ネットde保険@さいくるを比較・評価

三井住友海上 ネットde保険@さいくる
オススメ度:
4
保険会社:
三井住友海上火災保険
名称:
ネットde保険@さいくる
補償内容:
主に自転車事故
補償期間:
1年間
個人賠償:
3億円
特徴:
ネットで簡単お手続き

ネットde保険@さいくるは、三井住友海上が2014年4月から募集・販売している自転車保険です。公式HPからではなくセブンイレブンからも申し込めますが、補償内容等が微妙に異なります。

それでは以下で補償内容・保険料・メリット・デメリット・評判等を解説し、他社の自転車保険と比較していきます。

補償内容・特約

この保険にはA・B・Cコースの3つがあり、自転車事故が補償の対象となります。どのコースでもケガをして死亡・後遺障害・入院・手術をすると保険金が受け取れます。死亡・後遺障害だと1000万円の保険金、入院すると1日あたり6000円(Aコースのみ8000円)の入院保険金が受け取れます。どのコースでも入院中に手術をすると入院保険金の10倍、外来での手術だと入院保険金の5倍の手術保険金が受け取れます。

ネットde保険@さいくるの補償内容(出典:三井住友海上公式HP「ネットde保険@さいくる-保険料」)

A・Bコースのみ自転車事故でケガをして通院すると通院保険金が受け取れます。入院後の通院のみを対象とする保険もありますが、この保険では入院後ではなくとも通院すれば通院保険金が受け取れます。通院は事故の日から180日以内のケガが対象となります。

さらに自転車事故等で自分が加害者となり損害賠償を起こされた場合に、どのコースでも日常生活賠償保険金として3億円まで補償されます。その際には示談代行サービスも利用でき、保険加入者に代わって三井住友海上が示談交渉をしてくれます。

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保険料を他社と比較

この保険の保険料は選択したコースと、選択したプラン(本人型・夫婦型・家族型・配偶者対象外型)によって異なります。A・B・Cコースの中で保障が最も手厚いAコースの保険料が最も高く、Bコースの保険料が中間、Cコースの保険料が最も安いです。

ネットde保険@さいくるの保険料一覧表(出典:三井住友海上公式HP「ネットde保険@さいくる-保険料」)

各プランでは補償されるのが1人だけの本人型が最も安く、次いで補償されるのが夫婦2人となる夫婦型の保険料が安いです。次いで補償されるのが本人と親族となる配偶者対象外型の保険料が安く、補償されるのが夫婦と親族となる家族型の保険料が最も高いです。

次に保険料は他社より安いのか高いのか、下図で他社の自転車保険と一覧表で比較しました。各社の最も安いコースをエコノミーコース、中間のコースをスタンダードコース、最も高いコースをプレミアムコースとして統一して保険料を記載しました。また、保険料が一時払いの保険は月額換算し、参考までに家族型のスタンダードコースの保険料も比較しました。

自転車保険の保険料の比較一覧表(au損保・JCA・PayPayほけん・コープ団体保険・ジャパン少額短期保険・セブンイレブン自転車保険・ソフトバンク自転車あんしん保険・ドコモサイクル保険・楽天損保・共栄火災・三井住友海上・損保ジャパン・東京海上・日新火災・あんしん少短・ZuttoRide少短)※各社の公式HPを元に当社が独自に作成

この保険の保険料を他社と比較すると、保険料は平均値よりも低いため他社よりも安いです。この保険よりも保険料が安いのは2~3社ありますが、最安値圏の保険といってもいいでしょう。この保険よりも保険料が安い保険は手術保険金が無い等の補償内容に差があります。保険料以外でメリットがあるのか、続いてメリットを記述していきます。

メリット

この保険のメリットは、まずは最も保険料が安いコースでも日常生活賠償保険金が3億円ある点が挙げられます。他社の保険料が安い保険では、手術保険金・通院保険金が無いのに加えて日常生活賠償保険金が1億円というケースがあります。これまでの自転車事故の高額賠償は9000万円台までですが、将来的に一段と高い事例も出てくることを考慮すれば3億円あるのはメリットといえます。

また、補償範囲のプランの中に配偶者対象外型があるのも地味にメリットです。配偶者対象外型は一人親(シングルマザー・シングルファザー)に適切なプランです。親自身と子供だけを補償の対象にすれば、家族型よりも保険料を節約できます。配偶者対象外型は他社には無いケースが多く、選べるだけでもメリットといえます。

ネットde保険@さいくるの保険料一覧表(出典:三井住友海上公式HP「ネットde保険@さいくる-保険料」)

補償・サービス面でいえば、示談交渉サービスがあるのもメリットです。他社には示談代行が無い保険(もしくは示談交渉に不安がある保険)がありますが、この保険なら大手の保険会社が示談交渉してくれるので安心感があります。ちなみに示談交渉サービスは国内限定のため海外でのトラブルは対象外です。

