コープの団体じてんしゃ保険を比較・評価

コープ団体保険
オススメ度:
2
保険会社:
コープ団体保険
名称:
コープの団体じてんしゃ保険
補償内容:
主に自転車事故
補償期間:
1年間
個人賠償:
1~3億円
特徴:
あんしんの家族全員補償

コープの団体じてんしゃ保険はコープの組合員向けの保険です。あくまでコープは取扱代理店で、実際に保険を引き受ける引受保険会社はあいおいニッセイ同和損保です。コープ会員が団体で申し込むことで、団体割引で保険料が通常よりも30%割引となるのが最大の特徴です。

コープ団体保険では三井住友海上のネットde保険@さいくるも取り扱っていますが、そちらは団体割引が適用されません。それでは以下で補償内容・保険料・メリット・デメリット・評判等を解説し、他社の自転車保険と比較していきます。

補償内容・特約

この保険にはS型・1型・5型の3つのプランがありますが、基本的な補償内容は同じで各補償の保険金額が異なるだけです。どのプランも自転車事故で死亡すると死亡保険金、ケガをして入院・通院すると入院保険金(通院保険金)が受け取れます。さらにケガをして手術を受けると手術保険金が受け取れます。

コープの団体じてんしゃ保険の補償内容と各プランの保険金額(出典:コープデリ保険センター公式HP「コープの団体じてんしゃ保険」)

ケガについては自転車事故に限られていますが、日常生活賠償の補償は自転車事故に限らず日常生活全般が補償の対象となっています。自転車事故で加害者となって損害賠償を起こされた場合に加えて、子供が誤って他人の車を傷つけたり、飼い犬が他人に噛み付いてしまった場合なども補償の対象となります。

こういった事故・トラブルの際には示談交渉サービスも利用できます。保険会社(あいおいニッセイ同和損保)が保険加入者のために折衝・示談・調停・訴訟の手続きをしてくれます。日常生活賠償保険金はS型なら上限3億円まで、1型と5型なら1億円まで補償してくれます。

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保険料を他社と比較

この保険の保険料は選択したプランと補償の開始日によって異なります。プランの中ではS型の保険料が最も安く、1型が中間、5型の保険料が最も高いです。保険料は1年分を一時払い(一括払い)で、毎年3月1日までに申し込めば翌年の4月1日まで補償があります。3月1日から遅れるほど保障期間が短くなるため、保険料は安くなっていきます。

コープの団体じてんしゃ保険の各プランの保険料一覧表(出典:コープデリ保険センター公式HP「コープの団体じてんしゃ保険」)

次に保険料は他社より安いのか高いのか、下図で他社の自転車保険と一覧表で比較しました。各社の最も安いコースをエコノミーコース、中間のコースをスタンダードコース、最も高いコースをプレミアムコースとして統一して保険料を記載しました。また、保険料が一時払いの保険は月額換算し、参考までに家族型のスタンダードコースの保険料も比較しました。

自転車保険の保険料の比較一覧表(au損保・JCA・PayPayほけん・コープ団体保険・ジャパン少額短期保険・セブンイレブン自転車保険・ソフトバンク自転車あんしん保険・ドコモサイクル保険・楽天損保・共栄火災・三井住友海上・損保ジャパン・東京海上・日新火災・あんしん少短・ZuttoRide少短)※各社の公式HPを元に当社が独自に作成

この保険の保険料は家族型のみでの比較となりますが、他社と比べて保険料は安く最安値となっています。冒頭でも既述した通り30%の団体割引があるのも大きいですが、補償内容の各保険金が他社より少額なのも影響しているでしょう。保険料だけでも検討の余地がある保険といえますが、保険料以外でメリットがあるのか続いて記述していきます。

メリット

この保険のメリットは、まずは補償が一通り揃っている点が挙げられます。他社には自転車事故でケガをしても入院した場合のみ補償されたり、ケガで入院・通院すれば保険金が受け取れるものの死亡すると保険金が受け取れない保険があります。この保険は入院・通院・手術・死亡の補償が全てのプランに揃っており、かつ自分が加害者となった場合の補償もあります。

