スマート・ケア レディースを比較・評価

- オススメ度:
- 保険会社:
- アクサ生命
- 名称:
- スマート・ケア レディース
- 加入年齢:
- 0~80歳
- 保障期間:
- 終身
- 保障内容:
- 入院・手術で給付金
- 特徴:
- 女性特有の病気を手厚く保障
スマート・ケアは2017年9月にアクサ生命が募集・販売を開始した保険です。スマート・ケア レディースには女性疾病入院・特定手術給付特約が付いていますが、それ以外の面ではスマート・ケアと同じです。
それでは以下で保障内容・保険料・評判等を解説し、他社の女性向けの保険と比較していきます。
保障内容
この保険は入院治療一時金・集中治療給付金・手術給付金・放射線治療給付金・通院治療給付金が主契約で、特約で女性疾病入院・特定手術給付特約が付いています。主契約の入院治療一時金は入院時、集中治療給付金は集中治療室管理を受けた時、手術給付金は手術を受けた時に受け取れます。放射線治療給付金は放射線治療を受けた時、通院治療給付金は通院時に受け取れます。

主契約の中でも手術給付金は一般的にイメージされる手術の他に、特定不妊治療の一部の施術も給付金の対象となります。対象となるのは体外受精・顕微授精の治療過程での採卵・胚移植で、保険を契約してから2年経過後なら給付金の対象となります。
女性疾病入院・特定手術給付特約は女性疾病・女性の特定手術の時に、通常の主契約の給付金と別に給付金が上乗せされます。女性疾病(卵巣がん等)で入院すると女性疾病入院給付金が上乗せされ、女性特定手術(子宮全摘出術等)を受けると手術給付金が上乗せされます。さらに乳がんなどの後の乳房再建術を受けた時にも手術給付金が上乗せされます。
その他に特約・特則には3大疾病保険料払込免除特則・3大疾病一時金特約・先進医療特約・患者申出療養特約・介護終身保険特約・認知症特約・入院給付特則・重症化予防特約・通院支援特約等があります。その中でも三大疾病になると以後の保険料の支払いが免除される3大疾病保険料払込免除特則は非常に心強い特則です。さらに先進医療特約・患者申出療養特約を付けると、治療費が全額自己負担となる先進医療・患者申出療養に備えられます。
また、老後のことを考えると介護終身保険特約・認知症特約も検討の余地があります。介護終身保険特約は寝たきり状態で自力での歩行が困難な要介護状態になった時、認知症特約は認知症になった時に保険金・一時金が受け取れます。
保険料を他社と比較
この保険の保険料は年齢・基本給付金額(入院給付金額)・保険料払込期間・特約の有無等で変動します。契約時から保険料は変わりませんが、契約時の年齢が高いほど保険料は高いです。また、1日あたりの入院給付金額が高額になるほど保険料は上昇し、前述した特約を多く付けるほど保険料は上昇します。
次に保険料は他社より安いのか高いのか、下図で他社の女性向け保険と一覧表で比較しました。基本的に入院給付金は5000円で、保険料は一部の保険を除いて終身払いで比較しました。

この保険の保険料を他社と比較すると高くも安くもない金額です。アクサと同じような保障の他社の保険の中では、SOMPOひまわり生命よりは明らかに安いものの、オリックス生命・はなさく生命よりは高いといった感じです。水準としてはチューリッヒ・なないろ生命に近いです。保険料以外でメリットがあるのか、続いてメリットを記述していきます。
メリット
この保険のメリットは、まずは女性疾病入院・特定手術給付特約が付いている点が挙げられます。この特約により女性疾病による入院・手術には給付金が上乗せされます。それも手術給付金はオリックスやSOMPOひまわりでは女性特有の病気でも通常の手術給付金のみですが、この保険では乳房・子宮・卵巣の手術で給付金が上乗せされ、乳房再建術に至っては入院給付金額の40倍の額の給付金と手厚いです。

さらに特約ではなく主契約の部分の手術給付金に特定不妊治療が含まれているのも見逃せません。対象となるのは体外受精・顕微授精の治療過程での採卵・胚移植で、保険を契約してから2年経過後なら給付金の対象となります。男性の精巣からの採精も対象となるため、女性だけでなく男性も加入していると給付金が受け取れます。
ここ数年で新設された認知症一時金特約と通院支援特約もメリットでしょう。認知症一時金特約は認知症と診断され要介護1以上に認定されると、一時金で50~150万円が受け取れます。他社には要介護2を条件とするケースがあるためアクサの方が有利です。通院支援特約は通常の通院給付金とは別に、退院時と外来での手術で基本給付金の5倍の額が受け取れます。

