共栄火災 KAPくるまる+自転車向け特約/ 保険料・補償内容・評判を評価

共栄火災海上保険
オススメ度:
1
保険会社:
共栄火災
名称:
KAPくるまる+自転車向け特約
個人賠償:
2億円
示談交渉:
あり
満足度:
2位(75.5点) / 19社中
特徴:
あなたやご家族を守り続ける、いつでも安心できる自動車保険

共栄火災 自動車保険KAPくるまるは保険料が最大のネック!?

共栄火災海上保険は農協や中小企業を中心に顧客を持ち、現在は東京海上グループの一員となっている。今回は共栄火災の自動車保険にある自転車向け特約の補償内容を公式HP等を元に解説する。メリット・デメリットを明らかにした後、他社の自転車特約を付加した自動車保険と保険料・評判等を比較する。

共栄火災の自動車保険では、人身傷害保障は基本補償で車内外の事故が補償の対象となる。他社のように車内のみ補償特約は存在しないため、自分が自転車に乗っていて自動車と事故に遭っても人身傷害補償によって保険金が受け取れる。自転車事故に備えて検討すべき特約は「自転車傷害補償特約」「日常生活個人賠償責任補償特約」「弁護士特約」の3つで、どの特約も本人だけでなく家族も対象となる。

共栄火災 自動車保険KAPくるまるの自転車向け特約(日常生活個人賠償責任補償特約・自転車傷害補償特約など)の概要・補償内容・保険金額・保険料など

まず「自転車傷害補償特約」だが、人身傷害では自動車が無関係の事故で怪我をしても保険金は受け取れない。この特約を付帯させると、自転車での単独事故、自転車同士の事故で怪我をしても医療保険金が受け取れることになる。ただし、医療保険金が受け取れるのは入通院が5日以上の怪我で、怪我の程度によって保険金額も3~72万円まで変動する。他社より特に厳しい条件ではないが、怪我をしても3万円しか受け取れない可能性もある点は一応は覚えておく必要がある。

「個人賠償責任特約」は自転車事故で加害者となって高額な損害賠償請求をされた時に保険金が受け取れる特約だ。共栄火災には数年前は存在せず示談交渉サービスも無かった。それが2億円まで補償され示談交渉もしてくれるようになった。これで賠償額が9000万円になることもある自転車事故に備えられる。「弁護士特約」は過失割合ゼロのもらい事故で保険会社が示談できない時に利用できる他、共栄火災は日常生活での事故までカバーされるため自転車事故で被害者となっても利用できる。例えば、自分や家族が歩道を歩行中に後ろから自転車に激突された等だと保険会社は自動車と無関係のため示談してくれない。その点、共栄火災の弁護士特約だと自動車と無関係でも利用できる。自分や家族が加害者ではなく被害者となった場合に活躍する特約ということだ。

次に下図では各社の自動車保険に自転車事故向けの特約を付帯した場合の、補償内容・保険金額・入院一時金・入院日額・個人賠償補償の上限額等を比較した。評判が良いか悪いかは約4000人を調査対象にしたオリコンの自動車保険満足度調査、事故対応については国際的な調査機関のJDパワーの事故対応満足度を参考にした。保険料はブルー免許の21歳からゴールド免許の30歳・40歳・50歳・60歳まで、年間走行距離9000キロ以下(国交省の自動車輸送統計調査の平均値)・日常レジャー使用・新規6等級・東京在住・ホンダのNBOXというシミュレーションで比較した。

名称 ソニー損保 アクサ
ダイレクト
三井
ダイレクト
チューリッヒ
ネット専用
イーデザイン
損保
セゾン
おとなの
自動車保険
SBI損保 東京海上 共栄火災
特約 個人賠償
おりても
アクサ安心 自転車賠償
ファミリー傷害
個人賠償 入院諸費用
個人賠償
個人賠償
自転車傷害
自転車補償 サイクル 個人賠償
自転車補償
死亡保険金 500万 500万~
※搭乗者
3,000万~
※人身傷害
3000万~
※人身傷害
3,000万~
※人身傷害
500万 1,000万 300万 300万
入院一時金 - - - - - 10万 5万 1~100万 3~72万
入院日額 5,000円※ 6,000円 5,000円 ケガ次第 ケガ次第 5,000円 - - -
手術給付金 5~20万 ケガ次第 ケガ次第 ケガ次第 ケガ次第 - - - -
個人賠償 3億 3000万 無制限 3000万~ 1億円 無制限 1億 1億 2億
弁護士 日常事故
含む
日常事故
含む
自動車関連
のみ
自動車関連
のみ
自動車関連
のみ
自動車関連
のみ
自動車関連
のみ
自動車関連
のみ
日常事故
含む
オリコン 1位 6位 13位 4位 8位 5位 14位 3位 2位
JDパワー 1位 9位 11位 10位 2位 5位 12位 4位 対象外
21歳 \90,640 \74,290 \63,830 \68,650 \105,960 \98,670 \61,550 \72,660 \129,550
30歳 \52,410 \31,540 \27,440 \23,950 \36,730 \38,850 \37,250 \52,540 \80,730
40歳 \51,640 \31,830 \25,470 \24,750 \37,290 \34,850 \35,900 \46,150 \72,700
50歳 \51,690 \33,190 \24,250 \24,770 \38,990 \36,300 \35,180 \45,750 \72,530
60歳 \53,310 \33,600 \28,420 \25,380 \38,990 \37,830 \37,320 \48,020 \76,330
自動車保険に自転車特約の比較表(ソニー損保・アクサ・三井ダイレクト・チューリッヒ・イーデザイン損保・セゾンおとなの自動車保険・SBI損保・東京海上・共栄火災)

上図で1番右の共栄火災の補償内容だが、他社の自転車特約がある自動車保険と比較すると死亡保険金は低めで、入院給付金・手術給付金も無い。ただ、入院一時金も最低額は少ないが怪我の程度によっては72万円まで保険金が増額されるため一応は機能しているといえる。個人賠償責任補償は上限額が2億円で他社より高いが、現在までの自転車事故の賠償額は1億円以下のため2億円という金額に大きな意味はない。

オリコンの顧客満足度は19社中2位と高評価のため、評判は上々といえるだろう。ただ、JDパワーの事故対応満足度調査では調査対象外のため、肝心の事故対応(自転車事故で加害者となった場合の示談)がどうなるかは一抹の不安はある。保険料は他社と比較すると明らかに高額で、チューリッヒと比較すると3倍近い保険料の差がある。同じ代理店型の損保の東京海上と比較しても高いため、もともと保険料は高いと諦めるしかない。

以上のことから総合評価としては、悪くはないが保険料がネックのためイマイチな保険といえる。さすがに保険料の他社との差額が看過できるレベルではない。満足度の高さから評判の良い保険と考えることもできるが、同じく高評価のソニー損保や東京海上の方が保険料は安い。これらより評判は1段落ちるが、セゾンなら保険料を一段と安くすることもできる。何にせよ自転車補償も兼ねた自動車保険が欲しいなら、これを機に他社の自動車保険にも目を向けた方が良いだろう。