ネオde定期を比較・評価

ネオファースト生命 ネオde定期)
オススメ度:
2
保険会社:
ネオファースト生命
名称:
ネオde定期
加入年齢:
18~80歳
保障期間:
一定期間
保障内容:
死亡で保険金
特徴:
ライフステージにあわせてカスタマイズ

ネオde定期はネオファースト生命が2022年12月から募集・販売している定期保険です。医療保険は2015年から販売しているため、定期保険は同社にとっては満を持しての販売ともいえます。

それでは以下で保障内容・保険料・評判等を解説し、他社の定期保険と比較していきます。

保障内容

この保険は保険期間内に死亡・高度障害となると死亡保険金が受け取れる保険です。保険金額は最低100万円から100万円単位で2000万円まで設定できますが、49歳以下だと最低200万円からとなります。保険期間は年満期だと10年間と20年間があり、最長80歳まで更新できます。歳満期だと60~90歳まで5歳刻みで設定でき、更新はできません。

ネオde定期の特長と保障内容(出典:ネオファースト生命 ネオde定期 商品パンフレット2022年11月版)

年満期だと10年・20年ごとに更新が来て、更新時のタイミングで年齢に応じて保険料は上昇します。歳満期なら更新はなく、満期になる年齢まで保険料は上昇しません。年満期は保険を結婚・出産・退職等で見直したい人に向いており、歳満期は保険を見直さずに一定年齢まで保障を継続させたい人に向いています。

主契約に加えて特定疾病保険料払込免除特則を付けると、上皮内新生物を含むがんと診断されたり、心疾患・脳血管疾患で入院すると以後の保険料の支払いが免除されます。保険料払込免除特約も保険期間が10年であれば10年毎に更新されていきます。

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保険料を他社と比較

この保険の保険料は性別・年齢・保険金額・特約の有無等で変動します。女性よりも男性の方が保険料は高く、保険金額が高額なほど保険料は高くなります。契約時の年齢が高いほど保険料は上昇しますが、契約時から更新までは保険料の額は変わりません。保険料払込免除特約を付加すると、年齢等にもよりますが数百円は月額保険料が上昇します。

ネオde定期の保険料一覧表(出典:ネオファースト生命 ネオde定期商品パンフレット2022年11月版)

次に保険料は他社より安いのか高いのか、下図で返戻率にして他社の定期保険と一覧表で比較しました。基本的に保険金額は1000万、保険期間・保険料払込期間は65歳で、30歳・40歳・50歳での契約を想定しました。各々のケースで65歳で死亡した場合の返戻率をシミュレーションして比較しました。

定期保険の30歳と40歳と50歳の保険料・返戻率の比較一覧表(アクサ生命・朝日生命・アフラック・SBI生命・オリックス生命・かんぽ生命・ジブラルタ生命・住友生命・ソニー生命・SOMPOひまわり生命・大樹生命・大同生命・太陽生命・チューリッヒ生命・東京海上日動あんしん生命・日本生命・ネオファースト生命・はなさく生命・富国生命・フコクしんらい生命・三井住友海上あいおい生命・明治安田生命・メットライフ生命・メディケア生命・ライフネット生命・楽天生命・JA共済・全労済(こくみん共済Coop)・コープ共済)※各社の公式HPを元に当社が独自に作成

この保険(保険料払込免除特約なし)の返戻率を他社と比較すると高めではあるものの、トップクラスの高さではありません。そのため保険料は最安値クラスではなく、他社よりも安めという表現に留まります。この保険より返戻率が高い保険は返戻率が1000%を超えており、SBI生命・オリックス生命・SOMPOひまわり生命・チューリッヒ生命と複数社あります。返戻率・保険料以外にメリットがあるのか、続いてメリットを記述していきます。

メリット

この保険のメリットは、まずは細かく保険期間・保険料払込期間を選択できる点が挙げられます。期間は最短10年から最長90歳満了まで設定できます。保険期間10年なら結婚・出産をした後に見直しができ、保険金額を増額したり保険期間の長い定期保険に加入し直すことができます。

保険期間・保険料払込期間について(出典:ネオファースト生命 ネオde定期商品パンフレット2022年11月版)

その一方で90歳満了ならほぼ終身保険に近い使い方ができます。保険期間が満了するまで更新がないため、保険料は契約時から満期を迎えるか死亡するまで変わりません。さらに最長80歳までは加入にあたって医師の審査・健康診断書の提出は不要なため、70代で加入して90歳までの死亡保障を手間無く確保できます。それも70代で加入しても定期保険なら一般的な終身保険よりも保険料が安く済みます。

また、保障面については保険料払込免除特約が付けられるのもメリットです。それも他社と異なり悪性新生物だけではなく超初期がんである上皮内新生物も対象に含み、心疾患・脳血管疾患も手術ではなく1日以上の入院(日帰り入院を含む)が条件となっています。他社は上皮内新生物を除外しているケースが多いのですが、国立がん研究センター「がん統計」によると、上皮内がんの罹患率は年々増加傾向にあります。

保険料払込免除特約について(出典:ネオファースト生命 ネオde定期商品パンフレット2022年11月版及び国立がん研究センター「がん統計」)

