わんデイズ・にゃんデイズを比較・評価
- オススメ度:
- 保険会社:
- リトルファミリー少額短期保険
- 名称:
- わんデイズ・にゃんデイズ
- 補償割合:
- 50% or 70%
- 保険金請求:
- 公式HP
- オリコン:
- ランク外 / 12社中
- 特徴:
- ペット保険で後悔したくない方へ
わんデイズ・にゃんデイズはリトルファミリー少額短期保険が募集・販売しているペット保険です。同社は2019年に設立された歴史が浅い企業です。ペット保険を販売する企業の多くが2000年前後に設立されたため、同社は完全に後発のペット保険といえます。
とはいえ後述するように、保険料の安さから新規契約数は継続して伸びているようです。それでは以下で補償内容・保険料・メリット・デメリット・評判等を解説し、他社のペット保険と比較していきます。
補償内容・特約
この保険には治療費の50%が補償される50%プランと、治療費の70%が補償される70%プランの2つがあります。両プランは補償割合以外はは同じで、通院・入院・手術の年間限度額は同額で、免責金額は無しで保険金の回数制限もありません。
年間限度額は、通院が30万円、入院が60万円、手術が30万円で合計120万円となります。他社では補償割合で限度額に差を設けていることが多いです。この保険は限度額が同額ですが、治療費で見ると補償される金額に差があります。50%プランなら治療費が240万円(50%の120万円を受け取る)になると年間限度額に到達しますが、70%プランなら治療費が171.4万円(70%の120万円を受け取る)になると年間限度額に到達します。
通院・入院・手術の各々の年間限度額にも同じことがいえます。入院の限度額は60万円ですが、治療費でいえば50%プランは120万円が限度で、70%プランは85.7万円が限度となります。受け取った保険金よりは基本的に治療費に目がいくため、これらの数字を目安にプランを考えると良いかもしれません。
治療費の補償以外には取り立てて目立ったサービスはありません。他社にあるような割引サービスは元より、ペットの健康状態を獣医師に相談できる無料相談サービスもありません。
保険料を他社と比較
この保険の保険料は補償割合・ペットのサイズ・年齢によって決まります。70%プランの方が50%プランより1~2万円ほど高くなります。ペットのサイズは猫が最も安く、次いで小型犬が安く、中型犬・大型犬になると保険料が高くなります。
この保険で特徴的なのは3歳おきに保険料が上昇する点です。他社の多くの保険は保険料は毎年上昇し、保険料負担が年々重くなります。その点、この保険は保険料が3年は据え置きであり、その上昇幅も他社よりも緩やかです。とはいえ保険料は18歳まで上昇するため、他社の10歳・12歳で保険料の上昇が止まる保険よりは不利な気もします。そのため次に保険料が他社より安いのか確認していきます。
保険料はペットの年齢は0歳・5歳・8歳時で比較し、品種は犬はトイプードル、猫はスコティッシュ・フォールドとしました。各社の保険料は70%補償のプランの金額で、保険料は月払いよりも安くなる年払いの金額で一覧表で比較しました。さらに犬で0~14歳まで14年間契約した場合の合計保険料も比較しました。
この保険の保険料は他社と比較すると安い部類に入ります。通院が補償外の最安値圏の保険を除けば、実質は最安値ともいえます。犬8歳の保険料だと通院が補償外の保険を含めても最安値のため、名実共に最安値の保険となります。犬だけではなく猫でも保険料の安さは同じです。
前段で保険料の上昇が止まらない点を懸念しましたが、犬で0~14歳(14年間)まで加入した合計保険料は42万円と非常に安いです。通院を補償しない保険の方が合計保険料は安いのですが、それを除けば最安値となっています。特にペット保険の大手と比べて合計保険料が半額なのは脅威といえます。
以上を踏まえると、わんデイズ・にゃんデイズの保険料は間違いなく安いです。犬・猫共に安く、保険料の上昇も苦にならない金額となっています。それに加えて保険料は3歳置きのみ上昇するという契約者に配慮した設計になっています。文句なしの保険料といえるでしょう。
メリット
この保険のメリットは、まずは保険料が安く通院まで補償される点が挙げられます。小型犬の保険料は8歳までは年間2万円台、8~14歳でも年間3万円台で済みます。平均寿命以上に長生きしたとしても15~17歳は年間49200円で済みます。他社には10歳時点で保険料が年間10万円を超える保険もあります。
保険料が安いにも関わらず回数制限や日額制限が無いのもメリットです。これらの制限が無いため、数日の入院+手術で治療費が数十万円となっても十分な保険金が受け取れます。他社の入院は1日2万円・手術は1回10万円といった制限がある保険だと、2泊3日で治療費が50万円といったケースでは十分な保険金が受け取れません。
