がん保険ダブルエールを比較・評価

ライフネット生命 がん保険ダブルエール
オススメ度:
1
保険会社:
ライフネット生命
名称:
がん保険ダブルエール
加入年齢:
18~70歳
保障期間:
終身
保障内容:
診断確定等で給付金
特徴:
診断から治療までサポート

がん保険ダブルエールはライフネット生命が2017年から募集・販売しているがん保険です。販売開始から7年以上の年数が経過していますが、大幅なリニューアルをせずに現在も販売を継続しています。

この保険は現在でも一定の人気があるようですが、さすがに直近数年に販売を開始した保険と比べると随所に古い保障が散見されます。それでは以下で保障内容・保険料・評判等を解説し、他社のがん保険と比較していきます。

保障内容

この保険はシンプルタイプ・ベーシックタイプ・プレミアムタイプの3つがあり、自由に保障を選べるフリータイプはありません。シンプルタイプは最も保険料が安く、保障もがん診断一時金のみとなります。がん診断一時金は初めてがんと診断されると受け取れ、一時金の額は100~300万円から自分で選択します。悪性新生物ではなく上皮内新生物でも一時金は受け取れますが、一時金は半額に減額されます。

がん保険ダブルエールのタイプ別の保障内容(出典:ライフネット生命公式HP「特長・保障内容」)

ベーシックタイプにすると治療サポート給付金が付き、がん先進医療給付金が選択可能になります。治療サポート給付金はがんで手術・放射線治療・抗がん剤治療・ホルモン療法を受けると、その月に10万円が受け取れます。金額は自分で設定できませんが、回数は無制限で治療を何度受けても受け取れます。がん先進医療給付金は先進医療で自己負担となる技術料が2000万円まで保障されます。

プレミアムタイプにすると、ベーシックタイプの保障にがん収入サポート給付金が付いてきます。がんと診断されて一時金を受け取り、その翌年から生存していれば最大5回(5年後)まで毎年受け取れます。給付金の額は診断一時金の半額となりますが、5年後も生存していれば2.5回分の一時金を受け取る計算です。一時金の額を100万円に設定したなら診断一時金とサポート給付金で5年間に合計350万円が受け取れます。

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保険料を他社と比較

この保険の保険料は性別・年齢・プラン・給付金の額・選んだオプションによって変動します。30歳男性で一時金100万円・治療給付金10万円・収入サポートあり・先進医療ありのプレミアムプランで、毎月の保険料は3646円となります。40歳男性だと月額5297円、50歳男性だと8211円に上昇します。

プレミアムプランではなく収入サポートが無いベーシックプランにすると、保険料は30歳男性で月額2341円、40歳男性で月額3307円、50歳男性で月額5006円まで下げられます。診断一時金のみのシンプルプランだと、保険料は30歳男性で月額1209円、40歳男性で月額1735円、50歳男性で月額2661円まで下げられます。

次に保険料は他社より安いのか高いのか、下図で他社のがん保険と一覧表で比較しました。基本的に治療給付金は月10万円(診断一時金のみなら100万円)で、保険料は一部の保険を除いて終身払いで比較しました。

がん保険の30歳と40歳と50歳の保険料の比較一覧表(アフラック・アクサ生命・アクサのネット完結・FWD生命・オリックス生命・SOMPOひまわり生命・チューリッヒ・東京海上あんしん生命・なないろ生命・ネオファースト生命・はなさく生命・三井住友海上あいおい生命・メットライフ生命・メディケア生命・楽天生命・コープ団体保険・JA共済・共栄火災・SBI損保・セコム損保・明治安田生命・ソニー生命)※各社の公式HPを元に当社が独自に作成

この保険の保険料はプレミアムプランだと他社と比較すると高めです。例えば30歳男性であれば平均額の2700円よりも900円ほど高く、40歳・50歳でも同様に平均額より高いです。ただし、がん収入サポート給付金が付いている分とも考えられます。どの年齢層でもベーシックプランなら平均額を下回る金額になります。

さらにシンプルプランにすれば一段と保険料は安くなりますが、他社には30歳の保険料が約1000円の保険や、1000円を切る保険もあります。保険料では太刀打ちできないため、この保険からすると保険料以外の面でメリットが欲しいところです。

メリット

この保険のメリットは、まずは治療サポート給付金が月単位で受け取れる点が挙げられます。最近では他社も追随して給付金が月単位で受け取れますが、いち早く月単位にしたのがダブルエールです。月単位の方が日単位の方が通院日数が少ない月でも同等の保障が受けられます。また、いくつかの他社のがん保険は依然として日単位の給付金を採用しています。

そして、最大のメリットは「がん収入サポート給付金」の存在です。がんから生存して5年間はがん診断一時金の半額が毎年受け取れます。他社のがん保険が治療費の高騰や再発・転移への保障を手厚くする中で、この保険ではがんを治療してからの生活に焦点が置かれています。がんを治療し終えて生存していれば給付金が受け取れるというのは、1つの再発防止へのモチベーションにもなりそうです。がんが再発しても生存していれば給付金は受け取れます。

また、最近では他社でも増えてきましたが、先進医療給付金の直接支払いサービスもメリットです。これは治療方法によっては自己負担が数百万円になる先進医療の技術料を、ライフネットから医療機関に直接支払われるサービスで、このサービスを利用すれば数百万円の一時的な立て替え(仮払い)が不要となります。

先進医療給付金の直接支払いサービスについて(出典:ライフネット生命プレスリリース「ライフネット生命保険 先進医療給付金の直接支払いサービスを開始」 2017年11月9日)

