SBIプリズム少短 プリズムペットを比較・評価

SBIプリズム少額短期保険
オススメ度:
1
保険会社:
SBIプリズム少額短期保険
名称:
プリズムペット
補償割合:
100%
保険金請求:
WEBまたは書類郵送
オリコン:
9位 / 12社中
特徴:
幅広く手厚い補償割合100%

SBIプリズム少短は(旧 日本アニマル倶楽部)は2019年にSBIグループの傘下となり、2020年には社名をSBIプリズム少短に変更しました。その後も日本アニマル倶楽部の頃と同様にプリズムコールを販売していましたが、2023年にリニューアルしたプリズムペットを販売しています。

同じSBIグループではSBIいきいき少短もペット保険を販売しているため、そちらと混同しないように注意が必要です。それでは以下で補償内容・保険料・メリット・デメリット・評判等を解説し、他社のペット保険と比較していきます。

補償内容・特約

この保険はプレミアム・バリュー・ライトの3つのプランがありますが、どのプランも治療費の100%が補償されます。差があるのは通院・入院・手術の1日(1回)あたりの支払限度額と年間限度額です。プレミアムプランは通院・入院が1日あたり12000円まで補償され、年間60日まで補償されます。手術は1回あたり15万円まで補償され、年間2回まで補償されます。

バリュープランだと入院は12000円と同額ですが、年間30日までに減ります。通院は1日あたり8000円(年間30日)、手術は9万円(年2回)に減ります。ライトプランだと入院は1万円(年間30日)、通院は5000円(年間30日)、手術は6万円(年2回)になります。バリューとライトプランは補償金額が減るだけで、年間の回数制限は同じです。

SBIプリズム少短 プリズムペットの補償内容とプラン(出典:SBIプリズム少額短期保険公式HP「補償内容/保険料」)

通院・入院・手術の補償以外に、診断書費用保険金・飼育費用補償保険金があります。診断書費用保険金は保険金の請求のために獣医師に診断書の作成を依頼した場合、その費用を1万円を上限に支払われます。飼育費用補償保険金は飼い主が死亡・高度障害となった場合に、次の飼い主を探す費用として50万円を上限に支払われます。SBIが指定した施設か自分が指定したペット保護譲渡団体に預けて、次の飼い主を探してもらえます。

その他に「ほっとダイヤル24(犬猫専用)」というサービスがあります。24時間365日いつでも獣医師にペットの健康状況について電話相談ができます。身近な疑問(予防接種の直後にトリミングの予約を入れたが大丈夫か?)等にも答えてもらえます。

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保険料を他社と比較

この保険の保険料は選択したプラン・犬のサイズ・年齢で分かれています。プレミアムが最も高く、バリューが中間でライトが最も安いです。犬のサイズは小型犬が最も安く中型犬・大型犬は高くなります。年齢は高齢になるほど高くなりますが、12歳以降は上昇せず同額です。犬ではなく猫だとプランと年齢だけで保険料が決まります。

プリズムペットの小型犬の保険料一覧表(出典:SBIプリズム少額短期保険 いつでもパック保険料表)

さらに12歳以降は免責金額を設定して保険料を下げられます。小型犬でバリュープランの場合、通常であれば12歳以降の保険料は年払いで17.6万円と非常に高額です。それが免責金額3000円を設定すると、保険料は10.4万円まで減額できます。免責金額が設定されるのは通院保険金のみです。

次に保険料が他社より安いのか否か確認していきます。ペットの年齢は0歳・5歳・8歳時で比較し、品種は犬はトイプードル、猫はスコティッシュ・フォールドとしました。各社の保険料は70%補償のプランの金額で、保険料は月払いよりも安くなる年払いの金額で一覧表で比較しました。さらに犬で0~14歳まで14年間契約した場合の合計保険料も比較しました。

ペット保険の犬猫の0歳・5歳・8歳時・0~14歳・平均値の保険料の比較一覧表(アニコム損保・アクサダイレクト・アイペット・ペットメディカルサポート・ペット&ファミリー・日本ペット・FPC・あいおいニッセイ同和損保・SBIいきいき少短・SBIプリズム少短・au損保・楽天損保・チューリッヒ少短・イーペット少短・イオン少短・リトルファミリー少短)※各社の公式HPを元に当社が独自に作成

