東京海上日動あんしん生命 終身保険/ 返戻率・評判・保険料・保障を比較して評価
- おすすめ度:
- 保険会社:
- 東京海上日動あんしん生命
- 名称:
- 終身保険
- 契約年齢:
- 0~85歳
- 返戻率:
- 102.1% ※30歳契約
- 利回り:
- 0.04%※40歳契約
- 特徴:
- 一生涯保障が続く終身保険です
東京海上日動あんしん生命 終身保険は悪くないがパンチに欠ける!?
東京海上日動あんしん生命の終身保険には、スタンダードな終身保険以外に介護に特化した終身保険「長生き支援終身」がある。かつては低解約返戻金型終身保険「長割り終身」もあったが、現在は募集を停止しているようだ。以下、同社のベーシックな終身保険の保障・メリット・デメリットを公式HP等を元に解説し、他社の終身保険と保険料・評判等でも比較する。
東京海上の終身保険は他社の終身保険と同様に、死亡時の死亡保険金と解約時の解約返戻金で構成されている。死亡保険金は契約時に決めた金額から増減しないが、解約返戻金は契約初期は低額で徐々に増額されていく。この保険を含めて基本的には支払った保険料総額を上回る死亡保険金を受け取れる(最近では下回る終身保険も出てきたが)ため、死亡保険金を受け取れば損をすることはない。ただ、ここ数年の金利情勢により解約返戻金については事情が異なってきた。
この保険の場合は死亡保険金を受け取った際の返戻率は、30歳契約・60歳払込完了だと102%(他社との比較は後述)だ。解約返戻金は積立利率変動型終身保険なら契約時の死亡保険金額を超えることもあるが、普通の終身保険の解約返戻金は契約時の死亡保険金額を上回ることはない。そのため必然的に解約返戻金の天井は102%となる。
天井が低いため80歳や90歳まで待っても、解約返戻金は100%にならない可能性が高い。2014年頃までは30歳契約で60歳払込完了なら、支払う合計保険料は約820万円で、60歳時の解約返戻金は約790万円まで増加し、65歳になると820万円を超えていた。それが5年以上が経過して状況は一変しており、今では終身保険の解約返戻金は外貨建てでもない限りは期待できなくなっている。
次に下図では各社の終身保険を、契約できる年齢・保険料の払い込み期間・保険金額の増減の有無・付加できる特約に加え、支払った保険料が何%で戻るかを示す返戻率で比較した。返戻率は1000万円(一部は500万円)を30・40・50歳で保険料払込期間を60歳で契約して、保険料の支払完了後に死亡保険金を受け取った場合で比較した。評判が良いか悪いかは生命保険協会のデータで苦情率(苦情数÷契約数)を算出して判断した。
名称 | かんぽ ながいき |
かんぽ ながいき おたのしみ |
住友生命 終身 |
ソニー 有期払込 |
ジブラルタ 終身 |
コープ共済 ずっと |
大同生命 終身 |
東京海上 あんしん |
JA共済 終身共済 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
契約年齢 | 15~85歳 | 15~75歳 | 15~75歳 | 0~85歳 | 0~75歳 | 0~70歳 | 15~80歳 | 0~85歳 | 0~75歳 |
払込年齢 | 55~95歳 | 55~80歳 | 60~75歳 | 3年~ | 55~85歳 | 60~70歳 | 60~65歳 | ? | ? |
保険金 増減 |
一定 | 5分の1 | 一定 | 一定 | 一定 | 一定 | 一定 | 一定 | 一定※ |
5年ごと 利差配当 |
○ | ○ | ○ | - | - | - | ○ | ○ | - |
特約 | 災害/傷害 疾病 |
災害/傷害 疾病 |
多数 | 多数 | 死亡/介護 年金 |
リビング | 年金/災害 リビング |
災害/傷害 リビング |
年金/災害 定期 |
苦情率 | 0.24% | 0.24% | 0.47% | 0.21% | 0.13% | - | 0.49% | 0.05% | - |
保険料 返戻率 30歳 |
\28,400 97.8% |
\29,600 93.8% |
\27,670 100.3% |
\23,650 117.4% |
\26,000 106.8% |
\21,200 131.0% |
- | \27,200 102.1% |
\8,083 68.7% |
保険料 返戻率 40歳 |
\42,600 97.8% |
\44,500 93.6% |
\34,320 97.1% |
\36,800 113.2% |
\39,730 104.8% |
\33,500 124.3% |
\34,750 95.9% |
\41,050 101.5% |
\11,377 73.2% |
保険料 返戻率 50歳 |
\84,000 99.2% |
\87,900 94.8% |
\28,610 97.0% |
- | \83,150 100.2% |
\69,800 119.3% |
- | \82,110 101.4% |
\20,329 81.9% |
利回り | -0.05% | -0.16% | -0.07% | 0.33% | 0.12% | 0.61% | -0.10% | 0.04% | -0.67% |
上図で右から2番目の東京海上日動あんしん生命 終身保険だが、契約可能な年齢は0~85歳までと広めになっている。数年前までは上限年齢が50歳までと厳しかったが、今では定年退職後でも加入できる(それに意味があるかは疑問だが)ようになった。苦情率は他社と比較して圧倒的に低いため、評判は悪くない可能性が高い。苦情の内訳では他社と同じく保全関係(変更手続き等)が多いが、他社ほどの不安感は無さそうだ。
保険料は他社と比較して平均か安い部類に入るが、そもそも便宜上500万契約にしている保険もあるため保険料で安いか否かは一概にいえない。そのため一律での比較は返戻率で判断する必要がある。東京海上の終身保険は保険金額1000万円で30歳契約かつ60歳で保険料払込完了で、保険料は月額27200円となる。そのため返戻率は
1000000÷(27200×12×30)=1.021となり、百分率にすると102.1%となる。他社には100%を下回る終身保険もあるため一定の評価はできるが、上には上がいるのも確かだ。
以上のことから総合評価としては、返戻率からしてパンチに欠ける保険といえる。とはいえ今の運用難の時代を考えると優秀な数字でもあり、苦情率から考えても各手続きへの対応にも期待でき、決して悪い保険ということはないだろう。