女性のためのはなさく医療を比較・評価
- オススメ度：
- 保険会社：
- はなさく生命
- 名称：
- 女性のためのはなさく医療
- 加入年齢：
- 0～85歳
- 保障期間：
- 終身
- 保障内容：
- 入院・手術等で給付金
- 特徴：
- 女性限定の充実した保障が選べる
はなさく医療は日本生命グループのはなさく生命が2019年から募集・販売している保険です。従来のはなさく医療に、女性医療特約・女性疾病入院一時給付特約・女性がん早期発見サポート特約の3つを自由に選択して付けられます。
それでは以下で保障内容・保険料・評判等を解説し、他社の女性向けの保険と比較していきます。
保障内容
この保険の主契約は入院給付金・手術給付金・放射線治療給付金で、他の保障は特約・特則のため自分で付けるか選択できます。入院給付金は入院日数に応じて受け取れ、入院支払日数無制限特則を付けると三大疾病・八大疾病での入院は日数無制限で保障されます。手術給付金・放射線治療給付金は手術か放射線治療をした時に受け取れ、Ⅰ～Ⅲ型のどの型を選ぶかで金額が異なります。また、主契約には死亡保障の特則も付けられます。
女性専用の特約は女性医療特約・女性疾病入院一時給付特約・女性がん早期発見サポート特約の3つがあり、1つから自由に選べます。女性医療特約は女性特定疾病（女性特有・女性に多い病気）で入院すると入院給付金が上乗せされます。さらに女性特定疾病・不妊治療で手術をしても手術給付金が上乗せされます。
女性疾病入院一時給付特約は女性特定疾病で入院すると一時金が受け取れます。入院給付金と異なり入院日数は無関係で日帰り入院から受け取れ、一時金の金額は1～10万円の範囲で自分で設定できます。女性がん早期発見サポート特約は女性特有のがんと診断されると50万円が受け取れ、さらに2年に1回の乳がん・子宮頚がん検診で異常が無ければ1万円が受け取れます。
その他に9以上の特約があり、大まかに分けると入院と通院の特約・先進医療の特約・特定損傷の特約・障害と介護の特約・がんと特定疾病の特約があります。入院と通院の特約は入通院の保障が上乗せされ、先進医療の特約は先進医療の技術料が2000万円まで保障されます。特定損傷の特約は入院しなくても骨折等の特定損傷で給付金が受け取れ、障害と介護の特約は身体障害や要介護状態になると10～300万円の給付金が受け取れます。
がんと特定疾病の特約は、がんと診断されると一時金が受け取れる特約、三大疾病・八大疾病になると一時金が受け取れる特約、三大疾病・八大疾病になると保険料が免除される特約があります。さらに、がんで抗がん剤治療を受けた月ごとに給付金が受け取れる特約もあります。
保険料を他社と比較
この保険の保険料は年齢・保険料払込期間・入院給付金額・特則と特約の有無等で変動します。保険料は契約時から死亡するまで同額ですが、契約時の年齢が高いほど保険料も高くなります。さらに特約の数を増やす程に保険料は高くなり、特約の中でも入院一時給付特約・保険料払込免除特約は保険料の上がり幅が500円以上と大きめです。
30歳女性で入院日額5000円（三大疾病入院無制限）・手術Ⅱ型・先進医療アリにすると、保険料は月額1624円となります。これに女性向けの特約を3つ付けると保険料は2802円まで上昇します。女性疾病入院一時給付特約で月額310円、女性医療特約で月額278円、女性がん早期発見サポート特約で月額590円の保険料の上昇になっています。女性がん早期発見サポート特約を付けるか否かが、保険料を抑える肝となるでしょう。
次に保険料は他社より安いのか高いのか、下図で他社の女性向け保険と一覧表で比較しました。基本的に入院給付金は5000円で、保険料は一部の保険を除いて終身払いで比較しました。
この保険の保険料を他社と比較すると安い部類に入ります。この保険と似たような保障の他社の保険と比べると、アクサ・チューリッヒ・SOMPOひまわり生命よりも安いです。この保険と同価格帯となると、オリックス生命・ライフネット生命等があります。似たような保険料の保険があるとはいえ安いのは間違いありません。
メリット
この保険のメリットは、まずは3つの女性向け特約がある点が挙げられます。他社には女性向け特約が一括りか一部セットになっている保険があります。そうなると自分には不要かもしれない特約まで付けることになり、無駄に保険料も高くなります。その点、この保険は特約が3つに分かれているため不要な特約を付けずに済みます。
3つの特約の中でも特筆すべきは女性がん早期発見サポート特約でしょう。上皮内新生物も含む女性特有のがんと診断されると50万円が受け取れる特約で、乳がん・子宮頚がん検診を受診して異常なしなら2年ごとに1万円の給付金も受け取れます。この特約分の保険料は30歳女性で月額590円で、2年間で合計14160円となります。しかし、1万円の給付金を受け取れば特約分の保険料は2年間で実質4160円、月額で僅か173円で女性特有のがんに備えられます。
