ワンにゃんdeきゅんを比較・評価
- オススメ度:
- 保険会社:
- あいおいニッセイ同和損保
- 名称:
- ワンにゃんdeきゅん
- 補償割合:
- 50% or 70% or 90%
- 保険金請求:
- アプリ請求
- オリコン:
- 対象外 / 12社中
- 特徴:
- まだ誰も知らない安心を、ともに
ワンにゃんdeきゅんはあいおいニッセイ同和損保が、2022年10月から募集・販売しているペット保険です。この保険とは別にペット保険もありますが、この保険の方が新しく従来のペット保険からバージョンアップしています。
あいおいニッセイは自動車保険・火災保険も販売しているため、これらの保険に加入しているとペット保険の保険料が5%割引されます。それでは以下で補償内容・保険料・メリット・デメリット・評判等を解説し、他社のペット保険と比較していきます。
補償内容・特約
この保険は入院・手術の治療費が補償され、通院の補償ありなしを自分で選択します。その上で保険金支払割合を50%・70%・90%から選択します。治療費が10万円だった場合、50%プランなら5万円、70%プランは7万円、90%プランならの保険金が受け取れます。
保険金支払割合によって、入院・手術と通院の限度額が異なります。90%プランなら入院・手術は90万円まで補償され、通院は36万円まで補償されます。それが70%プランだと70万円と28万円、50%プランだと50万円と20万円に減額されます。その一方で通院・入院・手術の1日(1回)あたりの限度額はなく、通院・入院も限度額内なら回数の制限はありません。
治療費の補償の他に葬祭費用補償特約が任意で付けられます。ペットが亡くなった際の火葬費用・仏具購入費用として3万円が補償されます。特約を付加すると特約分の保険料として数百円ほど保険料が追加されます。
その他にワンにゃん相談ダイヤルというサービスがあります。ペット専門の獣医師にケガ・病気に加えて、しつけ・ごはん等について相談できます。さらに最寄の動物病院の紹介、病院での診察結果・治療内容に不安があった場合の相談にも応じてくれます。
保険料を他社と比較
この保険の保険料は通院補償の有無・保険金支払割合・品種(犬のみ)・年齢によって異なります。犬の品種はサイズだけではなく特性によってABCクラスに分かれ、Aが安くCが高くなります。Aクラスはトイプードル・チワワといった小型犬も入りますが、柴犬等の中型犬もAクラスになっています。猫は品種は無関係でプランと年齢により保険料が決まります。
また、葬祭費用補償特約も犬の品種によって異なり、年齢を重ねると上昇します。犬Aクラスで5歳だと年間500円ですが、犬Bクラスだと年間680円、犬Cクラスだと年間1610円となります。犬Aクラスでも10歳になると保険料は1950円まで上昇します。
次に保険料が他社より安いのか否か確認していきます。ペットの年齢は0歳・5歳・8歳時で比較し、品種は犬はトイプードル、猫はスコティッシュ・フォールドとしました。各社の保険料は70%補償のプランの金額で、保険料は月払いよりも安くなる年払いの金額で一覧表で比較しました。さらに犬で0~14歳まで14年間契約した場合の合計保険料も比較しました。
この保険の保険料は他社と比較すると、平均か少し高い部類に入ります。最安値圏の保険は通院が補償外のため、通院補償がある保険の中では普通か少し安いともいえます。ただし、犬猫共に8歳時点での保険料は相応に高くなっており、平均よりも間違いなく高いです。自動車保険等のセット割引で5%割引されても焼け石に水です。
そのため犬で0~14歳まで加入した場合の保険料でも、合計86.5万円と他社よりも高いです。この保険は11歳以降は10~11歳時と同額程度の増加をすると想定した数字のため、実際には一段と高くなる可能性もあります。同じく通院まで補償するFPC・リトルファミリー少短等とは2倍の差があります。
以上を踏まえると、ワンにゃんdeきゅんの保険料は高めといえます。0~5歳程度までは普通でも、それ以降はジリジリと他社よりも保険料負担が重くなります。また、中型犬で保険料が最安のAクラスになっても、他社よりも高い可能性もありそうです。保険料の高さに納得できるだけのメリットがあるのか、続けてメリットを確認していきます。
メリット
この保険のメリットは、まずは補償内容の選択肢が多めである点が挙げられます。通院の有無と保険金支払割合の50%・70%・90%があり、実質は6つのプランがあります。他社には通院ありだけ、保険金支払割合は50%・70%のみの保険もあります。この保険なら保険料も考慮しながら選択でき、更新時にプランを変えることも可能です。
