こだわり終身保険v2を比較・評価

- オススメ度:
- 保険会社:
- マニュライフ生命
- 名称:
- こだわり終身保険V2
- 加入年齢:
- 20~70歳
- 保障期間:
- 終身
- 保障内容:
- 死亡すると保険金
- 特徴:
- 未来に受け渡すあなたの想い
こだわり終身保険v2はマニュライフ生命が2014年7月から募集・販売している保険です。販売開始から10年以上が経過していますが、基本的に保障内容は変わっていません。ただ、保険料率は度々改定されており販売開始時の返戻率(約140%)からは低下しています。
それでは以下で保障内容・保険料・評判等を解説し、他社の終身保険と比較していきます。
保障内容
この保険は死亡・高度障害となると契約時の死亡保険金が受け取れ、この死亡保障は解約しない限り一生涯継続します。保険料を支払う期間(保険料払込期間)は35~90歳になるまでか、最長30年間の年数の中から選択できます。死亡するまで保険料を支払う終身払いも選択できます。また、非喫煙者だと保険料が5~6%ほど割引されます。

死亡する前に解約すると、死亡保険金は消滅する代わりに解約返戻金が受け取れます。解約返戻金は保険料払込完了後だと支払った保険料総額を超えるですが、保険料払込期間中だと70%程度の額になります。この解約返戻金が抑制される期間(低解約返戻金期間)は保険料払込期間と同期間となります。
また、主契約の死亡保障外に特定疾病保険料払込免除特則・災害割増特約・リビングニーズ特約等が付けられます。特定疾病保険料払込免除特則を付けると、がん(悪性新生物)・脳卒中・急性心筋梗塞になると以後の保険料の支払いが免除されます。災害割増特約を付けると災害で死亡すると保険金が上乗せされ、リビングニーズ特約を付けると余命6ヶ月と診断されると保険金が受け取れます。
保険料を他社と比較
この保険の保険料は性別・年齢・保険金額・保険料払込期間等で変動します。女性よりも男性の方が保険料は高く、契約時の年齢が高かったり死亡保険金額が高額になっても保険料は上昇します。さらに非喫煙者であれば非喫煙者保険料率が適用され、喫煙者に適用される標準体保険料率よりも5~6%ほど保険料が低下します。

次に保険料は他社より安いのか高いのか、下図で返戻率にして他社の終身保険と一覧表で比較しました。基本的に保険金額は1000万、保険料払込期間は65歳で30歳・40歳・50歳で契約した場合の返戻率を比較しました。

この保険の返戻率を他社と比較すると、数多くの保険の中でトップクラスになっています。他社よりも20~30%ほど返戻率は高く、30歳契約時は平均の返戻率105%を大きく上回っています。この保険より返戻率は高いのはオリックス生命ぐらいです。
この高い返戻率だけで十分に契約する動機にはなりますが、その他にもメリットはあるのでしょうか。続いてメリットを記述していきます。
メリット
この保険のメリットは、まずは前述したように返戻率が高い点が挙げられます。他社には30歳で契約して死亡保険金を受け取っても返戻率が100%を切る保険があります。この保険なら少なくとも40歳で契約しても死亡保険金を受け取れば損はしません。
死亡保険金ではなく解約返戻金を目的に契約するのも手です。死亡保障は現役時のみと割り切って、退職時に解約返戻金で住宅ローンを完済するという使い方もあります。30歳契約で60歳で保険料払込満了の場合、解約返戻金の返戻率は60歳時に108%で65歳時で112%です。保険金1000万の契約なら解約返戻金は800万円超が見込めます。
また、特定疾病保険料払込免除特則が付けられるのもメリットです。悪性新生物(がん)・急性心筋梗塞・脳卒中になると、それ以後の保険料の支払いが免除されます。保険料が免除されると解約返戻金を受け取った場合も返戻率は大幅に上昇します。30歳契約で35歳で保険料が免除されると解約返戻率は500%を超え大幅な利益になるため、解約して病気の治療費に回すことも可能です。

