ちょこっと保険 自転車プランを比較・評価

ちょこっと保険 自転車プラン
オススメ度:
2
保険会社:
PayPayほけん(三井住友海上)
名称:
ちょこっと保険 自転車プラン
補償内容:
主に自転車事故
補償期間:
1年間
個人賠償:
1億円
特徴:
自転車でのもしもに備える

ちょこっと保険 自転車プランはPayPayほけんが募集・販売している自転車保険です。以前はYahooちょこっと保険という名称でしたが、現在はPayPayほけんを通じて販売しています。さらに以前はYahoo!プレミアム会員(現在はLYPプレミアム)向けの保険でしたが、現在はYahoo!ウォレットに登録していれば加入できるようになりました。

また、PayPayほけんは保険代理店であり、この保険は以前と変わらず引受保険会社は三井住友海上となっています。それでは以下で補償内容・保険料・メリット・デメリット・評判等を解説し、他社の自転車保険と比較していきます。

補償内容・特約

この保険にはスモールセット・ミディアムセット・ラージセットの3つのセットがあります。最低限の補償があるスモールセットだと、自転車事故を含む日常生活中の事故でケガをして入院・通院すると保険金が受け取れます。さらに自転車事故等で自分が加害者となり損害賠償を起こされた場合に、賠償額が1億円まで補償され示談も代行してくれます。

ちょこっと保険 自転車プランの補償内容と各コースの保険金額(出典:PayPayほけん公式HP「ちょこっと保険 自転車プラン」)

ミディアムセットだと日常生活中の事故で死亡すると死亡保険金が受け取れるようになります。事故でケガをした場合の入院保険金・通院保険金もスモールセットの2倍の額になります。ラージセットだと死亡保険金が2倍になり、入院保険金・通院保険金はミディアムセットの1.5倍(スモールセットの3倍)の額になります。

その他に保険加入者が利用できる生活サポートサービスという無料サービスがあります。電話で無料で健康・医療・介護・子育て等の相談ができます。電話ではなくインターネット上でも加入者限定で健康・医療・介護の情報が提供されています。

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保険料を他社と比較

この保険の保険料は選択したセットと、補償される人の範囲によって異なります。セットの中ではスモールセットが最も保険料が安く、中間がミディアムセットで、ラージセットが最も高いです。補償内容は申込画面でカスタマイズできるため、オプションを付けるほど保険料は高くなります。

ちょこっと保険 自転車プランの補償内容と各コースの保険金額(出典:PayPayほけん公式HP「ちょこっと保険 自転車プラン」)

補償される人は本人型・夫婦型・家族型の3つがあり、加入した本人のみ補償される本人型が最も保険料が安いです。次いで夫婦2人だけ補償される夫婦型が安く、子供・親族までカバーする家族型の保険料が最も高いです。

次に保険料は他社より安いのか高いのか、下図で他社の自転車保険と一覧表で比較しました。各社の最も安いコースをエコノミーコース、中間のコースをスタンダードコース、最も高いコースをプレミアムコースとして統一して保険料を記載しました。また、保険料が一時払いの保険は月額換算し、参考までに家族型のスタンダードコースの保険料も比較しました。

自転車保険の保険料の比較一覧表(au損保・JCA・PayPayほけん・コープ団体保険・ジャパン少額短期保険・セブンイレブン自転車保険・ソフトバンク自転車あんしん保険・ドコモサイクル保険・楽天損保・共栄火災・三井住友海上・損保ジャパン・東京海上・日新火災・あんしん少短・ZuttoRide少短)※各社の公式HPを元に当社が独自に作成

この保険の保険料は他社と比較すると、どのセットも平均値に近いため保険料は安くも高くもありません。ただ、本人型ではなく家族型だと他社よりも保険料は高めで、他社なら半額近い保険料で家族型に加入できます。保険料面では大きなアドバンテージは無さそうですが、保険料以外でメリットがあるのか、続いてメリットを記述していきます。

メリット

この保険のメリットは、まずはオプションで様々な補償が付けられる点が挙げられます。既存のスモール・ミディアム・ラージセットに補償を追加したり、セットの中の補償内容をカスタマイズできます。様々なオプションがありますが、その中でも携行品損害の補償とキャンセル費用の補償は他社の自転車保険では付けられません。

ちょこっと保険のオプション一覧(出典:PayPayほけん公式HP「ちょこっと保険かんたん保険料試算」)

携行品損害の補償は、外出中・旅行中に携行品を誤って壊したり盗まれた場合にの補償です。自転車で遠出してデジカメを壊したり、カバンを盗まれた場合にも使えます。キャンセル費用の補償は、海外旅行のツアーやホテルを病気等でキャンセルした場合に、30~50万円(自分で設定)まで補償されます。補償されるのは旅行関連だけではなく、ライブや音楽イベント・スポーツイベント・舞台演劇なども含まれます。

