ペダルワンを比較・評価

あんしん少額短期保険 ペダルワン
オススメ度:
1
保険会社:
あんしん少額短期保険
名称:
ペダルワン
補償内容:
主に自転車事故
補償期間:
1年間
個人賠償:
1000万
特徴:
今すぐ必要な保険です

ペダルワンはあんしん少額短期保険が募集・販売している自転車保険です。ペダルワンはトライアングル少額短期保険が販売していましたが、あんしん少短が2024年に同社を買収・合併したため、現在はあんしん少短が販売しています。

それでは以下で補償内容・保険料・メリット・デメリット・評判等を解説し、他社の自転車保険と比較していきます。

補償内容・特約

この保険には傷害・賠責補償プランと損壊・盗難補償プランの2つがあり、どちらか片方か両方のプランを選択できます。傷害・賠責補償プランは3つのコースがありますが、どのコースも基本的な補償内容は同じで各保険金額が異なるだけです。自転車事故で死亡・後遺障害になるかケガで入院・手術・通院すると保険金が受け取れます。さらに自転車事故等で自分が加害者となり損害賠償を起こされた場合に、賠償額が1000万円まで補償されます。

ペダルワンの補償内容と各コースの保険金額(出典:自転車保険ペダルワン商品パンフレット2025年6月版)

傷害・賠責補償プランが自転車に搭乗している人を補償するのに対して、損壊・盗難補償プランは自転車の損壊・盗難を補償します。補償の対象となるのは国内で購入してから1年以内の自転車で、購入額が1万円以上かつ100万円以下の自転車となります。契約時に自分で自転車価格(保険価額)を設定します。

自転車が転倒や接触事故による損壊に加えて、破損・盗難・イタズラによって全壊すると自転車価格(保険価額)の100%の保険金が受け取れます。全壊に至らないケース、タイヤ・タイヤホイール・フレームなどの部分的な損壊だと自転車価格の50%の保険金が受け取れます。

傷害・賠責補償プランと損壊・盗難補償プランの両方をセットにしたセット補償プランなら、ケガと自転車の損壊の両方に備えられます。セット補償プランでもケガの補償は3つのコースの中から選択し、自転車価格を自分で設定します。

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保険料を他社と比較

この保険の保険料は傷害・賠責補償プランなら、その中で選択したプランによって保険料が異なります。お手軽プランの最も保険料が安く、通常プランの保険料が中間で、充実プランの保険料が最も高いです。お手軽プランと充実プランで保険料は倍近い差があります。

ペダルワンの各コースの保険料一覧表(出典:あんしん少額短期保険公式HP「自転車保険ペダルワン」)

損壊・盗難補償プランなら自転車購入金額(保険価額)によって保険料が異なります。購入額を最小の1万円にすると保険料は年間で僅か408円ですが、10万円にすると保険料は年間で4070円、100万円にすると保険料は年間で78188円に一気に跳ね上がります。購入額を20万円にした段階で年間保険料が10638円で、10万円の場合の2倍以上の保険料になるため、10万円を境に保険料が高くなるペースが加速するようです。

次に保険料は他社より安いのか高いのか、下図で他社の自転車保険と一覧表で比較しました。各社の最も安いコースをエコノミーコース、中間のコースをスタンダードコース、最も高いコースをプレミアムコースとして統一して保険料を記載しました。また、保険料が一時払いの保険は月額換算し、参考までに家族型のスタンダードコースの保険料も比較しました。

自転車保険の保険料の比較一覧表(au損保・JCA・PayPayほけん・コープ団体保険・ジャパン少額短期保険・セブンイレブン自転車保険・ソフトバンク自転車あんしん保険・ドコモサイクル保険・楽天損保・共栄火災・三井住友海上・損保ジャパン・東京海上・日新火災・あんしん少短・ZuttoRide少短)※各社の公式HPを元に当社が独自に作成

この保険の傷害・賠責補償プランの保険料を他社と比較すると、どのプランも平均値より低く保険料は最安値圏にあります。この保険よりも保険料が安い保険もありますが、その差は数十円のため保険料以外でのメリットがあれば十分に優先度で逆転できます。保険料以外でメリットがあるのか続いて記述していきます。

メリット

この保険のメリットは、まずは損壊・盗難補償プランがある点が挙げられます。他社で盗難補償を付けられる自転車保険は数少ないため、補償を付けられるだけでメリットといえます。さらに自転車の損壊まで補償となると、同じ少額短期保険のちゃりぽでは対応できず、他社ではSBI日本少短の自転車保険ぐらいです。

また、補償面では入院給付金と通院給付金の額が大きい点もメリットでしょう。他社の自転車保険では入院給付金が入院1日あたり2000~3000円で、通院だと通院1日あたり1000円を切るケースがあります。この保険だと入院給付金は最高で1日あたり1万円、通院でも1日あたり最高で5000円が受け取れます。

ペダルワンの各コースの保険料一覧表(出典:あんしん少額短期保険公式HP「自転車保険ペダルワン」)

