あんしん生命 終身保険を比較・評価

東京海上日動あんしん生命 終身保険
オススメ度:
1
保険会社:
東京海上日動あんしん生命
名称:
終身保険
加入年齢:
0~85歳
保障期間:
終身
保障内容:
死亡で保険金
特徴:
毎月一定の保険料で死亡リスクに備えたい人に

東京海上日動あんしん生命の終身保険は販売開始から15年以上が経過していますが、基本的に保障内容は変わっていません。ただ、販売開始時と比べて同じ保険金額に対して保険料は上昇し、解約返戻金の返戻率も低下しています。

また、この保険とは別に同社には長生き支援終身という終身保険もありますが、そちらとは保障内容も保険料も異なるため注意が必要です。それでは以下で保障内容・保険料・評判等を解説し、他社の終身保険と比較していきます。

保障内容

この保険は死亡・高度障害となると死亡保険金が受け取れる保険です。保険料は契約時から変わらず一定額で、一定年齢(60歳や65歳)まで支払う有期払いか、死亡するまで支払う終身払いから選択できます。死亡する前に解約すると、死亡保険金は消滅しますが解約返戻金が受け取れます。

東京海上日動あんしん生命の終身保険の保障内容(出典:東京海上日動あんしん生命 終身保険パンフレット2023年9月改定版)

解約返戻金は解約する時期によって金額が異なります。30歳契約・60歳で保険料払込完了・保険金額1000万円の場合、保険料は月額27200円となります。60歳までの30年間で支払う保険料総額は979万円です。解約返戻金は契約時から増加し、保険料を支払い終えた60歳時点では914万円で、60歳以下で解約すると914万円以下となります。60歳以降も増加を続け、80歳時には967万円となります。

その他に特約によって保障を追加できます。特約は災害割増特約・傷害特約・年金支払特約・リビングニーズ特約等があります。災害割増特約は不慮の事故で死亡すると保険金が上乗せされ、傷害特約は不慮の事故で身体障害状態になると保険金が受け取れます。年金支払特約は保険金を一時金ではなく年金形式で受け取れ、リビングニーズ特約は余命宣告を受けると死亡前に保険金が受け取れます。

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保険料を他社と比較

この保険の保険料は性別・年齢・保険金額・保険料払込期間で変動します。女性よりも男性の方が保険料は高く、契約時の年齢が高齢になるほどに保険料が上昇します。また、保険金額が高額になるほど保険料は上昇し、保険料払込期間が短くなっても保険料は上昇します。

東京海上日動あんしん生命の終身保険の保障内容の保険料一覧(出典:東京海上日動あんしん生命公式HP「終身保険」)

次に保険料は他社より安いのか高いのか、下図で返戻率にして他社の終身保険と一覧表で比較しました。基本的に保険金額は1000万、保険料払込期間は65歳で30歳・40歳・50歳で契約した場合の返戻率を比較しました。

終身保険の30歳と40歳と50歳の保険料の比較一覧表(アクサ生命・アフラック・オリックス生命・かんぽ生命・ジブラルタ生命・住友生命・ソニー生命・SOMPOひまわり生命・大同生命・太陽生命・チューリッヒ生命・東京海上あんしん生命・日本生命・フコクしんらい生命・マニュライフ生命・三井住友海上あいおい生命・明治安田生命・メットライフ生命・楽天生命・JA共済・全労済(こくみん共済Coop)・コープ共済)※各社の公式HPを元に当社が独自に作成

この保険の返戻率を他社と比較すると高くも低くもない水準です。30歳の返戻率は102.1%で平均の105%より少し低いのですが、40歳の返戻率は平均の101%と同水準です。50歳の返戻率だと平均の98%を上回り100%も超えています。

平均に近いとはいえ、この保険の返戻率はオリックス生命やマニュライフ生命より低いのは間違いありません。返戻率・保険料以外でメリットがあるのか、続いてメリットを記述していきます。

メリット

この保険のメリットは、まずは死亡保険金を受け取れば損をしない点が挙げられます。他社には契約する年齢によっては返戻率が100%を切り、保険料を支払い終えた後に死亡保険金を受け取ると損する保険があります。そういった保険は保険料を支払っている最中に死亡しないと損をしますが、そういった心配はありません。

また、生命保険料控除で所得税が軽減されるため返戻率以上の利益があります。終身保険だけで一般生命保険料控除として、毎年4万円の所得税と2.8万円の住民税の所得控除が受けられるからです。また、保険の目的が相続税対策であった場合、死亡保険金は500万円×法定相続人の数だけ非課税となります。相続税の税率は取得金額1000万円の10%が最低税率で、税率は最高で55%まで上昇するからです。

ちなみに東京海上日動あんしん生命の保険加入者は契約者向けの各種サービスが利用できます。その中でもメディカルアシストは看護士が24時間365日体制で突然のケガや病気の対処方法を教えてくれるサービスです。休日や深夜の病院の案内や転院・患者移送の手配等も無料で応えてくれる心強いサービスといえます。

メディカルアシストのサービス内容(出典:東京海上日動あんしん生命公式HP「メディカルアシスト」)

