はなさく医療を比較・評価

はなさく生命 はなさく医療
オススメ度:
3
保険会社:
はなさく生命
名称:
はなさく医療
加入年齢:
0~85歳
保障期間:
終身
保障内容:
入院・手術等で給付金
特徴:
様々なリスクに備えられる医療保険

はなさく医療は、はなさく生命が2019年6月から募集・販売している保険です。販売開始から5年以上が経過していますが、定期的にバージョンアップして新しさを保っています。直近では2023年6月に女性向けの特約の新設、要介護状態・障害状態を保障する特約が拡充されました。

さらに、がん検診や人間ドックの予約サービスといった契約者向けのサービスも一部拡大されました。それでは以下で保障内容・保険料・評判等を解説し、他社の医療保険と比較していきます。

保障内容

この保険の主契約は入院給付金・手術給付金・放射線治療給付金で、他の保障は特約・特則のため自分で付加するか選択できます。入院給付金は入院日数に応じて給付金が受け取れ、1回の入院あたり30日か60日か120日を限度に給付金が受け取れます。この限度日数は入院支払日数無制限特則を付けると、3大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)か8大疾病(三大疾病+腎疾患・膵疾患・肝疾患・糖尿病・高血圧性疾患)で入院した場合には無制限になります。

はなさく医療の主契約の保障内容(出典:はなさく生命 はなさく医療パンフレット2023年6月版)

手術給付金・放射線治療給付金は手術か放射線治療をした時に受け取れます。手術給付金はⅠ~Ⅲ型に分かれ、型によって給付金の額が異なります。一番手厚いⅡ型にすると三大疾病による開頭術等をすると、入院給付金の60倍の額の手術給付金が受け取れます。一方で最も薄いⅢ型にすると給付金額は入院給付金の一律5倍の額となります。放射線治療給付金は入院給付金の一律10倍の額です。また、主契約には死亡保障の特則も付けられます。

主契約以外に10以上の特約があり、それらと主契約を組み合わせることになります。病気を問わず主契約を強化する特約として、入院一時金特約・退院後通院特約・先進医療特約があります。入院するだけで一時金が受け取れる入院一時金特約は短期入院の備えになり、退院後通院特約は退院後の通院治療の備えになります。先進医療特約は数百万円になることもある先進医療への備えになります。

はなさく医療の保障内容(出典:はなさく生命 はなさく医療パンフレット2023年6月版)

その他の特約は、大まかに分けると女性疾病の特約・三大疾病と八大疾病の特約・障害と介護の特約・ケガの特約があります。女性疾病の特約は女性特有の病気(子宮頚がん等)になると、入院給付金・手術給付金・一時金が受け取れる特約があります。乳がん検診か子宮頚がん検診を2年ごとに受診して異常が無ければ給付金が受け取れる特約もあります。

三大疾病と八大疾病の特約は、三大疾病か八大疾病になると一時金が受け取れる特約の他、抗がん剤治療を受けた月ごとに給付金が受け取れる特約、三大疾病か八大疾病になると保険料が免除される特約があります。その他に骨折や脱臼で一時金が受け取れる特定損傷特約、障害状態か介護状態になると一時金が受け取れる障害・介護一時給付特約もあります。

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保険料を他社と比較

この保険の保険料は性別・年齢・入院給付金額・特則と特約の有無で変動します。特に保険料が上昇しやすいのは特約の有無で、当然ながら特約の数を増やす程に保険料は高くなります。特約の中でも入院一時給付特約・保険料払込免除特約は保険料の上がり幅が500円以上と大きめです。他の特約も一時金の額を上げると保険料は大幅に上昇し、がん一時給付特約で100万円にすると保険料は月額1500円も上昇します。

次に保険料は他社より安いのか高いのか、下図で他社の医療保険と一覧表で比較しました。基本的に入院給付金は1万円(診断一時金なら10万円)で、保険料は一部の保険を除いて終身払いで比較しました。

