大同生命 終身保険(無配当)/ 返戻率・評判・保険料・保障を比較して評価
- おすすめ度:
- 保険会社:
- 大同生命
- 名称:
- 無配当終身保険
- 契約年齢:
- 15~80歳
- 返戻率:
- 95.9% ※40歳契約
- 利回り:
- -0.10%※40歳契約
- 特徴:
- 安心の一生涯の保障に資産形成機能をプラス
大同生命 終身保険(無配当)は他社と比較して特筆すべき点が・・・
大同生命の終身保険にはスタンダードな終身保険以外に、一時払い漸増型終身保険の(ライフギフトα)がある。さらに数年前までは一時払い終身保険(ライフギフト)もあったが、現在は募集を停止しているようだ。以下では、同社のスタンダードな同社の保障・メリット・デメリットを公式HP等を元に解説し、他社の終身保険と保険料・評判等でも比較する。
大同生命の終身保険は他社の多くの終身保険と同様に、契約時から保険料は一定額で、死亡保険金の金額も変動することはない。中途解約すると解約返戻金が受け取れるが、金額は契約からの経過年数に応じて増加する。終身保険のメリットは更新が無い一律の保険料と一生涯の保障であり、死亡に備えるだけでなく解約返戻金を用いた貯蓄目的に利用できる点にあった。少なくとも2015年頃までは確かにあった。
それから数年が経過した2019年時点では、大同生命の終身保険には貯蓄効果は無い。保険金額1000万円で40歳契約の場合、解約返戻金は100歳になっても1000万円に届かず解約返戻率は100%を下回る。以前のように65~70歳の狭間で100%を超えてくることはない。さらに詳細は後述するが、大同生命の場合は保険料の払込を完了した後に死亡保険金を受け取っても返戻率は100%を下回る。
そのため、この保険を含めて終身保険に対する考え方は少し変えざるを得ない。純粋に死亡保障が目的なら定期保険の方が妥当で、死亡保障と解約返戻金による貯蓄効果(利益)の二者を求めるなら外貨建終身保険か、少なくとも低解約返戻金型の終身保険を検討すべきだ。円建ての純粋な終身保険の役割は、解約返戻金が返戻率90%程度に達した時に受け取り、保険料払込完了までの死亡保障を少し割安な保険料で確保することにありそうだ。1000万円の保険金であれば実質の保険料が100万円で20年間は1000万円の死亡保障を受けられ、戻ってくる900万円は老後資金なり投資に回すということになる。
次に下図では各社の終身保険を、契約できる年齢・保険料の払い込み期間・保険金額の増減の有無・付加できる特約に加え、支払った保険料が何%で戻るかを示す返戻率で比較した。返戻率は1000万円(一部は500万円)を30・40・50歳で保険料払込期間を60歳で契約して、保険料の支払完了後に死亡保険金を受け取った場合で比較した。評判が良いか悪いかは生命保険協会のデータで苦情率(苦情数÷契約数)を算出して判断した。
名称 | かんぽ ながいき |
かんぽ ながいき おたのしみ |
住友生命 終身 |
ソニー 有期払込 |
ジブラルタ 終身 |
コープ共済 ずっと |
大同生命 終身 |
東京海上 あんしん |
JA共済 終身共済 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
契約年齢 | 15~85歳 | 15~75歳 | 15~75歳 | 0~85歳 | 0~75歳 | 0~70歳 | 15~80歳 | 0~85歳 | 0~75歳 |
払込年齢 | 55~95歳 | 55~80歳 | 60~75歳 | 3年~ | 55~85歳 | 60~70歳 | 60~65歳 | ? | ? |
保険金 増減 |
一定 | 5分の1 | 一定 | 一定 | 一定 | 一定 | 一定 | 一定 | 一定※ |
5年ごと 利差配当 |
○ | ○ | ○ | - | - | - | ○ | ○ | - |
特約 | 災害/傷害 疾病 |
災害/傷害 疾病 |
多数 | 多数 | 死亡/介護 年金 |
リビング | 年金/災害 リビング |
災害/傷害 リビング |
年金/災害 定期 |
苦情率 | 0.24% | 0.24% | 0.47% | 0.21% | 0.13% | - | 0.49% | 0.05% | - |
保険料 返戻率 30歳 |
\28,400 97.8% |
\29,600 93.8% |
\27,670 100.3% |
\23,650 117.4% |
\26,000 106.8% |
\21,200 131.0% |
- | \27,200 102.1% |
\8,083 68.7% |
保険料 返戻率 40歳 |
\42,600 97.8% |
\44,500 93.6% |
\34,320 97.1% |
\36,800 113.2% |
\39,730 104.8% |
\33,500 124.3% |
\34,750 95.9% |
\41,050 101.5% |
\11,377 73.2% |
保険料 返戻率 50歳 |
\84,000 99.2% |
\87,900 94.8% |
\28,610 97.0% |
- | \83,150 100.2% |
\69,800 119.3% |
- | \82,110 101.4% |
\20,329 81.9% |
利回り | -0.05% | -0.16% | -0.07% | 0.33% | 0.12% | 0.61% | -0.10% | 0.04% | -0.67% |
上図で右から3番目の大同生命 終身保険だが、年齢等の契約時の諸条件には他社と大差が無い。特約には災害などで死亡すると保険金が上乗せされる災害特約と、ケガや病気で入院などで治療費が発生すると給付金が受け取れる医療特約等がある。ただ、医療特約は保障内容が医療保険に劣る上に、ただでさえ低い返戻率を一段と下落させてしまう。苦情率は他社と比較して高めのため、さほど評判は良くない可能性が高い。苦情の内訳は他社と同じく保全関係(変更手続き等)が多いが、契約後の変更手続き等で顧客へのサポートが薄いのかもしれない。
保険料は40歳契約しか明らかではないが、一見すると他社より安いのは65歳払い込みとなっているためで、見かけほど保険料は安いわけではない(他社よりも5年間長く保険料を支払うため)。返戻率は同条件で他社と比較できるが、月額34,750円を25年(12ヶ月×25年)を支払って1000万円の保険金を受け取るため、
1000000÷(34750×12×25)=0.9529となり百分率にすると95.2%となる。前述したように返戻率は100%を下回り、生命保険料控除等の節税効果を除けば貯金した方が得ということになる。もちろん他社の返戻率が100%を上回る保険よりも損ということになる。
以上のことから総合評価としては、数字面でのお得感が存在せず特筆すべきプラス面もないためオススメできない保険といえる。これなら素直に保険料が安く返戻率が高い他社の保険を選択するか、年齢や保険料払い込み年齢などで自在性がある保険で自分に都合よく組み立てた方がいいだろう。