ちなみにインターネット上で加入手続きが完結するのもメリットです。保険料をクレジットカード払いにすると、加入した日から補償が開始されます。ネットが不安であれば資料請求して書類を郵送する形式での申し込みが可能で、説明が欲しければ対面での申し込みも可能です。代理店は47都道府県全てにあるわけではありませんが、多くの都道府県にあります。

デメリット・弱点・落とし穴

この保険のデメリットには、まずはケガの補償は自転車事故に限られている点が挙げられます。自転車保険なら当然ともいえますが、他社の保険では自転車事故だけではなく交通事故全般を補償する保険があります。交通事故全般が補償の対象なら歩行中に事故にあってもケガが補償されます。

ケガの補償は人によってはデメリットにならないかもしれませんが、個人賠償保険金が1000万円と少額な点は確実にデメリットです。自転車事故の高額賠償事例は1億円手前の9000万円台の賠償となった事例もあるため、補償金額が1000万円だと不足感は否めません。事故時の保険会社による示談交渉サービスも無いため、事故で加害者となれば自力で交渉するか、弁護士を探して交渉を依頼する必要があります。

ペダルワンの補償内容と各コースの保険金額(出典:自転車保険ペダルワン商品パンフレット2025年6月版)

さらに手術保険金の倍率が地味に他社より低い点も見逃せません。他社の多くの保険は手術保険金は入院中の手術なら入院保険金の10倍、外来の手術なら入院保険金の5倍の金額となっています。この保険では一律5倍と倍率が低くなっています。どのプランでも他社にはある弁護士費用・法律相談費用・自転車ロードサービス等が無いのも気がかりです。

損壊・盗難補償プランは保険料はSBI日本少短と大差ありませんが、この保険には加入できる自転車が購入後1年以内という縛りがあり中古車も加入できません。SBI日本少短なら中古車でも新車でも、いつでも加入できるため購入直後に保険に加入し忘れても安心です。

ちなみに、あんしん少額短期保険は少額短期保険業者のため、保険会社と異なり契約者保護機構に加入していません。そのため経営破綻すると供託金を契約者等で分配するだけで、経営破綻すると保険金が受け取れない可能性もあります。あんしん少短は2023年にDMM少短と合併した後も数社を買収・合併しており勢いはありますが、経営破綻の兆候が無いか注視する必要はあります。

評判・苦情・口コミ

あんしん少額短期保険の決算資料によると、正味収入保険料(保険会社でいう売上高)は11億円で、前年の8.5億円から30%増と好調でした。自転車保険の正味収入保険料は2274万円でしたが、買収前の2023年度の数字が不明のため伸び率は不明です。とはいえ契約数・業績からすると評判は悪くはなさそうです。

契約数でいうと保険市場の「2025年9月版 自転車保険人気ランキング(申込数)」では、ペダルワンは4位に入っていました。価格.comの人気ランキングではランキング外でしたが、とりあえず一定の人気があるのは間違いないでしょう。

保険市場の自転車保険人気ランキング(出典:保険市場公式HP「2025年9月版 自転車保険おすすめ人気ランキング」)

また、経営破綻の不安が無いか注視する必要があると既述しましたが、現在のところ不安はありません。他社には直近の年度で経常利益・純利益がマイナス(赤字)に陥っている少額短期保険業者がいますが、あんしん少短は2024年度に経常利益・純利益がプラス(黒字)に転じています。ソルベンシー・マージン比率も3228%に上昇しているため、今のところ少額短期保険業者にありがちな経営破綻のリスクは見えません。

その他にオリコンの自転車保険 総合ランキング2025等を参考にしたいところですが、あんしん少短とペダルワンはランクインしていませんでした。オリコンでは調査対象企業にも入っていないたため、サンプル数が少なかったか知名度が低かった可能性があります。

2025年の自転車保険の顧客満足度ランキング(出典:オリコン公式HP「【2025年】自転車保険 オリコン顧客満足度ランキング|おすすめ・口コミ比較」)

以上のデータから考えると、あんしん少短の評判もペダルワンの評判も悪くはなそうです。あんしん少短の評判については契約数・業績が堅調なため評判は悪くはないでしょう。ペダルワンの評判については契約数は不明瞭な点はあるものの、保険比較サイトで一応は上位にランクインしているため評判が悪いとはいえまえん。

総合評価・おすすめか?

結論としては、あんしん少短のペダルワンはイマイチな保険です。メリットもありますが、デメリットの方が大きく注意点も散見されるからです。ただ、損壊・盗難補償プランは他社の自転車保険を見渡しても貴重な存在のため、人によっては検討の余地があるでしょう。

他社の保険も検討したい人は、保険料の安さでいえばZuttoRide少短、楽天損保、三井住友海上の自転車保険も検討した方が良いでしょう。自転車事故よりは自転車の盗難等が気がかりなら、SBI日本少短の自転車保険等が検討候補になります。