1日あたりの限度額と支払回数の制限が無いのもメリットです。他社では入院は1日2万円、手術は1回あたり14万円までとする保険があります。この条件で入院2日+手術で治療費が30万円だと保険金は18万円です。この保険は上限額が無いため70%補償なら21万円が受け取れます。
数十万円に及ぶ高額治療になるかはペットのケガ・病気次第ですが、確率は決して低くはありません。あいおいニッセイ同和損保に2020年4月~2022年1月までに報告された治療費を見ると、治療費が10万円以上は18.9%を占めています。約5頭に1頭と考えると、自分のペットは大丈夫とは言い切れないでしょう。
補償・サービス面でいえば、獣医師に電話で24時間365日いつでも無料相談できるワンにゃん相談ダイヤルもメリットです。それも相談だけではなく最寄の動物病院の紹介、病院での診察結果に対するセカンドオピニオンに近い相談もできます。保険金請求も「アニポス」というアプリで完結でき、書類の郵送は不要で手間を省けます。書類の不備・記入漏れで何度も書類を郵送するといった可能性もありません。
ちなみに、あいおいニッセイ同和損保は損保大手4社の1社である点もメリットです。ペット保険は少額短期保険業者も販売していますが、経営破綻するケースは少なくありません。経営破綻すると最悪の場合は保険金が受け取れない可能性があります。その点、あいおいニッセイは大手でMS&ADグループで東証にも上場しており、経営破綻云々とは程遠い存在です。
デメリット・注意点
この保険のデメリットには、まずは保険料が高い点が挙げられます。通院が補償され1日1回の限度額が無い分だけ保険料が高いともいえますが、同じく通院補償と1回の限度額がない日本ペットやペット&ファミリーの保険よりも保険料は高いです。14年間の合計保険料でいえば、前述の通りペット&ファミリーとは倍近い差があります。
さらに葬祭費用補償特約も年齢で上昇するため、保険料負担が年齢により増加する要因になっています。それも大型犬だと10歳時には保険料は8150円まで上がります。大型犬で0~14歳まで特約を付加すると、特約分の保険料は合計32290円になります。32290円を支払って保険金を3万円を受け取ってもマイナスです。そもそも更新できる年齢が10歳までというのも頂けません。
ちなみに保険金請求がアプリで完結するのは基本的にはメリットですが、スマートフォンが無い高齢者にはデメリットかもしれません。この保険では書類での請求は基本的にはできず、アプリでの請求後に不備等があれば書類の送付が必要となるだけです。ペットについての無料相談も電話であり、アニコムのようなLINEでの相談には少し見劣りする感があります。
評判・苦情
あいおいニッセイ同和損害保険の2021年度(2021年4月~2022年3月)の決算資料によると、保険会社の収入を示す正味収入保険料は前年度の1.28兆円から1.29兆円になり0.8%増と微増でした。この数字にはペット保険は含まれないため、契約数からすると全体としては評判は悪くないといえます。
日本損害保険協会の苦情数のデータですが、あいおいニッセイ同和損保全体に寄せられた苦情数は約2.7万件(2022年度累計)でした。ペット保険を販売していませんが、同規模の他の大手3社よりは少し数が多めなのは気がかりです。苦情の中身は「保険金」が半数を占めており、保険金の遅れ・支払いの有無等への不満が多いのが分かります。
その他にオリコンのペット保険 総合ランキング2022(実際に保険を適用した4506人が調査対象)等でも確認したいところですが、あいおいニッセイはランキングの対象外でした。価格コムや楽天市場等の一括見積もりサイトの新規契約数ランキングにも顔を出していませんでした。
以上のデータから考えると、あいおいニッセイの評判は悪くなさそうですが、ワンにゃんdeきゅんについては未知数です。募集・販売が2022年10月からのため、データ不足は止むを得ません。3~4年もすれば正確な評判が得られるのではないでしょうか。
総合評価・おすすめか?
結論としては、ワンにゃんdeきゅんは総合的には微妙な保険です。補償内容は高額治療に対して心強い内容なのですが、いかんせん保険料が高いです。これなら同じ1回・1日の限度額が無いペット&ファミリーでも良いかもしれません。そちらは免責金額がネックとなりますが。。。
その他に保険料の安さでいえば、通院も補償されるFPCやリトルファミリー少短のペット保険等を検討した方が良いでしょう。保険料より補償内容・評判等を重視するならSBIいきいき少短・アニコム損保等のペット保険が候補になります。