損害保険 解説・用語集
最新版・通販型自動車保険シェア!
別ページの「自動車保険のシェア」では、損害保険だけでなく自動車保険においても「三大メガ損保」だけで90%以上のシェアを占めていると記述した。さらに三大メガ損保の中でも、東京海上HDにはイーデザイン損保、MS&ADには三井ダイレクト、NKSJにはそんぽ24が通販型として存在する。3大メガ損保の中から、それらを取り出して、通販型自動車保険(ダイレクト自動車保険)の各社の2013年決算の売上(元受正味保険料)と、その中での自動車保険の売上を見てみる。
各社の2013年の決算・開示資料を並べてみると、トップはCM・HPでも標榜している通りソニー損保が1位で、通販型自動車保険の中ではシェアが29%とトップだ。次いで外資系のアクサ、MS&AD傘下の三井ダイレクト、外資のチューリッヒが300億円台で拮抗している。少し離れてSBI損保・アメホ・そんぽ24が続いている。
ちなみに、通販型の損害保険会社は、代理店系と異なり自動車保険が全体の大半を占めている。例えば、ソニー損保の825億円の中で90%の744億円が自動車保険だ。そんな中、アメリカンホームは自動車保険の比率が低く、医療保険に注力している変り種といえそうだ。
少し逸れてしまったが、上図の通販型自動車保険を合算すると、総額では2,549億円となる。これを3大メガ損保の自動車保険の売上と並べてみた。この場合、メガ損保各社が持つ通販型自動車保険の売上は、メガ損保の売上から差し引いて通販型に加算した。
上図の円グラフから分かるように、代理店経由で申し込む3大メガ損保の自動車保険の売上が1兆円超なのに対して、通販型の自動車保険は合算しても2,500億円と各社の4分の1程度でしかない。比率で見ても10%以下と非常に低い。未だに自動車保険は代理店(ディーラーや自動車販売会社含む)が主流と分かる。
通販型の自動車保険はCMなどで知名度こそ上昇しているが、依然として少数派であり始まったばかりといえる。実際、歴史も浅く、事故対応でも決して満足度が高いとはいえない。通販型自動車保険は確かに保険料は安いが、契約する側としては依然として成熟したサポートが受けられない可能性も覚えておく必要がある。