その他に様々な特約があり、女性疾病以外の病気にも十分に備えられるのも見逃せません。特に特定疾病一時給付特約・保険料払込免除特約は三大疾病（がん・心疾患・脳血管疾患）を含む八疾病をカバーしています。八疾病には三大疾病以外に肝硬変・慢性膵炎・慢性腎不全・糖尿病・高血圧性疾患・臓器移植が含まれています。これらで一時金が受け取れ、さらに保険料の支払いも免除されれば病気の治療費と再発への十分な備えになります。
デメリット・弱点・落とし穴
この保険のデメリットには、まずは特約が多いため数を絞らないと保険料が高くなる点が挙げられます。用意されている特約は女性関連の特約を除いても9つもあります。前述したように30歳女性で女性向け特約を付けると保険料は1624円から2802円に上昇します。そこに特定疾病一時給付特約・保険料払込免除特約を付けると保険料は3773円に上昇し、他の特約も付けると一段と上昇します。どこまで負担感のない保険料にできるかが悩みどころです。
また、女性関連の特約では給付金を受け取るには、がん以外は入院・手術が条件というデメリットがあります。外来での治療は手術を除いて給付金は受け取れません。手術にしても女性特有の手術だけが保障の対象で、チューリッヒ等の他社のように全てのがんが上乗せの対象ではありません。不妊治療の保障もあるにはあるものの給付回数は1回限りで、最大12回まで受け取れる三井住友海上あいおい生命の保険より明らかに見劣りします。
女性がん早期発見サポート特約もメリットではありますが、保険期間が80歳までという点に注意が必要です。81歳以降は特約は消滅するため、女性特有のがんになっても特約では一時金が受け取れません。さらに給付金は50万円に固定されており、50万円より高くも低くもできません。
ちなみに、三大疾病・八大疾病については一時金と保険料免除の特約だけで、治療を受けた月ごとに給付金を受け取れる特約はありません。がんのみ抗がん剤治療特約を付けると月毎に給付金が受け取れます。先進医療も患者申出療養・自由診療は保障の対象外である点に注意が必要です。
評判・苦情
はなさく生命の2024年の決算資料によると、個人向け保険の新契約数は20.4万件で前年度の17.0万件から20％ほど増加しました。入院保障の保険の保有契約高も前年度から増加しているため、申込数・契約数等からすると評判は良いです。
さらに契約数でいうと保険市場の女性保険の申込数ランキング2025（3月版）では、女性のためのはなさく医療は1位でした。資料請求数でも2位とトップ3に入っているため、やはり契約数で考えると評判は良いといえます。
その一方で生命保険協会の苦情数のデータでは、はなさく生命全体に寄せられた苦情数は1595件（2024年度上半期実績）でした。総顧客数の60.8万件で割った苦情率は0.2％で、契約者1000人のうち2件の苦情が発生している計算です。他社の苦情率は0.1～0.3％台が多いため苦情面で考えると評判は普通です。
さらに調査会社のJ.D.パワーの「2024年 生命保険契約満足度調査（保険代理店チャネル）」では、はなさく生命は17社中6位でした。ダイレクト部門だとライフネットに次ぐ2位に浮上するため、保険代理店経由よりは公式HPからのダイレクト販売の方が満足度が高いようです。この調査は手続き・顧客対応・商品提供・保険料が評価項目です。
それに対して「オリコン顧客満足度 医療保険ランキング2025」では、はなさく生命は24社中17位でした。この保険は女性向けの医療保険とも考えられるため評価は参考になります。評価項目は加入手続き・商品内容・保険料・アフターフォロー・受取額と支払スピードですが、全ての個別項目でのランキングで10位以下でした。JDパワーの調査と異なり顧客満足度には大いに不安がある結果となっています。
個別の口コミではポジティブな意見がある一方で、「保険料が安く思えたが保障が薄いだけだった」「給付金のために有料の医師からの診断書が必要」「給付金の対象となる病気や治療法が分かりにくい」「担当者が辞めて連絡が付かなくなった」等の意見がありました。
同じオリコンでも30人の専門家（ファイナンシャルプランナー）が調査対象の「FPが選んだオリコン終身型医療保険 ランキング2025」では、女性のためのはなさく医療は11つある保険の中で7位でした。専門家からは一定の評価は得ているのが分かります。
以上のデータから考えると、はなさく生命の評判は普通か少し悪そうですが、女性のためのはなさく医療の評判は良さそうです。はなさく生命の評判については平均以上の調査結果と少し悪い調査結果があります。加入時には悪い方を意識して予防線を張っておいた方が精神衛生上は良いでしょう。女性のためのはなさく医療自体の評判は契約数が伸びており資料請求数も多めで、さらに専門家も一定の評価はしているため評判は良さそうです。
総合評価・おすすめか？
結論としては、女性のためのはなさく医療は悪くない保険です。保障内容にはデメリットもありますが、保険料を考えれば妥当な内容といえます。保険料の分だけ劣る保障内容については、加入前に既述のデメリットで押さえておけば加入後に後悔する可能性も低くなるでしょう。
この保険以外の他社を保険を検討する人で保険料重視なら、オリックス生命あたりが候補になります。保障も重視する人は、チューリッヒ生命・なないろ生命あたりの女性向け医療保険も検討すると良いでしょう。
