新メディフィットA(女性プラン)を比較・評価

メディケア生命 メディフィットA
オススメ度:
4
保険会社:
メディケア生命
名称:
新メディフィットA
加入年齢:
18~85歳
保障期間:
終身
保障内容:
入院・手術等で給付金
特徴:
生活習慣病もケガもサポート

新メディフィットA(エース)はメディケア生命が2020年4月から募集・販売している保険です。この保険は基本的に女性専用の保険ではありませんが、女性医療特約・特定女性疾病通院治療特約を付けることで女性疾病に手厚い保険になります。

今回は女性保険として他社と比較するため、スタンダードな新メディフィットAは別ページを参照して下さい。それでは以下で保障内容・保険料・評判等を解説し、他社の女性向けの保険と比較していきます。

保障内容

この保険は入院給付金・手術給付金・放射線治療給付金等が基本保障(主契約)で、他の保障は特約のため自分で選んで付加します。入院給付金は入院日数に応じて受け取れ、手術給付金・放射線治療給付金は手術・放射線治療を1回受ける度に受け取れます。

特約は10以上の選択肢があり、大まかに分けると先進医療・入院と通院・三大疾病・女性疾病・その他の特約があります。その中で女性疾病の特約は女性医療特約と特定女性疾病通院治療特約があります。女性医療特約は入院型と入院・手術型の2つがあります。入院型で子宮筋腫等の女性疾病で入院すると、基本保障の入院給付金に上乗せする形で女性疾病入院給付金が受け取れます。1回の入院による支払限度(30・60・120日)は主契約と同じになります。

女性医療特約の保障内容(出典:メディケア生命 新メディフィットA 商品パンフレット2025年4月改訂版)

入院・手術型は女性疾病入院給付金に加えて、女性特定手術給付金と乳房再建術給付金が付いています。女性特定手術給付金は乳房・子宮・卵巣に関する手術を受けた場合に、入院日額の30倍の額が受け取れます。この手術の中には全摘出の他に一部切除も含まれ、がん罹患後の予防手術も含まれます。乳房再建術給付金は手術で切除した乳房の再建術をした場合に入院日額の100倍の額が受け取れます。

特定女性疾病通院治療特約は入院を伴わない通院でも給付金が受け取れる業界初の特約です。特定女性疾病で外来治療を受けて通院(入院・退院後の通院含む)すると、通院日数に応じて給付金が受け取れます。給付金額は1000円~1万円の範囲内で自分で設定できます。特定女性疾病には乳房・子宮・卵巣の病気とがんが含まれます。

特定女性疾病通院治療特約の保障内容(出典:メディケア生命 新メディフィットA 商品パンフレット2025年4月改訂版)

その他に女性疾病に限らず入院・通院の保障を上乗せする特約や、がんに限っては抗がん剤治療や自由診療まで保障する特約があります。もちろん、三大疾病で一時金が受け取れたり、三大疾病になると以後の保険料の支払いが免除される特約もあります。医療保険にあるであろう特約が一通り揃っています。

一風変わった特約でいえば、精神疾患を含む病気で在宅療養中の収入をサポートする継続入院・在宅療養収入サポート特約、骨折や熱中症を保障する損傷特約、死亡または公的介護保険の要介護2以上に認定されると保険金が受け取れる介護保障付終身保険特約もあります。

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保険料を他社と比較

この保険の保険料は性別・年齢・入院給付金額・保険料払込期間・特則と特約の有無で変動します。基本的に契約の年齢が高いほど保険料は上昇し、入院給付金額を高くしたり特約を増やしても保険料は上昇します。30歳女性だと女性医療特約(日額5000円)を付けると保険料は月額700円が追加され、特定女性疾病通院治療特約(日額5000円)を付けると月額545円が追加されます。

メディフィットAの保険料一覧表(出典:メディケア生命 新メディフィットA 商品パンフレット2025年4月改訂版)

その他の特約で保険料が特に高いのは特定3疾病一時給付特約です。一時金を50万円にすると30歳女性で保険料が1000円ほど上昇します。薬剤治療特約・終身保険特約(死亡保険金50万円)も保険料が700円ほど上昇し、骨折特約(通院含む)や収入サポート特約も500円ほど上昇します。

次に保険料は他社より安いのか高いのか、下図で他社の女性向け保険と一覧表で比較しました。基本的に入院給付金は5000円で、保険料は一部の保険を除いて終身払いで比較しました。

