損害保険 解説・用語集

自動車事故に遭う確率は実は高い?

自動車事故に合う確率は、一般的には万が一と言われており、宝くじで高額当選するよりは確率が高いが、遭遇する可能性は低いと言われている。しかし、そのわりに周囲には自動車事故を経験した人は多くないだろうか。それでは、実際にドライバーが一生のうちに自動車事故に合う確率は何%なのかを計算してみよう。さらに自動車事故を起こす可能性(加害者になる可能性)も計算してみた。

まず、警察庁が公表する免許保有者の約8,100万人をベースに、1年間の自動車事故発生件数の約65万件から計算する。すると、65万÷8,100万=0.8%が1年間で事故にあう確率となる。その逆の99.2%が1年間で自動車事故に合わない確率はとなる。

この数字を元に、仮に運転免許が取得できる18歳から平均寿命の82歳手前の70歳まで運転すると、運転歴は約50年となる。すると、99.2%×99.2%×99.2・・・(50乗)すると66.9%となる。この66.9%が運転開始から臨終までに事故に遭遇しない確率となる。逆に33.1%の確率で一生のうちに1回は自動車事故に遭遇することになる。

しかし、これだけでは十分とはいえないだろう。なぜならほぼ運転をしないペーパードライバーがいるからだ。ドライバー調査(マイナビ調べ)では、運転免許保有者のうち「自家用車を保有していない人」は免許保有者の中で37.6%となっている。この37.6%が免許保有者のうちペーパードライバーの比率に近いだろう。自家用車がある人には、自分名義ではなく一家に一台でもあれば自動車保有者に含まれているため、実際よりも少し甘めな数字ではある。

少し甘めではあるが計算を続けよう。免許保有者の8,100万人から自家用車を持たない人(ほぼペーパードライバー)の37.6%を除くと、約5,000万人が実際に日常的に運転している人の数となる。前段と同じように計算(65万÷5,000万の50乗)すると、一生のうちに事故に合わない確率は約52%、事故に合う確率は約48%まで跳ね上がる。すなわち、日常的に自動車を運転している人は48%の確率で何らかの事故に合う=日常的ドライバーのうち48%の人が事故を経験することになる。これで、実感として自動車事故を経験している人が多いのに納得がいくのではないだろうか。

別の視点からも考えてみよう。前述したように、自動車事故は年間65万件発生しているわけだが、その内訳を「自動車と人」「自動車と自動車」「単独事故」「自動車と列車」に分けると、「自動車と自動車」がダントツの約87%、「自動車と人」が約9%で残りが4%だ。自動車と自動車の事故の場合、加害者・被害者で最低でも2人が事故に巻き込まれている。つまり、65万件の87%である約56万件が自動車同士の事故であり、その2倍の112万人が1年間で加害者か被害者のいずれかの立場で、自動車事故に巻き込まれていることになる。

一生のうちに何度も自動車事故をする人は少ないとすれば、1年間で事故に合う人は前述の112万人となる。これを50年間で事故に遭遇する人にすると最大5,600万人となる計算だ。これを免許保有者の8,100万人に当てはめると5,600÷8,100=約69%となる。つまり一生のうちに自動車事故に遭遇する確率は69%ということだ。69%を単純に加害者と被害者で分ければ、加害者となる確率は約35%となる。この計算なら免許保有者の35%、すなわち3人に1人が自動車事故を起こす加害者になる計算だ。

以上のように、計算上では自動車事故に遭遇する可能性、加害者になる可能性は低くはない。その意味では自動車保険の必要性に疑いようは無い。しかし、無駄に手厚い保険を選ぶ必要もない。事故の中身を見れば軽い事故で済んでいるケースも多く、手厚い保険も掛け捨てが主流の自動車保険では無駄銭になる可能性がある。やはり賢く保険料を抑えて、自動車保険に加入するしかないということだ。