SBIいきいき少短のペット保険を比較・評価

SBIいきいき少額短期保険
オススメ度:
4
保険会社:
SBIいきいき少額短期保険
名称:
SBIいきいき少短のペット保険
補償割合:
50% or 70%
保険金請求:
LINEまたは書類郵送
オリコン:
1位 / 12社中
特徴:
犬と猫の病気・ケガに備える

SBIいきいき少短は雑誌「ハルメク(旧いきいき)」の読者向けの共済からスタートし、現在はSBIグループの1社となっています。ペット保険を販売開始したのは2017年と完全に後発ですが、オリコンのペット保険ランキングでは1位を獲得するなど評判は良いです。

それでは以下で補償内容・保険料・メリット・デメリット・評判等を解説し、他社のペット保険と比較していきます。

補償内容・特約

この保険は補償割合・支払限度額・免責金額の異なる4つのプランがあります。補償割合は50%と70%、支払限度額は50万円と70万円、免責金額は0円と5000円と7000円があります。どのプランにも入院・通院・手術の1日(1回)あたりの回数制限は無く、支払限度額内なら1回あたりの限度額もありません。

SBIいきいき少短のペット保険の補償内容とプラン(出典:SBIいきいき少額短期保険公式HP)

例えば3日の入院と手術で治療費が10万円だった場合、プラン70スタンダードだと保険金で7万円が受け取れ、残りの3万円は自己負担となります。その一方でプラン70ライトだと、10万円の70%の7万円から免責金額の2.1万円を差し引きます。残りの4.9万円が保険金として受け取れるため、免責金額を含めて5.1万円が自己負担となります。

さらに免責金額のあるライトプランは、免責金額以下の治療だった場合には保険金が受け取れません。上限は50万円ないしは70万円で、下限が5000円ないしは7000円となります。免責金額は無い方が良いと考える人が大半でしょうが、免責金額があると保険料は半額以下に抑えられます。

治療費の補償の他に24時間無料ペット健康相談というサービスがあります。24時間365日いつでも獣医師に電話相談ができ、病気・ケガだけではなくしつけについても相談できます。病気・ケガで動物病院に行くべきか否かも相談できるため、無駄に動物病院に行くことを回避できます。

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保険料を他社と比較

この保険の保険料は選択したプラン・犬のサイズ・年齢で分かれています。プラン70スタンダードが最も高く、次いでプラン50スタンダード・プラン70ライト・プラン50ライトの順に高いです。犬のサイズは小型犬(~8キロ)・中型犬(8~25キロ)・大型犬(25キロ以上)に分類され、サイズが小さいほど保険料は安いです。年齢は高齢になるほど高くなりますが、12歳以降は同じです。犬ではなく猫だとプランと年齢だけで保険料が決まります。

SBIいきいき少短のペット保険の小型犬の保険料一覧表(出典:SBIいきいき少額短期保険公式HP「保険料」)

この保険の保険料で特徴的なのは、WEB割引と保険料の上がり方です。WEB割引は他社では初年度のみ適用されますが、この保険は初年度だけではなく次年度以降も保険料が10%割引されます。保険料は他社は保険料が毎年上昇するケースが多いのですが、この保険は3歳おきに上昇し12歳で上昇はストップします。

次に保険料が他社より安いのか否か確認していきます。ペットの年齢は0歳・5歳・8歳時で比較し、品種は犬はトイプードル、猫はスコティッシュ・フォールドとしました。各社の保険料は70%補償のプランの金額で、保険料は月払いよりも安くなる年払いの金額で一覧表で比較しました。さらに犬で0~14歳まで14年間契約した場合の合計保険料も比較しました。

ペット保険の犬猫の0歳・5歳・8歳時・0~14歳・平均値の保険料の比較一覧表(アニコム損保・アクサダイレクト・アイペット・ペットメディカルサポート・ペット&ファミリー・日本ペット・FPC・あいおいニッセイ同和損保・SBIいきいき少短・SBIプリズム少短・au損保・楽天損保・チューリッヒ少短・イーペット少短・イオン少短・リトルファミリー少短)※各社の公式HPを元に当社が独自に作成

