葬儀保険「みんなのキズナ」を比較・評価

- オススメ度:
- 保険会社:
- あんしん少額短期保険
- 名称:
- 葬儀保険みんなのキズナ
- 加入年齢:
- ~84歳
- 保障期間:
- 1年間
- 保障内容:
- 死亡で保険金
- 特徴:
- ご家族もひとりの私も安心
葬儀保険「みんなのキズナ」は、あんしん少額短期保険が2017年6月から募集・販売している少額短期保険です。保険金固定型と保険料一定型がありますが、2020年からは健康告知が無い無告知型も販売を開始しました。
それでは以下で、みんなのキズナの保障内容・保険料・評判等を解説し、他社の葬式・葬儀保険と比較していきます。
保障内容
まず、この保険に加入するには保険金固定型か保険料一定型なら、5つの健康告知に該当しない必要があります。告知項目は「現在、入院中か?」「入院の予定があるか?」「過去3ヶ月以内に入院を勧められたか?」の他に、過去2年以内と過去5年以内の既往歴についての質問があります。

他方で無告知型だと健康告知ではなく現在の状態についての2つの質問だけになります。「現在入院中ではなく、入院の予定は無く、余命宣告を受けていないか?」と「契約内容を理解し自著できるか?」です。加入前に既に疾患を持っている人でも加入できるようになっています。
保障内容は死亡すると死亡保険金が受け取れるというシンプルなものですが、死亡保険金の額は保険金固定型(無告知型含む)と保険料一定型で異なります。保険金固定型だと死亡保険金の額を契約時に自分で決めると、その額の保険金が何歳で死亡しても受け取れます。ただし、毎年の更新時に年齢に応じて支払う保険料が上昇します。

無告知型だと保険金額は30~300万円ではなく、10~100万円となっています。最高100万円までの範囲内で、10万円単位で設定できます。毎年の更新時に保険金額は減額できるため、100万円で契約しておいて時機を見計らって減額していくという手もあります。
保険料一定型は支払う保険料は契約時から死亡するまで同じで、1000~7000円のプランの中から選べます。保険料が一定の代わりに死亡時の保険金額が年々減少していきます。例えば保険料3000円プランに60歳男性が加入した場合、加入から1年以内に死亡すれば185万円の保険金が受け取れます。それが加入から5年目の死亡だと136万円、10年目だと97万円まで減ります。

3つの型は全て40~84歳までの人が加入でき、加入すると99歳まで更新ができます。ただし、80歳以上で新規加入する場合には保険金額が100万円以内のプランのみ加入できます。
保険料を他社と比較
この保険の保険金固定型プランの保険料は、性別・年齢・保険金額等で変動します。女性よりも男性の方が保険料は2倍近く高くなっています。契約時の年齢が高いほど保険料は高くなり、更新時にも年齢に応じて保険料は高くなります。無告知型も同様の仕組みですが、通常の保険金固定型よりも30%ほど保険料が高いです。
保険料一定型プランだと保険料は死亡・解約(更新しない)するまで変わりません。保険料は1000~7000円の範囲内で設定でき、7000円に近いほど死亡時に受け取れる保険金額は大きくなります。
次に保険料は他社より安いのか高いのか、下図で返戻率にして他社の葬式・葬儀保険と一覧表で比較しました。基本的に保険金額は100万、男性で60歳・70歳・80歳での契約を想定しました。各々のケースで85歳で死亡した場合の返戻率をシミュレーションして比較しました。

この保険の保険金固定型プランの返戻率は、平均値(60歳で65%・70歳で83%・80歳で175%)を上回っているため、他社と比べて保険料は安いといえます。ベル少短には一歩及びませんが、他社と比べてトップクラスの返戻率ではあります。
その一方で保険料一定型の返戻率は同じタイプの保険よりも返戻率は低いため、保険料は同じでもお得度(受け取れる保険金額が大きいか)では他社に劣ります。返戻率・保険料以外でメリットがあるのか、続いてメリットを記述していきます。
メリット
この保険のメリットは、まずは保険料一定型と無告知型がある点が挙げられます。保険料一定型プランは保険料が一定のため、高齢になっても保険料負担が軽いです。保険金固定型プランは高齢になると、自分が設定した保険金次第では月額保険料が数万円になります。保険料一定型プランなら保険料は数千円で済むため、長生きしても保険料が負担にはならず継続しやすいです。
無告知型があるのもメリットで、入院中・入院予定・余命宣告ありでなければ加入できます。他社にも健康告知が少ない保険はありますが、ここまで加入条件が緩い保険は珍しいです。さらに毎年の更新時に保険金額は減額できるのもポイントです。保険金100万円でも男性で79歳になると保険料は1万円を超えますが、50万円に減額すれば保険料は半額になります。50万円でも直葬(火葬のみ)や家族葬なら事足ります。
また、この保険には「保険金直接支払サービス」があります。あんしん少短が提携している葬儀社であれば、死亡すると保険金が葬儀社に葬儀費用として支払われます。もちろん残金があれば遺族が受け取れます。類似のサービスは他社にもありますが、この保険では「小さなお葬式」と協力して一歩踏み込んでいます。事前に葬儀プランを指定しておくと、死亡時には電話するだけで葬儀手配から費用の支払いまで完了できます。