さらに入院給付特則があるのもメリットです。入院給付特則は60日型・生活習慣病無制限型・メンタルプラス型があります。60日型にすると1回の入院で60日まで保障され、生活習慣病無制限型にすると生活習慣病なら日数無制限となり、メンタルプラス型だとメンタル疾患で一時金が受け取れます。うつ病などの気分障害や摂食障害等がメンタル疾患に該当します。
デメリット・弱点・落とし穴
この保険のデメリットには、まずは女性疾病入院・特定手術給付特約が他社に見劣りする点が挙げられます。なないろ生命と比べると女性特有の手術の時の給付金額に物足りなさがあります。なないろ生命だと女性特有の手術は手術の種別によって入院給付金額の15倍・50倍・100倍の額となり、アクサの5倍・20倍と差があります。乳房再建術もアクサは40倍の額ですが、なないろ生命では給付金額は無制限となっています。

不妊治療の保障にしても体外受精・顕微授精の治療過程での採卵・胚移植で手術給付金が受け取れますが、受け取れるのは1回限りです。その点、三井住友海上あいおい生命の医療保険Aセレクトの不妊治療給付金は12回が限度です。それも1~6回目はアクサと同じ入院給付金額の5倍の額ですが、7~12回目は10倍に増額されます。さらに出産すれば出産給付金も受け取れます。
三大疾病に関する保障も物足りません。一時金特約にしろ保険料払込免除特約にしても、対象となるがんは上皮内がんも含みますが、心臓・脳に関しては急性心筋梗塞・脳卒中に限定されています。なないろ生命の特定疾病保険料払込免除特約では、がん(上皮内新生物含む)・心疾患・脳血管疾患まで保障を広げています。
評判・苦情
アクサ生命の2023年の決算資料によると、個人向け保険の新契約数は52.4万件で前年度の50.6万件から約3%の増加でした。この保険を含む入院保障の保険の保有契約高も増加しているため、申込数・契約数等からすると評判は悪くはありません。
しかし、契約数でいうと保険市場の女性保険の申込数ランキング2024では、スマートケアレディースは15の保険の中でランキング外でした。同じアクサのネット完結終身医療(女性プラン)が7位である点を考慮すると、契約数の伸びはネット完結型が牽引している可能性があります。
また、生命保険協会の苦情数のデータでは、アクサ生命全体に寄せられた苦情数は7718件(2024年度上半期実績)でした。総顧客数の309万件で割った苦情率は0.2%で、契約者1000人のうち2件の苦情が発生している計算です。他社の苦情率は0.1~0.3%台が多いため、苦情面で考えると評判は普通です。
それに対して、調査会社のJ.D.パワーの「2024年 生命保険契約満足度調査(保険会社営業職員部門)」では、アクサ生命は14社中5位と上位でした。保険代理店部門では順位を上げて17社中2位と高い満足度になっており、契約数のわりには営業職員や代理店の対応は良いようです。この調査は手続き・顧客対応・商品提供・保険料が評価項目です。


さらに「オリコン顧客満足度 医療保険ランキング2025」でもアクサ生命は24社中4位と上位でした。評価項目は加入手続き・商品内容・保険料・アフターフォロー・受取額と支払スピードですが、アフターフォローが3位、商品内容・保険料が4位、加入手続きも6位でした。唯一、受取額と支払スピードは10位以下でしたが、顧客の満足度は相対的に高いといえます。
個別の口コミではポジティブな意見がある一方で、「書類の記入方法が分かりにくい」「担当者が保障対象といったのに給付金が受け取れなかった」「給付金を受け取るまでの時間が長い」「加入するまでの電話や面談が面倒」等の意見がありました。給付金を請求・受け取るまでの手間に不満が集まっているようです。
オリコンでのアクサ生命への評判は普通そうですが、スマートケア自体の専門家からの評価は低いです。30人の専門家(ファイナンシャルプランナー)が調査対象の「FPが選んだオリコン終身型医療保険 ランキング2025」では、この保険はランキング外でした。2020年にランキングに出たのを最後にランキング外が続いています。それも2020年時点でも16位とほぼ最下位でした。

以上のデータから考えるとアクサ生命の評判は良さそうですが、スマートケアレディースの評判は良くはなさそうです。アクサ生命の評判については、各種調査で顧客満足度は高めのため悪いといえる要素が少ないです。スマートケアレディース自体の評判は、契約数が伸びているのも他の保険の可能性があり保険市場でもランク外のため、あまり評判が良いとはいえないでしょう。
総合評価・おすすめか?
結論としては、スマートケアレディースは微妙な保険です。保障内容にはメリットもあるにはありますが、他社と比べると物足りなさがあります。その点は保険料も評判面でも覆すほどではないでしょう。
この保険以外で他社の保険も検討したい人は、保険料を重視するならオリックス生命・はなさく生命あたりが候補になります。保障も重視するならチューリッヒ生命・なないろ生命あたりの女性向け医療保険も検討すると良いでしょう。