住友生命 バリューケア/ 低解約返戻金型終身保険の返戻率・利回り・保険料・保険金・保障を評価 レビュー

住友生命 バリューケア
オススメ度:
2
保険会社:
住友生命
名称:
バリューケア
契約年齢:
15~68歳
返戻率:
106.6%
利回り:
0.22%
特徴:
介護・死亡保障が一生涯続く保険です

住友生命 バリューケアは介護状態も保険金支払いの条件に入るが!?

バリューケアは住友生命の低解約返戻金型の終身保険で、この保険以外には同社でスタンダードな低解約返戻金型である「バラ色人生」や、銀行・証券会社などの金融窓口限定の「ふるはーとF」などが存在する。以下、バリューケアの概要を記載し他社と比較する。

住友生命 バリューケアの仕組み・保険料・解約返戻率・解約返戻金・死亡保険金など

この保険は他社と同様に、保険料の払い込み完了するまでの解約返戻金を抑え、保険料を割安にすることで解約返戻率を高めている。低解約返戻金型の終身保険に共通だが、保険料の払い込み前に解約すると損失額が大きくなる点に注意したい。

他社と異なるのは死亡保険金で、他社では支払要件が死亡・高度障害だが、この保険では介護が含まれている。死亡せずとも介護状態で受け取れるのは魅力的に映るが、その明確な条件(レベル)は記載されていない。ただ、他社を含めて他ジャンルの保険を見渡す限り要介護3を条件とする保険が多いため、そう甘くはない点は覚えておきたい。ちなみに要介護レベル3は1人で起立・歩行ができずトイレ・入浴にも全介助が必要なレベルで、俗に言う寝たきりに近い状態だ。

また、他社には無いサービスに「ケア・アドバイスサービス」がある。24時間の電話相談は特段珍しくもないが、専門家が自宅まで訪問して相談を受けられるのは一部の人にはメリットといえそうだ。

次に下図では、各社の低解約返戻金型の終身保険を加入できる年齢・保険料の払込完了の年齢・死亡保険金の額と増減・付加できる特約などで比較した。参考までに苦情率(苦情数÷契約数 ※生命保険協会公表)を算出し顧客満足度面も考慮した。さらに30・35・40・50歳で60歳払込完了とし、500万円※一部は1,000万円で契約して、保険料の払い込みの完了直後に解約した場合の解約返戻率(保険料から何%で解約返戻金が戻ってくるか)で比較した。また、定期預金・国債・社債等より得かを計るため、30歳の場合で保険料を何%で運用したかを表す利回りでお得さを比較した。

名称 住友生命
バラ色
住友生命
バリュー
メットライフ
つづけトク
アフラック
Ways
アクサ
カチッと
オリックス
ライズ
東京海上
長割り
東京海上
長生き
AIG富士
E-終身
契約年齢 15~68歳 15~66歳 20~70歳 0~65歳 20~69歳 15~75歳 0~55歳 0~55歳 0~75歳
保険料
払込年齢
50~70歳
5歳刻み
60~70歳 60~90歳 60~70歳 15年
55~65歳
50~80歳
5歳刻み
~65歳
1歳刻み
~65歳
保険金
増減
一定 一定 一定 一定 一定 一定 一定 一定 一定
特約 がん
リビング
介護/がん
リビング
年金 コース リビング - - 祝い金
三大疾病
特定疾病
傷害/介護
苦情率 0.84% 0.84% 0.78% 1.09% 0.22% 0.31% 0.34% 0.34% 0.24%
解約返戻率
30歳
107.4% 106.6% 113.3% 106.3% 112.7% 115.9% 111.7% 99.8% -
解約返戻率
35歳
104.0% 103.8% 109.0% 103.3% 108.8% 111.3% 108.3% 96.6% 106.6%
解約返戻率
40歳
100.6% 100.4% 105.0% 100.2% 105.0% 106.8% 104.5% 93.3% -
解約返戻率
50歳
95.0% 93.1% 98.3% 95.9% 99.3% 97.4% 98.5% 87.6% -
利回り 0.25% 0.22% 0.44% 0.21% 0.42% 0.53% 0.39% -0.01% 0.22%※
低解約返戻金型終身保険の保障・保険料の比較表(住友生命 バラ色人生・バリュー・メットライフ つづけトク・アフラックWays・アクサ カチッと・オリックス ライズ・東京海上 長割り・長生き・AIG富士 E-終身)

上図で左から2番目の住友生命 バリューケアだが、契約できる年齢は15~66歳で平均的だが、介護が保険金の支払要件に入っているためか、上限は同じ住友生命よりも2歳低い。その他では、他社には無い「がんサポート特約」が目に付くが、ガンに罹患して治療に好転の兆しが見られない場合に死亡保険金を受け取れるだけで、保険料の支払を免除されたりするわけでもなく、余命宣告で死亡保険金を受け取れるリビングニーズと大差は無い。苦情率は他社と比較して高めで、他社同様に保全関係(解約手続き・名義変更など)に関するものが相応に多いため、一定の注意はしておきたい。

解約返戻率は30歳から50歳まで、どの年齢であっても他社を下回りワーストクラスの数字だ。介護が付いているためか、同じ住友生命と比較しても低い。さらに利回りに換算して0.22%のため、死亡保険金を受け取るならいざ知らず、社債は元より個人向け国債、下手をすれば一部の定期預金にも劣るような利回りでは貯蓄性があるとはいえない。

結論としては、保険金が支払われる条件に介護があるのは魅力的だが、その条件が相応に厳しいことを予想すれば、わざわざ解約返戻率が他社より低い保険を選択する必要はない。そのため、この保険が他社よりオススメということはない。大人しく他社の解約返戻率が高い保険か、使い勝手の良い保険を選択した方が賢明だろう。