さらに、リビングニーズ特約が付けられるのも地味に見逃せません。この特約を付けると余命6ヶ月宣告を受けると生存中でも保険金が受け取れます。定期保険・終身保険ではスタンダードな特約ですが、少額短期保険で付けられるケースは稀です。
ちなみに保険に加入すると「あんしん倶楽部」に無料で加入でき、無料の健康相談に加えて人間ドック・健診の優待割引や弁護士・税理士との無料相談サービスがあります。大手の保険会社なら特に珍しいサービスではありませんが、こういったサービスが無い少額短期保険業者の方が多いです。そのため無料の付帯サービスがあるのもメリットかもしれません。
デメリット・弱点・落とし穴
この保険のデメリットには、まずは保険期間が1年である点が挙げられます。保険金固定型だと保険料は毎年の更新の度に上昇し、高齢になるほど保険料負担が大きくなります。保険金100万円だと男性は82歳で月額保険料は1万円を超え、89歳で月額保険料は2万円も超え、99歳まで生存していると月額保険料は5万円です。月額保険料が1万円を超えた時点で貯金に切り替えれば、92歳時点で100万円が貯まる計算です。

無告知型だと一段と保険料が高くなる点に注意が必要です。保険金固定型よりも保険料は30%ほど高いため、保険料が1万円・2万円・・・になる年齢が早くなります。契約の途中で保険金の減額は可能ですが、保険金100万円から50万円に減額しても保険料は89歳で1万円を超えます。保険料を考慮すると30万円まで減額するのも手ですが、そうすると葬儀代として不足する可能性があります。
保険料一定型プランなら保険料が上昇する心配はありませんが、受け取れる保険金額に心配があります。保険料5000円プランでも76歳時点で保険金は100万円を下回り、87歳で30万円を下回るため葬儀費用に足りるのか不安があります。前述したように、他社の保険料一定型よりも返戻率が低く、同じ保険料を支払っても受け取れる保険金が少額なのも見逃せません。

ちなみに、あんしん少額短期保険は少額短期保険業者のため、保険会社と異なり契約者保護機構に加入していません。そのため経営破綻すると供託金を契約者等で分配するだけで、経営破綻すると保険金が受け取れない可能性もあります。
あんしん少短の親会社のアルファクラブ武蔵野は、埼玉県を地盤に関東と東海・東北の一部で冠婚葬祭の事業を営んでいます。親会社との協力で、あんしん少短は2023年にDMM少短と合併して、その後も数社を買収・合併しているため勢いはあります。しかし、SBIいきいき少短等のSBIグループ等と比べると企業グループの規模では見劣るするため、経営破綻の不安が無いか注視する必要があります。
評判・苦情・口コミ
あんしん少額短期保険の決算資料によると、正味収入保険料(保険会社でいう売上高)は11億円で、前年の8.5億円から30%増と好調でした。みんなのキズナを含む生命保険の正味収入保険料も9.6億円で、前年度の7.5億円から増加しているため、申込数・契約数等からすると評判は良いと考えられます。
ただ、契約数でいうと保険市場の「少額短期(死亡保険・葬儀保険)人気ランキング2025年7月版」では、みんなのキズナはランク外でした。価格.comの「葬儀保険の人気ランキング2025年8月更新版(申込数)」でも5位に入っていましたが、6社中で5位のため上位とはいえません。前述した親会社のアルファクラブ武蔵野傘下の代理店、グループ外の乗合代理店(281社)で得た契約が主と考えられます。

また、経営破綻の不安が無いか注視する必要があると既述しましたが、現在のところ不安はありません。他社には直近の年度で経常利益・純利益がマイナス(赤字)に陥っている少額短期保険業者がいますが、あんしん少短は2024年度に経常利益・純利益がプラス(黒字)に転じています。ソルベンシー・マージン比率も3228%に上昇しているため、今のところ少額短期保険業者にありがちな経営破綻のリスクは見えません。
その他に、調査会社のJ.D.パワーの生命保険満足度調査でもオリコンの生命保険顧客満足度ランキングでも、少額短期保険のためか調査の対象外でした。オリコンでは葬式保険・葬儀保険は、ランキング自体が存在していませんでした。
以上のデータから考えると、あんしん少額短期保険の評判も、みんなのキズナの評判も良さそうです。全体の契約数が伸びており、みんなのキズナの契約数も伸びているからです。各種の保険サイトでの申し込み数・資料請求数では不安がありますが、主に葬儀社経由のため不安はいらないでしょう。
総合評価・おすすめか?
結論としては、みんなのキズナは悪くない保険です。サービス内容を含むメリットがあり、保険金固定型プランなら返戻率から考えても十分に検討の余地があります。その一方で保険料一定型プランは返戻率では他社に劣るため、その分をメリットが上回るかは人によりそうです。
この保険以外で他社の保険も検討したい人は、返戻率を重視するならベル少短の「千の風」、アイアル少短の「みんなの葬儀」あたりを検討しても良いかもしれません。