新・海外旅行保険OFF!(オフ)を比較・評価
- オススメ度:
- 保険会社:
- 損保ジャパン
- 名称:
- 新・海外旅行保険OFF!(オフ)
- 申込:
- インターネット
- 航空遅延:
- 補償あり
- オリコン:
- 3位 / 10社中
- 特徴:
- 出発当日申込みOK!
損保ジャパンの新海外旅行保険 OFF!(オフ)は、2002年に販売が開始された海外旅行保険です。"新"という名称が用いられていますが、販売開始から20年以上が経過しています。損保ジャパンの多くの保険は店頭での契約が主ですが、この保険はネットで契約締結まで完結し、保険料も最大54%オフになっています。
また、2019年からは損保ジャパンはLINEによる保険金請求ができるようになり、海外旅行保険もLINEで手続きできるようになりました。それでは以下で補償内容・保険料・メリット・デメリット・評判等を解説し、他社の海外旅行保険と比較していきます。
補償内容・特約
この保険は補償内容が固まっているパッケージプランと、補償を自由に選択できるオーダーメイドプランがあります。パッケージプランは保険料を抑えたいプラン・保険料と補償バランスプラン・補償充実させたいプランの3つがありますが、補償される内容は同じで保険金の上限額だけが異なります。
補償される内容ですが、海外旅行中にケガ・病気によって死亡すると保険金が受け取れる他、病院で治療を受けた場合にも治療費分の保険金が受け取れます。さらにケガ・病気で3日以上の入院したり行方不明となった場合に、親族が駆けつけるための交通費・宿泊費等も救援者費用として補償されます。
その他に賠償責任・携行品損害・航空機寄託手荷物遅延等費用が付いています。賠償責任は子供やペットがホテルの備品を壊した場合などに、その損害賠償額が補償されます。携行品損害補償は、旅行中にカメラ・スマホ・PC等が盗難されたり事故で破損すると、1つあたり10万円を限度として合計で30万円まで補償されます。乗車券でも5万円までは補償されるため、チケットを失くしても安心です。
航空機寄託手荷物遅延補償は航空会社に預けた荷物が6時間以上戻って来ない時に、日用品の購入費として10万円が受け取れます。ロストバゲージの確率で既述の通り荷物は遅れても戻ってくる確率が高いのですが、受け取りが2~3日後になれば代替の日用品・衣類が必要です。日用品・衣服を持ち運ぶためにカバンの購入費も補償されます。オプションで飛行機が欠航・遅延すると保険金が受け取れる航空機遅延費用もあります。
オーダーメイドプランでは、これらの補償を自由に組み合わせられます。必須となるのはケガ・病気の治療費を補償する治療費用の補償だけで、それ以外は自由に取捨選択できます。子連れ・ペット同伴なら賠償責任、そうでなければ携行品損害と航空機寄託手荷物遅延等費用を率先して検討すべきでしょう。
その他に医療アシスタンスサービス・事故相談サービス・海外トラベルサービスが自動付帯しています。海外でのトラブルに日本語で24時間365日いつでも相談でき、医師や病院の紹介・通訳の手配してくれます。また、ケガ・病気以外でもタクシー・航空券・ホテルの予約代行もしてくれます。ハリケーンで飛行機が欠航となった場合などでも、代わりの飛行機の予約・手配をしてくれます。
保険料を他社と比較
この保険の保険料は被保険者数・保険期間・プラン・旅行先によって決まります。被保険者数は人数が多いほど保険料は高くなり、保険期間(旅行日数)は長期になるほど高くなります。契約プランはパッケージプランなら補償充実させたいプランが最も高く、保険料抑えたいプランが最も安く、バランスプランが中間となります。オーダーメイドプランだと補償項目を増やすほど保険料は高くなります。
旅行先による保険料の変動は、その国の治安・政情が加味されています。この保険では旅行先が北米・ヨーロッパなら保険料は同額です。それがアジアだと少し安くなり、その逆に中南米・アフリカだと保険料は少し高くなります。
次に保険料が他社より安いのか否か確認していきます。保険料は被保険者1人・死亡後遺障害が1000万円・保険期間5日間・航空機遅延補償ありという条件にしました。旅行先はアメリカ(ハワイ含む)・ヨーロッパ(イタリア・フランス)・韓国・メキシコ・南アフリカでシミュレーションして、保険料を一覧表で比較しました。
損保ジャパンOFF!の保険料は、他社と比較すると安い部類に入ります。最安値との差は概ね200~300円はありますが、概ね2~4番目に安い保険となっています。特に旅行先がメキシコ・南アフリカだとau損保に次いで安く、たびほ・たびともよりも安くなっています。
以上を踏まえると損保ジャパンOFF!の保険料は安く、特に中南米・アフリカだと安いといえます。旅行先がどこでも安いのですが、特に旅行先が中南米・アフリカなら補償内容次第ではau損保ではなく損保ジャパンを選ぶのも手といえます。保険料面以外にメリットがあるのか、続いてメリットについて記述していきます。
メリット
この保険のメリットは、まずはネットで申込・手続きが完結できる点が挙げられます。代理店の店頭に行ったり、書類を記入する手間が不要です。他社の保険だと申込はネットで可能でも、保険金の請求は書類というパターンもあります。この保険ではLINEで保険金請求が可能で、スマホからでも請求がしやすくなっています。
