは、損保の三井住友海上の子会社である三井住友海上あいおい生命が販売する医療保険だ。以前から販売していたAプラスからバージョンアップした医療保険で、主に特約のラインナップを拡充している。以下で、この保険の概要を記載し他社の医療保険と比較する。
まず主契約の保障内容だが、他社同様に入院・手術の給付金があり、さらに放射線治療・集中治療給付金もある。入院給付金は5日未満の入院でも5日分の給付金を受け取れるが、これは不利な面もある(アフラックのEVERを参照)。放射線治療で受け取れる放射線治療給付金は今では他社でも散見されるが、ICU(集中治療室)に救命救急で運ばれると受け取れる集中治療給付金は今でも珍しい。特約は圧倒的に増えたが、いくつか注目すべき特約がある。
まず他社にもある特約として、初期入院10日特約と抗がん剤特約がある。前者は5万円が10万円になるだけのため何度も別の病気で入院する人でないと意味がない。抗がん剤特約は治療を受けた月に月額10万円が受け取れる。これ自体は珍しくないが、日額1万円と少額ではなくまとまった額で、60日ではなく120日という点で他社の医療保険よりも優秀だ。さらに対象外とされることもある上皮内がんも対象としている点で心強い。
新しく加わった特約の中では終身介護特約と認知症特約がある。前者は要介護2か所定の介護状態になると、一時金か毎年受け取れる年金形式で給付金を受け取れる。要介護2は介護保険でも多いランクのため違和感はないが、その前の要支援の段階で一時金が受け取れると安心感が増しただけに残念だ。認知症一時金は認知症になって180日経過で受け取れるが、介護特約とセットでないと契約できないため注意が必要だ。また、自分が認知症になったか否かは判断できない(というか自分では気づかないか否定する)ため、家族・親族に特約の存在を知らせておく必要がある。
最後に女性サポート特約だが、女性特有の病気で給付金が受け取れるだけではない点が非常に大きい。この特約では、一般的な女性保険では除外されがちな出産での手術、出産自体でも給付金が受け取れる。それも出産給付金は子供を多く産むほどに給付額が増額される。他方で不妊治療を受けた場合は12回までの限定だが、体外受精・顕微受精をする度に特定不妊治療給付金が受け取れる。さらに特約期間の終了時には満了時給付金として最大50~100万円が受け取れる。
ここまで来ると至れり尽くせりだが注意点も幾つかある。まず加入年齢が16-40歳であり、特約期間は10~20年に限定される点だ。厚労省によると現在は40代前半で第一子を産む人が全体の4%、第二子も含めれば出生数は約5万人となる。30歳で保険を契約しても10年では足らない可能性がある。また、不妊治療給付金はタイミング法はさておき、体外受精などの高度生殖医療の前段階(一般不妊治療)だと受け取れない。つまり排卵誘発や人工受精では給付金が受け取れない。統計的には一般不妊治療で2年で40~50%は妊娠するため、不妊だと分かっても意外と特約の出番が無い可能性がある。さらに当然ながら満了時給付金は、給付金を受け取った分だけ減額されるため、特約を利用するほど得になることはない。
次に、下図では終身医療保険を加入できる年齢・入院日額と限度日数・通院日額と限度日数・入院と外来時の手術給付金・通算給付日数・先進医療給付金で比較した。顧客満足度ではオリコンの満足度ランキングで比較した(価格.comや各保険サイトのランキングは契約数だけが基準のため参考外)さらに苦情率(苦情数÷契約数 ※生命保険協会公表)を算出し、契約した場合に自分が苦情を言う可能性も考慮した。保険料は男性で入院日額5,000円(終身払い)で先進医療特約・通院特約を付加した30~60歳の月額保険料で比較した。
名称 | 住友生命 Vitality |
三井住友 あいおい Aプレミア |
オリックス 新CURE |
チューリッヒ DX |
明治安田 50歳から |
FWD富士 ベストG |
メットライフ フレキシィS |
アクサ ダイレクト |
ネオ ファースト ネオde医療 |
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年齢 | ~80歳 | ~80歳 | ~75歳 | ~75歳 | ~90歳 | ~80歳 | ~80歳 | ~69歳 | ~85歳 |
入院日額 限度 |
\3,000~ 180日~ |
\5,000~ 30日~ |
\5,000~ 60日 |
\5,000~ 30日~ |
10万 6回 |
10~30万 50回 |
\5,000~ 60日 |
