楽天損保 スーパーペット保険を比較・評価

楽天損保 スーパーペット保険
オススメ度:
1
保険会社:
楽天損保
名称:
スーパーペット保険
補償割合:
50% or 70% or 90%
保険金請求:
公式HP・郵送
オリコン:
3位 / 12社中
特徴:
いつもからもしもまで使えるペット保険

楽天はもっとぎゅっと少額短期保険を買収・子会社化して、2018年にペット保険に参入しました。当初は楽天少額短期保険としてペット保険を募集・販売していましたが、2022年4月以降に満期を迎えるペット保険は楽天損保へ移転されました。

ペット保険の補償内容については、旧もっとぎゅっと少短の頃からガラリと変わっています。もっとぎゅっとを契約していた人は、楽天損保の保険に変更するかは内容を確認してからの方が賢明です。それでは以下で補償内容・保険料・メリット・デメリット・評判等を解説し、他社のペット保険と比較していきます。

補償内容・特約

この保険には通院つき50%補償プラン・通院つき70%補償プランと、手術・入院プランの3つのプランがあります。通院つき50%補償プラン・通院つき70%補償プランは手術・入院・通院が補償され、手術・入院プランは手術・入院のみが補償されます。手術・入院プランは治療費の90%が補償されます。

楽天ペット保険「スーパーペット保険」のプランと補償内容(出典:楽天ペット保険 スーパーペット保険パンフレット 2022年7月改定版)

どのプランも年間支払限度日数(回数)は同じで、手術は年間3回まで・入院は年間25日まで・通院は年間22日までです。ただし、1日・1回あたりの支払限度額は各プランで異なります。70%プランだと手術は15万円で入院・通院は15000円までですが、50%プランだと手術は12万円までで入院・通院は12000円までとなります。手術・入院プランだと手術は50万円までで、入院は25000円までとなります。

治療費の補償以外にペット賠償責任担保特約が任意で付けられます。この特約を付けるとペットが他人に噛み付いたり、他人の物を壊した場合に最大300万円まで補償されます。獣医師にペットの健康状況等を相談できる獣医師相談サービスもあります。

その他に楽天のペット保険ならではのサービスで、契約者限定で楽天市場で使えるクーポンがもらえたり、ペット用品のサンプルBOXのプレゼント等があります。

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保険料を他社と比較

この保険の保険料は補償プラン・ペットの分類(犬のみ)・年齢によって決まります。補償プランは70%プランが最も高く、次いで50%プラン・入院手術プランとなります。ペットの分類は楽天の基準によるものですが、概ね小型犬は最も安く、中型犬・大型犬になると高くなります。猫は分類は無関係で、プランと年齢によってのみ保険料が決まります。また、賠償責任担保特約は年間600円でプラン・年齢等に関わらず定額です。

楽天ペット保険「スーパーペット保険」のプラン別の保険料一覧表(出典:楽天ペット保険 スーパーペット保険パンフレット 2022年7月改定版)

この保険の保険料で特徴的なのは、保険料を支払うと楽天ポイントが1%もらえる点です。更新時に1年分の保険料の1%に相当するポイントがもらえるため、解約する場合は月払いなら更新直後に解約すればポイントが無駄になりません。

次に保険料が他社より安いのか否か確認していきます。ペットの年齢は0歳・5歳・8歳時で比較し、品種は犬はトイプードル、猫はスコティッシュ・フォールドとしました。各社の保険料は70%補償のプランの金額で、保険料は月払いよりも安くなる年払いの金額で一覧表で比較しました。さらに犬で0~14歳まで14年間契約した場合の合計保険料も比較しました。

ペット保険の犬猫の0歳・5歳・8歳時・0~14歳・平均値の保険料の比較一覧表(アニコム損保・アクサダイレクト・アイペット・ペットメディカルサポート・ペット&ファミリー・日本ペット・FPC・あいおいニッセイ同和損保・SBIいきいき少短・SBIプリズム少短・au損保・楽天損保・チューリッヒ少短・イーペット少短・イオン少短・リトルファミリー少短)※各社の公式HPを元に当社が独自に作成

この保険の保険料は他社と比較すると年齢により高安が分かれます。犬は0歳・5歳では平均か少し安いのですが、8歳では平均を超えて少し高い部類に入ります。猫だと年齢に関係なく保険料は高めで、8歳ではトップ5に入るほどの保険料の高さとなっています。

保険料が平均程度なのか高いのかは合計保険料にすると分かります。犬で0~14歳(14年間)まで加入すると合計保険料は81万円で、他社と比べて高いのが分かります。この保険よりも合計保険料が安い保険には通院を補償しない保険もありますが、SBIいきいき・FPCのように通院補償がある保険もあります。1%程度の楽天ポイントでは埋まらない差があります。

以上を踏まえると、楽天損保のスーパーペット保険の保険料は高いです。0~5歳で契約する分には保険料の高さは意識できないかもしれませんが、年齢を重ねるほどに保険料の高さが意識できるでしょう。この保険料に見合うメリットがあるのか、続いてメリットを確認していきます。

メリット

この保険のメリットは、まずは通院まで補償される点が挙げられます。ペットの病気次第では入院・手術で数十万円かかるパターンではなく、通院で数万円が毎月かかって合計数十万円になるパターンもあります。この保険なら後者のパターンでも十分な補償が受けられます。その逆に前者のパターンに備えたい人には入院・手術プランが用意されています。

楽天ならではのサービスがあるのもメリットです。保険料を支払うと1%分の楽天ポイントが貯まる他、楽天ポイントで保険料を支払うことも可能です。期間限定ポイントも利用できるため、期間限定ポイントの使い道に迷ったら保険料に充てるのもアリです。