デメリット・弱点・落とし穴
この保険のデメリットには、まずは低解約返戻金型である点が挙げられます。保険料を支払っている間(保険料払込期間中)に解約すると、解約返戻金は支払った保険料総額の最高で70%程度になります。通常であれば保険料払込完了直前であれば80~90%近くまでいきますが、この保険では解約による損失が大きくなっています。

また、メリットで既述した特定疾病保険料払込免除特則は、対象となる病気が悪性新生物・急性心筋梗塞・脳卒中に限定されています。他社では急性心筋梗塞以外の心疾患、脳卒中以外の脳血管疾患でも保険料が免除されます。その他に、他社の終身保険のように医療保障や介護保障が付けられない点でも物足りなさを感じます。
ちなみに、この保険はマニュライフ生命の営業職員もしくは保険代理店経由で契約できます。公式HPからは加入手続きが進められず、インターネット上で契約を完結できません。基本的にはマニュライフ生命の担当者か保険代理店で相談(もしくはオンライン相談)してからの契約となり、契約するまでに相応の手間と時間が必要になります。
評判・苦情
マニュライフ生命の2024年の決算資料によると、個人向け保険の新契約数は7.3万件で前年度の6.2万件から約15%の減少でした。死亡保障の保険の保有契約高も前年度から減少しているため、申込数・契約数等からすると評判は良くありません。
さらに契約数でいうと、保険市場の終身保険の申込数ランキング2024では、こだわり終身保険v2は10の保険の中で9位と下位でした。価格.comの終身保険の資料請求ランキング2025でも10位で、保険料(返戻率)重視の人からも評価されていません。保険料は決して割高ではないため保険料以外の面が足を引っ張っている可能性がありそうです。
また、生命保険協会の苦情数のデータでは、マニュライフ生命全体に寄せられた苦情数は1203件(2024年度上半期実績)でした。総顧客数の107万件で割った苦情率は0.1%で、契約者1000人のうち1件の苦情が発生している計算です。他社の苦情率は0.1~0.3%台が多いため、苦情面で考えると評判は悪くありません。
その一方で「オリコン顧客満足度 死亡保険ランキング2025」では、マニュライフ生命は27社中15位と下位に沈んでいます。この調査の評価項目は加入手続き・商品内容・保険料・アフターフォローですが、項目別のランキングでは保険料分野で10位に入った以外はランキング外でした。特にアフターフォローは平均値からの乖離が大きめでした。

個別の口コミではポジティブな意見がある一方で、「代理店から提示された選択肢が少なかった」「加入後には担当者から何の連絡もない」「担当者の説明が専門用語ばかりで分かりにくい「担当者の言われた通りにしたら損をした」等の意見がありました。アフターフォローの評価が低いだけあって、担当者に対する不満が多いようです。
オリコンではマニュライフ生命への評判は少し悪そうですが、こだわり終身保険v2自体の専門家からの評価は高いです。30人の専門家(ファイナンシャルプランナー)が調査対象の「FPが選んだオリコン終身型生命保険 ランキング2025」では1位でした。保険料ではオリックス生命に次ぐ2位、保障の独自性ではSOMPOひまわり生命に次ぐ2位でしたが、商品内容では1位と最も高い評価を受けていました。

以上のデータから考えるとマニュライフ生命の評判は少し悪そうで、こだわり終身保険v2の評判もあまり良くありません。マニュライフ生命の評判については契約数が伸び悩んでおり、オリコンの顧客満足度も低めのため少し悪い可能性があります。この保険自体の評判は各社の資料請求数・申込数からすると良くはなさそうです。ただ、専門家からの評価は高いため保険として悪いことはなく、何かをキッカケにして評判が良化する可能性はあります。
総合評価・おすすめか?
結論としては、こだわり終身保険v2は悪くない保険です。他社と比べて保険料は安く返戻率はトップクラスで、保険料払込免除特約があり最低限の特約もあります。評判面で少し気がかりな面はあり、デメリットもあるにはありますが、それを考慮しても優先的に検討すべき保険でしょう。
この保険以外で他社の保険も検討したい人は、返戻率を重視するならオリックス生命・住友生命が候補になります。保障も重視するならソニー生命やSOMPOひまわり生命あたりの終身保険も検討すると良いでしょう。