チューリッヒ スーパー自動車保険+自転車向け特約/ 保険料・補償・評判を評価

チューリッヒ保険
オススメ度:
2
保険会社:
チューリッヒ保険
名称:
スーパー自動車保険+自転車向け特約
個人賠償:
3,000万円~
示談交渉:
あり
満足度:
4位(78.5点) / 19社中
特徴:
リーズナブルな保険料で業界最高レベルのロードサービスを提供

チューリッヒ自動車保険の特約なら自転車事故でも補償があるが!?

チューリッヒ保険には、通常の自動車保険であるスーパー自動車保険とネット専用自動車保険がある。ネット専用自動車保険の方が保険料は安いが、スーパー自動車保険ではないと付帯できる特約もある。今回はチューリッヒの自動車保険にある自転車向け特約の補償内容を公式HP等を元に解説する。メリット・デメリットを明らかにした後、他社と保険料・評判等を比較する。

まずスーパー自動車保険とネット専用自動車保険の違いだが、ネット専用は21歳以上から申し込み可能で、保険料はカード一括払いで契約は自動継続となる。その点、スーパー自動車保険は18歳以上なら電話・郵送での申し込みも可能で、保険料の支払方法もカードでのリボ払いや口座振替やコンビニ払いもできる。契約も継続通知書が手元に届くため解約するにも解約時期は明確となる。その他に代車特約や車内身の回り品特約などはスーパー自動車保険でのみ付帯できる。

チューリッヒ スーパー自動車保険の自転車向け特約(傷害特約・個人賠償特約)の概要・補償内容・保険金額・保険料など

代車特約等は自転車事故には無関係だが、自転車事故への備えとしては「傷害特約」は検討する価値がある。人身傷害で補償されるのは自動車に乗っていない時の自動車との事故、例えば自分が歩行中に車に轢かれた場合などに限られる。そのため自転車での単独事故等では保険金は受け取れないが、傷害特約なら自動車と無関係の事故でも保険金が受け取れる。自転車での単独事故の他、自転車同士の事故、自転車と人との事故で自転車に乗る自分もケガをしても保険金が受け取れる。

傷害特約は「本人のみ補償型」「夫婦のみ補償型」「家族補償型」の3つがある。基本的には自分の家族構成によって決めれば良いが、子供がいても必ずしも家族補償型を選択する必要は無い。なぜなら多くの自治体では就学前の子供は医療費・治療費が助成されるか無料となることが多く、自治体によっては中学生までは無料となることもあるからだ。保険料にして僅か数百円か数千円の違いだが、保険料の節約にはなる。また、なぜか家族補償型にすると入院保険金・手術保険金の金額は変わらないのに、死亡保険金額だけは半額になってしまう点も注意しておきたい。

その他に「個人賠償責任補償特約」と「弁護士費用等特約」も検討する必要がある。前者は数年前までは「くらしの損害賠償特約」という名称だったが、名称が変更されても内容は同じで、自転車事故の他に他人を怪我させた場合などで損害賠償の責任を負ったら利用できる。「弁護士費用等特約」は自転車に乗っていて自動車に追突された場合などで利用できる。ただ、チューリッヒの場合は自動車との事故に限定される点に注意が必要だ。

次に下図では各社の自動車保険に自転車事故向けの特約を付帯した場合の、補償内容・保険金額・入院一時金・入院日額・個人賠償補償の上限額等を比較した。評判が良いか悪いかは約4000人を調査対象にしたオリコンの自動車保険満足度調査、事故対応については国際的な調査機関のJDパワーの事故対応満足度を参考にした。保険料はブルー免許の21歳からゴールド免許の30歳・40歳・50歳・60歳まで、年間走行距離9000キロ以下(国交省の自動車輸送統計調査の平均値)・日常レジャー使用・新規6等級・東京在住・ホンダのNBOXというシミュレーションで比較した。

名称 ソニー損保 アクサ
ダイレクト
三井
ダイレクト
チューリッヒ
ネット専用
チューリッヒ
スーパー
セゾン
おとなの
自動車保険
SBI損保 東京海上 損ジャ
特約 個人賠償
おりても
アクサ安心 自転車賠償
ファミリー傷害
個人賠償 傷害特約
個人賠償
個人賠償
自転車傷害
自転車補償 サイクル 個人賠償
死亡保険金 500万 500万~
※搭乗者
3,000万~
※人身傷害
3000万~
※人身傷害
246万 500万 1,000万 300万 4~100%
入院一時金 - - - - - 10万 5万 1~100万 -
入院日額 5,000円※ 6,000円 5,000円 ケガ次第 2,500円 5,000円 - - ~2.5万
手術給付金 5~20万 ケガ次第 ケガ次第 ケガ次第 2.5~10万 - - - ケガ次第
個人賠償 3億 3000万 無制限 3000万~ 3000万~ 無制限 1億 1億 1億
弁護士 日常事故
含む
日常事故
含む
自動車関連
のみ
自動車関連
のみ
自動車関連
のみ
自動車関連
のみ
自動車関連
のみ
自動車関連
のみ
日常事故
含む
オリコン 1位 6位 13位 4位 4位 5位 14位 3位 9位
JDパワー 1位 9位 11位 10位 10位 5位 12位 4位 3位
21歳 \90,640 \74,290 \63,830 \68,650 \110,490 \98,670 \61,550 \72,660 \76,860
30歳 \52,410 \31,540 \27,440 \23,950 \40,870 \38,850 \37,250 \52,540 \55,270
40歳 \51,640 \31,830 \25,470 \24,750 \41,580 \34,850 \35,900 \46,150 \51,110
50歳 \51,690 \33,190 \24,250 \24,770 \41,900 \36,300 \35,180 \45,750 \50,860
60歳 \53,310 \33,600 \28,420 \25,380 \42,950 \37,830 \37,320 \48,020 \56,860
自動車保険に自転車特約の比較表(ソニー損保・アクサ・三井ダイレクト・チューリッヒスーパー・チューリッヒネット専用・セゾンおとなの自動車保険・SBI損保・東京海上・損保ジャパン)

上図で真ん中のチューリッヒ スーパー自動車保険の補償内容だが、基本的に傷害特約の数字を入れてある。そのため死亡保険金は他社より一段と低く見えるが、人身傷害保険を利用するなら他社と大差はない。同じく自転車向けの特約があるSBI・東京海上・セゾン等と比較すると、死亡保険金・入院日額の金額は小さい。ただ、手術給付金が存在し、さらに通院給付金があることを考えれば補償内容は一長一短というところかもしれない。個人賠償責任補償は3000万~1億まで調整できるため他社に劣る内容ではない。

オリコンの満足度調査からすると評判は良いが、JDパワーの事故対応満足度の評価は低くチグハグだ。その意味でも弁護士費用等特約は付帯させた方が賢明かもしれない。保険料を他社と比較すると平均より高めの金額といえる。補償が厚めと考えれば妥当な保険料とも考えられるが、それでも年齢層によっては差額が広がる点に注意したい。特に40代・50代だとセゾン おとなの自動車保険との差額が30代の頃より大きくなる。

以上のことから総合評価としては、悪くはないが中途半端な保険といえるかもしれない。自動車が絡まないケースでも補償を受けられ、手術保険金・通院保険金があるのも悪くはない。それでも同じ水準の補償がある他社よりも保険料が安いとはいえず、事故対応にも一抹の不安が残る。これならバランスを考慮してセゾンにするか、保険料の安さなら同じチューリッヒでもネット専用自動車保険、評判重視ならソニー損保にした方が潔いだろう。