さらに全国の動物病院検索サービスが利用でき、このサービスでは楽天ポイントや楽天ペイが使える動物病院に限って検索できます。楽天ペット保険の契約者による動物病院への評価も見れるため、他では見られない評判を伺い知れるでしょう。電話かHPから獣医師に24時間365日いつでも相談できる獣医師相談サービスもあります。

楽天ペット保険「スーパーペット保険」の特徴・サービス(出典:楽天ペット保険 スーパーペット保険パンフレット 2022年7月改定版)

書類だけではなく専用WEBページから保険金請求できるのもメリットです。専用ページで必要書類の画像を送信するためWEBで保険金請求が完結します。他社ではHPでは保険金の請求を申し込めるだけで、結局は書類を郵送する保険もあります。また、通院の度に請求するのが面倒な人向けに、保険金請求を月に1回まとめて請求することも可能です。

ちなみに楽天損保は損害保険会社である点もメリットです。ペット保険は少額短期保険業者も販売していますが、経営破綻するケースは少なくありません。経営破綻すると最悪の場合は保険金が受け取れない可能性があります。その点、楽天損保は損害保険会社であり上場もしている楽天グループの一社であり安心感があります。

デメリット・注意点

この保険のデメリットには、まずは保険料が高い点が挙げられます。前述した通り0~5歳は安めでも8歳時点で保険料が相対的に高くなり、0~14歳までの合計保険料でも他社よりも高めです。70%プランの保険料は13歳で年間10万円を超えて、20歳の206950円(21歳以降は同額)まで上昇を続けます。

楽天ペット保険「スーパーペット保険」の小型犬の0~20歳の保険料(出典:楽天損保「スーパーペット保険」保険料表 改訂2022年7月版)

入院・手術プランなら保険料は安く、12歳以降は上昇が止まり42780円で済みます。しかし、ペット&ファミリーやリトルファミリー少短の方が保険料は安く、ペット&ファミリーなら楽天損保より早い10歳時点の39910円で上昇は止まります。

さらに犬種によっては最安クラスではなく、中間クラスになる可能性も見逃せません。楽天の基準は独自基準とはいえ概ね犬のサイズに準拠しています。そのため他社では最安のクラスになる柴犬等が中型犬で、最安クラスより保険料が高くなっています。

1回あたりの支払限度額が低い点もデメリットです。70%プランは入院・通院は1日あたり1.5万円で、手術は1回あたり15万円までです。仮に7日の入院と手術で50万円の高額治療となった場合、この保険で受け取れるのは25.5万円です。この数字だと70%補償ではなく50%の補償です。他社には細かい限度額は無く年間50~100万円まで、とだけ設定している保険があります。そういった保険なら35万円の保険金が受け取れます。

評判・苦情

楽天損保の2021年度(2021年4月~2022年3月)の決算資料によると、保険会社の収入を示す正味収入保険料は前年度の157億円から174億円になり11%増と好調でした。ただ、業績を牽引しているのは自動車保険で、ペット保険を含む他の保険は減少しています。そのため業績からするとペット保険の評判は良くはありません。

とはいえ価格.com経由の新規契約数ランキングでは、この保険は13社中7位と中間に位置しています。保険料を重視して一括見積もりをするような人には、良くもないが悪くもない保険と考えられています。ただ、猫だけのランキングでは10位に沈んでおり、やはり保険料の高さが影響していそうです。

日本損害保険協会の苦情数のデータですが、楽天損保全体に寄せられた苦情数は2804件(2021年度累計)です。苦情の中身は「契約の管理」が大半を占めており、契約内容の変更・解約手続き等々の各種手続きで煩雑さを感じている人が多いようです。

楽天損保への苦情の内訳(出典:楽天損保ディスクロージャー誌「楽天損保の現状2022」)

次にオリコンのペット保険 総合ランキング2022(実際に保険を適用した4506人が調査対象)ですが、楽天損保は12社中3位とトップ3に入っていました。高評価とはいえペットの種類別部門結果では小型犬で5位ですが、中型犬や猫ではランキング外になっています。

この調査の評価項目は加入手続き・保険プラン・保険料・付帯サービス・保険金ですが、最も評価が高いのが付帯サービスの3位です。これは前述した通り楽天ならではのサービスが整っているからでしょう。その一方で保険金が7位に順位を下げています。上位が窓口精算ができるアニコム等であることから、この保険のHPからの保険金請求すら面倒だと考えられているのでしょう。

楽天損保のオリコンペット保険総合ランキング2022の順位と各項目の評判(出典:オリコン公式HP「楽天損害保険 ペット保険の評判・口コミ」)

個別のクチコミでは「とにかく保険料が高い」「ログインの仕方が分かりにくい」「加入してから1ヶ月は補償外」等のネガティブな意見がありました。概ね保険料の比較・デメリット等で記載した内容ですが、3位でもネガティブな意見があるのは間違いありません。

以上のデータから考えると楽天損保の評判は普通か良い方です。全体的には評判が良い方で、楽天ならではのサービスも好評のようです。ただし、保険料の評判は悪そうで保険料を重視している人からの評判も良くはなさそうです。苦情面で各手続きに不評を買っている点も気がかりです。

総合評価・おすすめか?

結論としては、楽天ペット保険(スーパーペット保険)は総合的にはイマイチな保険です。回数制限と限度額が厳しいという決定的なデメリットがあり、かつ保険料も安くはないからです。楽天ならではなのサービスに特に魅力を感じなければ、余計に他社のペット保険も検討しておきたいところです。

保険料の安さでいえば、通院も補償されるFPCやリトルファミリー少短のペット保険等を検討した方が良いでしょう。通院なしならアニコムのぷちプランやアイペットのライトプランもあります。保険料より補償内容・評判等も重視するならSBIいきいき少短・ペットメディカルサポート等のペット保険が候補になります。