\5,000~ 60日 |
\5,000~ 60日~ |
通院日額 限度 |
- | \5,000 30日 |
\5,000 無制限※ |
\5,000 30日 |
- | - | \3,000 30日 |
- | \5,000 無制限※ |
手術給付 入院 |
2.5~100万 | 2.5~10万 | 10万 | 5~10万 | 5万 | 10~30万 | 2.5~10万 | 5~20万 | 5~40万 |
手術給付 外来 |
2.5万~5万 | 2.5万 | 2.5万~10万 | 5万 | - | 2.5万 | 2.5万 | 2.5万 | 2.5万 |
通算日数 | 1,000日 | 1,095日 | 1,000日 | 1,095日 | - | - | 1,095日 | 1,095日 | 1,095日 |
先進医療 | 2,050万 | 2,000万 | 2,000万 | 2,000万 | 2,000万 | 2,000万 | 2,000万 | 2,000万 | 2,000万 |
オリコン | 11位 | ランク外 | 3位 | ランク外 | 2位 | ランク外 | 1位 | ランク外 | ランク外 |
苦情率 | 0.51% | 0.14% | 0.31% | 0.58% | 0.33% | 0.58% | 0.64% | 0.22% | 0.63% |
保険料 30歳 |
\7,344 (\3,000?) |
\2,658 | \2,517 | \1,682 (\2,167) |
- | \1,513 | \2,298 | \1,340 (\1,740) |
\1,561 |
保険料 40歳 |
\9,916 (\4,000?) |
\3,468 | \3,667 | \2,217 (\2,912) |
- | \1,922 | \3,110 | \1,850 (\2,600) |
\2,150 |
保険料 50歳 |
\14,189 (\5,500?) |
\4,763 | \5,607 | \3,152 (\4,207) |
\7,373 | \2,572 | \4,601 | \2,735 (\4,035) |
\3,072 |
保険料 60歳 |
- (\7,500?) |
\6,708 | \8,502 | \4,692 (\6,317) |
\9,045 | \3,564 | \6,869 | \4,275 (\6,325) |
\4,364 |
上図で右から2番目の三井住友海上あいおい「新医療保険Aプレミア」だが、入院給付金は5,000円からで限度日数は30~120日まで設定できる。他社同様に八大疾病だと特約で給付日数は無制限にできる。通院給付金は60日が限度だが、ガン限定で給付日数が最長5年にできる特約がある。手術給付金は、以前は外来で済む軽度の手術でも主契約の10倍だったが今では5倍(5000円プランなら2.5万円)となった。顧客満足度面ではオリコン調査ではランク外と低調だが、苦情率は他社よりも低いため実は満足度が高い可能性がある。
保険料は通院・先進医療の特約を付加しているが、他社と比較して高額な部類に入る。最安値圏の保険と比較すると2倍近い保険料の差があり、保険料面でメリットがあるとは言い難い。ちなみに30歳で介護特約を付加すると保険料は1,400円ほど上昇し、認知症特約だと1,700円ほど上昇する。さらに女性サポート特約だと5,000円も保険料が上昇してしまう。年間6万円増しの保険料を10年払うと60万円の出費になる。10年間に何もなければ10年後の満期時に50万円の給付金、自然妊娠で子供1人なら45.5万円の給付金、体外受精5回なら40万円の給付金が受け取れる。特約による漠然とした安心感はあれど、数字面を考えれば明らかに厳しい。
結論としては、保障を見ると総合的には良い保険で、特約も先進的であるため評価したい。ただ、特約は微妙な面もあり人それぞれという感もある。介護特約は介護保険単体よりも安いため得だが、認知症特約は介護特約とセットのため決して安くはない。肉体的には元気だが認知症というケースを考慮すると、メットライフの方が保険料も抑えられる分だけ良い。また、女性サポート特約も得ではないが漠然とした安心感も馬鹿にできない。特に不妊治療が続く中では、給付金があるからという安心感(実費で10万円以上かかるため給付金だけでは不足するが)も不安になりがちな治療を支える一助になり得る。特約に関しては家族・親族に介護特約・女性特約があったら良かった人がいるか、自分もそうなる可能性があるかを判断軸にしてもいいかもしれない。