チューリッヒ生命 終身がん治療保険プレミアムDX/ がん保険の保険料・保障内容・特約を評価 レビュー

チューリッヒ生命 終身がん治療保険プレミアムDX
オススメ度:
4
保険会社:
チューリッヒ生命
名称:
終身がん治療保険プレミアムDX(デラックス)
保障内容:
診断給付金・手術・放射線・抗がん剤
保険期間:
終身
顧客満足度:
13位 / 26社中
特徴:
幅広い治療に合わせて必要な保障を備えられる終身ガン保険

終身がん治療保険プレミアムDXは他社と比較して上々のがん保険!?

終身がん治療保険プレミアムDXはチューリッヒ生命のがん保険で、MY終身がん保険から終身がん治療保険プレミアム、そして終身がん治療保険プレミアムDXへとリニューアルしてきた。このプレミアムDXは2018年4月から発売している。以下、終身がん治療保険プレミアムDXの概要を記載し他社と比較する。

まず保障内容だが、基本保障は放射線・抗がん剤・自由診療給付金の3つで構成されている。他社とは異なり、入院給付金や手術給付金はオプション(特約)扱いとなっている。この基本保障の3つだけで契約することも可能だが、この保険は保険料が月額1,500円以上か年払い保険料で15,000円以上でなければ契約できない点に注意が必要だ。

チューリッヒ生命 終身がん治療保険プレミアムDXの仕組みと主な保障内容・保険料

3つの基本保障で注目すべきは「自由診療給付金」だろう。通常の医療費は窓口負担で3割負担、かつ高額療養費制度によって日本国民であれば月額の医療費は8万円程度に抑えられる。しかし、新薬・未承認薬で自由診療となれば全額自己負担となり、薬を打つ度に数十万円の医療費が請求されることもある。この給付金では自由診療となれば給付金が2倍になり、高額になりがちな費用をカバーできるというわけだ。ノーベル賞で一気に注目を集めた抗がん剤「オプジーボ」も、効果は明らかだったが長らく自由診療で多額の費用が必要だった。

特約の中では先進医療は必須だろうが、通院給付金は長期治療への備えであってもいいだろう。注目すべきは「緩和療養給付金」で、がんの痛みへの緩和が必要となれば月額10~60万円が受け取れる。こちらも通院治療と同様に長引く可能性があるため十二分に検討の余地がある特約といえる。

その反面、チューリッヒお得意の「ストレス性疾病」は微妙な特約だ。ガンに罹患した場合は元より、長引く抗がん剤治療などでイライラが募ったり気分が落ち込むことは間々あるため必要性は否定できない。しかし、いかんせん保障内容がイマイチ過ぎる。1回限りで5~20万円では備えとしては不十分だろう。同社の終身医療保険であれば手厚いだけに残念だ。

次に、下図ではガン保険を加入できる年齢から、診断給付金(上段は悪性・下段は上皮内)と回数制限、入院・通院給付金の日額と給付日数、先進医療給付金等で比較した。顧客満足度ではJDパワーの生命保険満足度調査(価格.comや各保険サイトのランキングは契約数だけが基準のため参考外)で比較した。さらに苦情率(苦情数÷契約数 ※生命保険協会公表)を算出し、契約した場合に自分が苦情を言う可能性も考慮した。保険料は各社の最もベーシックなプランで男性が診断給付金が100万円を選択した場合の、30~60歳の月額保険料で比較した。

名称 メットライフ
ガードX
アフラック
デイズ1
オリックス
ガンBelieve
FWD
ガンベスト
チューリッヒ
プレミアムDX
アクサ
がん
三井住友
スマート
東京海上
がんNEO
ライフネット
ダブル
年齢
期間
~80歳
終身
~85歳
終身
~75歳
終身
~80歳
終身
~80歳
終身
~69歳
終身
~85歳
終身
~75歳
終身
~70歳
終身
診断給付 100万
50万
50万
5万
100万
100万
100万
50万※
100万
100万
100万
100万
100万
100万
100万
100万
100万
50万※
診断給付
限度
年1回
(計5回)
1回 1回 年2回
(無制限)
無制限 1回 年1回
(無制限)
無制限
※上皮1回
1回
入院日額
限度
1万※
無制限※
1万
無制限
50+1万
無制限※
- 1万※
無制限
1万※
無制限
1万
無制限
1万
無制限
-
通院日額
限度
- 1万
無制限
1万
無制限
- 1万※
無制限
- 1万
無制限
1万
730日
-
手術給付 - 20万 20万 - 10~30万 10万 10万 20万 10万
三大治療 10万 5~20万 - 10万 10~30万※ 10万 10万※ 10万 10万
先進医療 2,000万 2,000万 2,000万 2,000万 2,000万 500万 2,000万 2,000万 2,000万
顧客満足 5位 12位 9位 ランク外 13位 26位 8位 4位 3位
苦情率 0.64% 0.82% 0.15% 0.58% 0.58% 0.22% 0.14% 0.29% 0.60%
保険料
30歳
\3,440 \4,310 \3,572 \2,100
(\2,666)
\4,329 \2,360 \4,262 \3,913 \2,341
(\3,646)
保険料
40歳
\5,352 \4,310 \5,025 \3,052
(\3,920)
\5,975 \3,440 \5,985 \5,712 \3,307
(\5,297)
保険料
50歳
\8,609 \6,990 \7,291 \4,613
(\6,041)
\9,052 \5,280 \8,872 \9,477 \5,006
(\8,211)
保険料
60歳
\13,525 \11,600 \10,538 \6,820
(\9,291)
\13,851 \8,290 \13,258 \16,317 \7,503
(\12,348)
がん保険の比較表(メットライフ生命ガードX・アフラック デイズ1・オリックス ガンBelieve・FWD富士がんベスト・チューリッヒ プレミアムDX・アクサダイレクト・三井住友あいおい がんスマート・東京海上 がんNEO・ライフネット ダブルエール)

上図で真ん中のチューリッヒのプレミアムDXだが、加入年齢・診断給付金などでは他社との大きな差はない。とはいえ診断給付金は上皮内新生物が含まれている点は評価できる。その他では前述した自由診療となれば三大治療給付金が2倍になる点は良い点だ。その一方で顧客満足度は低く、苦情率も平均よりも高めになっている。この保険に限った話ではなく会社全体の話しになるが、顧客対応の面では一抹の不安がある。

保険料は他社と比較すると、入院給付金・通院給付金などを付加して横並びの条件にすると高額な部類に入る。もちろん外せば保険料は一気に下がる。例えば入院給付金・通院給付金を外せば、30歳で3,019円、40歳で4,085円、50歳で6,092円まで下がる。それでも保険料が安いFWD富士やアクサよりも高いため、保障内容に若干の差異があるとはいえ保険料が安いとは言い難い。

結論としては、総合的にはなかなか良い保険といえるだろう。特に自由診療に備えつつ通常のガン保険の側面を持っているという点で評価できる。これからも医療技術の進歩で新薬が出てくるだろうし、自分なら率先して使いたい(使えるかは医師・病院によるが)という性格の人には向いている保険だ。その反面、自由診療だけに備えたいのであれば、セコム損保のメディコムがあり、通常のガン保険で保障が厚い保険が良ければオリックス・メットライフあたり、長引く治療での収入減を懸念するならライフネットを検討するといいだろう。