morph（モルフ）を比較・評価
- オススメ度：
- 保険会社：
- アメリカンホーム保険
- 名称：
- morph（モルフ）
- 加入年齢：
- 20～60歳
- 保障期間：
- 1年間
- 保障内容：
- 入院・手術等で給付金
- 特徴：
- 今必要な補償を選べる
morph（モルフ）はアメリカンホーム保険が募集・販売している保険です。アメリカンホーム保険は2016年に新規契約の販売活動を終了しましたが、2020年に女性向け医療保険に限定して新規契約を再開しました。
それでは以下で保障内容・保険料・評判等を解説し、他社の女性向けの保険と比較していきます。
保障内容
この保険は8つの補償（特約）から好きなだけ選んで組み合わせられる保険です。選べる補償はガン一時金・女性ガン一時金・女性特定疾病療養一時金・入院療養一時金・手術保険金・特定疾病入院療養一時金・先進医療費用保険金・異常妊娠分娩一時金の8つです。
ガン一時金特約を付けると初めてがん（上皮内新生物を含む）と診断された時に50万円が受け取れます。あくまで初めてのため一時金を受け取れるのは1回限りです。女性ガン一時金特約を付けると女性特有のがん、乳がん・子宮頚がん・子宮体がん・卵巣がん等と診断されると50万円が受け取れます。こちらも1回限りです。
入院療養一時金特約を付けると、病気・ケガで日帰り入院を含む入院をすると一時金が受け取れます。女性特定疾病療養一時金特約を付けると、がんを除く女性特有の病気、子宮筋腫・子宮内膜症・バセドウ病等で入院すると一時金が受け取れます。どちらも一時金の額は5万円か10万円かを選択できます。特定疾病入院療養一時金特約を付けると、心筋梗塞・脳卒中で入院すると一時金（30万円か50万円選択）が受け取れます。
手術保険金特約を付けると病気・ケガで手術をすると一時金（5万円か10万円か選択）が受け取れます。先進医療費用保険金特約を付けると先進医療を受けると1000万円を限度に保障され、異常妊娠・異常分娩一時金特約を付けると異常妊娠・分娩で14日以上の入院をすると10万円の一時金が受け取れます。
保険料を他社と比較
この保険の保険料は年齢・付ける特約・特約の一時金額によって変動します。この保険の保険期間・保険料払込期間は1年のため、保険に加入してから1年後に自動更新となり、更新時の年齢に応じて保険料が上昇します。更新を続けても満70歳の保険契約満了日で契約は終了となります。
次に保険料は他社より安いのか高いのか、下図で他社の女性向け保険と一覧表で比較しました。基本的に入院給付金は5000円で、保険料は一部の保険を除いて終身払いで比較しました。
この保険を女性特定疾病療養一時金・入院療養一時金・手術保険金・先進医療費用保険金の組み合わせた時の保険料は、他社と比較すると最安値圏です。同じ医療系の他社の保険と比べると、アクサ・チューリッヒ等より明らかに安く、ライフネット・楽天生命よりも200円ほど安いです。ただし、年齢が上昇するほどに保険料は上昇するため、長期での契約を考えると見かけほど保険料は安くないといえます。
メリット
この保険のメリットは、まずは補償を1つから選択できる点が挙げられます。異常妊娠・分娩一時金特約のみ女性特定疾病入院療養一時金特約とセットで付ける必要がありますが、他の特約は1つだけ単体でも契約できます。先進医療特約だけ、女性ガン一時金特約だけの契約も可能で、40歳女性で前者だけなら保険料は月額249円、後者だけなら保険料は月額278円と負担感は一切ありません。
唯一セットである異常妊娠・分娩一時金特約と女性特定疾病入院療養一時金特約にしても、40歳女性で保険料は月額993円と1000円を切ります。一般的に高齢出産になる35歳以上（初出産時）での異常妊娠・分娩に備えたい人でも、保険料としては気軽に加入できる金額です。この保険の保険期間は1年で更新されるため、無事に出産した解約するという手もあります。
さらに、保障内容は一時金のため他の医療保険の補完にも利用できます。既に加入している医療保険が入院日数に応じて給付金が受け取れる保障の場合、入院日数が1日なら入院給付金は1万円だけです。この保険にも加入しておけば女性疾病での入院は10万円が別途で受け取れます。
ちなみに保険契約者は健康・医療・介護・育児について相談できる安心ダイヤル24が利用できる他、専門医に電話相談できるサービスが利用できます。主治医以外の意見も聞きたい場合に役に立ちます。
デメリット・弱点・落とし穴
この保険のデメリットには、まずは保険期間が1年という点が挙げられます。前述したように保険料は他社よりも安いのですが、1年ごとの更新時に保険料が上昇します。40歳女性でガン一時金特約・入院特約・手術特約で保険料は月額1560円ですが、60歳時には2853円まで上昇します。見かけの保険料は安くても、長期でみれば実際には保険料は割高といえます。
さらに高齢になっても更新するにしても最長70歳で保障は終了します。一般的に70～80代になると一段とがん等になる可能性が高まりますが、それよりも前で保障が消滅してしまいます。やはり高齢になってからの病気に備えるなら終身型の医療保険を検討した方が賢明です。
また、アメリカンホーム保険は2020年に保険の新規契約を再開しましたが、いつ再び停止するか分かりません。この保険は1年契約ですが、更新できなくなる可能性もあります。その逆に他の保険も新規契約を開始する可能性もありますが、あくまで短期での活用と考えておいた方が無難でしょう。
保障内容ではがんを除いて入院・手術をしなければ給付金が受け取れないというデメリットがあります。他社では入院後の通院で給付金が受け取れたり、三大疾病になると一時金が受け取れる保険があります。三大疾病・七大生活習慣病になると以後の保険料の支払いが免除される特約、不妊治療・出産で給付金が受け取れる特約も他社にはあります。
評判・苦情
アメリカンホーム保険の2024年の決算資料によると、保険会社の売上を示す正味収入保険料は314億円で、前年度の347億円から9.7％減少でした。前々年度から見ても右肩下がりのため、申込数・契約数等からすると評判は良くありません。
また、2023年4月～2024年3月までに同社に寄せられた「お客様の声（意見・要望・不満）」は12362件でした。件数自体は前年度比83％と減少していますが、主たる要因は契約数が伸びていないからでしょう。お客様の声の中で最も多いのが契約の管理・保全関係で、住所変更・契約内容の変更等で不満が多かったと考えられます。
その他に調査会社のJ.D.パワーの「2024年 生命保険契約満足度調査」や、オリコンの「オリコン顧客満足度 医療保険ランキング2025」でも確認したいところですが、アメリカンホーム保険は調査の対象外でした。そもそも契約数が少ないためサンプル数不足である可能性があります。
以上のデータから考えると、アメリカンホーム保険の評判もmorphの評判も良くなさそうです。あくまで申込・契約数だけでの判断ではありますが、数字が年々尻すぼみとなっており評判が良いとはいえません。ただ、さらなる新商品の展開や広告宣伝等によって数字が反転する可能性も否定はできません。
総合評価・おすすめか？
結論としては、morphは微妙な保険です。基本的には保障内容が物足りない保険のためイマイチな保険ですが、他の保険の補完という使い方なら一考の余地があります。特に異常妊娠・異常分娩にだけ一定期間のみ備えたい人には有用な保険かもしれません。
この保険以外の他社の保険を検討するなら、保険料を重視する人はオリックス生命・はなさく生命あたりが候補になります。保障も重視する人は、チューリッヒ生命・なないろ生命あたりの女性向け医療保険も検討すると良いでしょう。
