みんなのスポーツサイクル保険を比較・評価

- オススメ度:
- 保険会社:
- SBI日本少額短期保険
- 名称:
- みんなのスポーツサイクル保険
- 補償内容:
- 主に自転車の破損と盗難
- 補償期間:
- 1年間
- 個人賠償:
- 2億円
- 特徴:
- 自転車本体の車両保険です
みんなのスポーツサイクル保険は、SBI日本少額短期保険が2016年から募集・販売している自転車保険です。他社の多くの自転車保険と異なり、搭乗者のケガではなく自転車が事故で破損したり盗難された場合に補償される保険です。
この保険の他にSBI日本少短には「すぽくるプラス」「みんなのe-bike保険」「MATE.盗難&車両保険」もあります。そちらの保険も含めて、以下で補償内容・保険料・メリット・デメリット・評判等を解説し、他社の自転車保険と比較していきます。
補償内容・特約
みんなのスポーツサイクル保険は、新車・中古車を問わず購入額が10万円以上の自転車なら加入できます。補償は全損補償・半損補償・盗難補償の3つがあり、各補償を単独で契約することはできません。全損補償は事故で自転車が破損して、購入額(協定保険価額)の80%を超えた修理費になった場合の補償です。協定保険価額が10万円なら全損すれば10万円が受け取れます。
半損補償は自転車の修理費が協定保険価額の50~80%になった場合の補償で、協定保険価額が10万円なら5万円が受け取れます。盗難補償は自転車を盗難された場合の補償で、協定保険価額が10万円なら全損と同様に10万円が受け取れます。自転車の行方が完全に消えた場合に加えて、見つかったものの全損に近い状態(一部のパーツのみ見つかった等)でも盗難として補償されます。

みんなのe-bike保険でも同様に全損・半損・盗難が補償されますが、補償の対象が電動アシスト自転車(電動アシスト付きスポーツバイクを含む)となっている点で異なります。MATE.盗難&車両保険だと補償の対象が、デンマーク発のe-BIKEブランドであるMATE.BIKEの自転車に限定されています。
すぽくるプラスは補償対象となる自転車は絞らず、盗難・破損以外に自転車搭乗者のケガの補償と個人賠償責任の補償等が追加されます。ケガの補償等はSBI日本少短ではなくau損保が担い、補償内容はバイクルと同様の内容です。au損保にはバイクル以外にバイクルベスト・バイクルSがありますが、基本的にバイクルとなり選択の余地はありません。

バイクルにより自転車事故に限らず交通事故でのケガが補償されます。具体的には事故で死亡・後遺障害となった場合に加えて、入院・通院・手術をすると保険金が受け取れます。各保険金は交通事故でも自転車事故なら保険金額が2倍になります。
また、自転車事故で加害者となり損害賠償をされ場合には2~3億円まで賠償額が補償されます。さらに弁護士に依頼した場合の弁護士費用が300万円まで補償され、本格的な依頼をする前の相談の段階でも法律相談費用として5万円が補償されます。さらに自転車が外出先の事故で走行不能となった場合の自転車の搬送や、故障した場合の出張修理をしてくれるロードサービスも付いています。
保険料を他社と比較
みんなのスポーツサイクル保険・みんなのe-bike保険・MATE.盗難&車両保険の保険料は共通で、保険金額を10万円にすると保険料は年間4920円(月額410円)となります。それ以降は保険金額1万円あたり保険料は年間492円(月額49.2円)上昇します。すぽくるプラスの場合はバイクルで選んだコース分の保険料が加算されます。

ZuttoRide少短のずっと自転車盗難車両保険では、購入額を10万円にして盗難・全損を補償にすると、保険料は月額321円となっています。この保険と補償内容が近い盗難・全損・分損スリムにすると、保険料は月額371円ほどになります。そのため単純に保険料で比較するとZuttoRide少短の方が保険料が安いことになります。保険料以外でメリットがあるのか続いて記述していきます。
メリット
この保険のメリットは、まずは自転車購入後にいつでも加入できる点が挙げられます。同じく自転車の破損+盗難を補償するZuttoRide少短は購入後90日以内の自転車が補償の対象で、盗難のみ補償するジャパン少短のちゃりぽは購入後1ヶ月以内の自転車が補償の対象です。この保険なら加入し忘れた場合や、購入から1年後に盗難未遂に遭ったから加入したい場合等でも保険に加入できます。
さらに免責金額が0円という点も見逃せません。ZuttoRide少短の場合は分損だと免責金額(自己負担額)は保険価額の5%となっています。つまり自転車購入額20万円で契約して50%の半損だった場合、10万円の保険金のうち1万円は自己負担となり受取額は実質9万円となります。この保険なら免責金額はないため分損でも額面通りの保険金が受け取れます。
また、補償内容では「すぽくるプラス」を選べばケガ・個人賠償責任補償が付けられるのもメリットです。ZuttoRide少短・ジャパン少短でもケガ・個人賠償責任補償は付けられますが、バイクルにはコースによって入院一時金・法律相談費用・弁護士費用の補償があります。これらの補償は上述の2社では付けられず、ロードサービスがあるのもメリットといえます。

