給与サポート保険を比較・評価

アフラック 給与サポート保険
オススメ度:
1
保険会社:
アフラック
名称:
給与サポート保険
加入年齢:
18~60歳
保障期間:
~65歳満了
保障内容:
入院・在宅療養等での就業不能
特徴:
病気やケガで働けなくなったときの保険

アフラックの給与サポート保険は、2016年7月から販売を開始した就業不能保険です。アフラックには休職保険(2022年販売開始)もありますが、給与サポート保険の方が古い保険です。この保険は販売開始から相応の年数が経過しており、その分だけ休職保険の方が時代に即した内容となっています。

とはいえ現在でも販売を継続しているあたり、この保険にも一定の需要があるのも間違いないでしょう。今でもメリットがあるのか、それよりデメリットの方が大きいのでしょうか。以下で保障内容・保険料・返戻率・評判等を解説し、他社の保険と比較していきます。

保障内容・保障範囲

この保険は短期回復支援給付金・長期療養支援給付金・長期給付無事故支払金の3つで構成され、保障を追加する特約はありません。短期回復支援給付金(以下、短期給付金)は病気・ケガで就労困難状態になり、その状態が60日を越えると受け取れます。この給付金は就労困難状態が60日を越えれば、その後に回復・復帰しても生存していれば6ヶ月は受け取れます。

アフラックの給与サポート保険の保障内容(出典:アフラック公式パンフレット「給与サポート保険」2019年10月版)

短期給付金は6ヶ月分を受け取った後は、就業不能状態が継続する限り残り11ヶ月分まで受け取れます。つまり短期給付金は合計17回は受け取れ、それ以後は長期療養支援給付金(以下、長期給付金)に切り替わります。短期給付金は公的保障である傷病手当金(年収の3分の2の金額)を補完する給付金である意味合いが強いです。

傷病手当金は最長1年半で切れるため、それ以後も就業不能状態が継続すれば生活は厳しくなります。そのため給与サポート保険は短期給付金と長期給付金の月額を別々に設定できます。例えば短期給付金を10万円にして、長期給付金を20万円にするといった具合です。

アフラックの給与サポート保険の短期給付金と長期給付金の受け取りイメージ(出典:アフラック公式HP「給与サポート保険の特長」)

長期給付金は就業不能状態が終了するか保険期間が満了するまで受け取れます。保険期間の満了は60歳満了か65歳満了が選択でき、健康なら退職したであろう年齢まで生活費をサポートしてくれます。長期給付無事故支払金は長期給付金を受け取らず生存していれば受け取れます。金額は長期給付金の1ヶ月分となります。

この保険でいう就労困難状態は入院中か医師の指示による在宅療養を指します。障害状態については、短期給付金は障害等級1~2級に相当するとアフラックが認めた場合で、長期給付金は障害等級1~2級に認定される必要があります。これは実際に認定されるまでタイムラグがあることを考慮して設定された条件でしょう。

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保険料・返戻率を他社と比較

この保険の保険料は会社員・短期給付金10万円・長期給付金20万円・60歳満了にすると、23歳男性は4180円、30歳は4740円、40歳は5450円となります。基本的には傷病手当金が切れた後の長期給付金を大きめにするのがセオリーですが、保険料負担を考慮して同額にする手もあります。もしも同額にすると23歳は2640円、30歳は3010円、40歳は3560円まで安くなります。

会社員ではなく自営業(国民健康保険加入者)でも保険料は上述の金額と同額ですが、職業・職種によっては制限(保険料の上昇等)があります。特にスタントマンといった危険と隣り合わせの職業だと、保険の加入自体を断られる可能性があります。

それでは保険料は他社より安いのか高いのか、下図で他社の就業不能保険・所得補償保険で一覧表で比較しました。就業不能給付金は月額10万円で、返戻率は保険料を10年間支払い続けて、就業不能状態になって給付金を1年分受け取った場合で計算しました。