また、既存のセットの補償内容をカスタマイズすることも可能です。スモールセットは日常生活賠償の補償額は1億円ですが、2億円や3億円に増額できます。ケガした場合の入院・通院保険も1日あたり最高5000円まで設定できます。その逆に補償を絞り込むことも可能で、入院・通院保険金のうち通院保険金を外したりもできます。

ちなみにYahoo!のIDを持っていれば加入時に個人情報の入力の手間を省けるのもメリットかもしれません。通常は加入時にはHP上で個人情報の入力が必要ですが、Yahoo!のIDでログインすれば入力が省けます。ログインして加入手続きをWeb上で進めて完結させれば、最短翌日から補償が開始します。

ちょこっと保険の申込の流れ(出典:PayPayほけん公式HP「ちょこっと保険 自転車プラン」)

デメリット・弱点・落とし穴

この保険のデメリットには、まずは保険料が最安値ではない点が挙げられます。前述した通り他社と比べると保険料は僅かに高めのため、保険料を最重要視する人にはデメリットでしょう。さらに前述したオプションを付ければ付けるほど保険料は高くなるため、オプションの付けすぎに注意が必要です。

さらにメリットで既述した携行品損害の補償というオプションにも注意が必要です。意外と補償の対象外とされる物が多く、その中でも自転車・スマートフォン・メガネ・サングラスが対象外なのが痛いです。キャンセル費用の補償も便利ではありますが、5000円またはキャンセル費用の20%の自己負担額があります。キャンセル費用が20万円なら20%の4万円が自己負担となります。

キャンセル費用について(出典:PayPayほけん公式HP「ちょこっと保険 補償内容について」)

数多くのオプションがある一方で、他社にある手術保険金と法律相談費用(弁護士費用は付けられます)はオプションでも付けられません。顔面・頭部のケガだと保険金が2倍になる特約がありますが、それでも手術保険金の代わりにはならないでしょう。他社では入院保険金の5~10倍の金額の手術保険金が受け取れるからです。

ちなみにYahoo!ウォレットに登録した人のみ保険に加入できる点も、人によってはデメリットかもしれません。未登録の人は保険の加入手続きとは別に、Yahoo!ウォレットを登録する必要があります。Yahoo!IDはあってもウォレットは登録していない人も同様に登録が必要です。

評判・苦情・口コミ

PayPay保険の決算資料によると、保険の累計加入件数は2023年末には500万件でしたが、2025年7月に1000万件を突破しました。2020年のサービス開始以来、右肩上がりで増加しているため、契約数からすると評判は良いと考えられます。

PayPay保険の累計加入件数(出典:PayPayほけんニュースリリース「PayPayほけん、サービス開始から5年6か月で累計加入件数が1,000万件を突破」2025年7月15日)

急速に加入数が増加しているわりに、オリコンの自転車保険 総合ランキング2025ではPayPay保険はランキング外でした。調査対象企業には入っているため、スコアが低いのかサンプル数が少なかった可能性があります。前述したように契約件数は伸びているようですが、自転車保険以外の保険が寄与していそうです。

2025年の自転車保険の顧客満足度ランキング(出典:オリコン公式HP「【2025年】自転車保険 オリコン顧客満足度ランキング|おすすめ・口コミ比較」)

また、PayPay保険は保険代理店で引受保険会社は三井住友海上ですが、同社に寄せられた苦情数は14651件(2024年度累計)でした。苦情の中身は「保険金」が最多で保険金の遅れ・支払いの有無等の苦情に多かったようです。次いで「契約の管理・保全」が多く、住所変更や解約手続きといった手続きへの苦情が多かったようです。

以上のデータから考えるとPayPay保険の評判は良さそうですが、自転車保険の評判はそこまでのようです。PayPay保険の評判については加入件数が右肩上がりで増加しており、ここ数年は加速度的に増加しているため評判は悪くないでしょう。ただ、自転車保険の評判については、顧客満足度ランキングでランク外のため全体の評判ほど評判は良くないと考えられます。

総合評価・おすすめか?

結論としては、PayPay保険の自転車保険は微妙な保険です。メリットもありますが、メリットには注意点があるため人によってはメリットにならないかもしれません。保険料が他社よりも圧倒的に安いわけでもなく、評判面でも後押しとなる材料はありません。メリットに魅力を感じなければ他社の保険も検討した方が賢明です。

他社の保険も検討したい人は、保険料の安さでいえばZuttoRide少短、楽天損保、三井住友海上の自転車保険を検討した方が良いでしょう。自転車事故よりは自転車の盗難等が気がかりなら、SBI日本少短の自転車保険等が検討候補になります。