この保険の保険料は他社と比較すると安い部類に入ります。最安値の保険は通院が補償外のため、通院が補償される保険の中では最安値に近い保険です。とはいえ細かく見ると、犬0歳・5歳ではFPCよりも安いのですが、8歳だとFPCより高くなる等、加入する年齢によって他社よりも高くなるようです。

犬で0~14歳(14年間)まで加入した場合の保険料でも、合計53.9万円と安いです。ただ、前述のFPCに加えてペット&ファミリー・リトルファミリー少短といった保険は合計保険料が40万円台です。この保険とは14年間で10万円近い差が出てきます。FPC・リトルファミリー少短は共には12歳以降は保険料が固定されるため、ペットが14歳よりも長生きしても差額は埋まりません。

以上を踏まえると、SBIいきいき少短のペット保険の保険料は間違いなく安いです。最安値とはいきませんが、通院補償があるペット保険の中では優秀です。保険料が上昇するのも段階的で12歳以降は同額のため、毎年上昇する保険料に怯えることもないでしょう。

メリット

この保険のメリットは、まずは11歳11ヶ月まで加入できる点が挙げられます。他社には新規の加入は7~8歳と早めに区切る保険があり、年齢を重ねて病気が気になってからでは遅いことがあります。さらに、この保険なら11歳から加入して保険料を節約するという手も使えます。11歳で加入すれば12歳で保険料は上昇しますが、それ以後は保険料は定額です。

4つのプランがあるのもメリットです。多くの人がプラン70スタンダードを選ぶでしょうが、免責金額があるライトプランも悪くはありません。プラン70ライトなら年間25830円で治療費100万円まで備えられます。仮に5日の入院と手術で治療費が100万円だった場合、66.5万円の保険金が受け取れ自己負担額は33.5万円で済みます。どのプランも1日あたりの限度額と回数制限が無く、保険料が気にならなければスタンダードでも同様に高額治療に備えられます。

実際にペットが高額治療になるかは病気・ケガ次第ですが、その可能性はゼロではありません。INUNAVIを運営する(株)PLAN-Bの愛犬の治療費に関する調査(調査対象300人)では、50万円を超える治療費になった人は300人中18人でした。100万円を超えた人は300人中3人で、確率はゼロどころか1%で宝くじより高い確率です。

今までに一番高額だった治療費の金額(出典:「愛犬の治療費に関するアンケート調査」株式会社PLAN-B実施)

保険金請求が書類だけではなくLINEで請求可能なのもメリットです。LINEで請求内容を記入して、必要書類の画像をアップロードすれば書類の郵送は不要です。スマートフォンに疎い高齢者だとしても、書類での請求が可能なため保険金請求ができないことはありません。

デメリット・注意点

この保険のデメリットには、まずは複数のプランがある点が挙げられます。メリットでもありますが、複数の選択肢があると迷いが出ますし、どのプランが良いか情報収集して決定する必要があります。このプランが良いと決めても保険料がネックだから選び直し、という可能性もあります。

さらに複数のプランがあるとはいっても、入院・手術だけ補償されるプランはありません。70%補償で入院・手術だけで免責金額アリなら、保険料は12歳以降でも年間1万円台になるでしょう。年間上限額を150万円にすれば、前述のデータで150万円になった300人中の2人も十分な補償が受けられるでしょう。

また、免責金額があるライトプランにはデメリットもあります。プラン70だと免責金額以下の数千円の治療費は補償されません。さらに入院日数次第で保険金が相当に減ります。仮に10日の入院・手術で治療費が10万円の場合、免責金額は7万円(7000円×10日)です。この場合は10万円×70%ー7万円で保険金は0円で、70%補償どころか0%補償です。

SBIいきいき少短の具体的な補償金額の例(出典:SBIいきいき少額短期保険公式HP)