終身医療保険の20歳と30歳と40歳の保険料の比較一覧表(アクサ生命・JA共済・メットライフ・ソニー損保・大同生命・チューリッヒ・ネオファースト・第一生命・楽天生命・フコクしんらい生命・SBI生命・メディケア・損保ジャパン・イオンアリアンツ・アフラック・アクサのネット完結・オリックス生命・なないろ生命・FWD生命・マニュライフ生命・はなさく生命・明治安田生命・au・ライフネット生命・日本生命・富国生命・東京海上日動あんしん生命・太陽生命・全労済(こくみん共済Cop)・SOMPOひまわり生命・コープ共済・三井住友海上あいおい生命・大樹生命・住友生命・ニッセイウェルス生命)※各社の公式HPを元に当社が独自に作成

この保険の保険料は他社と比較して平均か少し安い部類に入ります。他社の保険料が高い保険の半額ですが、最安値圏の保険とは5~600円程度の差があります。この保険よりも保険が安い保険はメットライフ・ネオファースト・チューリッヒと数多くあります。

とはいえ保険料は安めのため、多少は特約を付けても経済的な負担感は無さそうです。特にメリットになるであろう特約、特約以外のメリットについて記述していきます。

メリット

この保険のメリットは、まずは特約が充実しており自分好みの保険にできる点が挙げられます。特約の組み合わせ次第で女性特有の病気に手厚い保険、がんに手厚い保険、八大疾病に手厚い保険にすることが可能です。前述したようにベースとなる保険料は安めのため、特約を多少付けても毎月の保険料負担は軽めです。

どの特約を付けるか迷っている人なら、特に優先したいのは入院一時給付特約・特定疾病一時給付特約・保険料払込免除特約の3つでしょうか。入院一時給付特約は日帰り入院を含む入院をすると、1~20万円の一時金が受け取れます。主契約の入院日数毎の給付金ではカバーできない短期入院に備えられます。

特定疾病一時給付特約・保険料払込免除特約は八大疾病までカバーできるのがポイントです。他社の多くの保険は三大疾病で一時金・保険料が免除されるケースが多いのですが、この保険では八大疾病まで踏み込んでいます。それも一時金と保険料免除の条件が異なるⅠ型とⅢ型まで準備されています。Ⅲ型なら狭心症で1日以上の入院をしても一時金が受け取れ保険料も免除されます。

はなさく医療の特定疾病の種類と型(出典:はなさく生命 はなさく医療パンフレット2023年6月版)

また、女性医療特約は子宮・卵巣に関連した女性特有の病気以外に、女性に多い病気や妊娠・出産にかかわる病気や症状まで対象となる点で優れています。女性に多い病気では低血圧症・バセドウ病・膀胱炎等々が含まれ、妊娠・出産にかかわる病気や症状では妊娠糖尿病・帝王切開・多胎分娩等々が含まれています。

さらに、女性がん早期発見サポート特約は新設されただけあって、他社ではあまり見かけない特約です。 2年に1回の乳がん検診または子宮頚がん検診を受診して異常なしなら、給付金1万円が受け取れます。がん一時金とセットの特約のため、特約を付加すると保険料は30歳女性で月額500円ほど上昇します。しかし、健診で異常なしなら1万円が受け取れるため、2年間の特約分の保険料の1.2万円(500円×12ヵ月×2年)が実質2000円になります。

女性がん早期発見サポート特約の保障内容(出典:はなさく生命 はなさく医療パンフレット2023年6月版)

デメリット・弱点・落とし穴

この保険のデメリットには、まずは保障選びが面倒という点が挙げられます。13の特約の中で自分に必要なものを絞り、かつ保険料に無理が無いか確認する必要があります。それぞれの保障の中で型を選ぶ必要もあり、入院給付金の限度日数・手術の型・三大疾病か八大疾病か(+Ⅰ型orⅢ型)等を選ぶ手間があります。

さらに特約については、先進医療以外の治療が自己負担となる患者申出療養と自由診療が保障外で、2023年のバージョンアップでも含まれていない点が悔やまれます。これらの治療方法は治療費の自己負担が月額100万円を超えるケースもあり、この保険の一時金や抗がん剤等の保障だけでは不足感があります。

治療方法別の医療費負担と新薬と費用(出典:ネオdeがんちりょう商品パンフレット2022年9月版及び厚労省「わが国の医療保険について」及び国立がん研究センター「未承認・適応外の医薬品について」)

