住友生命 ふるはーとF/ 低解約返戻金型終身保険の返戻率・利回り・保険料・保険金・保障を評価 レビュー

住友生命 ふるはーとF
オススメ度:
3
保険会社:
住友生命
名称:
ふるはーとF
契約年齢:
15~75歳
返戻率:
107.5%
利回り:
0.25%
特徴:
将来の死亡保障とともに資産形成にもご活用いただける終身保険

住友生命 ふるはーとFは引き受け基準緩和型のわりにはお得!?

ふるはーとFは住友生命の低解約返戻金型の終身保険で、全国の地銀などの金融窓口限定のみで契約できる点に注意したい。また、同社には同じ低解約返戻金型の「バラ色人生」「バリューケア」なども存在する。以下、ふるはーとFの概要を記載し他社と比較する。

住友生命 ふるはーとFの仕組み・保険料・解約返戻率・解約返戻金・死亡保険金など

まず、この保険は2つの告知項目(5年以内のガンと肝硬変の有無・要介護認定の有無)のみで、引き受け基準緩和型に近い点で他社と異なる。とはいえ他社同様に低解約返戻金型であるのに変わりはなく、保険料の払込期間中の解約返戻金は低額で、払込完了後の解約返戻金は大きく増加する。異なるのは死亡保険金で、他社のように契約時から一定額ではなく契約時から10年後に定めた額に到達する仕組みになっている。要は告知が緩い分だけ、告知以外の要素で早期に死亡する可能性があるため、死亡保険金は減らしているということだ。ただし、交通事故などの突発的な事象による死亡は見舞い死亡保険金となり、契約時に定めた死亡保険金が満額支払われる。

次に下図では、各社の低解約返戻金型の終身保険を加入できる年齢・保険料の払込完了の年齢・死亡保険金の額と増減・付加できる特約などで比較した。参考までに苦情率(苦情数÷契約数 ※生命保険協会公表)を算出し顧客満足度面も考慮した。さらに30・35・40・50歳で60歳払込完了とし、500万円※一部は1,000万円で契約して、保険料の払い込みの完了直後に解約した場合の解約返戻率(保険料から何%で解約返戻金が戻ってくるか)で比較した。また、定期預金・国債・社債等より得かを計るため、30歳の場合で保険料を何%で運用したかを表す利回りでお得さを比較した。

名称 住友生命
バラ色
住友生命
バリュー
住友生命
ふるはーと
メットライフ
つづけトク
アフラック
Ways
アクサ
カチッと
オリックス
ライズ
東京海上
長割り
東京海上
長生き
契約年齢 15~68歳 15~66歳 15~75歳 20~70歳 0~65歳 20~69歳 15~75歳 0~55歳 0~55歳
保険料
払込年齢
50~70歳
5歳刻み
60~70歳 5~45日 60~90歳 60~70歳 15年
55~65歳
50~80歳
5歳刻み
~65歳
1歳刻み
~65歳
保険金
増減
一定 一定 漸増 一定 一定 一定 一定 一定 一定
特約 がん
リビング
介護/がん
リビング
年金 年金 コース リビング - - 祝い金
三大疾病
苦情率 0.84% 0.84% 0.84% 0.78% 1.09% 0.22% 0.31% 0.34% 0.34%
解約返戻率
30歳
107.4% 106.6% 107.5% 113.3% 106.3% 112.7% 115.9% 111.7% 99.8%
解約返戻率
35歳
104.0% 103.8% - 109.0% 103.3% 108.8% 111.3% 108.3% 96.6%
解約返戻率
40歳
100.6% 100.4% 106.5% 105.0% 100.2% 105.0% 106.8% 104.5% 93.3%
解約返戻率
50歳
95.0% 93.1% 100.1% 98.3% 95.9% 99.3% 97.4% 98.5% 87.6%
利回り 0.25% 0.22% 0.25% 0.44% 0.21% 0.42% 0.53% 0.39% -0.01%
低解約返戻金型終身保険の保障・保険料の比較表(住友生命 バラ色人生・バリュー・住友生命 ふるはーとF・メットライフ つづけトク・アフラックWays・アクサ カチッと・オリックス ライズ・東京海上 長割り・長生き・AIG富士 E-終身)

上図で左から3番目の住友生命 ふるはーとFだが、契約できる年齢幅は15~75歳で他社と比較して上限が若干緩い。また、前述したように死亡保険金は一定額ではなく漸増する点で他社と異なるが、それ以外の特約などでは特徴は見られない。苦情率は他社よりも高めで、解約手続き・名義変更などの際の保険会社の対応には一抹の不安がある。

解約返戻率は他社と比較して低く、解約返戻金を狙うなら他社が一枚上手だ。ただし、なぜか40歳・50歳からの契約だと他社と比較しても高い数字のため優位性はある。とはいえ返戻率が106%程度では貯蓄性があるとは言い難い。また、利回りでも0.25%で個人向け国債以下で、定期預金なみの数字になっており貯蓄性は乏しい。

結論としては、解約返戻金目当てで解約返戻率を重視するならオススメできない保険だ。しかし、引き受け基準緩和で低解約返戻金型にしては返戻率は優秀ともいえ、その点で健康に不安がある人・既往症がある人は検討の余地がある保険といえそうだ。