太陽生命 100歳時代年金/ 保険料・年金額・返戻率・利回りを比較して評価

太陽生命 保険組曲Best 100歳時代年金
オススメ度:
1
保険会社:
太陽生命
名称:
保険組曲Best 100歳時代年金
契約年齢:
50~65歳
年金支払:
終身
返戻率:
68.6%~
特徴:
人生100年時代を安心して暮らしていくために。

太陽生命 100歳時代年金は96歳まで生存していないと損!?

保険組曲Best 100歳時代年金(保険)は太陽生命が募集・販売している個人年金保険だ。太陽生命のベーシックな個人年金保険は新規の取り扱いが停止中のため、100歳時代年金が同社にとって唯一の個人年金保険となる。以下で100歳時代年金の保障内容・メリット・デメリットを公式HP等を元に解説し、他社の個人年金保険(定額年金保険)と保険料・評判等で比較する。

この保険の最大のポイントは、介護保障と年金保障がセットになった保険という点だ。前者は正確には終身生活介護年金保険という名称で、公的介護保険制度の要介護1に認定されると死亡するまで年金が受け取れる。要介護度は1~5まであるため要介護1は最も低い介護度と思いがちだが、要介護1が認定される前段階に要支援1・2がある。

さらに内閣府の平成30年版高齢社会白書(高齢期の暮らし動向)によると、75歳以上の人の中で要介護1以上の人は384万人いるが、それは75歳以上の人の全体の23.5%でしかない。すなわち75歳以上になっても4人に1人しか要介護1以上に認定されないことになる。この保障が本当に必要か改めて考えて欲しい(医療保険の選び方#介護保障の必要性も参照)

太陽生命 保険組曲Best 100歳時代年金の仕組み及び保険料・基本年金額など

このように死亡するまでに要介護1にならない可能性が相当にあるが、その場合は死亡給付金を受け取ることになる。ただ、その額は年金額と同じ額、つまりは1年分の年金でしかない。受け取れるだけマシともいえるが、支払った保険料からすれば雀の涙だ。また、運良く?要介護1以上になったとしても、その1年後に死亡する可能性もある。その場合は保証期間が5年あるため、残りの4年分は遺族が年金を受け取れるが、やはり支払った保険料からすれば少額でしかない。

もう1つの年金保障だが、こちらは長寿生存年金保険というのが正式名称だ。死亡するまで年金が受け取れるため、その名の通り長生きするほどに得をする保険といえる。要介護状態になっているかは無関係で、一定年齢に達すると死亡するまで年金が受け取れる。ただ、年金を受け取るまで生存しても、数年後に死亡するようなら支払った保険料総額に対して20~30%ほど損をする。最低でも85歳、少なくとも90歳までは生存できないようなら得をするのは難しい。

また、保険料の支払い中に死亡すると大きく損をする点にも注意が必要だ。この保険は低解約返戻金型であるため、通常よりも保険料の払込期間中に解約した時に受け取れる解約返戻金は少ない(保険料総額の50~70%程度)のだ。これは解約だけではなく死亡時に当てはまる。保険料の払込期間中に死亡すると、解約返戻金と同額の死亡返戻金が受け取れるからだ。保険料払込期間中の死亡については、介護保障の部分だと死亡返戻金(解約返戻金)すら存在しない。仮に50歳に契約して75歳から年金受取開始なら、75歳より前に介護にもならず死亡すれば何も受け取れず保険料分をまるまる損をする。

次に下図では各社の定額年金保険を契約年齢・年金の受取期間・年金の開始年齢・5年ごと利差配当(5年ごとに契約者に支払う上乗せの年金)に加え、返戻率と利回りでお得さも比較した。返戻率・利回りは基本的に30歳契約で60歳で保険料の払い込みを完了して、年金を10年間受け取った場合の数字で比較している。評判が良いか悪いかは生命保険協会のデータで苦情率(苦情数÷契約数)を算出して判断した。

名称 かんぽ生命
長寿
太陽生命
100歳
第一生命
ながいき
住友生命
たのしみ
第一生命
しあわせ
JA共済
ライフ
明治安田
虹色
ソニー生命
個人年金
ニッセイ
年金保険
契約年齢 50~70歳 50~65歳 50~80歳 0~75歳 0~80歳 18~85歳 0~60歳 15~60歳 7~65歳
受取期間 15~30年 終身 5年/10年
15年/終身
5年/10年
15年
5年/10年
15年
5年/10年
15年/終身
5年/10年 5年/10年
15年/終身
5年/10年
15年/終身
受取開始 60~80歳 年齢or介護 60~90歳 25~85歳 10~90歳 50~90歳 10~80歳 55~70歳 17歳~
5年ごと
利差配当
なし なし なし あり あり なし あり あり なし
苦情率 0.24% 0.07% 0.20% 0.47% 0.20% - 0.31% 0.21% 0.17%
月額保険料
(合計)
\95,500
(1719万)
\17,469
(524万)
\30,000
(720万)
\15,000
(540万)
\32,000
(1152万)
\10,000
(360万)
\30,000
(900万)
\32,010
(963万)
\19,022
(684万)
年金額
(合計)
70万
(1400万)
72万
(360万)
37万
(568万)
57万
(574万)
120万
(1205万)
38万
(383万)
94万
(943万)
100万
(1000万)
72万
(720万)
返戻率 81.4%~ 68.6%~ 78.9%~ 106.3% 104.6% 106.5%
※126.7%
104.7% 104.1% 105.1%
利回り -1.24% -1.25% -1.05% 0.18% 0.13% 0.19%
※0.76%
0.14% 0.14% 0.17%
据置期間 0年 0年 0年 5年 5年 5年 5年 0年 0年
個人年金保険の保障内容・返戻率・利回りの比較表(かんぽ生命 長寿支援保険・太陽生命100歳時代年金・第一生命ながいき物語・住友生命たのしみ・第一生命しあわせ・JA共済ライフロード・明治安田生命虹色きっぷ・ソニー生命・日本生命)

上図で左から2番目の太陽生命 100歳時代年金だが、契約年齢の下限は一般的な個人年金保険よりも高い。ただ、同じ長寿向けである第一生命・かんぽ生命のものとは大差は無い。また、年金の受け取り期間は終身の一択で、年金の受け取り開始も年金保障部分は選択できるが、介護部分は自分では選択できない。そのため選択の自由度という意味では他社よりも少し乏しい。苦情率は他社と比較して低いため、評判は悪くないといえる。ただ、苦情の内訳は他社のように保全関係(変更手続き等への苦情)が多くはなく、新契約関係(保険加入時の苦情)が多い。そのため契約する前の説明と契約手続きには慎重になった方が良い。

返戻率・利回りは50歳契約・75歳払込完了で年金受け取り開始の契約で、長寿の年金と介護の年金を同時に受け取り始めて5年保証期間が経過したところで死亡した場合で、その返戻率は68.6%と非常に低くなる。2つの年金を同時に受け取り始めたなら、計算上は7.3年が経過しないと返戻率は100%に届かない。さらに長寿の年金だけだと21年も経過しないと100%を超えてこない。2つの年金同時受け取りなら83歳まで生存し、長寿だけなら96歳まで生存する必要がある。返戻率100%を超えるだけでもハードルは決して低くはない。

以上のことから総合評価としては、長寿に備えたいにしてもオススメできない保険といえる。返戻率が100%を超えるだけでもハードルは決して低くはないからだ。それも要介護状態にならない可能性も加味すると、一段とハードルは高くなる。これなら普通の個人年金保険に加入して、受け取った年金をスライドして10年後から使うなどの方法を検討した方が賢明だろう。