なないろメディカル礎(女性専用)を比較・評価

- オススメ度:
- 保険会社:
- なないろ生命
- 名称:
- なないろメディカル礎(女性専用)
- 加入年齢:
- 0~85歳
- 保障期間:
- 終身
- 保障内容:
- 入院・手術等で給付金
- 特徴:
- 保険料がずっとあがらない女性向け医療保険
なないろメディカル礎(女性専用)は、2024年に女性向けの特約が新設されたことで誕生しました。従来のなないろメディカル礎に、女性医療特約・女性特定疾病一時金特約(入院)・女性特定疾病一時金特約(通院)の3つを自由に選択して付けられます。
それでは以下で保障内容・保険料・評判等を解説し、他社の女性向けの保険と比較していきます。
保障内容
この保険の基本保障は入院給付金・手術給付金・放射線治療給付金で、他の保障はオプション(特約)のため自分で付加するか選択できます。入院給付金は入院日数に応じて給付金が受け取れ、1回の入院あたり60日か120日の限度は3大疾病入院延長特則・8大疾病入院延長特則で無制限にできます。手術給付金・放射線治療給付金は手術か放射線治療をした時に受け取れ、1型か2型かで給付金額が異なります。
女性専用の特約は女性医療特約・女性特定疾病一時金特約(入院)・女性特定疾病一時金特約(通院)の3つがあり、どれでも自由に選べます。女性医療特約は入院型と入院・手術型の2つがあり、入院型だと女性特定疾病(女性特有・女性に多い病気)で入院すると入院給付金が上乗せされます。入院・手術型だと入院に加えて、女性特定疾病で手術をしても手術給付金が上乗せされます。

女性特定疾病一時金特約(入院)は女性特定疾病で入院すると一時金が受け取れます。入院給付金と異なり入院日数は無関係で日帰り入院から受け取れ、一時金の金額は1~20万円の範囲で自分で設定できます。女性特定疾病一時金特約(通院)は入院・退院後に通院すると一時金が受け取れ、金額は1~20万円の範囲で自分で設定できます。
その他に特約は10以上の選択肢があり、大まかに分けると入院と通院の特約・先進医療と患者申出療養の特約・がんと三大疾病の特約・骨折の特約・死亡の特約があります。入院と通院の特約は入通院で一時金が受け取れ、先進医療と患者申出療養の特約は、これらの治療法の技術料が2000万円まで保障されます。
がんと三大疾病の特約は、がんの治療を受けた月ごとに給付金が受け取れたり、がんで入院して差額ベッド代が発生した場合に給付金が受け取れる特約があります。がんと診断されると一時金が受け取れる特約、がんを含む三大疾病になると一時金が受け取れる特約、三大疾病になると保険料が免除される特約があります。また、骨折すると給付金が受け取れる骨折診断特約、死亡すると保険金が受け取れる終身死亡特約もあります。
保険料を他社と比較
この保険の保険料は年齢・保険料払込期間・入院給付金額・特則と特約の有無等で変動します。保険料は契約時から死亡するまで同額ですが、契約時の年齢が高いほど保険料も高くなります。下図の女性専用プランでは24~41歳までは保険料は月額4000円台ですが、42歳以降は加速度的に保険料は上昇します。保険料が5000円台なのは42~48歳まで、保険料が6000円台なのは49~52歳までと非常に短いです。

30歳女性で終身払い・入院日額5000円・特定疾病保険料免除特約アリ・入院一時金特約アリ・女性特約3つアリにすると、保険料は月額4476円となります。特定疾病保険料免除特約を外すと保険料は月額1000円以上安くなりますが、三大疾病になっても保険料を支払い続ける必要があるため悩ましいところです。
次に保険料は他社より安いのか高いのか、下図で他社の女性向け保険と一覧表で比較しました。基本的に入院給付金は5000円で、保険料は一部の保険を除いて終身払いで比較しました。

この保険の保険料を他社と比較すると平均か少し高い部類に入ります。この保険と似たような保障の他社の保険と比べると、アクサ・チューリッヒ生命と同価格帯でSOMPOひまわり生命よりは安いという感じです。その一方で、オリックス生命・はなさく生命よりは保険料は間違いなく高いです。保険料以外でメリットがあるのか続いてメリットを記述していきます。
メリット
この保険のメリットは、まずは女性総合疾病特約が保障する疾病の範囲が広い点が挙げられます。他社の多くの保険では子宮・卵巣に関わる女性特有の病気、バセドウ病などの女性に多い病気が給付金上乗せの対象です。この保険では女性が備えておくべき病気(下肢静脈瘤等)でも給付金が上乗せされます。また、全てのがんを上乗せの対象とする保険もありますが、この保険では悪性新生物だけではなく上皮内新生物も保障の対象です。

