朝日生命 普通定期保険を比較・評価

朝日生命
オススメ度:
1
保険会社:
朝日生命
名称:
普通定期保険
加入年齢:
15~65歳
保障期間:
一定期間
保障内容:
死亡で保険金
特徴:
死亡・高度障害の保障を一時金で準備

朝日生命は旧 古河財閥(古河グループ)の企業で、今でも同グループのみずほFGが主要株主となっています。朝日生命の保険は認知症保険などの一部の保険はインターネットで加入できますが、定期保険を含む他の保険は資料請求や同社の職員と対面相談が必要となります。

それでは以下で保障内容・保険料・評判等を解説し、他社の定期保険と比較していきます。

保障内容

朝日生命の定期保険は死亡・高度障害となると死亡保険金が受け取れます。保険期間は10年間や20年間といった一定期間で、保険期間が終了後に死亡しても死亡保険金は受け取れません。ただ、この保険は保険期間満了日の翌日に自動更新されるため、自動更新されれば最長で80歳まで保障が続きます。更新すると更新時の年齢によって保険料が上昇してしまいます。

朝日生命の普通定期保険の保障内容(出典:朝日生命ご契約のしおり定款・約款2025年4月作成版)

また、この保険は解約すると解約返戻金がありますが、解約返戻金の額は支払った保険料の合計額を下回ります。また、保険期間満了の直前になると解約返戻金の額はゼロに近い額になります。契約の更新直後に解約してもゼロに近い額になります。

その他に特約によって保障を追加できます。特約は災害割増特約・災害入院特約・手術給付金付疾病入院特約・入院初期給付特約等があります。災害割増特約・災害入院特約を付けると不慮の事故等の災害で死亡したり、5日以上の入院をすると保険金・給付金が受け取れます。

手術給付金付疾病入院特約を付けると、災害だけではなく病気・怪我で5日以上の入院をすると入院給付金が受け取れます。さらに入院して手術をすれば手術給付金が受け取れます。入院初期給付特約を付けると5日以上の入院1回ごとに入院初期給付金が受け取れます。

▲ページの一番上に戻る

保険料を他社と比較

この保険の保険料は性別・年齢・保険金額等で変動します。女性よりも男性の方が保険料は高く、保険金額が高額になるほど保険料は上昇します。また、年齢が上昇するほどに保険料が上昇しますが、保険料は契約時から変わりません。

次に保険料は他社より安いのか高いのか、下図で返戻率にして他社の定期保険と一覧表で比較しました。基本的に保険金額は1000万、保険期間・保険料払込期間は65歳で、30歳・40歳・50歳での契約を想定しました。各々のケースで65歳で死亡した場合の返戻率をシミュレーションして比較しました。

定期保険の30歳と40歳と50歳の保険料・返戻率の比較一覧表(アクサ生命・朝日生命・アフラック・SBI生命・オリックス生命・かんぽ生命・ジブラルタ生命・住友生命・ソニー生命・SOMPOひまわり生命・大樹生命・大同生命・太陽生命・チューリッヒ生命・東京海上日動あんしん生命・日本生命・ネオファースト生命・はなさく生命・富国生命・フコクしんらい生命・三井住友海上あいおい生命・明治安田生命・メットライフ生命・メディケア生命・ライフネット生命・楽天生命・JA共済・全労済(こくみん共済Coop)・コープ共済)※各社の公式HPを元に当社が独自に作成

この保険の返戻率は他社と比較すると低いため、他社より保険料は高いといえます。ただし、他社の高い返戻率の保険が65歳満了なのに対して、この保険は10年更新のため割り引いて考える必要があります。同じ10年更新の保険の中で比べると朝日生命の定期保険の返戻率は無難な数字で、取り立てて低い返戻率ではありません。

とはいえSOMPOひまわり生命やフコクしんらい生命より返戻率は数十%低いため、やはり保険料が安いとはいえません。返戻率・保険料以外でメリットがあるのか、続いてメリットを記述していきます。

メリット

この保険のメリットは、まずは保険期間内に死亡すれば支払った保険料の5倍近い額の死亡保険金が受け取れる点が挙げられます。それも前述の返戻率の比較では65歳での死亡を前提にしていましたが、65歳以前に死亡すれば保険料に対して10倍近い死亡保険金になります。同じ死亡保障の保険でも終身保険よりも一段と高い返戻率は定期保険ならではのメリットです。

ただ、このメリットは返戻率が100%を超える定期保険に共通したメリットです。この保険ならではのメリット、あまり他社では見かけない特徴を挙げるなら特約です。いくつか特約がありますが、その中でも手術給付金付疾病入院特約・入院初期給付特約は他社では付加できないケースがあります。

手術給付金付疾病入院特約・入院初期給付特約の保障内容(出典:朝日生命「医療保障のおすすめパンフレット」2025年4月改訂版)