女性保険(女性向け医療保険・出産保険など)の20歳と30歳と40歳の保険料の比較一覧表(アクサ生命・メディケア生命・はなさく生命・ニッセイプラス少短・アフラック少短・日本生命・太陽生命・SOMPOひまわり生命・アメリカンホーム保険・楽天生命・チューリッヒ生命・なないろ生命・ライフネット生命・オリックス生命・)※各社の公式HPを元に当社が独自に作成

この保険の保険料(ライトレディプラン+特定女性疾病通院治療特約(日額5000円))を他社と比較すると、他社よりも少し高い部類に入ります。この保険と似たような保障の他社の保険と比べると、アクサ・チューリッヒ・SOMPOひまわり生命と同価格帯で、オリックス生命・ライフネット生命よりも高いです。とはいえ、この保険には他社には無い業界初の通院治療特約が付いているため止むを得ない感があります。

メリット

この保険のメリットは、まずは女性医療特約と特定女性疾病通院治療特約がある点が挙げられます。女性医療特約は入院・手術型と入院型の2つがあり、入院・手術型は女性疾病で入院すると給付金が受け取れ、手術をすると手術給付金が受け取れます。女性疾病には子宮・卵巣に関わる女性特有の病気の他に、切迫早産や帝王切開のような妊娠・出産に関わる症状が含まれます。さらに貧血・低血圧症・バセドウ病のような女性に多い病気も含まれます。

女性医療特約の保障内容(出典:メディケア生命 新メディフィットA 商品パンフレット2025年4月改訂版)

また、手術給付金は主契約の手術給付金が手術の種別・入院か外来か等で給付金額が変わるのに対して、女性医療特約の手術給付金は子宮・卵巣・乳房に関する給付金額は一律で入院日額の30倍です。一部切除でも全摘出でも給付金は満額で受け取れます。

業界初の特定女性疾病通院治療特約は、特定女性疾病で入院の有無に関わらず外来治療で通院すると給付金が受け取れます。通院日数の分だけ通院給付金が受け取れ、給付金額を1万円に設定して6日の通院をすれば6万円が受け取れます。メディケア生命の「2021年女性特有の病気に関するアンケート」によると、女性特有の病気の治療で全体の59.3%の人が通院治療のみです。他社の保険では受け取れないケースで給付金が受け取れるのは大きなメリットです。

女性特有の病気の治療形態・通院日数(出典:メディケア生命「2021年女性特有の病気に関するアンケート」)

その他に様々な特約があり、女性疾病以外の病気にも十分に備えられるのも見逃せません。薬剤治療特約は抗がん剤治療をすると、治療を受けた月ごとに給付金が受け取れます。三大疾病も保障する型もあり、心疾患・脳血管疾患で抗血栓薬等で薬剤治療をしても月ごとに給付金が受け取れます。長引く可能性がある薬剤による通院治療の保障を手厚くできます。

収入サポート特約は入院・在宅療養・特定入院が14日以上継続すると、基本給付金額の6ヶ月分の給付金が受け取れます。通常は保障の対象外となりがちな精神疾患(うつ病等)も対象となっており、欠勤・休職等で収入減となっても安心感があります。さらに保険料払込免除特約は三大疾病・介護状態になると、それ以後の保険料の支払いが免除されます。

デメリット・弱点・落とし穴

この保険のデメリットには、まずは特約が多いため数を絞らないと保険料が高くなる点が挙げられます。用意されている特約は女性関連の特約を除いて10以上あります。前述したように30歳女性で女性向け特約を2つ付けると保険料は3036円です。そこに複数の特約を付けていくと保険料は5000円を超えて、特約の数によっては1万円に近づきます。保険料の支払いに無理のない保険料で、どこまで自分の不安を解消できる保険にできるかが問題です。

新メディフィットAの主契約・特約一覧(出典:メディケア生命 新メディフィットA 商品パンフレット2025年4月改訂版)

また、女性関連の2つの特約については、保障範囲が微妙に異なる点に注意が必要です。女性医療特約では保障の対象となる女性疾病が、特定女性疾病通院治療特約では保障されないケースがあります。例えば月経異常・不妊症は医療特約では保障されますが、特定女性疾病通院治療特約では保障されません。

さらにメリットで既述した女性に多い病気(貧血・低血圧症・メニエール病など)も、特定女性疾病通院治療特約では保障されません。基本的に入院して治療される妊娠・出産に関する症状も保障されません。2つの特約が同様に保障するのはがんの治療のみです。このあたりに女性医療特約が契約者のうち38%が付けているのに対して、特定女性疾病通院治療特約を付けているのは7%に留まっている原因があるのかもしれません。