さらに女性特定疾病一時金特約(通院)があるのも見逃せません。他社の多くの保険では通院日数に応じた給付金ですが、この保険では一時金で受け取れます。通院日数タイプだと通院が1~2回で終わると給付金は1~2万円です。この保険で一時金を5万円に設定しておけば、通院が短期間で済んだ場合にも一定の給付金が見込めます。
その他に様々な特約があり、女性疾病以外の病気にも十分に備えられます。その中でも特定疾病保険料払込免除特約が付けられるのは大きなメリットです。他社の保険でも三大疾病になると保険料が免除される特約がありますが、この保険の特約では他の病気でも21日以上の継続入院と手術でも保険料が免除されます。変形性膝関節症で人工膝関節置換のようなケースでも保険料が免除されるのは大きいです。

デメリット・弱点・落とし穴
この保険のデメリットには、まずは特約が多いため数を絞らないと保険料が高くなる点が挙げられます。用意されている特約は女性関連の特約を除いても10もあります。女性関連の特約以外で優先すべきは特定疾病保険料払込免除特約ですが、前述したように特約の有無で30歳女性で保険料が月額1000円も変わります。どこまで負担感のない保険にできるかは悩みどころとなります。

また、女性関連の特約では給付金を受け取る条件が入院・手術だけというデメリットがあります。入院しなければ入院給付金は受け取れず、通院給付金も入院後の通院が対象です。手術給付金は入院・外来を問わず女性疾病・女性特有のがん(子宮頚がん等)で手術をすると手術給付金が上乗せされますが、当然ながら手術をしないと受け取れません。手術に踏み切らずに抗がん剤治療となると給付金は受け取れません。
女性特定疾病一時金(通院)もメリットではありますが、一時金で設定できるのは5万円までという点がデメリットにもなります。通院が長引いて5回を超える場合は、通院回数に応じて給付金を受け取る保険なら5万円以上の給付金が受け取れます。
不妊治療の保障では明らかに他社より物足りなさがあります。この保険では入院・手術しない限り給付金は受け取れません。他社には体外受精等で給付金が受け取れる保険や、不妊治療をして(不妊治療をしなくても)出産すれば出産給付金も受け取れる保険があります。他社には出産後の産後うつまで保障する保険もあります。
評判・苦情
なないろ生命の2024年の決算資料によると、個人向け保険の新契約数は20万件で前年度比346%でした。入院保障の保険の保有契約高も前年度から増加しているため、申込数・契約数等からすると評判は良いです。
ただ、契約数でいうと保険市場の女性保険の申込数ランキング2025(3月版)では、なないろメディカル礎(女性専用)はランキング外でした。公式HPからの申込が多い可能性もありますが、契約数で評判は良いと一概には言えなそうです。
その一方で生命保険協会の苦情数のデータでは、なないろ生命全体に寄せられた苦情数は327件(2024年度上半期実績)でした。総顧客数の62.9万件で割った苦情率は0.05%で、契約者1000人のうち0.5件の苦情が発生している計算です。他社の苦情率は0.1~0.3%台が多いため、苦情面で考えると評判は良いです。
さらに調査会社のJ.D.パワーの「2024年 生命保険契約満足度調査(保険代理店チャネル)」では、なないろ生命は17社中9位でした。順位は上位ではありませんが、平均値よりは上のため悪くはありません。この調査は手続き・顧客対応・商品提供・保険料が評価項目です。

それに対して「オリコン顧客満足度 医療保険ランキング2025」では、なないろ生命は24社中22位以下でした。この保険は女性向けの医療保険とも考えられるため評価は参考になります。個別の口コミではポジティブな意見がある一方で、「電話での手続きが多い」「診療明細書ではなく診断書が必要で面倒」「加入時の説明が長くサインも多くて煩雑」「給付金の額が自分の予想と違った」等の意見がありました。
同じオリコンでも30人の専門家(ファイナンシャルプランナー)が調査対象の「FPが選んだオリコン終身型医療保険 ランキング2025」では、なないろメディカル礎は11つある保険の中で6位でした。専門家からは一定の評価は得ているのが分かります。

以上のデータから考えるとなないろ生命の評判は少し悪そうですが、なないろメディカル礎(女性専用)の評判は良さそうです。なないろ生命の評判については平均より上との調査結果もありますが、調査結果が著しく悪い結果もあります。加入時には悪い方も一定程度は見据えておくことが肝要でしょう。なないろメディカル礎(女性専用)自体の評判は、契約数が伸びており専門家からの評価も高いため評判は良さそうです。ただ、専門家は女性保険ではなく医療保険の観点で見ているため多少差し引いて考える必要がありそうです。
総合評価・おすすめか?
結論としては、なないろメディカル礎(女性専用)は悪くない保険です。デメリットもあるにはありますが、総合的に考えれば悪くない保険といえます。保障内容では不妊治療・出産については明らかに他社よりも見劣りするため、その点は押さえておく必要があります。
この保険以外の他社を保険を検討する人で保険料重視なら、オリックス生命・はなさく生命あたりが候補になります。保障も重視する人は、チューリッヒ生命あたりの女性向け医療保険も検討すると良いでしょう。