この保険の保険料は他社と比較すると高い部類に入ります。最安値圏の保険料1万円台の保険は通院が補償外のため、横並びで比較はできません。しかし、通院が補償される保険と比較しても1万円以上は高く、特に0歳時点での保険料は犬猫共に突出して高いです。この保険は100%補償で他社が70%補償のため止むを得ない感はあります。

犬で0~14歳(14年間)まで加入した場合の保険料でも、合計119.4万円とアニコム・アイペット等よりも高いです。ただ、12歳以降は免責金額ありにすれば合計保険料は97.8万円まで下がり、アニコムやアイペット等の70%補償の保険料に近づきます。

以上を踏まえると、SBIプリズム少短のペット保険の保険料は基本的には高いです。ただし、見方によっては高くはないともいえます。例えばあいおいニッセイ同和は90%補償だと犬8歳で7.4万円で、この保険の6.4万円より高いからです。とはいえ高くはないだけで安いとは言い難いです。ペットメディカルサポートのPS保険は70%補償なら最安値圏の保険の1つですが、100%補償にすると4.7万円のためプリズムペットより1万円以上安いです。

メリット

この保険のメリットは、まずは治療費が100%補償される点がメリットです。保険に加入しているのに治療費の一部しか補償されない点に、違和感を感じる人には最適でしょう。この保険の他に100%補償が選択できるのは、PS保険とチューリッヒ少短ぐらいです。チューリッヒ少短は犬のがん等だけ補償されるため、実質は2択ともいえます。犬・猫・うさぎ・鳥以外の小動物や爬虫類も加入できるのもポイントです。

さらに、入院を1入院として1日あたりの上限額が適用される点もメリットです。例えば他社の入院が1日1万円が上限の保険に加入して、入院1日目の治療費が1.5万円、2日目が9000円、3日目が8000円だったとします。入院1日目は上限の1万円が補償され、2日目は9000円、3日目は8000円が補償され、合計27000円が補償されます。

しかし、この保険は初日に上限額を超えた分の治療費は、2日目と3日目の治療費の上限額までの差額に充当されます。先程の例のように初日に5000円超過しても、2日目は上限まで1000円の余裕があり、3日目は上限まで2000円の余裕があるため、超過した5000円のうち3000円は受け取れるのです。この保険なら治療費として27000円ではなく、30000円が受け取れます。

プリズムペットの1入院の取り扱いと補償される金額について(出典:SBIプリズム少額短期保険公式HP「補償内容」)

これはリニューアルした際に追加された内容ですが、入院・手術で初日に検査等で治療費が膨らむことを踏まえた改善です。他社の70%補償や50%補償の保険でも、上限額に到達して十分な補償が受けられないケースがあります。この保険ならではのメリットといえるでしょう。

補償面でいえば診断書費用保険金・飼育費用補償保険金もメリットです。診断書費用が補償される保険は数少なく、飼育費用補償保険金にいたっては業界初です。飼育費用補償保険金は高齢者に適しています。自分の死後に子供・孫が犬猫を飼ってくれるケースもありますが、子供・孫がマンションに住んでいてペットを引き取るのが難しいケースもあるでしょう。

保険金請求が書類だけではなく公式HPから請求可能なのもメリットです。他社ではHPから請求可能と謳っていても、必要事項を入力後に結局は明細書等の書類を郵送する必要がある保険があります。この保険では明細書等は画像をアップロードすればOKで、HP上で保険金請求が完結します。

デメリット・注意点

この保険のデメリットには、まずは保険料が高い点が挙げられます。前述したように相対的に保険料が高いのもさることながら、絶対的な金額としても高いです。特に9歳で年間7.7万円、10歳で年間9.4万円、11歳で年間11.1万円と保険料負担は大きいです。保険に加入しなければ30万円が貯まるなら、その貯金で大抵の治療費には備えられるといえます。

