東京海上日動あんしん生命 がん診断保険R/ がん保険の保険料・保障内容・特約を評価 レビュー

東京海上日動あんしん生命 がん診断保険R
オススメ度:
1
保険会社:
東京海上日動あんしん生命
名称:
がん診断保険R
保障内容:
診断給付金・入通院・抗がん剤
保険期間:
終身
顧客満足度:
4位 / 26社中
特徴:
使わなかった保険料が戻ってくる新しいカタチのがん保険

東京海上日動あんしん生命 がん診断保険Rは一見するとお得だが!?

がん診断保険Rは東京海上日動あんしん生命のがん保険で、2015年より発売を開始している。支払った保険料が戻ってくるシリーズの1つで、この他に「メディカルKit R」や「メディカルKitラヴR」もある。これとは別にガン治療支援保険NEOも募集・販売している。以下、ガン診断保険Rの概要を記載し他社のガン保険と比較する。

まず保障内容だが、主契約となる基本保障はガンと診断されると受け取れる診断給付金となり、特則で保険料が戻ってくる健康還付特則が付いている。それ以外の入院給付金・手術給付金などの保障はオプション(特約)として付加していくことになる。診断給付金は2年に1回であれば回数無制限、上皮内新生物に限っては保険期間中1回のみだが、他社でも似たような構成のため特にデメリットではない。

東京海上日動あんしん生命 がん診断保険Rの仕組みと主な保障内容・保険料

焦点となるのは健康還付特則で、この特則によって70歳までにガンに罹患して一時金を受け取らなければ、支払った保険料が戻ってくる。一見すると掛け捨ての保険とは異なり、保険料が戻ってくるのはお得なように感じるだろう。ただ、メディカルKit Rでも記述したように、実は特に契約者にメリットがあるわけではない。単純計算して30歳で月額4,400円を40年間支払えば合計210万円を支払うことになる。ガンに罹患すれば100万円を受け取り、残りの110万は健康還付給付金で受け取る。罹患しなければ210万円を還付給付金で受け取る。どちらにせよ保険料の支払いは続き、保険料を支払い長生きするほどに受け取る保険金は目減りすることになる。これなら貯金と大差はないことになる。

特約には注目すべきものは少ない。逆に注意すべきは通院特約は通算730日に限られ、三大治療(抗がん剤・放射線・ホルモン剤)の給付金は抗がん剤のみが対象となっている点だろう。

次に、下図ではガン保険を加入できる年齢から、診断給付金(上段は悪性・下段は上皮内)と回数制限、入院・通院給付金の日額と給付日数、先進医療給付金等で比較した。顧客満足度ではJDパワーの生命保険満足度調査(価格.comや各保険サイトのランキングは契約数だけが基準のため参考外)で比較した。さらに苦情率(苦情数÷契約数 ※生命保険協会公表)を算出し、契約した場合に自分が苦情を言う可能性も考慮した。保険料は各社の最もベーシックなプランで男性が診断給付金が100万円を選択した場合の、30~60歳の月額保険料で比較した。

名称 メットライフ
ガードX
アフラック
デイズ1
オリックス
ガンBelieve
FWD
ガンベスト
チューリッヒ
プレミアムDX
楽天
スーパー
東京海上
がんR
東京海上
がんNEO
ライフネット
ダブル
年齢
期間
~80歳
終身
~85歳
終身
~75歳
終身
~80歳
終身
~80歳
終身
~75歳
終身
~50歳
終身
~75歳
終身
~70歳
終身
診断給付 100万
50万
50万
5万
100万
100万
100万
50万※
100万
100万
100万
50万※
100万
100万※
100万
100万
100万
50万※
診断給付
限度
年1回
(計5回)
1回 1回 年2回
(無制限)
無制限 1回 無制限
※上皮1回
無制限
※上皮1回
1回
入院日額
限度
1万※
無制限※
1万
無制限
50+1万
無制限※
- 1万※
無制限
1万
無制限
1万
無制限
1万
無制限
-
通院日額
限度
- 1万
無制限
1万
無制限
- 1万※
無制限
- 1万
730日
1万
730日
-
手術給付 - 20万 20万 - 10~30万 10万 20万 20万 10万
三大治療 10万 5~20万 - 10万 10~30万※ 2~10万 10万※ 10万※ 10万
先進医療 2,000万 2,000万 2,000万 2,000万 2,000万 2,000万 2,000万 2,000万 2,000万
顧客満足 5位 12位 9位 ランク外 13位 17位 4位 4位 3位
苦情率 0.64% 0.82% 0.15% 0.58% 0.58% 0.09% 0.29% 0.29% 0.60%
保険料
30歳
\3,440 \4,310 \3,572 \2,100
(\2,666)
\4,329 \4,016
(\1,416)
\4,382 \3,913 \2,341
(\3,646)
保険料
40歳
\5,352 \4,310 \5,025 \3,052
(\3,920)
\5,975 \5,966
(\1,856)
\6,654 \5,712 \3,307
(\5,297)
保険料
50歳
\8,609 \6,990 \7,291 \4,613
(\6,041)
\9,052 \9,436
(\2,506)
\11,187 \9,477 \5,006
(\8,211)
保険料
60歳
\13,525 \11,600 \10,538 \6,820
(\9,291)
\13,851 \15,166
(\3,536)
- \16,317 \7,503
(\12,348)
がん保険の比較表(メットライフ生命ガードX・アフラック デイズ1・オリックス ガンBelieve・FWD富士がんベスト・チューリッヒ プレミアムDX・アクサダイレクト・東京海上日動あんしん生命 がん診断保険R・東京海上 がんNEO・ライフネット ダブルエール)

上図で右から3番目のの東京海上日動あんしん生命 がん診断保険Rだが、加入できる年齢は50歳までと他社よりも一段と厳しい。ただ、これは保険の特性上止むを得ないのだろう。診断給付金は前述したように上皮内新生物は1回限りで、入院給付金は他社と大差ないが、通院給付金は地味に制限がかかっている点に注意が必要だ。三大治療も抗がん剤のみに限られる。一方で顧客満足度は4位と高く、商品内容と顧客対応には一定の安心感がある。苦情率も悪くないため顧客対応だけでも良い可能性が高そうだ。

保険料は他社都比較して高額な部類に入る。一応、将来的にはガンに罹患しても100万円が戻ってくると考えると割安にも思えるが、3~4回もガンに罹患するようなら、ただ割高な保険料を支払っているに過ぎない。保険料そのものを見ても特に40代・50代になると上図のガン保険の中ではトップ、他社の2倍近い保険料を支払うことになる。

結論としては、見た目に反して実は一定条件を満たさなければ他社よりも得にはならないため、特にオススメできる保険ではない。健康還付特則を度外視しても保障が他社よりも手厚いとはいえず、ポイントとなる点が見受けられない。これなら保障が手厚い保険が希望であればオリックス・メットライフ、保険料重視なら楽天、長引く治療での収入減を懸念するならライフネットを検討した方が賢明だろう。