ちなみにSBI日本少短は少額短期保険業者は少額短期保険業者のため、保険会社と異なり契約者保護機構に加入していません。そのため経営破綻すると供託金を契約者等で分配するだけで、経営破綻すると保険金が受け取れない可能性もあります。ただ、SBI日本少短はSBIグループの1社で親会社の資金力も豊富なため、経営破綻の可能性は他社よりも低いといえます。
デメリット・弱点・落とし穴
この保険のデメリットには、すぽくるプラス以外はケガ・個人賠償責任の補償が無い点が挙げられます。ケガの補償はともかく、自転車事故で加害者となった場合の高額賠償が補償される個人賠償責任補償だけでもあれば、他社の保険に加入する手間も省けるのですが、それは不可能となっています。
それでもすぽくるプラスに加入すればケガ等の補償が付けられるため問題は無いともいえますが、その場合にはすぽくるを申込完了後にau損保のバイクルを申し込むという手間を要します。例えば盗難のみ補償するちゃりぽなら1つの手続きで申込みが完了します。

また、みんなのe-bike保険は盗難の補償が自転車全体になるため、バッテリーのみの盗難は補償外となる点に注意が必要です。今では少し下火になっていますが、少し前までは電動自転車のバッテリーのみを盗難する事例が数多くありました。こういった盗難は今でもゼロではないため、バッテリーだけの盗難に遭うと保険があっても補償されません。
さらに他社ではZuttoRide少短なら全損諸費用保険金がありますが、この保険には無い点も見逃せません。盗難・全損の場合には契約時の保険金の他に、保険金の3%分の全損諸費用保険金が別途で受け取れます。使い道は自由なため新しく購入する自転車のセキュリティ強化等に使えます。ZuttoRide少短と比べると補償内容が細かく選択できない点もデメリットで、SBI日本少短だと分損の程度が50%未満だと補償されません。
ちなみに、保険料の支払い方法がクレジットカードによる一括払いという点も人によってはデメリットかもしれません。保険料は口座振替やコンビニ払いはできず、保険料を月払いにもできません。1年分をまとめて支払うため、年度途中で解約すると保険料の一部が無駄になってしまいます。
評判・苦情・口コミ
SBI日本少額短期保険の決算資料によると、正味収入保険料(保険会社でいう売上高)は2.6億円で、前年の2.5億円から微増でした。その中で車両保険は6552万円で前年度の5585万円より増加しているため、契約数からすると評判は悪くはないでしょう。
さらに契約数でいうと保険市場や価格.comの自転車保険人気ランキングでは、みんなのスポーツサイクル保険はランキング外でした。保険市場のランキングでは盗難を補償するちゃりぽはランクインしており、同じ少額短期保険ならあんしん少短もランクインしていますが、みんなのスポーツサイクル保険はランクインしていません。人気の面では他社よりも劣ると考えられます。

また、経営破綻の不安について既述しましたが、現在のところ不安はありません。他社には直近の年度で経常利益・純利益がマイナス(赤字)に陥っている少額短期保険業者がいますが、SBI日本少短は2022年度まで振り返っても経常利益・純利益はプラスです。ソルベンシー・マージン比率も4301%にまで上昇しているため、今のところ少額短期保険業者にありがちな経営破綻のリスクは見えません。
その他にオリコンの自転車保険 総合ランキング2025等を参考にしたいところですが、SBI日本少短はランクインしていませんでした。調査対象企業にも入っていないたため、サンプル数が少なかったか知名度が低かった可能性があります。

以上のデータから考えるとSBI日本少短の評判は普通そうで、みんなのスポーツサイクル保険の評判は特に良くはなさそうです。契約数・業績は横ばいのため評判は悪くはないともいえますが、保険比較サイトの人気ランキングや顧客満足度ランキングでランクインしていないため評判が良いともいえません。
総合評価・おすすめか?
結論としては、みんなのスポーツサイクル保険は微妙な保険です。自転車の盗難と破損の補償が欲しい人は検討する余地がありますが、デメリット・注意点も相応にあります。特に補償が似通っているZuttoRide少短と比べて自分に適した方がどちらか考えた方が良いでしょう。
他社の保険も検討したい人は、保険料の安さでいえば楽天損保、三井住友海上の自転車保険もあります。自転車事故よりは自転車の盗難等が気がかりなら、ZuttoRide少短の自転車保険等が検討候補になります。