住友生命 たのしみワンダフル/ 保険料・年金額・返戻率・利回りを比較して評価

住友生命 たのしみワンダフル
オススメ度:
2
保険会社:
住友生命
名称:
たのしみワンダフル(スミセイの個人年金保険)
契約年齢:
0~75歳
年金受取:
5・10・15年
返戻率:
106.31%
特徴:
セカンドライフへの期待がふくらむ個人年金保険です

住友生命 たのしみワンダフルは返戻率はトップではなくなったが!?

たのしみワンダフルは住友生命が販売する個人年金保険で、この他に銀行等の金融機関の窓口でのみ契約できる「たのしみ未来(充実みらい)」もある。今回は住友生命たのしみワンダフルの保障内容を公式HP等を元に解説し、メリット・デメリットも明らかにする。その後、他社の定額年金保険(定額個人年金保険)と保険料・評判等で比較する。

まず契約する際の基本条件だが、契約できる年齢は0~75歳で、年金が受け取れる期間は5・10・15年と他社と大差は無い。保険料の支払いが完了してから年金の受け取りを開始するまでの据置期間は、長ければ長いほど返戻率(年金受け取り率)が上昇する。たのしみワンダフルだと0~15年まで設定することが可能だ。

住友生命 たのしみワンダフルの仕組み及び保険料・基本年金額など

仕組みはベーシックな定額年金保険と同じで、保険料を支払っている間に死亡すれば、それまでに支払った保険料の総額を死亡給付金として受け取れる。その後は据置期間を経て年金の受け取りが開始する。据置期間中にしても死亡給付金は受け取れ、年金の受け取り中に死亡しても遺族が残りの年数分の年金を受け取れる。

他社と異なる点としては「たのしみランク」が挙げられる。毎月の保険料が15,000円を超えると適用され、年金の受取率がアップされる。正確には、支払う保険料の額が割引されるが受け取れる年金額は変わらないことで、年金額自体が増加しないが返戻率は上昇する仕組みだ。この保険がリリースされた2013年時点では、たのしみランクも利用すれば返戻率が120%を超えることもあった。しかし、日銀のマイナス金利政策により2019年時点では返戻率は大幅に下落した。もちろん返戻率の急激な下落は、後述するように他社にも当てはまる話しではある。

次に下図では各社の定額年金保険を契約年齢・年金の受取期間・年金の開始年齢・5年ごと利差配当(5年ごとに契約者に支払う上乗せの年金)に加え、返戻率と利回りでお得さも比較した。返戻率・利回りは基本的に30歳契約で60歳で保険料の払い込みを完了して、年金を10年間受け取った場合の数字で比較している。評判が良いか悪いかは生命保険協会のデータで苦情率(苦情数÷契約数)を算出して判断した。

名称 住友生命
たのしみ
第一生命
しあわせ
JA共済
ライフ
明治安田
虹色
明治安田
かけはし
ソニー生命
個人年金
ニッセイ
年金保険
三井住友
あいおい
住友生命
充実みらい
契約年齢 0~75歳 0~80歳 18~85歳 0~60歳 20~55歳 15~60歳 7~65歳 16~60歳 0~75歳
受取期間 5年/10年
15年
5年/10年
15年
5年/10年
15年/終身
5年/10年 5年/10年 5年/10年
15年/終身
5年/10年
15年/終身
5年/10年
15年/終身
5年/10年
15年/終身
受取開始 25~85歳 10~90歳 50~90歳 10~80歳 10~80歳 55~70歳 17歳~ 60/65歳 ~85歳
5年ごと
利差配当
あり あり なし あり あり あり なし あり あり
苦情率 0.47% 0.20% - 0.31% 0.31% 0.21% 0.17% 0.11% 0.47%
月額保険料
(合計)
\15,000
(540万)
\32,000
(1152万)
\10,000
(360万)
\30,000
(900万)
\20,000
(720万)
\32,010
(963万)
\19,022
(684万)
\14,094
(591万)
\20,000
(720万)
年金額
(合計)
57万
(574万)
120万
(1205万)
38万
(383万)
94万
(943万)
76万
(762万)
100万
(1000万)
72万
(720万)
60万
(600万)
75万
(750万)
返戻率 106.3% 104.6% 106.5%
※126.7%
104.7% 105.8% 104.1% 105.1% 101.3% 104.1%
利回り 0.18% 0.13% 0.19%
※0.76%
0.14% 0.17% 0.14% 0.17% 0.05% 0.14%
据置期間 5年 5年 5年 5年 5年 0年 0年 0年 0年
個人年金保険の保障内容・返戻率・利回りの比較表(住友生命たのしみ・第一生命しあわせ・JA共済ライフロード・明治安田生命虹色きっぷ・年金かけはしソニー生命・日本生命・三井住友海上あいおい・住友生命充実みらい)

上図で1番左の住友生命 たのしみワンダフルだが、契約が可能な年齢・年金の受取期間等は他社と比較して特筆すべき面は無い。それよりは苦情率は他社より高めなのが気がかりで、評判が決して良いとは言えない可能性がある。苦情の内訳を見ると、名義人変更や解約等の手続きが含まれる保全関係の比率が高い。新契約関係や保険金関係ではない分だけマシともいえるが、一応は注意しておく必要がある。

返戻率は30歳契約・60歳で保険料払込完了・65歳で年金開始だと、据置期間を5年入れて106.3%で平均利回りは0.18%となる。この保険がリリースされた2013年時は同条件で118%だったのが、6年以上が経過して隔瀬の感がある数字になってしまった。一応は上図の中では返戻率はトップクラスだが、ほぼ中身が同じ住友生命の充実みらい(据置期間0年)だと日本生命よりも返戻率は低い。そのため実質は日本生命(とJA共済)に次ぐお得さということになる。

以上のことから総合評価としては、返戻率から見たお得さでトップではないが上々の保険といえるだろう。もしも日本生命に抵抗感があるなら多少の返戻率の差は無視して住友生命を選択してもいい。そもそも多くの保険会社が円建ての個人年金保険(定額年金保険)の募集を停止していることを考えれば、健闘している方ともいえるだろう。さすがは大阪に本社を置くナニワの商人、お金にシビアな関西の人々を納得させてきただけのことはある。