au損保 ペットの保険を比較・評価
- オススメ度:
- 保険会社:
- au損保
- 名称:
- ペット保険
- 補償割合:
- 50% or 70%
- 保険金請求:
- アプリ・書類請求
- オリコン:
- 10位以下 / 12社中
- 特徴:
- 何度でも、いくらでも受け取れる
au損保は2014年4月からペット保険(ペット医療費用保険)を募集・販売しています。通信会社のauの保険というと少し不安かもしれませんが、au損保は大手のあいおいニッセイ同和損保との共同出資であり、同社のノウハウがau損保に取り入れられています。そのあいおいニッセイ同和損保も2022年10月からリニューアルしたペット保険の販売しています。
ペット保険については2014年時から年々細かい改定がされており、2019年には保険料を15%引き下げたりしています。auユーザー以外でも加入できますが、auユーザーだとauかんたん決済で保険料が支払える等の利点があります。それでは以下で補償内容・保険料・メリット・デメリット・評判等を解説し、他社のペット保険と比較していきます。
補償内容・特約
この保険は入院・手術の治療費が補償され、通院の補償ありなしを自分で選択できます。保険金支払割合は50%・70%コースがあり、保険金支払割合に応じて年間限度額があります。70%コースだと入院・手術の限度額が70万円で、通院は28万円となります。50%コースだと入院・手術の限度額が50万円で、通院は20万円となります。
年間限度額はありますが、1日(1回)あたりの限度額や回数制限はありません。70%コースなら年間に手術を何回しようと、入院を何日しようとも70万円に到達するまでは保険金が受け取れます。治療費ではなく保険金が70万円に到達するまでのため、70%プランなら治療費が年間100万円になるまで補償が受けられます。
その他に「かかりつけ獣医師ダイヤル」「無料アプリ(ペットの家)」というサービスがあります。前者は獣医師にケガ・病気・しつけ等について24時間365日無料で電話相談できます。後者は獣医師ダイヤルへの電話の他に動物病院・トリミングサロン等の検索、ペットの病気の履歴が確認できます。
保険料を他社と比較
この保険の保険料は、通院補償の有無・保険金支払割合・品種(犬のみ)・年齢によって異なります。犬の品種はサイズと特性によりABCクラスに分かれ、Aが最も安くCが最も高くなります。Aクラスにはトイプードル・チワワといった小型犬も入りますが、柴犬等の中型犬もAクラスになっています。
その一方で、パグは一般的に小型犬とされていますが、中型犬のBクラスに入ります。AクラスとBクラスでは年間保険料で2~4万円近い差額があるため、品種については加入前に要確認です。猫は品種は無関係でプランと年齢により保険料が決まります。
次に保険料が他社より安いのか否か確認していきます。ペットの年齢は0歳・5歳・8歳時で比較し、品種は犬はトイプードル、猫はスコティッシュ・フォールドとしました。各社の保険料は70%補償のプランの金額で、保険料は月払いよりも安くなる年払いの金額で一覧表で比較しました。さらに犬で0~14歳まで14年間契約した場合の合計保険料も比較しました。
この保険の保険料は他社と比較すると、平均か少し高い部類に入ります。最安値圏の保険は通院が補償外のため、通院補償がある保険の中では少し安いともいえます。ただし、犬猫共に8歳時点での保険料は他社より高い傾向にあり、上昇幅も大きめです。ちなみに出資元のあいおいニッセイ同和のペット保険と保険料が同じです。
犬で0~14歳まで加入した場合の保険料でも、合計86.5万円と他社よりも高いです。この保険は11歳以降は10~11歳時と同額の増加をすると想定した数字のため、実際には一段と高くなる可能性もあります。同じく通院まで補償して1回あたりの限度額・回数制限の無いSBIいきいき少短とは30万円以上の差があります。
以上を踏まえると、au損保のペット保険の保険料は高めといえます。0~5歳程度までは普通でも、それ以降は保険料負担が他社より重くなります。10歳時点の保険料でも77560円で、アニコム・アクサ・アイペットに次ぐ高さとなっています。保険料の高さに見合うメリットがあるのか、続けてメリットを確認していきます。
メリット
この保険のメリットは、まずは1日あたりの限度額と支払回数の制限が無い点が挙げられます。他社の入院は1日2万円・手術は1回あたり14万円までの保険だと、入院日数が短い高額な治療で十分な補償が受けられません。他社の保険で入院2日+手術で治療費が30万円だと受け取れるのは18万円ですが、この保険なら21万円(70%補償の場合)が受け取れます。
