三井ダイレクト 自動車保険+自転車向け特約/ 保険料・補償内容・評判を評価

三井ダイレクト
オススメ度:
2
保険会社:
三井ダイレクト損害保険
名称:
自動車保険 + 自転車向け特約
個人賠償:
無制限※自転車のみ
示談交渉:
あり
満足度:
13位(74.3点) / 19社中
特徴:
安心の事故対応を合理的な保険料で!

三井ダイレクトの自動車保険でも自転車事故に備えられるようになった!

三井ダイレクトはMS&ADグループ(三井住友海上・あいおいニッセイ)の1社で、通販型の自動車保険を販売している。今回は三井ダイレクトの自動車保険にある自転車向け特約の補償内容を公式HP等を元に解説する。メリット・デメリットを明らかにした後、他社の自転車特約を付加した自動車保険と保険料・評判等を比較する。

まず第一に抑えるポイントは、2020年以降の契約で商品改訂があった点だ。2019年まで三井ダイレクトの自動車保険には個人賠償責任補償が無く、自転車事故に備えることが不可能だった。しかし、2020年以降の契約なら「自転車賠償特約」が付加できるようになった。今から新たに契約する人は問題ないが、現在契約中の人は契約内容を変更する等の手続きが必要だ。

三井ダイレクト 自動車保険の自転車向け特約の概要・補償内容・保険金額・保険料など

その「自転車賠償特約」だが、その名の通り自転車の運転中に他人をケガさせたり物を壊した時に補償され、契約者だけでなく家族の事故まで対象となる。補償額は対人・対物補償の額と同額のため多くの人が無制限となる。注意すべきは自転車事故に限られる点で、子供が物を投げて他の子供を失明させた等の事故は補償の対象外となる。こういった事故までカバーするなら個人賠償責任補償が付帯できる自動車保険を検討した方が良い。

事故の相手方ではなく自分・家族のケガについては、「人身傷害補償保険」で搭乗中のみ補償特約を付けなければカバーできる。人身傷害は家族も対象となるため、家族も含めてケガの治療費には備えられる。さらに「ファミリー傷害特約」をつければ、ケガをして入院・通院した時に給付金を受け取れる。ワイドタイプは自宅内外での事故を補償し、アウトドアタイプなら自宅外での事故のみ補償する。自転車事故のみが目的ならアウトドアタイプで十分だが、子供が小さいならワイドタイプも検討の余地はある。

次に下図では各社の自動車保険に自転車事故向けの特約を付帯した場合の、補償内容・保険金額・入院一時金・入院日額・個人賠償補償の上限額等を比較した。評判が良いか悪いかは約4000人を調査対象にしたオリコンの自動車保険満足度調査、事故対応については国際的な調査機関のJDパワーの事故対応満足度を参考にした。保険料はブルー免許の21歳からゴールド免許の30歳・40歳・50歳・60歳まで、年間走行距離9000キロ以下(国交省の自動車輸送統計調査の平均値)・日常レジャー使用・新規6等級・東京在住・ホンダのNBOXというシミュレーションで比較した。

名称 ソニー損保 アクサ
ダイレクト
三井
ダイレクト
チューリッヒ
ネット専用
イーデザイン
損保
セゾン
おとなの
自動車保険
SBI損保 東京海上 共栄火災
特約 個人賠償
おりても
アクサ安心 自転車賠償
ファミリー傷害
個人賠償 入院諸費用
個人賠償
個人賠償
自転車傷害
自転車補償 サイクル 個人賠償
自転車補償
死亡保険金 500万 500万~
※搭乗者
3,000万~
※人身傷害
3000万~
※人身傷害
3,000万~
※人身傷害
500万 1,000万 300万 300万
入院一時金 - - - - - 10万 5万 1~100万 3~72万
入院日額 5,000円※ 6,000円 5,000円 ケガ次第 ケガ次第 5,000円 - - -
手術給付金 5~20万 ケガ次第 ケガ次第 ケガ次第 ケガ次第 - - - -
個人賠償 3億 3000万 無制限 3000万~ 1億円 無制限 1億 1億 2億
弁護士 日常事故
含む
日常事故
含む
自動車関連
のみ
自動車関連
のみ
自動車関連
のみ
自動車関連
のみ
自動車関連
のみ
自動車関連
のみ
日常事故
含む
オリコン 1位 6位 13位 4位 8位 5位 14位 3位 2位
JDパワー 1位 9位 11位 10位 2位 5位 12位 4位 対象外
21歳 \90,640 \74,290 \63,830 \68,650 \105,960 \98,670 \61,550 \72,660 \129,550
30歳 \52,410 \31,540 \27,440 \23,950 \36,730 \38,850 \37,250 \52,540 \80,730
40歳 \51,640 \31,830 \25,470 \24,750 \37,290 \34,850 \35,900 \46,150 \72,700
50歳 \51,690 \33,190 \24,250 \24,770 \38,990 \36,300 \35,180 \45,750 \72,530
60歳 \53,310 \33,600 \28,420 \25,380 \38,990 \37,830 \37,320 \48,020 \76,330
自動車保険に自転車特約の比較表(ソニー損保・アクサ・三井ダイレクト・チューリッヒ・イーデザイン損保・セゾンおとなの自動車保険・SBI損保・東京海上・共栄火災)

上図で左から3番目の三井ダイレクトだが、2020年1月以降の契約から自転車事故に備えられるため弱点は消え去った。自転車事故に限定されるが、補償額も無制限となりセゾンに並ぶ水準になった。ただ、弁護士特約は自動車だけに適用されるなど細かい穴は残ってはいる。オリコンの顧客満足度調査では19社中で13位と低く、数年前は2~3位だったため一気に評判が落ちたといえる。JDパワーの事故対応満足度では数年前も10位で、現在も11位のため大きな変動は無い。事故対応には大して期待できないままだが、細かい改訂をしているため再び評判が良くなる可能性はある。

保険料を他社と比較すると総じて安い部類に入る。保険料が最安値のチューリッヒに肉薄する安さで、50歳なら三井ダイレクトの方が僅かに安いこともある。ただ、前述したファミリー傷害特約を付加させると保険料は4000円ほど上昇してしまう。それでも他社と比べて十分に安いのだが、安くない補償である点は忘れずにおきたい。

以上のことから総合評価としては、三井ダイレクトで自転車事故に備えるのは悪くないといえる。自転車賠償特約により自転車事故に備えられ保険料も相当に安いからだ。ファミリー傷害で自分・家族のケガの補償を手厚くできるのも悪くないだろう。ただ、顧客満足度・事故対応で不安な面もあり、これらが保険料の安さと引き換えになる可能性も十分に考えておきたい。