ちなみにSBIいきいき少短は少額短期保険業者である点に注意が必要です。少額短期保険業者は契約者保護機構に加入しておらず、経営破綻すると法務局に預けた供託金が契約者等で分配するだけです。経営破綻すると加入した人は保険金の受け取りが遅れたり、最悪の場合は保険金が受け取れない可能性があります。

その点、SBIいきいき少短は上場もしているSBIグループの一社であり、他の少額短期保険業者よりは過度な心配はいりません。ただ、親会社から切られる可能性等もあるため、一応は留意しておいた方が良いでしょう。

評判・苦情

SBIいきいき少短の2021年度(2021年4月~2022年3月)の決算資料によると、保険会社の収入を示す正味収入保険料は前年度の34.3億円から37.4億円になり9%増と好調でした。その中でペット保険は8.9億円で前年度から43%増と急増しています。他社では横ばい・微増したケースもあるため、契約数からするとペット保険の評判は良いです。

現に価格.com経由の新規契約数ランキングでも、13社中3位とトップ3に入っています。一括見積もりサイトを利用する保険料を重視する人達からの評判も良いと考えられます。

その反面、苦情も寄せられていますが、2021年累計の苦情数は2163件でした。苦情数を公開していない少額短期保険もあるため単純に数字を比較できませんが、業績が倍近いペット&ファミリーの1213件より多めなのが気がかりです。苦情の中身は「新契約関係」「保険金・給付金関係」が多く、契約時の説明不足・誤り、保険金支払いの遅れなどに不満が多いのが分かります。

SBIいきいき少短への苦情の内訳と改善状況(出典:SBIいきいき少短 2021年度ディスクロージャー誌「SBIいきいき少額短期保険の現状」)

次にオリコンのペット保険 総合ランキング2022(実際に保険を適用した4506人が調査対象)ですが、SBIいきいき少短は12社中1位とトップでした。この調査の評価項目は加入手続き・保険プラン・保険料・付帯サービス・保険金ですが、保険金の4位以外は1位で高い評価を得ていました。

4位だった保険金にしても1位がアニコムで2位がアイペットだった点からすると、治療費の窓口精算が高い評価を受けての結果と割り切れます。ただし、ペットの種類別部門結果では小型犬こそ1位でしたが、中型犬・猫では4位以下でした。中型犬・猫では評判が良くはない可能性があります。

SBIいきいき少短のオリコンペット保険総合ランキング2022の順位と各項目の評判(出典:オリコン公式HP「SBIいきいき少額短期保険 ペット保険の評判・口コミ」)

個別のクチコミでは「加入後に保険料が大幅値上がり」「保険金の振込みが遅い」「保険金請求の手続きが面倒」等のネガティブな意見がありました。概ねデメリット等で既述した内容ですが、加入後に保険料が大幅値上がりしたのは注意が必要です。加入したタイミングが悪かっただけとも考えられますが、今後も保険料が更新時に契約時よりも高い金額になっている可能性があります。

以上のデータから考えると、SBIいきいき少短のペット保険の評判は良さそうです。どの項目でも概ね好評で、過度に心配する内容は含まれていません。とはいえ個別のクチコミや苦情面では注意点が散見されるため、評判が良いからといって何かしらでストレスを感じる可能性は否定できません。また、苦情数は医療保険・がん保険等も手がけているため差し引く必要がありますが、一応は注意しておいても損は無さそうです。

総合評価・おすすめか?

結論としては、SBIいきいき少短のペット保険は総合的にはオススメできる保険です。保険料は安く補償内容も高額治療に対応でき、評判面でも悪くないからです。とはいえデメリットもあるにはあるため、プラン選択や保険料の値上がり等に注意は必要でしょう。

この保険の他に保険料の安さでいえば、FPCやリトルファミリー少短のペット保険等があります。通院補償ナシならアニコムのぷちプラン・アイペットのライトプランがあります。補償内容・評判等も重視するならペットメディカルサポート等のペット保険が検討候補になります。