FWD富士生命 新がんベスト・ゴールドα/ がん保険の保険料・保障内容・特約を評価 レビュー

FWD富士生命 新がんベスト・ゴールド・アルファ
オススメ度:
2
保険会社:
FWD富士生命
名称:
新がんベスト・ゴールドα(アルファ)
保障内容:
診断給付金・手術・放射線・抗がん剤
保険期間:
終身
顧客満足度:
ランク外 / 26社中
特徴:
高額になりがちな治療費や通院中の収入減に備える

FWD富士生命 新がんベスト・ゴールドαは最低限の備えにはなる?

FWD富士生命は2017年にAIG富士生命から社名変更した保険会社で、親会社もアメリカのAIGグループから中国資本のFWDになった。新がん保険ベストゴールドαは同社のがん保険で、前バージョンから若干だが保障内容が変わっている。以下、概要を記載し他社のガン保険と比較する。

まず保障内容だが、他社のガン保険とは異なり、手術給付金・入院給付金・通院給付金はオプション(特約)でも付加できない。基本的にはガンと診断された場合に受け取れる診断給付金が主契約となり、それに上乗せしていく構成となっている。

FWD富士生命 新がんベスト・ゴールドαの仕組みと主な保障内容・保険料

上乗せできる特約は「初回診断一時金」「上皮内新生物給付金」「先進医療」「がん治療給付金」「女性ケア」となっている。先進医療給付金の必要性は疑いようがないが、それ以外ではガン治療給付金は検討の余地があるだろう。この特約を付加すると長引く手術後の抗がん剤治療などの費用に充てられるためだ。

それ以外だと「上皮内新生物給付金」も悪くはないが、他社のガン保険では上皮内新生物を診断一時金給付金に含めている(金額は減額されるが)ことを考えれば、このFWDの保険ではあえて付加しないという使い方が良いのではないだろうか。月額の保険料では2~300円の節約に留まるが、ステージ0のガンである上皮内新生物であれば生存率は限りなく100%に近い。そう考えれば、あえて外して保険料を削るか他の特約か保険にまわすのも手だ。

次に、下図ではガン保険を加入できる年齢から、診断給付金(上段は悪性・下段は上皮内)と回数制限、入院・通院給付金の日額と給付日数、先進医療給付金等で比較した。顧客満足度ではJDパワーの生命保険満足度調査(価格.comや各保険サイトのランキングは契約数だけが基準のため参考外)で比較した。さらに苦情率(苦情数÷契約数 ※生命保険協会公表)を算出し、契約した場合に自分が苦情を言う可能性も考慮した。保険料は各社の最もベーシックなプランで男性が診断給付金が100万円を選択した場合の、30~60歳の月額保険料で比較した。

名称 メットライフ
ガードX
アフラック
デイズ1
オリックス
ガンBelieve
FWD
ガンベスト
チューリッヒ
プレミアムDX
アクサ
がん
三井住友
スマート
東京海上
がんNEO
ライフネット
ダブル
年齢
期間
~80歳
終身
~85歳
終身
~75歳
終身
~80歳
終身
~80歳
終身
~69歳
終身
~85歳
終身
~75歳
終身
~70歳
終身
診断給付 100万
50万
50万
5万
100万
100万
100万
50万※
100万
100万
100万
100万
100万
100万
100万
100万
100万
50万※
診断給付
限度
年1回
(計5回)
1回 1回 年2回
(無制限)
無制限 1回 年1回
(無制限)
無制限
※上皮1回
1回
入院日額
限度
1万※
無制限※
1万
無制限
50+1万
無制限※
- 1万※
無制限
1万※
無制限
1万
無制限
1万
無制限
-
通院日額
限度
- 1万
無制限
1万
無制限
- 1万※
無制限
- 1万
無制限
1万
730日
-
手術給付 - 20万 20万 - 10~30万 10万 10万 20万 10万
三大治療 10万 5~20万 - 10万 10~30万※ 10万 10万※ 10万 10万
先進医療 2,000万 2,000万 2,000万 2,000万 2,000万 500万 2,000万 2,000万 2,000万
顧客満足 5位 12位 9位 ランク外 13位 26位 8位 4位 3位
苦情率 0.64% 0.82% 0.15% 0.58% 0.58% 0.22% 0.14% 0.29% 0.60%
保険料
30歳
\3,440 \4,310 \3,572 \2,100
(\2,666)
\4,329 \2,360 \4,262 \3,913 \2,341
(\3,646)
保険料
40歳
\5,352 \4,310 \5,025 \3,052
(\3,920)
\5,975 \3,440 \5,985 \5,712 \3,307
(\5,297)
保険料
50歳
\8,609 \6,990 \7,291 \4,613
(\6,041)
\9,052 \5,280 \8,872 \9,477 \5,006
(\8,211)
保険料
60歳
\13,525 \11,600 \10,538 \6,820
(\9,291)
\13,851 \8,290 \13,258 \16,317 \7,503
(\12,348)
がん保険の比較表(メットライフ生命ガードX・アフラック デイズ1・オリックス ガンBelieve・FWD富士がんベスト・チューリッヒ プレミアムDX・アクサダイレクト・三井住友あいおい がんスマート・東京海上 がんNEO・ライフネット ダブルエール)

上図で左から4番目のFWD富士のガンベストαだが、前述したように上皮内新生物は他社とは異なり特約扱いとなる。さらに特約でも入院・通院・手術給付金は付加できない。ただ、リニューアルによって三大治療(放射線・抗がん剤・ホルモン剤)の保障が付加できるようになったため、通院給付金が無くても一応は通院治療をカバーできなくはない。

顧客満足度はサンプル数が少ないためランク外となっている。そもそも抱えている契約件数も大手と比較すれば少ないため止むを得ないだろう。苦情率は平均より若干高めのため、顧客対応には一抹の不安がある。保険料は保障が削られているため他社と比較して相当に安い。大手と比較して保険料が半額近くになることもある。ただ、似たような保険であるアクサと比較すると保険料に大差はなく、妥当な額ともいえるかもしれない。

結論としては、総合的に見れば悪くない保険といえるだろう。三大治療の特約で通院治療を全てカバーできるとは言い難いが、その分だけ保険料が安いと考えるべきだろう。保険料の安さのわりには診断給付金も2年に1回だが、回数が無制限というのも良い点だ。保険料を抑えてガンにだけ備えたい人には有力な選択肢になるだろう。一方で、やはり保障が厚い保険が良ければオリックス・メットライフあたり、長引く治療での収入減を懸念するならライフネットも検討してもいいだろう。