デメリット・弱点・落とし穴

この保険のデメリットには、まずは返戻率が他社よりも低い点が挙げられます。前述したように、最大で他社とは20~40%ほど返戻率に差があります。今から約10年前の2014年当時は30歳契約・60歳払込完了で返戻率は122%でしたが、今では102%前後まで落ちています。

東京海上日動あんしん生命の終身保険の保障内容(出典:東京海上日動あんしん生命 終身保険パンフレット2023年9月改定版)

さらに、解約返戻金による解約返戻率も低いです。30歳契約・60歳払込完了で支払った保険料総額の979万円に対して、解約返戻率は60歳時点で93%(914万円÷979万円)で、80歳時点で98%(967万円÷979万円)となっています。他社の低解約返戻金型の終身保険には、保険料を支払い終えた時点で解約返戻率が100%を超える保険があります。

保障面については、他社の終身保険のように医療保障や介護保障が付けられない点で物足りなさを感じます。これらの保障を終身保険に付けられれば、死亡時だけではなく生存中のリスクをカバーする保障を1回の契約で済ませられ手間を省けるからです。他社にはある三大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)になった時に、それ以後の保険料の支払いが免除される特約が無いのもデメリットです。

ちなみに、東京海上日動あんしん生命の保険は対面販売と通信販売の2種類のタイプの保険があります。どちらも可能な保険もありますが、この保険は対面販売のみとなっています。そのためインターネットで申込・加入手続きを進められず、対面・書類記入などの手間が発生してしまいます。

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評判・苦情

東京海上日動あんしん生命の2024年の決算資料によると、個人向け保険の新契約数は36.4万件で前年度の41.5万件から13%の減少でした。その中で終身保険の保有契約高も3%ほど減少しているため、申込数・新契約数からすると評判は少し悪いです。

契約数でいうと、保険市場の終身保険の申込数ランキング2024でも、あんしん生命の終身保険は10の保険の中で4位と微妙な順位でした。価格.comの終身保険の資料請求ランキング2025では、順位が10位まで落ちています。前述したように返戻率は低いため、やはり保険料(返戻率)重視の人からの評価は落ちています。

また、生命保険協会の苦情数のデータでは、東京海上日動あんしん生命全体に寄せられた苦情数は8441件(2024年度上半期実績)でした。総顧客数の385万件で割った苦情率は0.2%で、契約者1000人のうち2件の苦情が発生している計算です。他社の苦情率は0.1~0.3%台が多いのため、苦情面で考えると評判は普通です。

さらに調査会社のJ.D.パワーの「2024年 生命保険契約満足度調査(保険代理店チャネル)」では、東京海上日動あんしん生命は17社中4位でした。トップ3には入りませんが、それでも顧客満足度が高いといえる順位です。その一方でダイレクト部門だと下から3番目の順位で平均値も下回っています。代理店での対応は良いものの、公式HP等の使い勝手や顧客対応は悪いのかもしれません。この調査は手続き・顧客対応・商品提供・保険料が評価項目です。

JDパワー 2024年生命保険契約満足度調査 保険代理店チャネル(出典:JDパワー公式HP) JDパワー 2024年生命保険契約満足度調査 ダイレクト部門(出典:JDパワー公式HP)

「オリコン顧客満足度 死亡保険ランキング2025」だと、東京海上日動あんしん生命は27社中9位と中途半端な順位になっています。この調査の評価項目は加入手続き・商品内容・保険料・アフターフォローですが、個別項目でのランキングでは商品内容が10位に入っているだけです。それ以外の項目では10位以下で顧客満足度は低いようです。

個別の口コミではポジティブな意見がある一方で、「書類に不備がある度に代理店に行く必要があった」「書類を書くのが面倒」「クレジットカード払いができない」「加入後は何の連絡もなく定期的なサポートもない」等の意見がありました。書類とアフターフォローへの不満が少なからず見受けられました。

オリコンでの東京海上日動あんしん生命への評判は微妙ですが、終身保険自体の専門家からの評価は低いです。30人の専門家(ファイナンシャルプランナー)が調査対象の「FPが選んだオリコン終身型生命保険 ランキング2025」ではランク外でした。この保険がランクインしたのは2018年が最後で、その時の順位も10位と順位は高くありませんでした。

東京海上日動あんしん生命の終身保険のランキング結果(出典:オリコン公式HP「FPが選んだオリコンおすすめの終身型生命保険商品ランキング2018」)

以上のデータから考えると東京海上日動あんしん生命の評判は普通そうで、終身保険の評判は普通か少し悪そうです。東京海上日動あんしん生命の評判については各調査では普通に近いものの、JDパワーのダイレクト部門の調査では悪いです。代理店経由ではなく公式HPから直接契約する場合には、手続きや顧客対応に不満を覚えるかもしれません。終身保険自体の評判は新契約数が低調で、専門家からの評価も低いため良いとはいえません。

総合評価・おすすめか?

結論としては、東京海上日動あんしん生命の終身保険はイマイチな保険です。保険料・返戻率は平均に近く悪くはありませんが、他社と比べて突出した数字ではありません。保障面では特約で保障は一部拡充できるものの、他社と比べると明らかに物足りません。

この保険以外で他社の保険も検討したい人は、返戻率を重視するならオリックス生命や住友生命が候補になります。保障も重視するならソニー生命やSOMPOひまわり生命あたりの終身保険も検討すると良いでしょう。