auユーザーなら加入時の手間を省け、決済手段が多様なのも見逃せません。大抵は加入時にはHP上で個人情報の入力が必要ですが、auユーザーならau IDで入力が省けます。決済手段もauかんたん決済・au PAYが利用でき、auかんたん決済ならポンタポイントも利用できます。
補償・サービス面でいえば、獣医師に無料相談できる「かかりつけ獣医師ダイヤル」と無料アプリの「ペットの家」もメリットです。特に無料アプリのペットの家はタイムラインでペットの通院記録等が付けられるのが良いです。病院に行った日から予防接種の記録等ができます。auのあんしんGPSと連携すると、自分ではなくペットの歩数・カロリーを取得できます。ペットの運動量の確保や肥満対策に役立つでしょう
保険金請求も「アニポス」というアプリで完結でき、書類の郵送は不要で手間を省けます。入力内容の誤りは即座に指摘されるため、書類の不備・記入漏れで何度も書類を再送することもありません。アプリだけではなく書類での請求も可能なため、スマホに不慣れな人でも保険金は請求できます。
ちなみにau損保は損害保険会社である点もメリットです。ペット保険は少額短期保険業者も販売していますが、経営破綻するケースは少なくありません。経営破綻すると最悪の場合は保険金が受け取れない可能性があります。その点、au損保は損害保険会社であり、あいおいニッセイ同和損保とauが後ろ盾になっており安心感があります。
デメリット・注意点
この保険のデメリットには、まずは保険料が高い点が挙げられます。前述したように保険料は0~5歳は平均程度でも、8歳で約6万円となり以後も上昇が続きます。そのためペットが長寿だと合計保険料は非常に高く、0~14歳の合計で86万円になります。他社にはペットが長寿でも不安の無いように、10歳や12歳で保険料の上昇が止まる保険があります。
さらに犬だと品種によって一段と保険料が高くなります。品種によっては中型犬なのに最安のAクラスになる可能性もありますが、パグのように小型犬でBクラスになる可能性もあります。Bクラスだと2~4万円は保険料が高くなり、8歳時で約9万円、9歳時で10万円を超えてきます。
ちなみに獣医師ダイヤルは基本的にはメリットですが、他社の多くのペット保険にも付いているサービスでau損保だけではありません。他社にはアニコムのようにLINEで相談できるサービスもあり、LINEでペットの様子(歩き方が変・ケガの様子など)を写真や動画なりで獣医師に見せられます。それと比べると少し見劣りする感があります。
評判・苦情
au損害保険の2021年度(2021年4月~2022年3月)の決算資料によると、保険会社の収入を示す正味収入保険料は前年度の45億円から55億円になり22%増と好調でした。他社には横ばい・微増に留まったケースもあるため、契約数からすると評判は良いといえます。
日本損害保険協会の苦情数のデータですが、au損保全体に寄せられた苦情数は16件(2022年度累計)と非常に少ないです。苦情の中身は「保険金」が多めで保険金の遅れ・支払いの有無等が懸念されますが、そもそも数が少ないため心配はないでしょう。
その一方でオリコンのペット保険 総合ランキング2022(実際に保険を適用した4506人が調査対象)では、au損保は12社中10位以下に沈んでいます。この調査の評価項目は加入手続き・保険プラン・保険料・付帯サービス・保険金ですが、いずれの項目でも評価は低いと考えられます。ただし、適用内容別部門結果(実際に保険金を受け取った際の評価)では入院で4位で、無制限の補償が評価された可能性があります。
個別のクチコミでは「請求手続きが面倒」「オペレーターの対応が良くない」「1回使うと更新できない」等のネガティブな意見がありました。請求手続きは2021年7月から開始したアプリでの請求が、まだ反映し切っていない可能性があります。その他では保険金を1回請求すると更新できないケースは、病気によるのかもしれませんが気がかりです。
以上のデータから考えると、au損保の評判は良さそうですが、ペット保険については微妙なところです。せめてオリコンのランキングで10位より上にないと、少なくともペット保険の評判が良いとはいえないでしょう。
総合評価・おすすめか?
結論としては、ワンにゃんdeきゅんは総合的には微妙な保険です。補償内容は高額治療に対して心強い内容なのですが、いかんせん保険料が高いです。これなら同じ1回・1日の限度額が無いSBIいきいき少短の方が保険料も安くベターでしょう。
その他に保険料の安さでいえば、通院も補償されるFPCやリトルファミリー少短のペット保険等を検討した方が良いでしょう。通院なしならアニコムのぷちプランやアイペットのライトプランもあります。保険料より補償内容・評判等も重視するならSBIいきいき少短・ペットメディカルサポート等のペット保険が候補になります。