SOMPOひまわり 勇気のお守りを比較・評価
- オススメ度：
- 保険会社：
- SOMPOひまわり生命保険
- 名称：
- 勇気のお守り
- 加入年齢：
- 6～80歳
- 保障期間：
- 終身
- 保障内容：
- がん診断等で給付金
- 特徴：
- 健康をサポートするがん保険
健康をサポートするがん保険 勇気のお守りは、SOMPOひまわり生命が2021年から募集・販売しているがん保険です。前身の損保ジャパン日本興亜ひまわり生命の頃から、がん保険には勇気のお守りという名称を用いており、現在でも使用を継続しています。
この保険とは別に同社には吸わントクがん保険（同じく2021年販売開始）もありますが、この保険とは別物のため注意が必要です。それでは以下で保障内容・保険料・評判等を解説し、他社のがん保険と比較していきます。
保障内容
この保険にはがん治療給付型とがん診断給付型の2つがあり、主契約と選べる特約に違いがあります。がん治療給付型はがん治療給付金・自由診療抗がん剤ホルモン剤治療給付金・自由診療乳房再建給付金で構成されています。がん治療給付金は手術・放射線治療・抗がん剤治療・ホルモン剤治療・緩和療養・入院をした月に、1ヶ月につき10万か20万円（自分で選択）が受け取れます。自由診療～給付金は自由診療を受けた月に、同様に1ヶ月毎に受け取れます。
自分で選ぶ特約は新がん先進医療特約・がん保険料免除特約・がん診断給付特約・がん外来治療給付特約・がん入院特約があります。新がん先進医療特約はがんで先進医療を受けると技術料を2000万円まで、療養費として15万円が受け取れます。がん保険料免除特約は初めてがんと診断されると、それ以後の保険料の支払いが免除されます。がん診断給付特約はがんと診断されると100万円が受け取れ、再発時にも受け取れます。
がん外来治療給付特約はがんで外来治療（通院・往診）を受けると、1日につき5000円が受け取れます。がん入院特約はがんで入院した時に1日につき5000円が受け取れます。主契約のがん治療給付金も入院が保障対象のため、入院すると2つの給付金が受け取れることになります。ちなみに、どの特約でも悪性新生物だけではなく超初期がんである上皮内新生物も保障の対象となっています。
がん診断給付型は初めてがん（初期のがんである上皮内新生物含む）と診断されると受け取れます。1年経過後に新たにがんと診断されると、新たに診断給付金が受け取れます。2回目以降の給付金は初めに給付金を受け取ったがんでの入院が継続している場合や、治療のための外来治療・在宅医療による緩和療養でも受け取れます。
自分で選ぶ特約は新がん先進医療特約・がん保険料免除特約・抗がん剤ホルモン剤治療給付特約・がん外来治療給付特約・がん入院特約があります。がん治療給付型とは抗がん剤ホルモン剤治療給付特約以外は同じです。抗がん剤ホルモン剤治療給付特約は抗がん剤・ホルモン剤の治療を受けた月に10万円が受け取れる他、自由診療の抗がん剤・ホルモン剤だと月に20万円が受け取れます。
保険料を他社と比較
この保険の保険料は年齢・型・特約の選択によって変動します。さらに過去1年内に喫煙していないと非喫煙者保険料率が適用されます。現在は喫煙していても禁煙チャレンジ制度があります。契約後に1年以上の禁煙に成功すると非喫煙者保険料率が適用され保険料がお得になります。
非喫煙者で30歳男性・治療給付型・先進医療と保険料免除特約ありだと、保険料は月額1067円となります。診断給付型で先進医療と保険料免除特約と抗がん剤特約ありだと、保険料は2397円と少し高くなります。喫煙者だと前者は数十円、後者は100円ほど保険料は上昇します。
次に保険料は他社より安いのか高いのか、下図で他社のがん保険と一覧表で比較しました。基本的に入院給付金は1万円（診断一時金なら100万円）で、保険料は一部の保険を除いて終身払いで比較しました。
この保険の診断給付型の保険料は、他社と比較して安めになっています。30歳でも平均額（2800円）より安く、40歳・50歳でも平均額（4200円・7000円）より安いです。さらに治療給付型だと30歳の保険料は1000円程度になるため、一気に保険料が最安値圏の保険になります。保険料は40歳でも1000円台、50歳でも2000円台のため年齢に関わらず保険料は明らかに安いです。
とはいえ僅かな差ですが、他社にはSOMPOひまわりよりも保険料が安い保険があります。なないろ生命・コープ団体保険は30歳の保険料が月額1000円を切ります。保険料は間違いなく安いのですが、この保険は厳密には最安値の保険とはなっていません。
メリット
この保険のメリットは、まずは保険料が安い点が挙げられます。既述した通り治療給付型なら保険料は最安値圏にあり、さらに契約から保障が開始する3ヵ月後まで保険料が発生しません。他社の保険は契約してから待機期間で90日があり、その間はがんになっても保障が受けられません。勇気のお守りなら保障が無い期間は保険料は無料になり、無駄な保険料を支払わずに済みます。
また、治療給付型か診断給付型か選択できるのもメリットです。治療給付型は治療費が高額になる自由診療に備えつつ保険料を抑えられます。診断給付型なら200万円の診断給付金で治療費と当面の生活費をカバーしつつ、自分が必要だと思う特約を選択できます。どちらのプランにしても自由診療（がんゲノム検査含む）をカバーする保障が付けられ、保険料免除や抗がん剤も付けられるのもポイントです。