就業不能保険と所得補償保険の25歳と30歳と40歳の保険料の比較一覧表(ライフネット生命・アクサダイレクト・アフラック・SBI生命・大樹生命・太陽生命・コープ団体保険・三井住友海上あいおい生命・第一生命・チューリッヒ生命・日本生命・キャピタル損保・東京海上日動火災・日新火災・あいおいニッセイ同和損保・損保ジャパン・東京海上日動あんしん生命・JA共済)※各社の公式HPを元に当社が独自に作成

この保険の保険料を他社と比較すると相対的に高い部類に入ります。他社と返戻率でみると2倍以上の開きがあることが多く、1年程度の就業不能では他社よりも明らかに不利なのが分かります。短期・長期給付金を同額にすれば返戻率は300%台まで上昇しますが、それでも他社には及びません。

ただ、この保険は60日の就業不能になれば無条件で6ヶ月分の給付金が受け取れます。就業不能状態が1年ではなく90日(3ヶ月)であったり120日(4ヶ月)等の超短期の場合、他社では3~4ヶ月分の給付金が受け取れるだけで、この保険の方が有利ともいえます。

メリット

この保険のメリットは、まずは61日以上~180日未満の短期の就業不能状態でも、まとめて6か月分の給付金が受け取れる点が挙げられます。例えば骨折・超初期のがん等であれば、入院・在宅療養で2ヶ月程度の就業不能状態で済むケースも考えられます。そういったケースでも6ヶ月分の給付金が受け取れ、復帰後に収入が減った(ボーナス減・残業できず残業代がない)場合でも生活を維持できます。

アフラックの給与サポート保険の給付金の受け取り例(出典:アフラック公式パンフレット「給与サポート保険」2019年10月版)

短期給付金と長期給付金の金額に差を付けられるのもメリットです。他社では給付金額は一定額ですが、給付金額に抑揚を付けることで保険料を節約できます。30歳で短期10万円・長期20万円なら保険料は4740円ですが、短期に重きを置くなら短期10万円・長期10万円にして3010円にできます。逆に長期に重きを置くなら短期5万円・長期20万円にすれば保険料は4100円に節約できます。

また、長期給付無事故支払金の金額は長期給付金の1か月分と少額ですが、短期給付金を受け取っていてもOKというのが大きいです。長期給付金に切り替わるのは給付金で18回目移行のため、就業不能期間が1年半(+60日の免責期間)未満なら受け取れます。他社には満期で給付金が受け取れる就業不能保険は稀です。

デメリット・注意点

この保険のデメリットには、まずは精神疾患をカバーしていない点が挙げられます。JMDCのデータによると20~50代で就業不能となる原因で精神疾患はトップ3(20~40代ではトップ)に入ります。同じアフラックの休職保険を始め、アクサダイレクト・SBI生命・ライフネット生命・太陽生命等々の保険では精神疾患による就業不能状態もカバーしています。

また、この保険は精神疾患による就業不能状態に加えて、死亡・要介護状態に備えられないというデメリットもあります。他社では就業不能に加えて他の状態も保障する保険があります。死亡が保障されれば就業不能にならずに事故で死亡しても保険料は無駄になりません。

就業不能保険の保障内容・保障範囲の比較一覧表(ライフネット生命・アクサダイレクト・アフラック・SBI生命・大樹生命・太陽生命・コープ団体保険・三井住友海上あいおい生命・第一生命・チューリッヒ生命・日本生命・キャピタル損保・東京海上日動火災・日新火災・あいおいニッセイ同和損保・損保ジャパン・東京海上日動あんしん生命・JA共済)※各社の公式HPを元に当社が独自に作成

他社の要介護状態をカバーする保険では、障害等級に認定されなくても要介護1~3に認定されると給付金が受け取れます。それも保険期間が満了するまで受け取れるため、自分が要介護状態にならずに働いたであろう年齢まで一定程度の収入を確保できます。

さらに短期と長期給付金で差を付けられる点は弱点にもなります。どの病気・ケガになるか自分では選べず、その入院期間・就業不能の期間も病気・ケガになるまで分かりません。短期に重きを置いたら長期の就業不能になった、逆に長期に重きを置いたら短期の就業不能で済んだ、といったケースも考えれます。差を付けるという設定は契約時に迷いを生むだけかもしれません。

