じぶんへの保険3レディースを比較・評価

- オススメ度:
- 保険会社:
- ライフネット生命
- 名称:
- じぶんへの保険3レディース
- 加入年齢:
- 18~70歳
- 保障期間:
- 終身
- 保障内容:
- 入院・手術等で給付金
- 特徴:
- 女性特有の病気による入院に一生涯の保障
じぶんへの保険3レディースはライフネット生命が2019年から募集・販売している保険です。2014~2019年まで販売していた新じぶんへの保険レディースがリニューアルされました。リニューアルにより手術給付金の範囲拡大や、女性入院給付金が日帰り入院でも5日分の給付金が受け取れる等の変更がありました。
3が最新の保険とはいえ前回のリニューアルから既に5年以上が経過しているため、再びリニューアルされる可能性があります。それでは以下で保障内容・保険料・評判等を解説し、他社の女性向けの保険と比較していきます。
保障内容
この保険にはエコノミーコース・おすすめコースの2つがあり、エコノミーコースは手術給付金・入院給付金・女性入院給付金で構成されています。手術給付金は入院・外来問わず手術をすれば受け取れます。入院給付金は入院日数に応じて受け取れますが、5日以内の入院の場合は一括で5日分の入院給付金が受け取れます。つまり入院給付金が日額1万円なら日帰り入院でも5万円、2日の入院でも5万円が受け取れます。
女性入院給付金は女性特定疾病で入院した場合に、通常の入院給付金に上乗せされて受け取れます。女性ならではの子宮・卵巣に関する病気の他、妊娠・分娩に関する合併症も対象です。がん(悪性新生物)については女性特有か関係なく上乗せの対象です。超初期がんの上皮内新生物だと全てが対象ではありませんが、子宮等の女性特有なら上乗せの対象です。さらに入院給付金と同様に5日以内の入院なら5日分の給付金がまとめて受け取れます。

おすすめコースだと、三大生活習慣病日数無制限・がん治療給付金・先進医療給付金・先進医療見舞給付金も付いてきます。三大生活習慣病日数無制限とは、通常は1回の入院あたり入院給付金が受け取れるのは60日という限度が、三大疾病(悪性新生物・心疾患・脳血管疾患)での入院は限度日数が無制限となります。入院日数が60日を越えても入院給付金が受け取れます。
がん治療給付金は悪性新生物(上皮内新生物は対象外)と診断されると受け取れます。初めての場合は診断確定された段階で受け取れ、2回目以降の再発時は治療をした時点で受け取れます。治療には手術・抗がん剤治療・放射線治療が該当します。金額は50~150万円の範囲内で自分で設定できます。
先進医療給付金は先進医療を受けた時に、先進医療の技術料と同額(2000万円まで)が保障されます。先進医療には陽子線治療・重粒子線治療等が該当します。これらの技術料は通常は200~300万円が自己負担となりますが、それが保険でカバーできます。先進医療見舞給付金は10万円で先進医療を受けると受け取れます。先進医療が受けられる病院が遠方である可能性があり、そこまでの移動費や家族の宿泊費に利用できます。
保険料を他社と比較
この保険の保険料は年齢・保険料払込期間・入院給付金額・コース等で変動します。保険料は契約時から死亡するまで同額ですが、契約時の年齢が高いほど保険料も高くなります。保険料払込期間は60歳まで・65歳まで・終身払いがあり、終身払いだと保険料は最も安くなりますが死亡・解約するまで保険料を支払う必要があります。
コース選択はエコノミーコースよりおすすめコースの方が保険料が高くなります。30歳女性でエコノミーコース(入院日額5000円・終身払い)の場合、保険料は月額2336円となります。おすすめコースで同じ条件にすると保険料は月額4276円に上昇します。三大生活習慣病日数無制限・がん治療給付金・先進医療の保障で1900円上昇することになります。
次に保険料は他社より安いのか高いのか、下図で他社の女性向け保険と一覧表で比較しました。基本的に入院給付金は5000円で、保険料は一部の保険を除いて終身払いで比較しました。

この保険の保険料(エコノミーコース)を他社と比較すると安い部類に入ります。この保険と似たような保障の他社の保険と比べると、アクサ・チューリッヒ・SOMPOひまわり生命よりも安いです。この保険に近い保険にオリックス生命・はなさく生命がありますが、それらよりもライフネット生命の方が安いです。
ただし、保障内容を考えると必ずしも保険料は安いとはいえません。例えばオリックス生命では先進医療の保障が組み込まれており、手術給付金は入院日額5000円なら10万円(入院を伴う手術)です。ライフネットの手術給付金は入院日額5000円なら5万円(入院を伴う手術)と半額になっています。また、女性疾病の手術での手術給付金の上乗せもありません。
メリット
この保険のメリットは、まずはコースを選択するだけで加入の手間を省ける点が挙げられます。他社では主契約以外の特約を1つずつ自分で取捨選択する必要がありますが、この保険ではコース選択をするだけ済みます。コース選択と入院日額さえ決めれば、手術給付金に加えてがん治療給付金の額(入院日額の100倍)も自動で決まります。保険・保障選びに時間をかけたくない人に適しています。
保障も厳選されており最低限は揃っています。エコノミーコースなら病気で入院か手術をすれば給付金が受け取れ、それが女性疾病なら入院給付金が上乗せされるという分かりやすい仕組みです。おすすめコースにしても悪性新生物・三大疾病・先進医療の保障が追加されるだけとシンプルです。毎月の保険料に負担感が無いかだけで保障内容選びは終わると言っても過言ではありません。
また、リニューアルによって女性入院給付金でも5日分が受け取れるようになったのも見逃せません。女性特定疾病の治療で日帰り入院をすると、5日分の女性入院給付金と5日分の入院給付金が受け取れます。入院日額1万円なら日帰り入院をすると、合計10日分の入院給付金として10万円が受け取れます。手術をすれば手術給付金も加わります。