その他に保険加入者向けのサービスが豊富な点も見逃せません。まず、がんリスク検査のN-NOSE（エヌノーズ）とSalivaChecker（サリバチェッカー）を有料ですが利用できます。前者は尿でがんの有無をチェックでき、後者は唾液でがんリスクを判定できます。
さらにがん患者向けオンライン運動レッスンというサービスもあります。がん専門の運用指導士に相談しながら自宅での体の不調改善のための運動ができます。イメージとしてはヨガ・ストレッチに近いもので、パーソナルレッスンの他、グループレッスンも可能です。グループレッスンなら他のがん患者と共に運動ができます。健康電話相談・セカンドオピニオンサービス・健康管理アプリをサービスとしている保険会社が多い中で、かなり充実した内容です。
デメリット・弱点・落とし穴
この保険のデメリットには自由診療・患者申出療養の保障が薄い点が挙げられます。自由診療抗がん剤・ホルモン剤治療給付金が通算12ヶ月が限度になっています。回数制限が同じ12回の保険も他社にはありますが、1年で保障が切れるのは不安感があります。
さらに他社ではネオファーストやメディケア生命は患者申出療養と先進医療を一括りにして、通算2000万円まで保障してくれます。東京海上あんしん生命や明治安田生命だと自由診療を1億円まで保障してくれます。この保険の給付金が倍という保障は、これらと比べると見劣りします。
また、他社でいえば独自の保障を用意しているがん保険があります。アフラックは精密検査の段階で受け取れる給付金、がん以外の三大疾病（心筋梗塞・脳卒中）で一時金が受け取れます。チューリッヒはがん罹患後のうつ病等のストレス疾病疾病で給付金が受け取れ、メットライフ・ライフネットならがん罹患後の収入減少をサポートする給付金があります。
こういった特徴的な保障が無く、この保険は一通り保障が無難に揃っているだけともいえます。その分だけ保険料が安いといった尖った点があれば良いのですが、保険料も他社よりも少し安い程度です。
評判・苦情
SOMPOひまわり生命の2023年の決算資料によると、個人向け保険の全体の新契約数は49.6万件で前年度の40.3万件から22.9％増と好調でした。この保険が含まれるであろう入院保障の保険の保有契約高も増加していました。勇気のお守りは販売開始から146日で申込件数10万件に到達し、2023年11月には申込件数が50万件を突破しています。申込数・契約数等からすると評判は良いです。
契約数でいうと価格.comのがん保険の申込数ランキング2024では、勇気のお守り（治療給付型）は27の保険の中で10位でした。保険料を可能な限り抑えたい人達は治療給付型を選んでいるようです。とはいえ診断給付型も12位のため悪くはありません。
生命保険協会の苦情数のデータでは、SOMPOひまわり生命全体に寄せられた苦情数は4539件（2023年度上半期実績）でした。総顧客数の344万件で割った苦情率は0.1％で、契約者1000人のうち1件の苦情が発生している計算です。他社の苦情率は0.1～0.3％台が多い中では苦情数は普通で、苦情面で考えても評判は悪くありません。
さらに調査会社のJ.D.パワーの「2024年 生命保険契約満足度調査（保険代理店チャネル）」では、SOMPOひまわり生命は17社中3位とトップ3に入りました。前年度の1位から順位を音しましたが、評価項目である手続き・顧客対応・商品提供・保険料の満足度は安定して高いと考えられます。
その一方で「オリコン顧客満足度 がん保険ランキング2024」では、SOMPOひまわり生命は18社中8位と微妙な順位でした。評価項目は加入手続き・商品内容・保険料・アフターフォローですが、どの項目も6～9位になっていました。ダイレクト型・保険会社営業職員が主の保険会社も含めれば、良いとはいえトップクラスではないようです。
個別の口コミではポジティブな意見がある一方で、「窓口担当者の対応が悪い」「給付金が入金するまで遅かった」「新しい（リニューアルされた）がん保険の提案が無かった」「保障内容が分かりにくい」「手続きが面倒」等の意見がありました。偏りはありませんが、とりあえずネガティブな意見はあります。
総じてSOMPOひまわり生命への評判は普通か良さそうですが、やはり勇気のお守りへの評価は高いです。「FPが選んだオリコン終身型がん保険 ランキング2024」では、勇気のお守りは10社中1位です。この調査は30人の専門家（ファイナンシャルプランナー）が回答した調査のため、専門家からの評価は高めだと分かります。保険料・保障の独自性・商品内容でトップの評価でした。
以上のデータから考えるとSOMPOひまわり生命の評判は良いか少なくとも普通ですが、勇気のお守りの評判は間違いなく良いです。SOMPOひまわり生命の評判は調査によって差がありますが、極端に低評価ではないため悪くはないでしょう。勇気のお守りの評判については、契約数が伸びているのに加えてFPからの評価も高いため間違いなく良いでしょう。
総合評価・おすすめか？
結論としては、勇気のお守りは悪くない保険です。保障内容・保険料・評判が総合的に良く、この保険ならではのメリットもあります。とはいえ総合的な評価であり、デメリットで既述したとおり自由診療の保障については一抹の不安はあります。
もしも、この保険よりも充実した保障を追求するなら、アフラック・チューリッヒ・メットライフあたりのがん保険を検討すべきでしょう。この保険よりも保険料を抑えるなら、コープの団体がん保険・なないろ生命あたりを検討する必要があります。