ちなみに保険料払込免除についての記載が公式HPでは見受けられませんが、この保険ではベーシックプランとプレミアムプランには保険料払込免除があります。がん診断一時金を受け取った段階で、それ以後の保険料の支払いが不要となります。

保険料の払込免除について(出典:ライフネット生命 がん保険(無配当・無解約返戻金型)普通保険約款)

シンプルプランには保険料払込免除はありませんが、これはがん診断一時金を受け取ると契約が消滅するからです。契約が消滅すれば以後の保険料を支払う必要がありません。

デメリット・弱点・落とし穴

この保険のデメリットには、まずは保障に古さがある点が挙げられます。がん診断一時金は受け取り回数が1回限りで、上皮内新生物は50%に減額されます。他社の大半のがん保険では、受け取り回数は無制限で上皮内新生物でも満額の一時金が受け取れます。

また、治療給付金は同じ月に手術・放射線治療・抗がん剤治療を受けると、その月に受け取れるのは10万円(1回分の給付金)だけです。他社ではメディケア生命なら、同じ月に手術・抗がん剤治療を受けると、手術分と抗がん剤治療分の給付金が受け取れます。手術後に抗がん剤治療、抗がん剤治療後に手術、どちらでも同じ月に重なった場合に、この保険とは受取額に差が出ます。

さらに患者申出診療や自由診療の保障が無いのも大きなデメリットです。これらの治療は新薬・未承認薬等を用いた治療のため、公的医療保険により自己負担額が3割となりません。新薬・未承認薬は平気で1ヶ月の治療費が100万円を超えるケースがあり、診断一時金と10万円の治療給付金ではカバーし切れません。最近のトレンドである効果的な抗がん剤を選択するためのがん遺伝子検査(がんゲノムプロファイリング検査)も保障の対象外です。

さらに細かい点では先進医療給付金に見舞金が含まれていない、他社ではがん以外の先進医療でも保障される点もデメリットです。女性向けの特約・抗がん剤による抜け毛等の外見までケアする特約等もありません。

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評判・苦情

ライフネット生命の2023年の決算資料によると、全体の個人向け保険の新契約数は9.8万件で前年度の10万件から2%減でほぼ横ばいです。その中でがん保険の新契約件数は1.6万件で前年度の1.5万件から増加しているため、契約数からすると評判は良いです。

さらに契約数では価格.comのがん保険の申込数ランキング2024では、がん保険ダブルエールは27の保険の中で申込数は2位でした。この保険は保障内容の選択次第では保険料を相当に下げられ、保険料を重視している人達からの人気を集めているのかもしれません。

ただし、生命保険協会の苦情数のデータでは、ライフネット生命全体に寄せられた苦情数は2429件(2023年度上半期実績)でした。総顧客数の37万件で割った苦情率は0.6%で、契約者1000人のうち6件の苦情が発生している計算です。他社の苦情率は0.1~0.3%台が多い中では苦情数は多く、苦情面で考えると評判は悪いです。

苦情面で不安がありますが、調査会社のJ.D.パワーの「2024年 生命保険契約満足度調査(ダイレクト部門)」では、ライフネット生命は8社中1位とトップでした。手続き・顧客対応・商品提供・保険料の評価項目の全てが高く、手続きと支払保険料の項目は調査の中で最高評価を得たようです。

JDパワー 2024年生命保険契約満足度調査 ダイレクト部門(出典:JDパワー公式HP)

その一方で「オリコン顧客満足度 がん保険ランキング2024」では、ライフネット生命は18社中11位以下でした。評価項目は加入手続き・商品内容・保険料・アフターフォローですが、個別項目でもトップ10以下に入っていません。ダイレクト部門だけではなく、保険会社全体からすると平均以下の満足度のようです。

個別の口コミではポジティブな意見がある一方で、「保険料が高い」「対面で質問ができない」「保険金・給付金の幅が狭い」「保険金が受け取れなかった」等の意見がありました。何かに不満が集中しているというよりは、満遍なく不満が散見されます。

さらに、がん保険ダブルエール自体への評価も低めです。「FPが選んだオリコン終身型がん保険 ランキング2024」では、ダブルエールは10の保険の中で10位で最下位です。この調査は30人の専門家(ファイナンシャルプランナー)が回答した調査のため、専門家からの評価は低いことになります。保険料の項目では8位に順位を上げますが、それでも低評価なのは間違いありません。

がん保険ダブルエールのランキング結果(出典:オリコン公式HP「おすすめのがん保険商品ランキング2024」)

以上のデータから考えると、ライフネット生命の評判は普通か少し良そうですが、ダブルエールの評判は契約数のわりに少し悪そうです。ライフネット生命の評判についてはJDパワーの調査では良い結果でしたが、苦情数やオリコンの調査からすると不安があります。ダブルエールは契約数は伸びている点からは評判が良さそうですが、実際の加入者や専門家専門家からの評価は低いです。契約数は営業・広告宣伝により伸びているだけとも考えられます。

総合評価・おすすめか?

結論としては、がん保険ダブルエールはイマイチな保険です。随所に現在の主流とはそぐわない保障内容があり、メリットもかき消しています。最大のメリットである収入サポート給付金も、ライフネット以外にメットライフ生命等のがん保険でも付けられるため、この保険独自のメリットではありません。

その他に他社の保険で充実した保障を追求するなら、アフラック・チューリッヒ・メットライフあたりのがん保険を検討すべきでしょう。この保険よりも保険料を抑えるならコープの団体がん保険を検討する必要がありますが、その場合には現役時のみ保障があればOKという前提が必要です。