また、示談代行サービスがあるのもメリットです。示談はコープではなく引受保険会社のあいおいニッセイ同和損保が行います。他社には示談代行が無い保険(もしくは示談交渉に不安がある保険)があるため、大手の保険会社が示談交渉してくれるのは安心感があります。

ちなみにコープ会員になると食品の宅配の他、各地域のコープによってポイント・割引等もあります。子育て世代向けに離乳食が簡単に作れる裏ごし野菜・赤ちゃん向け商品を特集したカタログを配布しているコープもあります。

コープ・生協の子育てサポートサービス内容(出典:コープ公式サイト「コープ・生協の子育てサポート」)

デメリット・弱点・落とし穴

この保険のデメリットには、まずは各補償の保険金額が他社よりも少額な点が挙げられます。例えばau損保のバイクルのブロンズコースで家族型にすると、月額保険料は200円ほど高くなりますが、入院保険金と手術保険金は2倍以上になります。バイクルは自転車事故なら保険金が2倍になるため、自転車事故なら4倍以上の差になります。

さらにプランが固定されており、なぜかS型のみ日常生活賠償保険金額が3億円である点に注意が必要です。ケガの保障が手厚い1型・5型の日常生活賠償保険金は1億円です。これまでの自転車事故の高額賠償事例は1億円以下のため不足感はありませんが、ギリギリという可能性があります。

自転車の違反行為と高額賠償事例(出典:コープデリ保険センター公式HP「コープの団体じてんしゃ保険」)

また、どのプランでも他社にはある弁護士費用・法律相談費用・自転車ロードサービス等が無いのも見逃せません。弁護士費用・法律相談費用は他社ではプランによっては付けられるか、オプションで付けられるケースが多いです。自転車ロードサービスはau損保の他、損保ジャパンでも類似のサービスがあります。

ちなみにコープの団体保険に加入するにはコープ会員になる必要があります。コープ会員になるには入会金・年会費は不要ですが、500円の出資金が必要となります。出資金は退会時に返金されますが、それでも一応は出費とも考えられます。

評判・苦情・口コミ

コープ団体保険を販売しているのはコープデリ保険センターで、親会社はコープデリ生活共同組合連合会です。同社の子会社の売上をまとめた決算資料によると、コープデリ保険センターの売上(営業収益)は2024年度は17.3億円で、前年度の17.0億円から増加していました。ここ数年は着実に増加が続いているため、契約数等からすると評判は悪くないと考えられます。

コープデリ保険センターの2024年度の業績(出典:コープデリ生活共同組合連合会「2024年度 子会社決算概況)

加入数は堅調ですが、オリコンの自転車保険 総合ランキング2025や保険市場や価格.com等の自転車保険ランキングでは、コープの団体じてんしゃ保険はランクインしていません。オリコンでは調査対象企業に入っていないため止むを得ないのですが、自転車保険自体の評判には不透明感があります。

また、コープ団体じてんしゃ保険の引受保険会社はあいおいニッセイ同和損保ですが、同社に寄せられた苦情数は25872件(2024年度累計)でした。苦情の中身は「保険金のお支払い」が最多で保険金の遅れ・支払いの有無等が懸念されます。次いで「保険の契約・募集」が多く契約時の説明等が懸念されますが、あくまで契約はコープで行うため過度な心配はいらないでしょう。

以上のデータから考えるとコープ団体保険の評判は良さそうですが、コープ団体じてんしゃ保険の評判は不透明感があります。コープ団体保険の評判については加入件数が右肩上がりのため心配はありませんが、それが自転車保険によるものなのか分かりません。顧客満足度ランキングや申込数ランキングにも顔を出していないため、全体からすると評判は良さそうではあるものの不透明感があります。

総合評価・おすすめか?

結論としては、コープ団体じてんしゃ保険は微妙な保険です。メリットや保険料面での優位性はありますが、相応のデメリットや注意点もあります。コープの他のサービスも利用する予定なら、ついでに保険料が安いから加入しても良いかも、といったスタンスが妥当かもしれません。

他社の保険も検討したい人は、保険料の安さでいえばZuttoRide少短、楽天損保、三井住友海上の自転車保険を検討した方が良いでしょう。自転車事故よりは自転車の盗難等が気がかりなら、SBI日本少短の自転車保険等が検討候補になります。