手術給付金付疾病入院特約を付けると、病気・怪我で5日以上の入院をすると入院給付金が受け取れます。入院給付金は入院1日あたり5000円で、1回の入院で入院120日目まで受け取れます。入院して手術をすれば5~20万円の手術給付金も受け取れます。入院初期給付特約を付けると入院1回ごとに2万円の入院初期給付金が受け取れ、入院時の初期費用に充てられます。

終身保険では医療保障が付けられる保険は珍しくありませんが、定期保険では付けられないことの方が多いです。朝日生命の医療保障の特約は特別に秀でた保障内容ではありませんが、定期保険に付けられるという意味でメリットといえます。

デメリット・弱点・落とし穴

この保険のデメリットには、まずは返戻率が他社よりも低い点が挙げられます。前述したように、他社の返戻率がトップクラスの保険と比べると数百%の差があります。特約が不要な人で保障内容に大差がないなら、同じ保険料で多額の保険金が受け取れる方が良いでしょう。

保障面については、メリットで既述した手術給付金付疾病入院特約・入院初期給付特約に注意が必要です。どちらの特約も5日以上の入院で保険金・給付金が受け取れ、入院日数が2~3日なら何も受け取れず特約分の保険料は無駄になります。特に最近では入院日数の短期化(+通院治療)が主となっているため、5日以上の入院という条件は少しハードルが高めです。

また、冒頭で既述したように朝日生命の定期保険は資料請求か営業職員への問い合わせからスタートします。インターネットで加入手続きが完了する保険ではなく、紙ないしは担当者との相談・面談が基本的に加入までに挟みます。そのため保険に加入するまでに相応の手間と時間の制約を受ける点はデメリットといえます。

▲ページの一番上に戻る

評判・苦情

朝日生命の決算資料によると、2024年度の個人向け保険の新契約数は60万件で前年度の63.5万件から約5%減と微減でした。ただ、この保険を含む死亡保障の保険の保有契約高は微増しており、申込数・契約数等からすると評判は良くも悪くありません。

また、生命保険協会の苦情数のデータでは、朝日生命全体に寄せられた苦情数は1.4万件(2024年度上半期実績)でした。総顧客数の241万件で割った苦情率は0.48%で、契約者1000人のうち4.8件の苦情が発生している計算です。他社の苦情率は0.2~0.5%台が多いため、苦情面で考えると評判は普通です。

その一方で調査会社のJ.D.パワーの「2025年 生命保険契約満足度調査(保険会社営業職員部門)」では、朝日生命は13社中で最下位でした。12位とのポイントも相当にダントツに近い満足度の低さです。この調査は手続き・顧客対応・商品提供・保険料が評価項目ですが、どの項目でも顧客の満足度は低いようです。

JDパワー 2025年生命保険契約満足度調査 保険会社営業職員部門(出典:JDパワー公式HP)

「オリコン顧客満足度 生命保険ランキング2025」でも、朝日生命は27社中27位で同じく最下位でした。この調査の評価項目は加入手続き・商品内容・保険料・アフターフォローですが、どの項目でも平均値を大きく下回っており項目別のランキングでも10位以下でした。

個別の口コミではポジティブな意見がある一方で、「保険料が高い」「保険料が上昇して負担になっている」「契約後のアフターフォローが無い」「自分にあった保障(提案)が無かった」等の意見がありました。さすがに最下位だけあって少なからず不満が見受けられます。

同じオリコンでも「2025年 FPが選んだ定期型生命保険ランキング」では、朝日生命の定期保険はランキング外でした。この保険が最後に出てくるのは2018年のランキングまで遡る必要があり、その時の順位も20の保険の中で16位と下位に沈んでいました。そのため専門家からの評価は低いと考えられます。

定期保険ランキング2018(出典:オリコン公式HP「2018年 FPが選んだ オリコン定期保険ランキング」)

以上のデータから考えると朝日生命の評判は悪そうで、定期保険の評判は良くはなさそうです。朝日生命の評判については苦情数は平均の範疇ですが、各種調査で顧客満足度は極めて低いため評判は悪そうです。定期保険自体の評判は、契約数が格段に伸びているわけでもなく専門家からの評価も低いため、評判が良いとは言い難いです。

総合評価・おすすめか?

結論としては、朝日生命の定期保険はイマイチな保険です。保障内容にはメリットといえる点もありますが、それだけでは保険料・返戻率を覆すほどではありません。評判面でも特段に良いところはなく、加入手続きがインターネット上で完結しないという手間もあります。

この保険以外で他社の保険も検討したい人は、返戻率を重視するならメットライフ・オリックス生命・チューリッヒ・SBI生命等が候補になります。保障も重視するならソニー生命あたりを検討しても良いかもしれません。