損害保険 解説・用語集

最新版・自動車保険のシェア!

損害保険は、電機メーカー等の他業界よりも業界再編が進んでおり、現在は「三大メガ損保」と呼ばれるMS&AD(三井住友海上&あいおい)・東京海上HD・NKSJ(日本興亜&損保ジャパン)が90%以上のシェアを誇っている。これは自動車保険業界でも同様で、通販型自動車保険が台頭してきているとはいえ、ほぼ3社で寡占状態にあると言っていい。

自動車保険市場の規模とシェア

まず、損害保険業界の市場規模だが、自動車保険だけでなく火災保険・傷害保険等も含めれば、損保協会の2013年度の集計では約8兆円となっている。その中で自動車保険は約3兆5千億円(自賠責を含めれば4兆5千億円)であり、損害保険の大半を自動車保険が占めていることになる。それを3大メガ損保で分け合っており、元受正味保険料で計算すると3社で市場の97%を占める計算だ。その中でもMS&AD(三井住友・あいおい)が37%、次いで東京海上が31%、NKSJ(日本興亜・損ジャ)が29%で、MS&ADが5~6%だけシェアで他2社を上回り業界トップとなっている。

3社の内の2社が合併・統合すれば、残り1社を圧倒して潰せば損保業界を牛耳れるとも考えられるが、これ以上は「独占禁止法(独禁法)」の観点から厳しいだろう。独禁法のガイドラインでは、1社で50%以上のシェア、もしくは2社で75%のシェアになると、同法に抵触するとされている。現在は3社とも50%は超えておらず、シェアでワンツーのMS&ADと東京海上を合算してもシェアは68%で、規定の75%には及ばない。現在は絶妙のバランスであり、三国志のような三つ巴のシェア争いが継続することが予想される。

また、現在では大量のCM投下などで知名度を上げている通販型自動車保険(ダイレクト型自動車保険)だが、実際は3社の間隙を縫ってシェアを獲得しているに過ぎないことが分かる。さらにいえば、イーデザイン損保は東京海上HDの傘下であり、三井ダイレクトはMS&ADの傘下、そんぽ24はNKSJの傘下であることを鑑みれば、独立系のソニー損保、外資系のアクサ・チューリッヒ等が、3大メガ損保を除いた3~5%の市場で健闘しているといえる(他ページの通販型自動車保険のシェアも参照)

とはいえ、契約する側からすればシェアなど関係ない。如何に事故対応が充実した保険を選び、可能な限り保険料を安くするか?という点だけ考えればいいだろう。