JA共済 終身共済/ 終身保険の返戻率・評判・保険料・保障を比較して評価

JA共済 終身共済
おすすめ度:
1
保険会社:
JA共済
名称:
終身共済
契約年齢:
0~75歳
返戻率:
68.7% ※30歳契約
利回り:
-0.67%※40際契約
特徴:
大切なご家族のために一生涯にわたって備えられる

JA共済 終身共済は一見すると保険料は安いが!?

JA共済 終身共済は農協の共済で、基本は農業従事者向けの保険といえる。しかし、1,000円~1万円程度の出資金(地域による異なる)を預けて准組合員となれば、農家でなくても誰でも利用できる。以下では、JA共済 終身共済の保障・メリット・デメリットを公式HP等を元に解説し、他社の終身保険と保険料・評判等でも比較する。

この共済は主契約に死亡時に受け取れる死亡共済金があり、その他に特約として災害給付特約・災害死亡割増特約・定期特約・家族収入保障特約を付加するか否か選択することになる。災害給付特約は災害によるケガで後遺障害が残った場合、災害死亡割増特約は災害で死亡した際に共済金が上乗せされる。

JA共済 終身共済の仕組み・保険料・返戻率・死亡保険金など(出典:JA共済の公式ホームページより抜粋)

災害とは別に定期特約は保険料払込期間中に死亡すると主契約の共済金とは別に共済金が受け取れる。さらに家族収入保障特約は収入保障保険と同じ仕組みで、契約初期が最も死亡共済金が高く、年数が経過するほどに共済金額は少なくなっていく。子供が小さい間は手厚い死亡保障が欲しいとった人向けの特約だ。

いずれにせよ特約のため付加しないという選択も可能で、特約分として支払った保険料に解約返戻金はない点は忘れずにおきたい。また、各特約は終身共済ではなく本家の保険、つまりは定期特約ではなく定期保険、収入特約ではなく収入保障保険の方が保障も厚く保険料も安くなることが多いため、本当に特約が必要かは熟考して欲しい。

次に下図では各社の終身保険を、契約できる年齢・保険料の払い込み期間・保険金額の増減の有無・付加できる特約に加え、支払った保険料が何%で戻るかを示す返戻率で比較した。返戻率は1000万円(一部は500万円)を30・40・50歳で保険料払込期間を60歳で契約して、保険料の支払完了後に死亡保険金を受け取った場合で比較した。評判が良いか悪いかは生命保険協会のデータで苦情率(苦情数÷契約数)を算出して判断した。

名称 かんぽ
ながいき
かんぽ
ながいき
おたのしみ
住友生命
終身
ソニー
有期払込
ジブラルタ
終身
コープ共済
ずっと
大同生命
終身
東京海上
あんしん
JA共済
終身共済
契約年齢 15~85歳 15~75歳 15~75歳 0~85歳 0~75歳 0~70歳 15~80歳 0~85歳 0~75歳
払込年齢 55~95歳 55~80歳 60~75歳 3年~ 55~85歳 60~70歳 60~65歳
保険金
増減
一定 5分の1 一定 一定 一定 一定 一定 一定 一定※
5年ごと
利差配当
- - - -
特約 災害/傷害
疾病
災害/傷害
疾病
多数 多数 死亡/介護
年金
リビング 年金/災害
リビング
災害/傷害
リビング
年金/災害
定期
苦情率 0.24% 0.24% 0.47% 0.21% 0.13% - 0.49% 0.05% -
保険料
返戻率
30歳
\28,400
97.8%
\29,600
93.8%
\27,670
100.3%
\23,650
117.4%
\26,000
106.8%
\21,200
131.0%
- \27,200
102.1%
\8,083
68.7%
保険料
返戻率
40歳
\42,600
97.8%
\44,500
93.6%
\34,320
97.1%
\36,800
113.2%
\39,730
104.8%
\33,500
124.3%
\34,750
95.9%
\41,050
101.5%
\11,377
73.2%
保険料
返戻率
50歳
\84,000
99.2%
\87,900
94.8%
\28,610
97.0%
- \83,150
100.2%
\69,800
119.3%
- \82,110
101.4%
\20,329
81.9%
利回り -0.05% -0.16% -0.07% 0.33% 0.12% 0.61% -0.10% 0.04% -0.67%
終身保険の契約年齢・払込年齢・保険金・利差配当・特約・苦情率・返戻率・利回りの比較表(かんぽ生命・住友生命・ソニー生命・ジブラルタ・コープ共済・大同生命・東京海上日動あんしん生命・JA共済の各社の公式ホームページの数値を元に当社が作成)

上図で1番右のJA共済 終身共済だが、契約可能な年齢はどの特約を付加するかで異なる。ただ、主契約自体は75歳までのため高齢になっても契約はできる。死亡保険金は主契約の部分は一定額だが、特約部分は異なる。定期特約は保険金額が一定額だが一定期間経過後に消滅し、災害特約は災害死亡の部分だけ減額された形で一生涯継続される。また、収入保障部分は共済金額が年々逓減していき、保険料を支払い終えるころには消滅する。

掛け金(保険料)は定期特約・災害特約を付加した場合だが、これでも他社と比較して安めには見える。ただ、大半の人は60歳まで死亡せず何事もなく過ごすことを考えると、最終的に受け取る死亡保険金額は200万円となり保険料に割安感はない。そもそも定期保険なら保険金額が1000万円でも保険料は2~3000円のため、定期保険と比較すれば保険料が高いのは明白だ。返戻率は30歳契約で60歳払込完了で60歳以降に死亡したなら、
2000000÷(8083×12×30)=0.683となり、百分率にすると68.3%と100%を大幅に切る。仮に60歳以降に災害で死亡したなら返戻率は137%まで上昇するが、そればかりは予想しようがないだろう。

以上のことから総合評価としては、用意されている特約の魅力が乏しく、さらに保険料・返戻率からしてもオススメできそうにない。同じ共済ならコープの方が数字面で優秀で、共済に固執しないならソニー生命などの方が優秀だ。農協との付き合いなどで加入するにしても、JA共済なら年金共済の方を検討した方が良いだろう。