FWD富士生命 医療ベストゴールド/ 終身医療保険の保険料・保障内容・特約を評価 レビュー

FWD富士生命 医療ベストゴールド
オススメ度:
1
保険会社:
FWD富士生命
名称:
医療ベストゴールド
保障内容:
入院(日帰りから)・手術
先進医療:
2,000万円まで
オリコン:
ランク外
特徴:
病気やケガで入院したら、一時金を受け取れる

FWD富士生命 医療ベストゴールドの保険料の安さはみかけだけ!

FWD富士生命は2017年にAIG富士生命から社名変更した保険会社で、親会社もアメリカのAIGグループから中国資本のFWDになった。医療ベストゴールドは同社が販売する医療保険で、この他にさいふにやさしい医療保険も販売している。以下、医療ベストゴールドの概要を記載し他社の医療保険と比較する。

まず保障内容だが、主契約は入院給付金のみとなっている。他社は手術給付金も含んでいるため、手術給付金が不要な人には貴重な保険だ。さらに入院給付金は日額ではなく一時金で、自分で10~30万円から設定する。他社の日帰り入院でも5日分・10日の給付金が受け取れる仕組みよりも、はるかにシンプルな仕組みといえる。ただ、入院給付金は1泊2日でなく日帰り入院だと50%に減額される点が残念だ。そして入院給付金以外は特約で備えることになる。

FWD富士生命 医療ベストゴールドの仕組みと主な保障内容・保険料

いくつかの特約がある中で注目すべきは、まずは継続入院一時金特約だろうか。この保険は入院日数に関わらず一時金が受け取れるのがメリットでもあるが、その一方で日数が伸びていく入院には効果が薄い。この特約はそのために用意されており、30日を越える入院の場合には30日経過毎に新たに一時金が受け取れる。最新の医療事情ではガンは入院日数が30日以下になったが、高血圧性疾患や脳血管疾患は30日を越え、脳血管疾患は平均90日の入院日数だ。この特約は1回の入院で給付金が出るのは2回までだが、主契約の1回と合わせて3回になるため実質は90日までの入院がカバーできることになる。

その他には特定の病気で診断確定か手術を受けると一時金が受け取れる「特定疾病一時金特約」がある。この特例自体は特に珍しくも何ともないが、上皮内新生物(初期のがん)が含まれていることに価値がある。多くの医療保険+ガン保険が未だに上皮内新生物を給付金の対象外としていることからすれば、他の病気はさておき特約に一定の価値はある。ただ、他の病気での一時金が本当に必要なのか、さらには上皮内新生物だと給付金額が半額になるのが問題だ。

次に、下図では終身医療保険を加入できる年齢入院日額と限度日数・通院日額と限度日数・入院と外来時の手術給付金通算給付日数先進医療給付金で比較した。顧客満足度ではオリコンの満足度ランキングで比較した(価格.comや各保険サイトのランキングは契約数だけが基準のため参考外)さらに苦情率(苦情数÷契約数 ※生命保険協会公表)を算出し、契約した場合に自分が苦情を言う可能性も考慮した。保険料は男性で入院日額5,000円(終身払い)で先進医療特約・通院特約を付加した30~60歳の月額保険料で比較した。

名称 住友生命
Vitality
三井住友
あいおい
Aプレミア
オリックス
新CURE
チューリッヒ
DX
明治安田
50歳から
FWD富士
ベストG
メットライフ
フレキシィS
アクサ
ダイレクト
ネオ
ファースト
ネオde医療
年齢 ~80歳 ~80歳 ~75歳 ~75歳 ~90歳 ~80歳 ~80歳 ~69歳 ~85歳
入院日額
限度
\3,000~
180日~
\5,000~
30日~
\5,000~
60日
\5,000~
30日~
10万
6回
10~30万
50回
\5,000~
60日
\5,000~
60日
\5,000~
60日~
通院日額
限度
- \5,000
30日
\5,000
無制限※
\5,000
30日
- - \3,000
30日
- \5,000
無制限※
手術給付
入院
2.5~100万 2.5~10万 10万 5~10万 5万 10~30万 2.5~10万 5~20万 5~40万
手術給付
外来
2.5万~5万 2.5万 2.5万~10万 5万 - 2.5万 2.5万 2.5万 2.5万
通算日数 1,000日 1,095日 1,000日 1,095日 - - 1,095日 1,095日 1,095日
先進医療 2,050万 2,000万 2,000万 2,000万 2,000万 2,000万 2,000万 2,000万 2,000万
オリコン 11位 ランク外 3位 ランク外 2位 ランク外 1位 ランク外 ランク外
苦情率 0.51% 0.14% 0.31% 0.58% 0.33% 0.58% 0.64% 0.22% 0.63%
保険料
30歳
\7,344
(\3,000?)
\2,658 \2,517 \1,682
(\2,167)
- \1,513 \2,298 \1,340
(\1,740)
\1,561
保険料
40歳
\9,916
(\4,000?)
\3,468 \3,667 \2,217
(\2,912)
- \1,922 \3,110 \1,850
(\2,600)
\2,150
保険料
50歳
\14,189
(\5,500?)
\4,763 \5,607 \3,152
(\4,207)
\7,373 \2,572 \4,601 \2,735
(\4,035)
\3,072
保険料
60歳
-
(\7,500?)
\6,708 \8,502 \4,692
(\6,317)
\9,045 \3,564 \6,869 \4,275
(\6,325)
\4,364
終身医療保険の比較表(住友生命ドクターGO Vitality・三井住友あいおい生命 エースプレミア・オリックス 新CURE・地ーりっひ生命プレミアムデラックス・明治安田生命 50歳からの終身医療保険・FWD富士生命 医療保険ベストゴールド・メットライフ生命フレキシィS・アクサダイレクト生命 医療保険・ネオファースト生命 ネオdeいりょう)

上図で右から4番目のFWD富士生命「医療ベストゴールド」だが、入院給付金は一時金のため一概に他社の医療保険とは比較できない。ただ、限度回数が1入院あたり1~3回、合計で50回、7大疾病だと無制限というのは一見すると他社よりも有利に見えるが、それほど有利でもない。特約なしだと30日が限度と同義で、特約ありだと90日までと少し有利になる程度だ。合計50回・7大疾病で無制限も1回の入院での回数が制限されており、人生で何回入院するのかという話しになる。手術給付金は他社と同様だが、手術特約に放射線治療が組み込まれ、放射線治療給付金の金額が手術給付金の25%に抑えられるのはマイナスだ。他社の医療保険だと放射線給付金を10万円にしていることも多いためだ。

オリコンの顧客満足度はランク外だが、これは数年前から変わらず今に始まった話ではない。ただ、苦情率が上昇している点は気がかりだ。まだ親会社変更からのドタバタがあるのかもしれないが。。。保険料は他社と比較して最安値に近いレベルだ。ただ、手術給付金が無い分だけ安い(チューリッヒDXは主契約に含まれる)ともいえる。さらにいえば、25日の入院であれば他社の医療保険だと給付金が12.5万円受け取れるところ、この保険だと10万円に留まる。その分だけ保険料が安いとも考えられ、見かけよりも保険料は割高といえる。

結論としては、みかけだけでも保険料が安い医療保険を求めているなら検討してもいいかもしれない。しかし、他社よりも安く得な保険を探しているなら、この保険はパスした方がいいだろう。特約を見ても他社の保険を押しのけてまで契約すべき動機に繋がるものは見当たらない。同じぐらいの保険料ならチューリッヒ・アクサあたり、認知症もケアしたいなら三井住友あいおい・メットライフあたりを検討するといいだろう。