女性医療特約と特定女性疾病通院治療特約が定める特定女性疾病の違い(出典:メディケア生命公式HP「保障のQ&A」)

特定女性疾病通院治療特約については、通院給付金は疾病群ごとに6回までという注意点もあります。疾病群は乳房・子宮・卵巣と卵管の3つがあり、それぞれの通院で給付金が受け取れるのは6回までです。つまり子宮筋腫で6日分の通院給付金を受け取ると、次に子宮内膜症になって通院しても給付金が受け取れません。子宮に関する通院給付金を受け取ると、次に受け取れるのは乳房・卵巣に関する病気での場合になります。

ちなみに、この保険は不妊治療のための手術は他社と同じように保障されますが、出産は正常分娩だと何の給付金もありません。他社には出産祝金や産後うつまで保障する保険があります。出産祝い金は第一子から第二子の出産になると増額される保険もあります。

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評判・苦情

メディケア生命の2024年の決算資料によると個人向け保険の新契約数は64.5万件で前年度の34.4万件から横ばいでした。とはいえ医療保険単体での新契約数は9%の増加で、入院保障の保険の保有契約高は前年度から増加しているため、申込数・契約数等からすると評判は悪くありません。

ただ、契約数でいうと保険市場の女性保険の申込数ランキング2025(3月版)では、メディフィットAはランキング外でした。他社と異なり完全に女性専用の保険ではないのが影響している可能性もありますが、さほど女性からの人気は高くない可能性もあります。

女性保険人気ランキング(出典:保険市場公式HP「2025年3月版 人気の女性保険ランキング」)

その一方で生命保険協会の苦情数のデータでは、メディケア生命全体に寄せられた苦情数は1194件(2024年度上半期実績)でした。総顧客数の60.8万件で割った苦情率は0.06%で、契約者1000人のうち0.6件の苦情が発生している計算です。他社の苦情率は0.1~0.3%台が多いため苦情面で考えると評判は良いです。

さらに調査会社のJ.D.パワーの「2024年 生命保険契約満足度調査(保険代理店チャネル)」では、メディケア生命は17社中1位でトップでした。この調査は手続き・顧客対応・商品提供・保険料が評価項目です。メディケア生命は手続き・書類の項目で最高評価でした。加入時も加入後も各種手続きがストレスなくスムーズにできそうです。

JDパワー 2024年生命保険契約満足度調査 保険代理店チャネル(出典:JDパワー公式HP)

その一方で「オリコン顧客満足度 医療保険ランキング2025」では、メディケア生命は24社中13位でした。この保険は女性向けの医療保険とも考えられるため評価は参考になります。評価項目は加入手続き・商品内容・保険料・アフターフォロー・受取額と支払スピードですが、商品内容が7位なだけで他の項目は10位以下でした。JDパワーの調査と異なり顧客満足度には大いに不安がある結果となっています。

個別の口コミではポジティブな意見がある一方で、「HPの手続きで不明な点をコールセンターに問い合わせたら繋がらない」「保険加入者への特典が乏しい」「代理店と情報共有されてない気がする」「給付金が受け取れるのが遅かった」等の意見がありました。

同じオリコンでも30人の専門家(ファイナンシャルプランナー)が調査対象の「FPが選んだオリコン終身型医療保険 ランキング2025」では、新メディフィットAは11つある保険の中で1位でした。専門家からは一定の評価は得ているのが分かります。

終身型医療保険 総合ランキング(出典:オリコン公式HP「FPが選んだオリコン終身型医療保険 ランキング2024」)

以上のデータから考えると、メディケア生命の評判は普通そうですが、メディフィットAの評判は少し良さそうです。メディケア生命の評判については良い調査結果と少し悪い調査結果がありますが、悪い方も極端に悪いわけではないため過度な心配は不要でしょう。メディフィットAの評判は契約数が伸びており良さそうですが、必ずしも女性特約が評価されての評判ではに点に一抹の不安があります。

総合評価・おすすめか?

結論としては、新メディフィットA(女性プラン)は悪くない保険です。保障内容にはデメリット・注意点もありますが、保険料や女性向け特約の内容を考えれば十分に検討する価値がある保険です。重ねてになりますが、あれもこれもと特約を付けるのには十分に注意が必要です。

この保険以外の他社を保険を検討する人で保険料重視なら、オリックス生命あたりが候補になります。保障も重視する人は、チューリッヒ生命・なないろ生命あたりの女性向け医療保険も検討すると良いでしょう。