JA共済 自動車共済クルマスター+自転車向け特約/ 保険料・補償・評判評価

JA共済 クルマスター
オススメ度:
1
保険会社:
JA共済
名称:
自動車共済クルマスター+自転車向け特約
個人賠償:
-
示談交渉:
-
オリコン:
対象外 / 19社中
特徴:
安心の充実保障と頼れるサービスが、納得の共済掛金で

JA共済 クルマスターには個人賠償特約が無く自転車事故の備えには不十分!?

JA共済は、JA(農協)の中で各種共済(保険)分野を担っている。千円~1万円程度の出資金を預けて組合員となれば誰でも利用できる。今回はJA共済クルマスターにある自転車向け特約の補償内容を公式HP等を元に解説する。メリット・デメリットを明らかにした後、他社の自転車特約を付加した自動車保険と保険料・評判等を比較する。

JA共済の自動車共済の人身傷害保障は、基本補償で車内外の事故が補償の対象となっている。そのため他社のように何かせずとも車内外での自動車との事故は補償される。特約は複数あるが自転車専用の特約は存在しない。数年前まで存在した歩行中自動車事故傷害保障特約は無くなり、その代わりに傷害定額給付保障(特約)がある。

JA共済クルマスターの自転車向け特約(歩行中自動車事故傷害保障など)の概要・補償内容・保険金額・保険料など

傷害定額給付保障は歩行中・自転車に乗っている時の自動車との事故で死亡・怪我となると共済金が受け取れる特約だ。人身傷害補償でも事故で補償が受けられるが、自分が思っているよりも受け取れる金額が少ない可能性があるが、死亡で300万円、怪我の治療で1万か10万円が確実に受け取れることになる。ただし、自転車と自動車の事故は補償対象だが、自転車と人の事故や自転車での単独事故は補償されない点に注意したい。

「弁護士特約」は過失割合ゼロのもらい事故で活躍する特約だが、自転車に乗っていても過失割合ゼロになる可能性はあるため付帯するに越したことはない。また、後述するように事故対応満足度には未知数な面があるため、弁護士特約があれば自転車ではなく自動車で事故を起こした時でも安心感がある。被害者ではなく自転車事故の加害者となった場合の補償だが、全労済や保険会社と異なりJA共済には個人賠償責任補償が存在しない。個人賠償責任補償が無い以上は自転車事故への備えとしては不十分だ。

次に下図では各社の自動車保険に自転車事故向けの特約を付帯した場合の、補償内容・保険金額・入院一時金・入院日額・個人賠償補償の上限額等を比較した。評判が良いか悪いかは約4000人を調査対象にしたオリコンの自動車保険満足度調査、事故対応については国際的な調査機関のJDパワーの事故対応満足度を参考にした。保険料はブルー免許の21歳からゴールド免許の30歳・40歳・50歳・60歳まで、年間走行距離9000キロ以下(国交省の自動車輸送統計調査の平均値)・日常レジャー使用・新規6等級・東京在住・ホンダのNBOXというシミュレーションで比較した。

名称 ソニー損保 アクサ
ダイレクト
三井
ダイレクト
チューリッヒ
ネット専用
イーデザイン
損保
セゾン
おとなの
自動車保険
SBI損保 JA共済 全労済
特約 個人賠償
おりても
アクサ安心 自転車賠償
ファミリー傷害
個人賠償 入院諸費用
個人賠償
個人賠償
自転車傷害
自転車補償 傷害定額 交通事故
自転車賠償
死亡保険金 500万 500万~
※搭乗者
3,000万~
※人身傷害
3000万~
※人身傷害
3,000万~
※人身傷害
500万 1,000万 300万 5000万~
入院一時金 - - - - - 10万 5万 1万or10万 -
入院日額 5,000円※ 6,000円 5,000円 ケガ次第 ケガ次第 5,000円 - - ケガ次第
手術給付金 5~20万 ケガ次第 ケガ次第 ケガ次第 ケガ次第 - - - ケガ次第
個人賠償 3億 3000万 無制限 3000万~ 1億円 無制限 1億 - 1億
弁護士 日常事故
含む
日常事故
含む
自動車関連
のみ
自動車関連
のみ
自動車関連
のみ
自動車関連
のみ
自動車関連
のみ
自動車関連
のみ
交通事故
全般
オリコン 1位 6位 13位 4位 8位 5位 14位 対象外 対象外
JDパワー 1位 9位 11位 10位 2位 5位 12位 対象外 対象外
21歳 \90,640 \74,290 \63,830 \68,650 \105,960 \98,670 \61,550 \92,110 \90,810
30歳 \52,410 \31,540 \27,440 \23,950 \36,730 \38,850 \37,250 \50,550 \65,120
40歳 \51,640 \31,830 \25,470 \24,750 \37,290 \34,850 \35,900 \46,140 \58,210
50歳 \51,690 \33,190 \24,250 \24,770 \38,990 \36,300 \35,180 \45,370 \57,100
60歳 \53,310 \33,600 \28,420 \25,380 \38,990 \37,830 \37,320 \46,020 \58,060
自動車保険に自転車特約の比較表(ソニー損保・アクサ・三井ダイレクト・チューリッヒ・イーデザイン損保・セゾンおとなの自動車保険・SBI損保・JA共済・全労済)

上図で右から2番目のJA共済の補償内容だが、死亡保険金は特約の金額であり人身傷害保険の金額であれば他社と同等になる。それ以外では入院一時金についてだが、1万円か10万円だと他社よりも少なく見えるかもしれない。しかし、他社は5日以上の入院で入院一時金が受け取れるのに対して、JA共済は入院が5日未満でも1万円が受け取れるためJA共済の方が補償は手厚いといえる。とはいえ個人賠償責任補償が付帯できず、もちろん個人賠償に示談交渉サービスも付帯していない点は大きい。

オリコンの顧客満足度・JDパワーの事故対応満足度調査では対象外のため評判が良いかどうかは不明だ。ただ、JA共済はあくまで農協がベースであり保険会社ではない。相応の知見は貯まっているかもしれないが、その点を考慮すれば事故対応に期待を持つ無理な話だ。保険料は他社と比較すると高額な部類に入る。ネット系損保との差額は2万円近くあるため保険料面でのメリットは見受けられない。

以上のことから総合評価としては、自転車事故に備えるにはオススメしない保険だ。自転車事故に備えるには補償内容が不十分であるのに加えて保険料も高いからだ。自転車事故に備えたいなら、自動車保険ごと他社に乗り換えるか、単体の自転車保険ないしは火災保険などに個人賠償特約を付帯するしかない。