オーダーメイドプランなら治療費用の補償以外は自分で選べるのもメリットです。自分に必要な補償だけを選んで保険料を節約できます。クレジットカードに海外旅行保険が付帯している人なら、治療費用と携行品損害を上乗せして航空機手荷物遅延等費用の補完する、という使い方もあります。
パッケージプランでも携行品が30万円、航空機手荷物遅延等費用は10万円と手厚いのも見逃せません。ジェイアイ傷害のたびほ等では、基本的には携行品損害は10万円で航空機手荷物遅延等費用は1万円です。それでいて保険料は北米・ヨーロッパなら損保ジャパンの方が安いです。
さらに病院で治療費の支払いが不要になるキャッシュレス・メディカルサービスもメリットです。このサービスは他社にもありますが、提携病院数が他社よりも多く地域も分散しています。他社では提携病院が1軒も無いことがあるアフリカでも、損保ジャパンならエジプト・エチオピア・モロッコ・南アフリカ等々に提携病院があります。
ヨーロッパなら他社にはないデンマーク・フィンランド・スウェーデンにも提携病院があり、アジアでもバングラディッシュやラオスにも提携病院があります。北欧は医療費が高く、アジアだと医療水準に不安がある病院もあるため、提携病院があるのは非常に心強いでしょう。
デメリット・注意点
この保険のデメリットには、まずは前述したように保険料が最安値ではない点が挙げられます。旅行先がどこでもau損保かエイチエス損保のたびともよりも高いです。とにかく保険料を削りたいなら、これらの保険を選んだ方が良いでしょう。
また、補償面ではオプションの航空機遅延の補償額が、2万円と小額である点もデメリットです。それも付帯できるのがパッケージプランだけで、オーダーメイドプランでは付帯できません。クレジットカードの海外旅行保険を補完する意味では、たびほ等の他社の保険の方が優れています。
さらに他社にはある旅行キャンセル費用(旅行変更費用)の補償がありません。旅行キャンセル費用補償は、親族の不幸や事故の他に搭乗予定の飛行機に乗り遅れたり、妊娠の判明・転勤・解雇(リストラ)等々が利用でも補償されます。人によっては欠かせない補償といえるでしょう。
ちなみに前述したようにキャッシュレス・メディカルサービスの提携病院数は多いのですが、こと中南米に限っては他社に見劣りします。損保ジャパンがブラジル・メキシコ・アルゼンチン・ペルーに提携病院があるのに対して、あいおいニッセイ同和損保だと4ヶ国に加えてベネズエラ・チリ・パナマ・ウルグアイ・コロンビア・グアテマラにもあります。
評判・苦情
損保ジャパンの2022年度(2022年4月~2023年3月)の決算資料によると、保険会社における収入を示す正味収入保険料は前年度の2.15兆円から2.22兆円になり3.1%増でした。その中で海外旅行保険を含む傷害保険は1537億円で前年度から1.4%増でした。他社では急回復した例があるため、契約数・業績からすると評判は普通です。
価格.comの新規契約数ランキング2023でも、損保ジャパンOFF!は9社中3位とトップ3に入っています。たびとも・たびほよりは順位が下ですが、一括見積もりをする保険料重視の人からは高い評価を得ています。保険料の安さと補償のバランスが良い影響を及ぼしたのでしょう。
さらに日本損害保険協会の苦情数のデータでは、損保ジャパン全体に寄せられた苦情数は8294件(2021年度累計)でした。東京海上よりは少ないものの三井住友海上よりは多めです。苦情の中身は保険金支払が半数近くを占め、特に保険金支払いの手続きの誤りや遅延に不満が集中していました。
次にオリコンの海外旅行保険 総合ランキング2020(実際に海外旅行保険を適用した3254人が調査対象)ですが、損保ジャパンは10社中3位でした。この調査の評価項目は加入手続き・保険プラン・担当者の対応・サポート体制・支払い手続きと対応の5つです。
個別項目で最も高い1位の評価を得たのは加入手続きで、保険プラン・担当者の対応も3位と上々です。それに対してサポート体制・支払い手続きは4位で総合順位より順位を落としています。支払い手続きについては苦情とも合致するため信憑性が高まる結果といえます。
個別のクチコミでは「現地で電話が繋がりにくい」「コールセンターの対応が不誠実だった」「トラブル時に書面で対応方法を渡されても不安」等のネガティブな意見がありました。担当者等の対応についての不満が多いあたり、オリコンで3位でも油断はならないようです。
以上のデータから考えると損保ジャパンの評判は普通ですが、海外旅行保険については悪くはなさそうです。不安があるとすれば保険金の遅れ、現地での担当者の対応でしょうか。それでもオリコンでは上位の満足度のため過度な心配は不要でしょう。
総合評価・おすすめか?
結論としては、損保ジャパンのOFF!はおすすめできる保険です。保険料は最安値ではないものの相対的には安く、そのわりに補償内容も手厚いからです。特に中南米・アフリカなら他社よりも保険料・補償面で優れています。
その一方で、とにかく保険料を削減したい人は他社の保険も検討した方が賢明です。保険料の安さならエイチエス損保やau損保が候補になります。この保険以外に総合的な良さを求めるなら、ソニー損保やジェイアイ傷害火災保険あたりを検討しても良いかもしれません。