全労済 新せいめい共済(終身生命プラン)/ 終身保険の返戻率・利回り・保険料・保障を評価 レビュー
- オススメ度:
- 保険会社:
- 全労済
- 名称:
- 新せいめい共済(終身生命プラン)
- 契約年齢:
- 0~65歳
- 返戻率:
- 121.5% ※30歳契約
- 利回り:
- 0.46%
- 特徴:
- 大切なご家族のために・・・万一に備える遺族保障
全労済 新せいめい共済は医療保障とセットでも悪くはない!?
※全労済の新せいめい共済は「せいめい共済」にリニューアルされ、2019年8月には改訂もされました。
新せいめい共済は全労済の共済の1つで、1,000円程度の出資金を預けて組合員となれば、この共済を含めて誰でも各種サービスを利用できる。この共済は、終身保険に相当する終身生命プランと定期保険に相当する定期生命プランがあるが、以下では終身生命プランの概要を記載し、他社の終身保険・共済と比較する。
まず、この共済は終身生命プランでも「総合タイプ」と「いききボーナスコース」に分かれる。前者は他社のノーマルな終身保険と同様に、一生涯の死亡保障があり掛け金(保険料)も上昇することもないプランだ。後者にはボーナス(祝い金・一時金)が追加されるわけだが、それに伴い総合タイプよりも返戻率が下落するため、基本は総合タイプをベースにして検討したいところだ。
さらに他社の終身保険だと個別に特約を付加していくことが多いが、この共済は医療系の保障を「総合タイプ」「三大疾病プラス」「女性疾病プラス」の3つのプランに分けている。総合だと入院・手術・通院が保障され、三大疾病・女性疾病プラスは三大疾病か女性疾病時の入院給付金や手術一時金が上乗せされる。他の終身保険の医療系の特約が通院をカバーしておらず、診断給付金・在宅療養給付金などの他社には無い保障もあるため全労済の方が他社の終身保険の特約よりも優秀といえる。
次に下図では各社の終身保険を、加入できる年齢・選択できる保険料の払い込み完了時期で比較し、さらに死亡保険金の増減・5年ごと利差配当の有無・付加できる特約などで比較した。参考までに苦情率(苦情数÷契約数 ※生命保険協会公表)を算出し、自分が苦情を言う可能性があるかも考慮した。
さらに1,000万円(一部は500万円)契約した場合の保険料と、支払った保険料が何%で戻るかを示す「返戻率」を比較した。解約返戻金で利益を出すなら低解約返戻金型が妥当なため、今回は死亡保険金と保険料から返戻率を算出した。契約者は30・40・50歳に分け、保険料の払込完了を60歳とした。また、他の金融商品(定期預金・国債・社債など)より得かを計るため、40歳契約で平均寿命の80歳で死亡保険金を受け取った場合の利回り(保険料を何%で運用したか)でお得さを比較した。
名称 | かんぽ ながいき |
ソニー 有期払込 |
アフラック 終身 |
ジブラルタ 終身 |
AIG富士 終身 |
オリックス 終身 |
JA共済 終身 |
全労済 新せいめい |
コープ共済 ずっと |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
契約年齢 | 20~65歳 | 0~85歳 | 3~80歳 | 20~50歳 | 6~75歳 | 0~70歳 | 15~55歳 | 0~70歳 | 0~70歳 |
払込年齢 | 60~75歳 | 3年~ | 60~70歳 | 5歳刻み | 10年以上 | 5歳刻み | 60歳? | 60~70歳 | 60~70歳 |
保険金 増減 |
一定 | 一定 | 一定 | 一定 | 一定 | 一定 | 一定※ | 一定 | 一定 |
5年ごと 利差配当 |
○ | - | - | - | - | - | - | - | - |
特約 | 災害/傷害 疾病 |
沢山 | - | 死亡/介護 年金 |
災害/傷害 三大疾病 |
災害/傷害 リビング |
医療が セット |
医療/女性 三大疾病 |
リビング |
苦情率 | 0.64% | 0.57% | 1.08% | 1.35% | 0.24% | 0.42% | - | 0.42% | - |
保険料 返戻率 30歳 |
\21,100 131.6% |
\19,620 141.5% |
\7,810※ 106.7% |
\21,940 126.6% |
\10,695※ 129.8% |
\21,760 127.6% |
\16,731※ 33.2% |
\21,760 127.6% |
\21,200 131.0% |
保険料 返戻率 40歳 |
\33,000 126.2% |
\31,260 133.2% |
\10,070※ 103.4% |
\34,090 122.2% |
\16,760※ 124.3% |
\33,800 123.2% |
\23,887※ 34.8% |
\33,800 123.2% |
\33,500 124.3% |
保険料 返戻率 50歳 |
\67,500 123.4% |
- | \13,625※ 101.9% |
\72,370 115.1% |
\34,435※ 121.0% |
\70,250 118.6% |
\42,491※ 39.2% |
\70,250 118.6% |
\69,800 119.3% |
利回り | 0.66% | 0.83% | 0.09% | 0.56% | 0.58% | 0.58% | -1.63% | 0.58% | 0.61% |
上図で右から2番目の全労済 新せいめい共済だが、契約可能な上限の年齢は他社並の70歳までだが、同じ共済のJA共済よりは緩いことが分かる。特約は前述したように特約ではなくプランで分かれるが、他社よりも医療系の特約として見れば充実している方といえるだろう。
掛け金(保険料)は総合プランなら他社と比較して悪くない。ソニー・かんぽ生命・コープ共済には劣るが、それでも下には110%・100%台があることを鑑みれば優秀ともいえる。ちなみに総合タイプを選択して医療保障でも総合タイプを付加すると、掛け金は月額29,365円まで上昇する。この場合の返戻率は94.6%となり100%を切るが、JA共済などのように50%を切るほどに悪化はしないため、検討の余地は無くはない。
結論としては、終身共済に医療共済を付加するのを検討しているなら、一考の余地はありそうだ。医療共済の中身も医療保険と比較して悪くないのも後押し材料といえる。ただ、細かくみれば通院治療の給付日数やガンの通院治療で放射線・抗がん剤などで一時金が受け取れないなど、やはり本家の医療保険には保障内容で見劣りする感は否めない。その点を踏まえたうえで、検討して契約するなら決して悪くはない保険といえるかもしれない。