ちなみに長期給付無事故支払金は、元々の保険料が高いためメリットといい難い面があります。この保険の保険料は30歳で月額4740円のため、60歳までに総額170万円を支払います。それに対してSBI生命は30歳で月額1850円のため、60歳までに総額66.6万円を支払います。170万円を支払って10~20万円を満期時に受け取っても、総額でみれば無駄になった保険料の額はアフラックの方が大きくなります。

評判・苦情

アフラックの2021年度(2021年4月~2022年3月)の決算資料によると、全体での新契約数は80.3万件で前年度の79.9万件から横ばいでした。大幅減となった保険会社もあるため横ばいでも悪くありません。新契約の内訳で就労所得保障保険は8589件から7595件に減少しており不調です。この数字には2022年3月販売開始の休職保険を含まないため、契約数からすると給与サポート保険の評判は良くはありません。

生命保険協会の苦情数のデータでは、アフラック全体に寄せられた苦情数は6.5万件(2021年度累計実績)で、総顧客数の1465万件で割った苦情率は0.4%です。契約者1000人のうち4件で苦情が発生している計算で、他社の苦情率は0.2%台が多いため苦情数で考えると評判は悪いです。他社が保険金関係の苦情が多い中で保全関係の苦情が多いため、変更手続き・解約時にストレスがあるかもしれません。

さらに調査会社のJ.D.パワーの「2022年 生命保険契約満足度調査(保険代理店型)」では、アフラックは12社中で8位で平均以下です。ダイレクト型チャネルのランキングでは最下位まで落ちます。手続き・顧客対応・商品提供・保険料が評価項目ですが、どの項目でも顧客満足度は低いと考えられます。この調査は保険を新規購入・更新した約7000人を対象としており、数十人程度の口コミよりも信頼が置けます。

JDパワー 2023年生命保険契約満足度調査 保険代理店チャネル(出典:JDパワー公式HP) JDパワー 2023年生命保険契約満足度調査 ダイレクト型チャネル(出典:JDパワー公式HP)

もう1つのオリコンの「就業不能・所得保障型保険商品 総合ランキング2022」では、アフラックの給与サポート保険は8社中7位と最下位から1つ上に位置しています。この調査は30人の専門家(ファイナンシャルプランナー)が回答したランキングのため、専門家からの評価は非常に低いのが分かります。

評価項目別のランキングでは商品内容の充実度では1つだけ順位を上げて6位になりますが、保険料・保障内容の独自性の項目では7位のままです。保険料が高いのは既述の通りですが、販売から年月が経過しているため独自性は薄れ、商品内容の充実度でも他社の保険に見劣りするのでしょう。

オリコン 就業不能・所得補償型保険商品 総合ランキング2022(出典:オリコン公式HP)

以上のデータから考えると、アフラック全体の評判は悪い可能性がありそうで、給与サポート保険の評判も悪そうです。全体の評判はオリコンの調査では問題なさそうですが、JDパワーの調査や苦情面からは不安があります。給与サポート保険の評判は新契約数が伸びておらず、就業不能保険を検討している人が他社の保険に流れているのは間違いありません。専門家からの評価も低いため、隠れた良い保険という評判も無いでしょう。

総合評価・おすすめか?

結論としては、給与サポート保険はオススメできない保険です。短期間の就業不能でも6ヶ月分が受け取れるものの精神疾患が対象外で、同じアフラックでも休職保険があり他社にも短期の就業不能に備えられる安い保険があります。この保険を今さら選ぶ必要性は低いでしょう。

そのため短期の精神疾患が気がかりな人は、保険料が安いSBI生命の就業不能保険も検討すると良いでしょう。精神疾患に加えて他の原因での就業不能が気がかりな人は、保障範囲が広い大樹生命の就業不能保険が候補となります。逆に精神疾患による就業不能が不要なら、死亡・三大疾病が保障される収入保障保険を検討すべきです。