ちなみに保険加入者のみが利用できる生活サポートサービスという無料サービスがあります。電話で無料で健康・医療・介護・子育て等の相談ができます。具体的には三大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)のセカンドオピニオンの情報提供や、女性看護士・女性医師への無料相談が可能です。介護については介護情報の提供の他に、認知症の人が行方不明となった場合の対応についての相談も受け付けています。

デメリット・弱点・落とし穴

この保険のデメリットには、まずは保険料が最安値ではない点が挙げられます。この保険の保険料は前述したように最安値圏にありますが、最安値ではありません。この保険よりも補償を薄くして保険料を安くした保険が他社にはあります。保険料を1円でも安く済ませたい人には見過ごせない点といえます。

また、メリットで既述した配偶者対象外型ですが、他社でも共栄火災等にも本人+親族型として存在しています。三井住友海上だけのメリットではありません。保険料も同じセブンイレブンの自転車保険(引受保険会社は三井住友海上)の家族型の方が安いため、補償範囲を狭くしても保険料面でメリットがありません。

ネットde保険@さいくるの保険料一覧表(出典:三井住友海上公式HP「ネットde保険@さいくる-保険料」)

補償面では他社にはある弁護士費用・法律相談費用・自転車ロードサービス等が無い点がデメリットです。事故時の弁護士費用は他社の多くの自転車保険で付けられます。自転車ロードサービスもau損保・損保ジャパンにはあり、自転車で遠方まで出かける人には欠かせない補償でしょう。

ちなみに三井住友海上の自転車保険は同社で加入する他に、セブンイレブンPayPay保険JCA自転車保険でも加入できます。保険料や補償内容は異なりますが、どうせなら加入する前に同じ三井住友海上が引受保険会社と他の自転車保険を確認しても良いかもしれません。

評判・苦情・口コミ

三井住友海上の2024年度の決算資料によると、正味収入保険料(保険会社でいう売上高)は前年度の4.2兆円から4.6兆円になり10%増と堅調でした。自転車保険を含む傷害保険の正味収入保険料も3155億円で前年度から4%増と堅調でした。そのため契約数からすると評判は悪くありません。

さらに契約数でいうと保険市場の「2025年9月版 自転車保険人気ランキング(申込数)」では、ネットde保険@さいくるは5位でした。価格.comの「2025年9月更新 自転車保険の人気ランキング(契約数)」だと、順位を2位にまで上げており人気が高いのが分かります。

価格コムの自転車保険人気ランキング(出典:価格.com公式HP「2025年9月更新 自転車保険人気ランキング」)

また、日本損害保険協会の苦情数のデータでは、三井住友海上全体に寄せられた苦情数は14561件(2024年度累計)でした。苦情の中身は「保険金」が最多で保険金の遅れ・支払いの有無等の苦情が多かったようです。次いで「契約の管理・保全」が多く、住所変更や解約手続きといった手続きへの苦情が多かったようです。

さらにオリコンの自転車保険 総合ランキング2025では、三井住友海上は9社中3位とトップ3に入っていました。この調査の評価項目は加入手続き・商品内容・保険料・事故対応・調査認定結果・受取額と支払いスピードです。項目別のランキングでは、調査認定結果・受取額と支払いスピードは東京海上等を抑えて1位でした。事故対応の2位と商品内容の3位も悪くありませんが、加入手続き・保険料は4位と評価が低めでした。

2025年の自転車保険の顧客満足度ランキング(出典:オリコン公式HP「【2025年】自転車保険 オリコン顧客満足度ランキング|おすすめ・口コミ比較」)

個別の口コミではポジティブな意見がある一方で、「もう少し加入時に説明が欲しかった」「保険料が少し高い気がする」等の意見がありました。とはいえ総合順位で3位のため、個別の意見はあれど総合的に見れば顧客満足度が高いのは間違いありません。

以上のデータから考えると、三井住友海上の評判もネットde保険@さいくるの評判も良さそうです。三井住友海上の評判については契約数が伸びており、同じ大手の保険会社よりも苦情数も少なめのため、評判は良いか少なくとも普通の範疇だと考えられます。ネットde保険@さいくるの評判については、保険比較サイトでの申し込み数も相応にあり、オリコンの顧客満足度でも上位のため評判は悪くないでしょう。

総合評価・おすすめか?

結論としては、ネットde保険@さいくるは悪くない保険です。デメリットもありますが、それよりは総合的なバランスの良さが際立っています。自転車保険に迷ったら選んでおいて間違いないともいえます。その一方で他社と比べるとオリジナリティに欠ける面があり、保険料・補償内容・サービスで特筆すべきポイントが弱いです。何かに特化した保険が欲しければ他社の保険も検討した方が良いでしょう。

他社の保険も検討したい人は、保険料の安さでいえばZuttoRide少短、JCAの自転車保険を検討した方が良いでしょう。自転車事故よりは自転車の盗難等が気がかりならSBI日本少短の自転車保険、自転車ロードサービスが欲しい人はau損保等が検討候補になります。