JA共済 ライフロード/ 保険料・年金額・返戻率・利回りを比較して評価
- オススメ度:
- 保険会社:
- JA共済
- 名称:
- ライフロード(予定利率変動型年金共済)
- 契約年齢:
- 18~85歳
- 年金支払:
- 5・10・15年・終身
- 返戻率:
- 106.5%
- 特徴:
- 豊かな老後のための安心と楽しみを兼ね備えた年金共済
JA共済 ライフロードは最低保証があるため低リスクで高リターンを狙える?
JA共済 ライフロードは農協(JA)の共済で、1000円以上の出資金を預けて組合員となれば誰でも利用できる。この共済は予定利率が変動するが最低利率が保証されており、かつ外貨ではなく円建てのため定額年金保険として他社と比較する。以下で保障内容・メリット・デメリットを公式HP等を元に解説し、他社と保険料(掛け金)・評判等でも比較する。
まず契約する際の基本条件だが、契約できる年齢は18~85歳で他社より上限は高めだが、85歳からの加入は現実的ではないため大きな意味は無いだろう。そよりは年金が受け取れる期間が確定年金なら5・10・15年で他社と差はないが、終身年金を選択できる上に保証期間を15年に設定できる点は今では珍しい。終身年金は死亡するまで年金が受け取れるのが最大のメリットで、長生き(最低でも平均寿命の85歳は超える必要がある)するほどに得をする。しかし、年金受け取りを開始してから数年で死亡すると損をする。その点、15年保証だと遺族も相当の期間は年金を受け取れることになる。
その他に最大の特徴として、保険料を支払い始めてから6年目以降は利率が上昇する点が挙げられる。利率は5年間は0.5%で、6年目以降は0.75%が最低保証予定利率となっている。運用次第では最低保証を上回り1.4%超(2019年度実績)の利率となり、予定利率を上回った分は年金が増額される。もちろん予定利率は毎年見直され必ず最低保証を上回るとは限らないが、それでも後述する他社との比較を見ればお得なのは間違いない。それも外貨建てではないため為替差損はなく、変額年金保険のようにマイナスになることも無いのは大きい。
この予定利率の仕組みは5年前から変化していないが、今では多くの保険会社が個人年金保険の募集を停止し、返戻率も大幅に下落している中では驚異といえる。その中の仕組みを正確に知ることは不可能だが、可能性としてJA共済だから(JAだから)できるという点は伺い知れる。そのため農業・JAの体制・JAを取り巻く環境の変化等の変化によって予定利率は下がる可能性がある。また、今から5年前に加入した人はさておき、これから5年後に本当に高い利率になるかは当然ながら不透明感がある。その点は了承した上で契約する必要があるだろう。
次に下図では各社の定額年金保険を契約年齢・年金の受取期間・年金の開始年齢・5年ごと利差配当(5年ごとに契約者に支払う上乗せの年金)に加え、返戻率と利回りでお得さも比較した。返戻率・利回りは基本的に30歳契約で60歳で保険料の払い込みを完了して、年金を10年間受け取った場合の数字で比較している。評判が良いか悪いかは生命保険協会のデータで苦情率(苦情数÷契約数)を算出して判断した。
名称 | 住友生命 たのしみ |
第一生命 しあわせ |
JA共済 ライフ |
明治安田 虹色 |
明治安田 かけはし |
ソニー生命 個人年金 |
ニッセイ 年金保険 |
三井住友 あいおい |
住友生命 充実みらい |
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契約年齢 | 0~75歳 | 0~80歳 | 18~85歳 | 0~60歳 | 20~55歳 | 15~60歳 | 7~65歳 | 16~60歳 | 0~75歳 |
受取期間 | 5年/10年 15年 |
5年/10年 15年 |
5年/10年 15年/終身 |
5年/10年 | 5年/10年 | 5年/10年 15年/終身 |
5年/10年 15年/終身 |
5年/10年 15年/終身 |
5年/10年 15年/終身 |
受取開始 | 25~85歳 | 10~90歳 | 50~90歳 | 10~80歳 | 10~80歳 | 55~70歳 | 17歳~ | 60/65歳 | ~85歳 |
5年ごと 利差配当 |
あり | あり | なし | あり | あり | あり | なし | あり | あり |
苦情率 | 0.47% | 0.20% | - | 0.31% | 0.31% | 0.21% | 0.17% | 0.11% | 0.47% |
月額保険料 (合計) |
\15,000 (540万) |
\32,000 (1152万) |
\10,000 (360万) |
\30,000 (900万) |
\20,000 (720万) |
\32,010 (963万) |
\19,022 (684万) |
\14,094 (591万) |
\20,000 (720万) |
年金額 (合計) |
57万 (574万) |
120万 (1205万) |
38万 (383万) |
94万 (943万) |
76万 (762万) |
100万 (1000万) |
72万 (720万) |
60万 (600万) |
75万 (750万) |
返戻率 | 106.3% | 104.6% | 106.5% ※126.7% |
104.7% | 105.8% | 104.1% | 105.1% | 101.3% | 104.1% |
利回り | 0.18% | 0.13% | 0.19% ※0.76% |
0.14% | 0.17% | 0.14% | 0.17% | 0.05% | 0.14% |
据置期間 | 5年 | 5年 | 5年 | 5年 | 5年 | 0年 | 0年 | 0年 | 0年 |
上図で左から3番目のJA共済 ライフロードだが、前述したように契約年齢・年金受取期間は他社と異なる面が見受けられる。5年ごと利差配当が存在しないが、運用次第では高い利率になるため無くても問題はないだろう。ただ、苦情率は保険会社ではなく共済のため算出できない点は気がかりだ。各手続きに対しての一抹の不安は拭えず、契約する際も契約書類の確認や説明に不備が無いかは注意を払う必要があるだろう。
返戻率・利回りは25歳契約・60歳で保険料の払込完了で年金受け取り開始の数字だ。上段の最低保証の数字でも優秀にみえるが、据置期間0年(他社は30歳契約の数字のためJA共済は実質は据置5年として比較)なら日本生命・ソニー生命よりも返戻率は低い可能性が高い。ただ、予定利率が最低保証を超えるのであれば返戻率も利回りも上図ではダントツのトップになる。もちろん予定利率は毎年変動するのだが、2014年から2019年の5年では予定利率は実績ベースで0.1%しか落ちていない。次の5年も続くようなら、JA共済の優位性は疑いようが無いことになる。
以上のことから総合評価としては、返戻率・利回りが高い点でオススメといえそうだ。ただし、運用次第では他社と同等か劣る利回りになる可能性がある点、さらに保険ではなく共済という点、手続き等にも一抹の不安がある点は押さえておきたい。