さらに年間限度額の120万円は他社と比べてもトップクラスです。他社は年間限度額は30~50万円程度のケースが多く、上限額が大きい保険でも100~115万円が限界です。この保険の120万円という限度額はトップクラスで、複数回の高額治療にも十分に耐えられる水準となっています。
保険金請求が公式HP上で完結できるのもメリットです。マイページから診療明細等の必要書類の写真をアップロードして、必要事項を入力するだけで事足ります。必要書類をダウンロードして印刷して郵送する手間はありません。記入漏れ等で書類を再送する可能性もありません。
デメリット・注意点
この保険のデメリットには、まずは設立したのが2019年で歴史が浅い点が挙げられます。過去、いくつかのペット保険はリリースしてから当面の間は保険料は安かったのですが、いつの間にか値上げしていたケースがあります。この保険も初期段階で加入者を集めて、他社に替えられない年齢(11歳や12歳)時に大幅値上げする可能性は否定できません。保険料ではなく補償内容の改悪の可能性もあります。
保険料については、犬の品種によっては必ずしも安くない可能性があります。例えば柴犬は他社のペット保険(イオン少短など)であれば小型犬に分類されることがあります。しかし、この保険では柴犬(小柴・豆柴含む)は中型犬に分類され、保険料は一段高い部類に入ります。保険料が本当に安いかは自分の犬の分類を確認してからの方が賢明です。
また、ペット保険の契約者限定のサービス・特典が乏しいのも見逃せません。他社の大半のペット保険にはペットの健康相談ができる無料サービスがあります。獣医師と24時間365日いつでも相談できるため、かかりつけ医がいない人もいる人も休日には頼れるサービスです。さらに他社にはペット用品等が優待割引されるサービスが付いている保険もあります。
ちなみにリトルファミリー少短は少額短期保険業者である点に注意が必要です。少額短期保険業者は契約者保護機構に加入しておらず、経営破綻すると法務局に預けた供託金が契約者等で分配するだけです。経営破綻すると最悪の場合は保険金を請求しても保険金が受け取れない可能性があります。
評判・苦情
わんデイズ・にゃんデイズは価格.com経由の新規契約数ランキングでは、総合部門で13社中1位とトップです。保険料を重視して一括見積もりをするような人には、評判が良い保険と考えられます。犬部門ではトップをFPC フリーペット保険に譲り、猫部門ではSBIいきいき少短に譲りますが、それでも2位を保持するほど人気です。価格.com以外のサイトでも新規契約数では上位にあり、その意味で評判は良いといえます。
その一方で気がかりなのは、設立した2020年度から純利益はマイナス(純損失)であり、その金額が年々増加している点です。2020年度の純損失は664万円でしたが、2021年に5.9億円に膨らみ、2022年度には9.2億円に倍増し雪だるま式に増加しています。
これだけの損失を穴埋めしているのは、同社の主要株主であるあいおいニッセイ同和損保からの第三者割当増資です。増資で2021年に7億円、2022年には10億円を調達しており、それにより損失をカバーしています。まだ設立から間もないとはいえ、この状況から脱せられるのかが焦点です。
この状況から脱せられないなら、やはり保険料の値上げ・補償内容の改悪が将来的に実施されるでしょう。ペット保険については、あいおいニッセイも募集・販売しており、あいおいニッセイとauが共同出資したau損保でも募集・販売しています。これらと統合される可能性も無くはないでしょう。
ちなみにオリコンのペット保険 総合ランキング2022(実際に保険を適用した4506人が調査対象)では、調査対象でありながらランキング外でした。設立から年数を経ていない、ないしは十分なデータが収集できなかった可能性もありますが、不安感を拭える内容ではないのは確かです。
以上のデータから考えるとリトルファミリー少短(わんデイズ・にゃんデイズ)の評判は一応は良さそうです。ただし、既述の通り危うさを秘めており油断はできません。これから保険料・補償内容で躍進して評判の良さを磐石にする可能性もある一方で、増資できず経営が立ち行かなくなり別の意味で評判が広がる可能性もあります。
総合評価・おすすめか?
結論としては、わんデイズ・にゃんデイズは総合的には微妙な保険といえます。保険料・補償内容では文句の付けようがありませんが、評判で既述したように一抹の不安があります。一応、ペット保険は1年更新で解約できるため、値上げ・改悪等があったら即座に乗り換えるなら加入するのもアリです。
そうでなければ他社の保険も検討した方が賢明でしょう。保険料の安さでいえば、FPCやペット&ファミリーのペット保険等があります。通院補償ナシならアニコムのぷちプラン・アイペットのライトプランという手もあります。補償内容・評判等も重視するならSBIいきいき少短・ペットメディカルサポート等のペット保険が検討候補になります。