また、三大疾病・八大疾病については一時金と保険料免除の特約だけで、治療を受けた月ごとに給付金を受け取れる特約はありません。障害・介護についても一時金だけで、SOMPOひまわり生命のように七大疾病になると60歳まで年金が毎月受け取れるといった手厚さがありません。

ちなみに、この保険以外にも女性が健診を受けると給付金が受け取れる保険は明治安田生命等にもあります。さらに三井住友海上あいおい生命では出産前の不妊治療でも給付金が受け取れる特約があります。

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評判・苦情

はなさく生命の2023年の決算資料によると、個人向け保険の新契約数は56.1万件で前年度の39.4万件から約42%増と好調でした。この保険を含む入院保障の保険の保有契約高も30%増のため、申込数・契約数等からすると評判は良いです。

契約数でいうと、保険市場の医療保険の申込数ランキング2024では、はなさく医療は25の保険の中で4位とトップ5に入っています。価格.comの医療保険の資料請求ランキングでも3位と高い順位で、保険料を抑えたい人からは人気を集めているようです。

また、生命保険協会の苦情数のデータでは、はなさく生命全体に寄せられた苦情数は1880件(2023年度上半期実績)でした。総顧客数の51万件で割った苦情率は0.3%で、契約者1000人のうち3件の苦情が発生している計算です。他社の苦情率は0.1~0.3%台が多いため、苦情面で考えると評判は良いです。

さらに調査会社のJ.D.パワーの「2024年 生命保険契約満足度調査(保険代理店部門)」では、はなさく生命は14社中6位でした。トップ5には入りませんが、平均値は大幅に上回っており普通以上の顧客満足度はあります。ダイレクト部門なら2位のためネットからの直販の方が満足度は高いようです。この調査は手続き・顧客対応・商品提供・保険料が評価項目ですが、どの項目でも満足度は一定程度はあると考えられます。

JDパワー 2024年生命保険契約満足度調査 保険代理店チャネル(出典:JDパワー公式HP) JDパワー 2024年生命保険契約満足度調査 ダイレクト部門(出典:JDパワー公式HP)

その一方で、「オリコン顧客満足度 医療保険ランキング2024」では24位中18位と大きく順位を下げていました。評価項目は加入手続き・商品内容・保険料・アフターフォロー・受取額と支払スピードですが、どの項目も10位以下で満足度は低めです。

個別の口コミではポジティブな意見がある一方で、「給付金の受け取りがネットで完結しなかった」「高齢者だと保険料が他社より高い」「半年経過しないと次の給付金が請求できない」等の意見がありました。保険料やネットの使い勝手に不満が集まっているようです。

全体の順位は低いものの、同じオリコンの30人の専門家(ファイナンシャルプランナー)が調査対象の「FPが選んだオリコン終身型医療保険 ランキング2024」では、はなさく医療は11つある保険の中で7位でした。11位以下の保険もあるため、専門家からは一定の評価は得ているのが分かります。

終身型医療保険 総合ランキング(出典:オリコン公式HP「FPが選んだオリコン終身型医療保険 ランキング2024」)

以上のデータから考えると、はなさく生命の評判は良さそうで、はなさく医療の評判も悪くなさそうです。はなさく生命の評判については、契約数も堅調でJDパワーの顧客満足度調査も高順位のため良いと考えられます。ただ、オリコンでは逆に満足度は低めのため絶対に良いとは言い難いです。はなさく医療の評判についても契約数・資料請求数は多めで、専門家からの評価は高いため評判は良さそうです。

総合評価・おすすめか?

結論としては、はなさく医療は悪くはない保険です。一部の特約には注意点があり保険料でも物足りなさがありますが、総合的には悪くない保険です。評判面でも特段の不安はありませんが、前述したように少なからず人によっては不満はある点は忘れずにおきたいところです。

この保険以外で総合的に保障が充実した保険が欲しいなら、アフラック・チューリッヒあたりの医療保険を検討すべきでしょう。手厚い保障よりも保険料を重視するなら、アクサ生命・ネオファースト生命あたりの医療保険も候補になります。