ちなみに、ネオファースト生命の保険は公式HPで保険の申し込みが完了します。保険料の支払いはクレジットカードのみとなりますが、本人確認書類をアップロードすることで本人確認も済みます。他社では公式HPで申し込み後に書類を郵送する保険もありますが、この保険は公式HPで手続きが完結します。

デメリット・弱点・落とし穴

この保険のデメリットには、まずは無解約返戻金型である点が挙げられます。この保険は死亡する前に解約しても解約返戻金は受け取れません。他社の一部の定期保険では解約返戻金があり、中途解約しても保険料の一部が戻ってきます。また、この保険では90歳満了が可能で終身保険代わりにできますが、終身保険なら大抵は解約返戻金があります。

さらに前述したように返戻率は高めですが、他社と比べてトップクラスの高さではありません。それも保険期間内に死亡しなければ返戻率は0%となり、解約した時と同様に保険料は全て無駄になります。この保険は最長90歳まで保障が継続できますが、想像以上に長生きすると終身保険と異なり保険金が受け取れません。

保障面については保険料払込免除特約に注意が必要です。10年更新で契約すると特約分の保険料も更新時に年齢に応じて上昇します。また、契約から90日間の不てん補期間があるため、90日以内に不運にも三大疾病となっても保険料が免除されません。

保険料払込免除特約の保障の開始について(出典:ネオファースト生命 ネオde定期商品パンフレット2022年11月版及び国立がん研究センター「がん統計」)

ちなみに保険金額の上限が2000万円までという点も人によってはデメリットかもしれません。他社では1億円程度が上限であるケースが多い中で、2000万円だと人によっては金額が不足するでしょう。調整できる金額も100万円単位と大きめで、他社のように10万円単位での調整はできません。

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評判・苦情

ネオファースト生命の決算資料によると、2023年度の個人向け保険の新契約数は20.5万件で前年度の16.5万件から約26%増でした。その中で定期保険の保有契約高も5~6%ほど増加しているため、申込数・契約数等からすると評判は悪くありません。

さらに契約数でいうと保険市場の「2025年5月版 定期保険人気ランキング(資料請求数)」では、ネオde定期は5位でした。価格.comの「2025年6月更新 定期保険の人気ランキング(申込数)」でも、15位中で9位に入っており一定の人気があるのは間違いありません。

保険市場の定期保険の資料請求ランキング2025(出典:保険市場公式HP「最新!2025年5月版 人気の定期保険ランキング」)

また、生命保険協会の苦情数のデータでは、ネオファースト生命全体に寄せられた苦情数は1703件(2024年度実績)でした。総顧客数の98万件で割った苦情率は0.17%で、契約者1000人のうち1.7件の苦情が発生している計算です。他社の苦情率は0.2~0.5%台が多いため、苦情面で考えて評判は悪くありません。

調査会社のJ.D.パワーの「2025年 生命保険契約満足度調査(保険代理店部門)」では、ネオファースト生命は17社7位でした。順位としては微妙かもしれませんが、平均値は上回っています。この調査は手続き・顧客対応・商品提供・保険料が評価項目ですが、どの項目でも平均以上の満足度があると考えられます。

JDパワー 2025年生命保険契約満足度調査 保険代理店部門(出典:JDパワー公式HP)

その一方で「オリコン顧客満足度 生命保険ランキング2025」では、ネオファースト生命は27社中24位と下位に沈んでいました。この調査の評価項目は加入手続き・商品内容・保険料・アフターフォローですが、項目別のランキングでは保険料のみ8位で、他の全ての項目は10位以下でした。特にアフターフォローは平均値も大きく下回っており、ネット申し込みが主のためアフターフォローが皆無である可能性を示唆しています。

個別の口コミではポジティブな意見がある一方で、「問い合わせをするのが難しい」「保険料は少し高い」「加入後の手続きは全てネット」「保障内容は薄い」等の意見がありました。やはりアフターフォローに関する不満が散見されました。

さらにオリコンの「2025年 FPが選んだ定期型生命保険ランキング」でも、ネオde定期はランキング外でした。ランキングを2018年まで遡っても、同社の定期保険はランクインしていませんでした。そのため専門家からの評価は低いと考えられます。

定期保険ランキング2025(出典:オリコン公式HP「2025年 FPが選んだ オリコン定期保険ランキング」)

以上のデータから考えるとネオファースト生命の評判は普通か少し悪そうですが、ネオde定期の評判は悪くなさそうです。ネオファースト生命の評判については苦情数・JDパワーの調査では普通そうですが、いかんせんオリコンの調査結果が悪すぎるため評判は少し悪いといえます。ネオde定期自体の評判は、新契約数が伸びており比較サイトでの資料請求も相応にあるため評判は良さそうです。ただ、専門家からの評判は悪く一抹の不安があります。

総合評価・おすすめか?

結論としては、ネオde定期は微妙な保険です。保障内容は悪くはないものの平凡で、保険料払込免除ぐらいしか特筆すべき点はありません。保険料・返戻率も突出しておらず、評判面でも特別に良い面があるわけでもありません。そのため他社を押しのけてまで契約するには決定打に欠ける保険です。

この保険以外で他社の保険も検討したい人は、返戻率を重視するならメットライフ・オリックス生命・チューリッヒ等が候補になります。保障も重視するならソニー生命あたりを検討しても良いかもしれません。