おすすめコースに付いている三大生活習慣病日数無制限は、急性心筋梗塞・脳卒中ではなく心疾患・脳血管疾患になっている点もメリットです。心疾患だと狭心症等も保障の対象となり、脳血管疾患だと高血圧性脳症等も保障の対象となります。他社の急性心筋梗塞・脳卒中のみ保障する保険より保障される可能性が高いです。
デメリット・弱点・落とし穴
この保険のデメリットには、まずは女性疾病への保障が薄い点が挙げられます。前述したように保険料は他社よりも安めですが、入院日額5000円の場合の手術給付金は5万円でオリックス生命の半額です。さらに女性疾病で入院・手術をしても入院給付金は上乗せされるものの、手術給付金には上乗せがありません。
また、他社には不妊治療・出産が保障に含まれている保険が数多く存在します。不妊治療として体外受精・顕微授精を行うと給付金が受け取れたり、出産すると祝い金が受け取れる保険があります。さらに妊娠うつ・産後うつ等になると給付金が受け取れる保険もあります。
その他に、おすすめコースの女性入院給付金にも注意点があります。通常の入院給付金は三大疾病で入院すると給付日数は無制限になりますが、女性入院給付金は無制限になりません。つまり子宮がん・乳がん等で入院した場合、60日を過ぎるまでは両方の給付金が受け取れますが、61日目以降は入院給付金のみとなります。
さらに他社の多くの保険にある三大疾病保険料払込免除特約が無いのもデメリットです。この特約があると三大疾病になると以後の保険料の支払いが免除されます。ライフネットでは三大疾病になっても解約しない限りは保険料を支払い続ける必要があります。先進医療も患者申出療養・自由診療は保障の対象外である点に注意が必要です。
評判・苦情
ライフネット生命の2024年の決算資料によると、個人向け保険の新契約数は7.2万件で前年度の9.8万件から27%ほど減少しました。保有契約件数は全体では伸びているものの、かつてのようなスピードはありません。入院保障の保険の保有契約高も前年度から微増に留まっているため、申込数・契約数等からすると評判は普通です。
その一方で契約数でいうと、保険市場の女性保険の申込数ランキング2025(3月版)では、じぶんへの保険3レディースは2位でした。資料請求数でも3位とトップ3に入っており、多くの人が検討し実際に加入もしていると考えられます。そのため契約数で考えると評判は良いともいえます。

また、生命保険協会の苦情数のデータでは、ライフネット生命全体に寄せられた苦情数は1731件(2024年度上半期実績)でした。総顧客数の39.5万件で割った苦情率は0.4%で、契約者1000人のうち4件の苦情が発生している計算です。他社の苦情率は0.1~0.3%台が多いため苦情面で考えると評判は悪めです。
それに対して、調査会社のJ.D.パワーの「2024年 生命保険契約満足度調査(ダイレクト部門)」では、ライフネット生命は8社中1位とトップでした。これで4年連続でダイレクト部門で総合1位で、手続き・書類と保険料で最高評価を得ています。この調査は手続き・顧客対応・商品提供・保険料が評価項目です。

「オリコン顧客満足度 医療保険ランキング2025」では、ライフネット生命は24社中9位でした。この保険は女性向けの医療保険とも考えられるため評価は参考になります。評価項目は加入手続き・商品内容・保険料・アフターフォロー・受取額と支払スピードです。個別項目のランキングでは加入手続きは7位、保険料は5位、アフターフォローは9位で、他の個別項目は10位以下でした。JDパワーの調査と異なり、それほど手続きの満足度は高くないようです。
個別の口コミではポジティブな意見がある一方で、「問い合わせの電話が繋がらない」「手続きが分かりにくい」「給付金が受け取れるまでに時間を要する」「保険料は安い分だけ改善の余地がある」等の意見がありました。
以上のデータから考えるとライフネット生命の評判は普通そうですが、じぶんへの保険3レディースの評判は良さそうです。ライフネット生命の評判については苦情面で不安があるものの、顧客満足度の各調査の結果が平均以上のため少なくとも悪くはないでしょう。じぶんへの保険3レディース自体の評判は新契約数は鈍化しているものの、代理店経由での申込数・資料請求数は他社より多めのため評判は良さそうです。
総合評価・おすすめか?
結論としては、じぶんへの保険3レディースはイマイチな保険です。保険料は安く保障内容にはメリットもありますが、それよりはデメリットや注意点の方が大きいです。保険料が安い分だけデメリットも多いのか、はたまた少し保障内容が他社に遅れているとも考えられます。
この保険以外の他社の保険を検討する人で保険料重視なら、はなさく生命・オリックス生命あたりが候補になります。保障も重視する人は、チューリッヒ生命・なないろ生命あたりの女性向け医療保険も検討すると良いでしょう。