さらに12歳以降は保険料が上昇せず一定になるといっても、保険料は年間17.6万円と金額が高いです。免責金額を付ければ年間10.4万円になりますが、その代わりに通院保険金は治療費3000円以下は補償されません。治療費が6000円でも3000円を差し引いた3000円が補償されるだけになります。ペットが高齢になり主に通院治療が主となった場合には、年間10万円支払って保険を継続する意味が薄いといえます。

この保険料の高さの原因は100%補償にあります。100%補償は貴重ではありますが、そこまでして100%補償に固執するべきか再考した方が良いでしょう。他社には70%補償ではありますが、この保険の保険料の半額程度で済む保険がいくつもあります。

また、メリットで既述したように入院が1入院あたりでカウントされても、そもそも上限額があるため100%補償されないケースもあります。仮に3日の入院・手術で治療費が30万円の場合、入院保険金の3.6万円と手術保険金の15万円で合計18.6万円が受け取れ、100%補償どころか62%補償で70%補償にも足りません。

SBIプリズム少短 プリズムペットの補償内容とプラン(出典:SBIプリズム少額短期保険公式HP「補償内容/保険料」)

ちなみにSBIプリズム少短は少額短期保険業者である点に注意が必要です。少額短期保険業者は契約者保護機構に加入しておらず、経営破綻すると法務局に預けた供託金が契約者等で分配するだけです。経営破綻すると加入した人は保険金の受け取りが遅れたり、最悪の場合は保険金が受け取れない可能性があります。

その点、SBIプリズム少短は上場もしているSBIグループの一社であり、他の少額短期保険業者よりは過度な心配はいりません。ただ、親会社から切られる可能性等もあるため、一応は留意しておいた方が良いでしょう。

評判・苦情

SBIプリズム少短の2022年度(2021年4月~2022年3月)の決算資料によると、保険会社の収入を示す保険料収入は前年度の38億円から46億円になり好調でした。純利利益は前年度はマイナス2.7億円に陥りましたが、今年度はマイナス8986万円に縮小しています。業績からするとペット保険の評判は悪くはありません。

ただし、オリコンのペット保険 総合ランキング2022(実際に保険を適用した4506人が調査対象)では、SBIプリズム少短は12社中9位と下位に沈んでいます。この調査の評価項目は加入手続き・保険プラン・保険料・付帯サービス・保険金ですが、いずれの項目でも9位で評価は低いです。

その中で適用内容別部門結果(実際に保険金を受け取った際の評価)では、入院・手術で3位に躍進しています。このあたりは100%補償であり、保険金の受け取りもスムーズだったことが分かります。やはり100%補償を支持する人も相当数いるようです。

SBIプリズム少短のオリコンペット保険総合ランキング2022の順位と各項目の評判(出典:オリコン公式HP「SBIプリズム少額短期保険 ペット保険の評判・口コミ」)

個別のクチコミでは「上限金額が低い」「SBIになる前の方が保険金の振込みが早かった」「補償されない病気があった」等のネガティブな意見がありました。概ねデメリット等で既述した内容ですが、上限金額の低さ、特に通院については不満がある人が多いようです。

以上のデータから考えると、SBIプリズム少短の評判は良くはありません。多くの項目が低評価で、評価されているのは100%補償だけという感があります。プリズムペットにリニューアルされて、評判も業績も回復してくるのか見守る必要がありそうです。

総合評価・おすすめか?

結論としては、SBIプリズム少短のプリズムペットは総合的にはイマイチな保険です。メリットもあるにはありますが、それよりは保険料の高さとデメリットの方が目立つからです。どうしても100%補償が良い人は、ライトプランで検討した方が良いでしょう。

そうでなければ他社の保険も検討した方が賢明でしょう。保険料の安さでいえば、FPCやリトルファミリー少短のペット保険等があります。通院補償ナシならアニコムのぷちプラン・アイペットのライトプランという手もあります。補償内容・評判等も重視するならSBIいきいき少短・ペットメディカルサポート等のペット保険が検討候補になります。